本会議では健康保険法等改正案を中心に、OTC類似薬の保険給付見直し、高額療養費制度の見直し、出産・不妊治療に係る保険給付の見直し、協会けんぽ・後期高齢者医療制度等の財政措置など多岐にわたる論点が議論されました。小西洋之委員、白川容子委員、天畠大輔委員、川村雄大委員、山内佳菜子委員、岩本麻奈委員、秋野公造委員、芳賀道也委員、新実彰平委員、本田顕子委員、自見はなこ委員らが質疑を行い、上野賢一郎大臣、間隆一郎政府参考人、森光政府参考人らが答弁しました。負担増による受診控えやセーフティーネット機能への影響、制度見直しの立法事実や議論プロセスの丁寧さ、産科・小児科等の医療提供体制の維持といった懸念が示される一方、制度の持続可能性確保や応能負担徹底の観点から見直しの必要性を説明する答弁がなされました。
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OTC類似薬保険給付見直しに伴う処方シフト・医薬品供給不足への懸念と配慮措置
OTC類似薬の保険給付見直しをめぐり、対象範囲や定義は成分・投与経路が同一で最大用量が異ならない医療用医薬品七十七成分とされ、詳細は今後厚生省令等で慎重に検討する方針が示されました。芳賀道也委員は、負担増を避けるための処方シフトにより保険適用医薬品が不足するおそれや不公平を懸念し、大臣は不必要な処方シフトや供給不足が生じないよう周知し、施行後は処方数の前後比較で状況を把握すると答弁しました。白川容子委員は要配慮者以外の花粉症患者等現役世代の負担増を、天畠大輔委員は患者窓口負担が30%から47.5%に引き上がり対象患者が数千万人規模に及ぶ点を指摘し反対しました。政府参考人は、ぜんそく治療薬やアトピー性皮膚炎・がん患者の保湿剤等について医師が医療上必要と認める場合は別途負担の対象外とする方向で検討し、現場判断の幅を抑えるため国が基準を示す方針を説明しました。大臣は、がんや難病患者、子供、長期使用が医療上必要な場合の配慮や、ドラッグストア薬剤師による受診勧奨など受診控え防止策の検討を答弁し、制度施行に向けては現場の説明負担軽減のための資材・広報支援を国が行う方針も示されました。医療費削減効果は約900億円と算定されています。
命と健康の問題に直結する医療政策において見切り発車は絶対に禁物と強く申し上げまして、次に行きます。
現役世代の花粉症患者にとっては大きな負担となります。
この様々なぜんそくに処方されるOTC類似薬、追加負担を求めることは命を守ることを最優先とする医療保険の上で問題があるのではないかと思いますが
医療保険制度の持続可能性の確保のために必要な取組であると認識をしております。
是非、医学、薬学の専門的見地に立って、慎重かつきめ細やかな方法と手順を踏んでいただきたいと思います。
本制度においては、引き続き必要な受診が確保されるよう、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と認める方などについては新たな別途の負担を求めないなどの配慮を検討しております。
本議論では、OTC類似薬見直しに関する立法事実と三党合意の扱いが論点となりました。小西議員は高額療養費と国民医療費の伸び率比較(119%対110%)がコロナ影響を無視した不適切な立法事実だと批判し、上野大臣は医療費の伸びの考え方の相違を示しつつ長期療養者への配慮の重要性は認めました。秋野公造委員(スコア0.00、反対)は、イトプリド塩酸塩について妊婦に代替性がなく特別負担の対象外とすべきと確認を求め、大臣が七十七成分に含まれることをもって代替性ありとした独自解釈に対し、代替性は成分のみで決まらずアクセス不能な妊婦には代替性がないと反論しました。秋野委員は三党合意が尊重されていないと追及し、大臣は政党間合意への言及を控える一方、自民党・維新の政権合意が立法事実の直接の根拠と答弁しました。秋野委員は前日説明との乖離を指摘し議論継続を表明しました。白川氏は自民党・維新の政調会長間合意で対象77成分・約1100品目が決定された経緯を確認し、天畠氏は見直しの趣旨とされる医療用医薬品とOTC服用患者間の公平性確保の妥当性に疑問を示しました。
大臣、むちゃくちゃな御答弁です。成分が入っているから代替性があるというお考えは、そもそものこの法案の説明の中にはないはずです。取り消した方がいいと思います。
OTC類似薬見直しに伴う長瀬効果・受診抑制の有無をめぐり、秋野公造委員は直近資料で長瀬効果の文言が削除され受診抑制はないと説明されている点を問題視し、過去資料の定義では給付率低下により受診率低下・日数減少が生じるはずだと追及しました。大臣は実効給付率の変化による医療費増減効果を機械的に計算した予算積算上の数字であると説明し、過去に受診抑制が見られないケースもあったとしつつ、今後の受診行動への影響を注視すると答弁しました。厚労省は受診抑制という表現は用いないものの、2回目以降のOTC移行という行動変容による約300億円強の給付削減を見込むとし、軽微な症状での負担増による行動変容促進を一部肯定的に捉える見解も示されました。天畠議員は自己負担引上げによる受診控え・医療離れと重症化のおそれ、保険料軽減見込みが年間約400円にすぎない点、首都圏ドラッグストアでの負担額問い合わせ利用者の実態を指摘しました。大臣は一律のセルフメディケーション切替えは求めず必要な受診を確保するとし、制度改正の趣旨・基準の周知徹底とドラッグストア等への影響の注視を答弁しました。
本テーマでは、かかりつけ薬剤師指導料について算定回数のノルマ化等への批判を踏まえ、当該指導料を廃止し、電話確認や訪問管理といった対人業務の実績を評価するフォローアップ加算・訪問加算を新設する方向性が議論されました。新実彰平氏はこの転換について賛成の立場を示し、旧指導料の廃止と実績評価への転換を歓迎する旨を明言しました。
ようやく廃止をされて、実質的行為への加算にリニューアルをされたことは歓迎をいたしたいというふうに思います。
本テーマでは、がん患者等の収入・生活実態に関する調査データを制度設計に反映していないことへの批判が議論されました。川村雄大委員は、自身が担当した患者(GIST罹患)の退職や多数回該当のリセット等の実例を紹介し、国立がんセンター等の調査で患者の24.2%が金銭負担により生活に影響を受け、収入減少は38.6%に上るとするデータや、横断調査で69%が経済負担により治療選択に影響を受け、4.8%が治療を断念したとするデータを示しました。その上で、治療開始後の収入変動を高額療養費の所得区分に加味すべきと提起し、治療開始後の収入減少について試算していないとの過去答弁を挙げ、政府が闘病による収入減の統計データを把握していたにもかかわらず制度設計に反映しなかったとしてEBPMに反すると批判しました。これに対し上野賢一郎氏は、専門委員会において延べ二十超の事例や家計調査資料を用いて丁寧に議論したと答弁し、データ軽視の批判に反論しました。
闘病に係って収入が減るという事実を過去の統計データから政府は承知していたにもかかわらず、破滅的医療支出になり得る方が非常に多くなる制度設計であるということが医療経済学者等々から示されているにもかかわらず、それを反映させないで、金額ありきでこの制度をつくってしまったということ自体が、私はどうしても、患者さんの不安の声には全く応えることにはなっていないというふうに思っております。
所得区分、年齢、疾病、教育費を含む家計への影響ですとか、受診抑制や重症化が本当にあったのかなかったのか、健康格差が起きていないのかということを把握するような実態調査のようなものが行われるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
専門委員会におきまして、今委員から御紹介がありましたけれども、関係者からヒアリングを行うとともに、家計への様々な影響を検討するため、延べ二十を超える様々な事例あるいは家計調査を用いた資料、こうしたものを提出をし、御議論をいただいてきたところであります。
本テーマについては要点の抽出はありませんでしたが、発言者のスタンスとして、上野賢一郎氏はスコア0.25で、現行対応で十分と判断し追加支援に消極的で状況注視に留める立場を示しました。白川容子氏はスコア0.75で、雇用調整助成金の要件緩和・助成率引上げを求め、支援拡充に賛成の姿勢を示しました。芳賀道也氏はスコア0.90で、コロナ時同様の補助金による経営支援を明確に提案しました。重要な結論・決定事項についての情報は示されていません。
一部保険外療養を巡り、白川容子氏は同制度が現行の評価療養・選定療養のいずれとも異なる新類型として整理されたことを確認した上で、OTC類似薬について保険適用されていたものを国の判断で保険外にすることは国民皆保険の理念に反すると追及しました。これに対し上野賢一郎大臣は、必要な受診の確保やがん・難病患者への配慮を行うことから皆保険理念と矛盾しないと答弁しました。白川氏はさらに、条文上は対象が薬剤に限定されず診察・処置等にも拡大可能であること、財務省が窓口業務費用の保険給付外サービス化を提起していることを踏まえ保険外しにつながる懸念を指摘しましたが、間局長は薬剤を念頭に置いた制度であり窓口業務費用の徴収を可能にするものではないと否定しました。上野大臣は現時点でOTC類似薬以外を対象に位置付けることは想定していないと述べましたが、白川氏は2006年の保険外併用療養制度創設時にも同様の答弁がされた後に対象が拡大された経緯を挙げ、歯止めの欠如を追及しました。
不妊治療については令和四年四月に保険適用されたものの、先進医療部分は自由診療扱いとなり高額療養費制度の対象外である点が指摘されました。これを踏まえ、先進医療の有効性・安全性に関するエビデンスをもとに、先進医療会議及び中央社会保険医療協議会において保険適用の可否を評価する方針が示されました。また、自治体が独自に補助金を設けて負担軽減を図っている取組があることを踏まえ、国としても状況を把握した上で対応を検討する考えが示されました。この論点について、芳賀道也氏は現役世代の不妊治療費負担軽減を明確に要望する立場を示しました。
不妊治療を受けている現役世代の夫婦の医療費の負担、これも軽くしてもらえませんでしょうか。
五歳児健診の無料化実施状況について、山形県内など全国で無料化されている実態を国が把握しているかが芳賀道也委員から質問されました。これに対し政府参考人は、網羅的な把握はしていないものの、国庫補助を活用している自治体において有償で実施している例は把握していないと答弁しました。また、歯科の五歳児健診についても実態調査と国の支援強化を芳賀委員が要望したのに対し、政府参考人は歯科健診について口腔保健推進事業で補助を行っており、実態把握に努めるとの答弁がありました。芳賀委員は国の補助率引き上げや無料化を求める立場から質問及び要望を行いました。
五歳児健診無料でやっているのであれば、国の補助率を上げるとか国自体が無料にするということも必要だと思います。
本テーマでは、保険適用不妊治療における高額療養費制度の利用実態について議論されました。川村雄大委員は、保険適用不妊治療利用者三十七万人超のうち高額療養費を利用している実態を調査すべきと指摘し、自己負担引上げにより負担が増える不妊治療患者も存在するため実態調査を行うよう政府に要望しました。これに対し政府参考人は、高額療養費のうち不妊治療分の適用件数・支給額については現時点で把握していないと答弁しました。大臣もデータを把握していないとしつつ、データの収集・整理の可能性を検討する旨を答弁しました。スタンスデータでは、川村雄大委員は制度改善を志向する立場から実態調査の実施を求めており、上野賢一郎氏についてはデータ収集の検討方針が示されたのみで、明確な賛否は示されていません。
健康保険法等改正案における応能負担徹底と給付・負担の見直しに関し、発言者間でスタンスの相違が示されました。小西洋之氏は、年収差にかかわらず上限額が同額となる点を国民皆保険の趣旨に反すると批判し、応能負担の徹底を主張しました。本田顕子氏は改正の方向性に肯定的な立場を明言し、制度設計の妥当性を求めました。白川容子氏は、保険料による応能負担強化には否定的な立場を示し、対案として大企業・大株主への課税を主張しました。
こうした年収二百万円の人と七百七十万円の人が同じ年額上限であるというのが、今申し上げたこの国民皆保険制度の趣旨ですね、考え方は大臣の言葉も引用しましたけれども、それにかなうようなものになっているというふうにお考えでしょうか。
保険料ではなくて、やはり大もうけしている大企業だとか大株主にきちんと課税をする、そういう税制で対応すべきだということを指摘をして、この質問、終わらせていただきたいと思います。
改正の方向性について、肯定的な立場であることを前提に制度設計の妥当性と実効性ある制度改正とするための適切な運用を願って、質問をさせていただきます。
令和八年度診療報酬改定において、精神保健指定医以外が行う通院・在宅精神療法の評価が引き下げられたことを受け、小児科を入口とする児童精神診療への影響が議論されました。小児科を入口とする児童精神診療を担う医師には精神保健指定医を持たないケースが多く、外来継続が困難になるとの懸念が示され、小児科開業医からは精神保健指定医非該当により年間売上が千万円減少し、患者の引継ぎも困難になるなど深刻な影響が報告されました。これに対し、今回の改定は精神医療の質評価を主趣旨とするものであり、小児発達障害については小児特定疾患カウンセリング料で別途評価される旨が説明されました。自見はなこ氏は、改定自体は評価しつつも、小児科入口の児童精神診療の継続困難への懸念を示し、是正を要望する立場を取りました。最終的に、改定の影響実情を把握し、関係者の意見を踏まえて必要に応じ適切に対応する方針が示されました。
残念ながらこの小児科がやっている児童障害診療とか児童精神領域の外来が継続が困難になるんだというお声をたくさんいただいているんですね。
本テーマでは、協会けんぽへの国庫補助特例減額の時限的引上げについて議論が行われました。天畠大輔議員は、直近増加分の一六・四%に五百億円を上乗せし計千六百四十八億円を三年間減額する意義を質問し、準備金の一時的な超過分を後から返還させるやり方はセーフティーネットの趣旨に反する、準備金残高に着目した場当たり的対応でセーフティーネット機能を毀損すると批判しました(スコア0.00)。これに対し政府参考人(間隆一郎)は、平成二十三~二十六年度の剰余金に相当する総額約千五百億円を三年間で各年度約五百億円追加控除する時限措置であり、現行の特例減額と同様の考え方に基づく延長線上の対応であると説明しました(スコア0.75)。上野賢一郎議員も同様の考え方に基づき必要な対応との立場を示しました(スコア0.75)。政府参考人は、令和十年度末までの中長期的な保険財政への影響を総合的に勘案し改めて検討するとし、時限措置後の方針は未定と答弁しました。大臣は、協会けんぽが被用者保険の最後のとりでであり、保険料率の安定的な財政運営を重視すると答弁しました。
本テーマでは、出産に係る保険給付体系の見直しと分娩費用の新たな給付創設について議論が行われました。上野大臣は、出産費用の上昇に対応するため正常分娩を現物給付化するとともに、全妊婦への定額現金給付も併給する方針を説明しました。間政府参考人は、給付水準については中央社会保険医療協議会に諮問した上で決定する方針であり、機能別・地域別に費用構造を分析し丁寧に検討する考えを示しました。また間政府参考人は、給付体系について一日当たりではなく一分娩当たりの単価とする方向で審議会において議論が行われていることを説明しました。
出産費用無償化に伴う正常分娩の保険適用をめぐり、山内佳菜子議員は日本産婦人科医会石渡会長の見解として、保険適用により7割の産科診療所が分娩中止・中止検討と回答した調査結果を紹介し、既に産科診療所のない84医療圏に撤退可能性のある86医療圏を合わせると半数以上の医療圏で危機的状況にあると指摘しました。同調査では制度への不信感・不安感も示されました。森光政府参考人は分娩取扱施設が1996年の3991施設から2023年には1766施設に減少していると説明し、周産期母子医療センターを基幹とした機能集約化・重点化や役割分担・連携への財政支援を行っていると述べました。上野賢一郎大臣は、給付水準は全国一律を基本としつつ、保険料への影響や分娩取扱施設の経営実態を踏まえ丁寧に検討し、施行後も定期的に検証・見直すと答弁し、妊婦の経済的負担軽減と地域周産期提供体制の確保の両立を図る考えを示しました。
本テーマでは、前期高齢者納付金・後期高齢者支援金をめぐる財源のあり方が議論されました。健保連の発表として、令和八年度予算では約七割の健保組合が赤字となり、その主因が前期・後期高齢者納付金・支援金であることが指摘されました。これを踏まえ、前期・後期高齢者への給付は再配分であり、保険ではなく税財源で行うべきとの学識者見解が紹介され、保険制度からの切離しが提案されました。この論点について、芳賀道也氏は納付金・支援金の保険からの切り離しと税財源化を明確に主張しました。一方、上野賢一郎氏は現行の保険料による支え合いの仕組みを肯定し擁護する立場を示しました。これに対し大臣は、共同連帯の精神に基づく支え合いの仕組みであり社会保険制度と位置付けるとし、現役世代への配慮は継続する旨を答弁しました。
本テーマでは、北海道浦河赤十字病院において薬剤師不足や産科・小児科の常勤医不足により、小児・周産期医療体制の維持が困難な実態が報告されました。これに対し、公立・公的病院への小児・周産期医療特別交付税措置の拡充や、不採算地区中核病院基準額の三割引上げといった地方財政措置が説明されました。また、都市部のみが算定できる加算を設けた場合、地方から都市部への医療資源流出が加速し、地方における周産期医療体制の確保に支障が出るとの懸念も示されました。発言者としては、自見はなこ氏がへき地公的病院における周産期医療維持の困難を指摘し、財政措置の拡充を主張する立場を示しました。
このように、限界地に隣接する公的病院につきましては、小児・周産期医療等の維持が大変困難な状況になってございます。
本テーマでは、医療機関や薬局における業務効率化・勤務環境改善への支援策が議論されました。業務効率化に取組む病院に対しては、地域医療介護総合確保基金による新事業の創設が検討されており、認定要件には多職種での取組を含める方向性が示されました。また、好事例集の作成・共有やモデルとなる取組例の周知を通じて、医療機関の業務効率化を後押しする方針が示されました。薬局については、薬機法改正による対物業務の外部委託などを通じて勤務環境改善・業務効率化に取組む方針が示された一方で、地域医療介護総合確保基金は薬局でも活用可能であるものの、現場では活用が進んでいないとの指摘がありました。
協会けんぽによる予防・健康づくり事業について、法律上明確化した上でデータヘルス計画や好事例の横展開、インセンティブ制度等を推進する狙いが説明されました。具体的な取組として、協会けんぽは今年度から被保険者への人間ドック費用助成を開始することが示されました。また、ワクチン接種を含む感染症予防についても、保険者の取組を関係部局・保険者と連携して検討する方針が示されました。あわせて、HPVワクチンのキャッチアップ接種については周知が行われているものの、浸透が不十分であるとの指摘がありました。
地域医療構想を通じた医療機関の適正配置と機能集約について議論が行われました。芳賀道也委員は、医師・診療科の地域偏在是正のため、医療機関の適正配置を医師会・病院団体と協議すべきと提起し、関係団体協議による計画的な適正配置の実施を提案しました。これに対し大臣は、新たな地域医療構想においてがん医療等の症例集積による集約化を検討し、関係団体と十分協議する方針を答弁しました。この答弁について上野賢一郎委員は肯定的に説明する発言をしています。一方、自見はなこ委員は外来集約化に明確に反対する発言をしています。
小児医療における外来診療所への財政支援対象の明確化について議論が行われました。論点として、総理答弁における小児医療拠点病院への支援は補正予算に関する一例示であり、診療所の役割も大きいとの認識が示されたこと、また小児外来支援に関する総理答弁の趣旨について質疑者と大臣の間で認識の齟齬があり、整理を改めて求められたことが挙げられました。自見はなこ氏はスコア0.75の立場を示し、外来診療所も財政支援対象に含めるよう明確化を求めています。
外来も入っていますよねと、財政支援の対象に。ここは明確に確認を併せてさせていただきたいと思います。
本テーマでは、小児科診療所の経営と学校医活動の継続をめぐる論点が議論されました。診療所向け診療報酬改定の割合は横ばいであり、大学病院・救急病院に比べ手厚くないとの指摘がありました。また、コロナ禍における未就学児初再診への百点上乗せが臨時特例であったことが、出来高払の限界を示す例として紹介されました。小児科開業医が学校医活動のための外来休診に伴う減収により、学校医活動の継続が困難になっているとの実態が報告され、これを踏まえて小児科診療所への恒久的財源措置を検討すべきとの提起がなされました。さらに、昨年の骨太方針に記載された医療機関の集約化・重点化について、外来はこうした集約化になじまないとの反論も示されました。自見はなこ氏は、恒久的財源措置を大臣に要求しており、賛成の立場として言及されています。
そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、その恒久的な財源の措置というのをそろそろ考えませんかということです。
本テーマでは、後期高齢者医療制度における金融所得反映に向けたシステム改修の総事業費が未確定であることが議論されました。金融所得勘案の導入には、法定調書集約データベースの構築、広域連合や市町村のシステム改修、金融機関のオンライン提出対応など多くの整備が必要と説明され、これらの財政措置については地方団体や金融団体からも要望があり、予算編成過程で検討するとされました。本格運用は改正法公布後四年から五年程度とする工程表が示された一方、総事業費は金融機関等の実態把握中で未確定であり、制度開始後の維持運営費を含む中長期コスト試算も調査中で示されていません。また、金融所得の分布が不明なため保険料増収額の試算も確たる見込みを示せないと答弁されました。これに対し岩本麻奈氏は、総事業費未確定に疑問を呈し、費用対効果や現役世代負担増を懸念する立場を示しました。
仮に極めて大きなコストを要する一方で、制度の効果が限定的であったならば、そもそも、何かしら設計自体を考え直さなくちゃいけないと思いますし、そのような制度設計自体の合理性がなくなってしまうと思うからなんですね。
本テーマでは、金融所得反映の対象範囲について議論が行われました。金融所得反映は後期高齢者医療制度が対象であり、国民健康保険や協会けんぽ等の75歳未満が加入する制度は対象外であることが確認されました。対象を後期高齢者医療制度に限定する理由として、後期高齢者は窓口負担割合が一割・二割・三割に分かれているため、公平性確保の必要性が高いことが説明されました。一方、厚生労働省の資料には介護保険や国民健康保険への反映を検討する旨の記載があり、岩本麻奈氏は、金融所得反映が国民健康保険や介護保険等へ横展開される不安について、歯止めを明確にすべきと政府に質問しました。これに対し、上野賢一郎氏は横展開の可能性への言及を避け、明言を回避しました。
改正薬機法により調剤業務の一部を外部委託できる仕組みが導入され、対物業務の効率化が図られました。特定調剤業務の範囲について、一包化薬剤と散剤・漢方薬など同一時点服薬の他剤との組み合わせ作業は対象に含めることとされた一方、軟こう薬など使用タイミングが異なる薬剤の取りそろえは効率化の検証が未了であるため対象外とされました。また、最終鑑査は処方内容の妥当性等を含む総合判断であり、著しい影響を与えない定型業務には該当しないため、委託元が行う必要があると説明されました。委託可能な薬局の地理的範囲については、都道府県をまたぐ場合の監視指導体制上の課題から、当面は同一都道府県内とし、施行後2年以内に見直しを検討するとされました。宮本直樹は最終鑑査を委託薬局側で実施すべきとの説明にとどまり賛否は明確に示されませんでした。新実彰平は対象化に関する答弁を前向きと評価し、委託先での鑑査実施の実務的な拡大についても提案しました。
正常分娩と異常分娩の自己負担をめぐる公平性確保について、山内佳菜子議員は、帝王切開等既に保険適用となっている異常分娩について、現物給付化や現金給付による差額対応の可能性を質問し、異常分娩にも現金給付で差額を付け公平性を担保すべきと提起しました。これに対し上野大臣及び間隆一郎局長は、正常分娩の現金給付に加え、保険診療の自己負担分に充当できる現金給付を創設予定であると答弁し、手厚い人員配置やハイリスク分娩受入れなど地域周産期医療で重要な役割を果たす施設の機能・役割に着目した加算を想定していると説明しました。岩本麻奈氏は、日本の帝王切開率が約4〜5件に1件と増加傾向にあることを指摘した上で、帝王切開の自己負担軽減策を再確認しました。
正常分娩の保険適用・現物給付化に伴う産科診療所の分娩取扱撤退リスクについて、山内佳菜子氏は分娩撤退への強い危機感を紹介し、現物給付化に否定的な立場から懸念を表明しました。
このままでは、制度内容により中止を考えると回答した診療所が、分娩を中止する可能性がある医療圏、八十六医療圏を合わせると、半数以上の医療圏で産科診療所による分娩ができなくなりますというような非常に強い危機感をお示しいただきました。
本テーマでは、災害時における休薬危険薬剤の実態把握とリスト化について議論が行われました。天畠大輔氏は、中東情勢によるナフサ不足を踏まえ、休薬危険薬剤の実態把握とリスト化の早急な検討を要望しました。これに対し栗原渉政務官は、休薬危険薬剤の実態把握について事務方に対応を指示し、可能な限り早期に検討する方針を答弁しました。
無痛分娩の普及に伴う費用負担軽減と麻酔体制整備について議論が行われました。岩本麻奈氏は、無痛分娩の実施率が2018年の約5%から2024年には約16%に急増しているとし、費用負担軽減の検討を要望したほか、緊急帝王切開・無痛分娩に対応する麻酔体制整備支援の拡大意向について大臣に質問しました。これに対し間隆一郎局長は、無痛分娩の周知啓発とモデル事業を実施しており、現物給付での評価の在り方を検討すると説明しました。上野賢一郎大臣は、都道府県への財政支援や無痛分娩提供体制のモデル事業実施について説明し、森光局長は同モデル事業を令和7年度補正予算で実施し、都道府県から募集中であると説明しました。岩本氏、上野大臣、間局長のいずれも、費用負担軽減の検討や体制整備の推進に前向きな姿勢を示しました。
本年六月改定において産科管理加算が新設され、産前産後ケアの連続性を診療報酬で評価する初の枠組みとなったことが説明されました。医療と母子保健を所管する都道府県・国の部局が異なることから、厚生労働省とこども家庭庁の連名通知など一体的な取組が求められているとされました。妊婦健診・分娩取扱施設・産後ケア施設の三施設間の連携体制整備に向け、四月に事務連絡を発出したことが説明されました。また、遠方の施設を利用する妊産婦に対する交通費支援が行われていることも述べられました。発言者のスタンス(賛否)に関するデータは示されていません。
破滅的医療支出(WHO定義)とは、生活費を考慮した上での医療費支払能力の四〇%超を医療費が占める状態を指しますが、その試算方法は不明確とされ、厚労省は該当患者数について個々の状況把握が困難であるとして把握していないと答弁しました。厚労省は家計調査を基に総収入から税・社会保険料・生活費を控除した額と自己負担額の関係を整理して年間上限を設定したと説明し、年収二百万円未満を除く全所得階層で破滅的医療支出に該当しないと試算されているとしました。一方、五十嵐准教授の調査では低所得者の三七・八一%、全体で一七%が破滅的医療支出に該当するとの研究結果が紹介されました。川村雄大委員は破滅的医療支出への配慮を欠いた制度設計を批判し見直しを求め、上野賢一郎委員は受診抑制はないと説明し見直しを容認する一方で実態把握には言及しませんでした。芳賀道也委員は実態調査と政令改正の効果検証を求めました。実態調査の実施提起に対しては、受診行動への影響検証に注力する方針が示されました。
窓口業務の保険給付外サービス化をめぐっては、4月28日の財政制度分科会において財務省が窓口業務費用の保険給付外サービス化を提起したことについて、白川容子氏が問題視しました。これに対し間隆一郎氏は、財政制度分科会の資料内容は一部保険外療養で窓口業務費用の徴収を可能にするものではないとして否定しました。白川氏は、資格確認は保険医療機関の義務であり受付は診療の前提であることから、保険外しはあってはならないと指摘しました。
本テーマでは、一部保険外療養の導入を契機として、OTC医薬品を扱う薬剤師・登録販売者の資質向上を支援する必要性が指摘されました。対応として、健康増進支援薬局の認定制度推進や、登録販売者研修プログラム作成への補助等が説明されました。一方で、薬剤師・登録販売者の研修関連予算が令和七年度・八年度で据え置かれており、現場の取組に対して不足しているとの指摘もありました。また、OTC購入者に対しては既往歴等を把握した上での情報提供と、必要に応じた受診勧奨が薬剤師に求められると説明されました。新実彰平氏は、薬剤師による受診勧奨が重大疾病の見逃しリスクを防ぎつつ医療費支出の抑制との両立を図るものとして肯定的に評価しました。本田顕子氏は、現場の取組を評価し予算面での対応を求める姿勢を示しました。
本テーマでは、諸外国の高額療養費類似制度を参照した将来的な抜本見直しの必要性が議論されました。小西洋之議員は、フランス・ドイツ等ではがん治療の自己負担が低いことを挙げ、諸外国の制度を参照した見直しを求める立場から質問を行いました。これに対し上野賢一郎大臣は、各国の負担と給付の在り方は様々であり、一部だけを取り出して比較することは難しいとして、抜本見直しの議論には慎重な姿勢で答弁しました。両者の間で明確な結論・決定事項は示されませんでした。
本テーマでは、超低体重児用医薬品であるグルコン酸カルシウムの薬価下支えと安定供給体制整備について議論が行われました。芳賀道也委員は、当該医薬品が原価割れの状態にあり、生産設備の更新も困難な実態にあると指摘し、薬価引上げおよび生産体制維持のための継続的な支援を求めました。これに対し政府参考人は、令和五・六・八年度の薬価改定において不採算品再算定により薬価引上げを実施してきたと説明しました。また、設備更新の余力不足という課題について、大臣は薬機法改正による基金造成を通じて品目統合等の支援を進めていく考えを示しました。上野賢一郎委員は、安定供給体制整備に取り組む方針を明言しました。
本テーマでは、超高額薬剤時代における医療資源配分の基準と保険給付範囲の在り方が議論されました。岩本麻奈氏は、薬価約5500万円のiPS細胞再生医療製品の保険適用等を例に資源配分基準を質問したほか、日本が保険適用を先行させる一方で欧州は費用対効果を重視するという制度の違いを指摘し、HTA(医療技術評価)導入についての考えを質問しました。さらに、保険収載後の価格調整にとどめるか保険給付範囲自体の議論に踏み込むかが曖昧なままでは皆保険の持続可能性が損なわれると指摘し、給付範囲の議論に踏み込むべきとの立場を示しました。これに対し上野大臣は、一つ一つの改革の積み上げにより現役世代負担の低減と制度の持続可能性確保に努めると答弁しました。また間局長は、2019年から費用対効果評価制度を本格運用しており、57品目を評価し、42品目で価格見直しを実施したことを説明しました。
この費用対効果や実臨床での有効性の評価、保険収載後の価格調整にとどめるのか、それとも、どの医療をどの患者にどの条件で公的保険として与えるのかという保険給付の範囲そのものの議論に踏み込んでいくのか、ここら辺を曖昧にしたまま、今までのように全て薬剤承認を受けたら保険給付ということになっていくと、このままでも、最初は少なくとも、どんどんこれから高齢者も増えてまいりますし、医療費全体を最終的に押し上げ、さらに、現役世代の負担も増え、皆保険制度の持続可能性が守れなくなるおそれがあると思っております。
里帰り出産における医療情報連携とDX整備をめぐり、岩本麻奈氏は、過疎地域での分娩施設不足や医療機関間連携の課題を踏まえ、里帰り出産の位置付けと支援について質問しました。これに対し森光局長は、こども家庭庁が住所地の市町村と里帰り先の市町村との間での情報連携を自治体に依頼していると説明しました。岩本氏は、妊婦健診を行う医療機関と分娩を行う医療機関が異なる里帰り出産では、医療情報の安全な引継ぎと分娩施設の集約化が課題であると指摘しました。岩本氏はスコア0.75と評価されており、医療情報連携の仕組み整備を明確に要望する立場を示しています。
この里帰り出産において医療機関の情報が地域をまたいで安全かつ確実に共有される仕組みというのをしっかりと要望して、次の質問に移ります。
本テーマでは、特定医療機関への処方箋集中率が高い新規開設薬局に対し調剤基本料を15点減算する門前薬局等立地依存減算の新設が議論されました。既存薬局については、令和8年5月末までに保険指定を受けたものを経過措置として適用除外とし、同年6月1日以降の新規開設分のみを対象とすることとされました。また、中医協答申書の附帯意見を踏まえ、薬局ビジョンに基づく薬局・薬剤師の在り方について引き続き中医協で検討する方針が示されました。発言者のスタンスとしては、新実彰平が調剤報酬体系の転換方針を歓迎すると明言し賛成の立場を示し、間隆一郎も門前薬局は薬局ビジョンの方針にそぐわないとして減算導入を肯定的に説明し、賛成の立場を示しました。
高額療養費の多数回該当について、保険者変更時にカウントがリセットされる問題が取り上げられました。山内佳菜子議員は、転職・退職・引っ越しなどで保険者が変わった場合に多数回該当が受けられなくなる問題を指摘し、検討手順と改善時期を質問しました。芳賀道也議員も保険者変更時における多数回該当の適用を主張しました。これに対し間隆一郎氏は、各保険者が所得・医療費情報を個別に管理しているため、システム連携と個人情報保護法との整理が課題であるとした上で、実現時期は明言できないものの、精力的に関係者調整を進めると答弁しました。多数回該当のカウント引継ぎについては、専門委員会で実現に向けた検討を進めるべきと整理されており、総理も衆院において早期実現を目指す旨を答弁していることから、今後は検討委員会で議論を進める方針とされました。
転職や退職では収入が下がることも多いのですから、また引っ越しで費用も掛かる、高額療養費の多数回該当が適用されるように考えるべきではないでしょうか。
多数回該当の取扱いについては、専門委員会で整理をいただきました基本的な考え方におきまして、実務的な課題があるものの、カウントが引き継がれる仕組みの実現に向けた検討を進めていくべきであると整理をされました。
保険者リセット問題の解消についてどのような手順で検討して、いつぐらいの改善を目指すのか、お伺いいたします。
できる限り早期に実現できるよう、保険者を始めとした関係者との調整を進めてまいりたいというふうに思います。
高額療養費の年額上限について、小西洋之議員は年収200万円から770万円まで上限額が一律53万円である点をきめ細かさに欠けると指摘し、また770万円を超えると上限額が53万円から111万円へ倍増する急激な崖が生じることを問題視しました。これに対し上野賢一郎大臣は、月額上限については所得区分を細分化した一方、年間上限については長期療養者の負担増加を防止する観点から区分を細分化していないと説明しました。間政府参考人は、所得区分の粗さについては専門委員会でも今後の課題として指摘されており、今後も研究を続ける旨を答弁しました。この議論において、制度の見直しに関する結論や決定事項は示されていません。
高額療養費の見直しに関しては、長期療養者や低所得者に配慮した制度とし、丁寧な周知に努める方針が示されました。長期療養者の家計への影響を考慮する規定の実効性を確保するため、実態調査の必要性が議論され、所得区分・年齢・疾病・教育費等が家計に与える影響や、受診抑制・健康格差の実態を調査すべきとの意見が出されました。これに対し、多様な属性への影響把握は望ましいものの実施には難しさもあり、調査手法は今後検討するとの答弁がありました。また、見直しの影響については令和八年分・九年分をパッケージとして全体で検証する方針が示され、調査結果を踏まえた不断の見直しルールの必要性が指摘されたほか、分析結果は将来的に社会保障審議会等に報告し議論を進める可能性があるとの答弁がありました。
高額療養費制度における七十歳未満の世帯合算基準(二万一千円)の撤廃・見直しについて議論が行われました。山内佳菜子議員は七十歳未満の年齢区分の撤廃を求め、見直しの優先順位についての考え方を質問しました。これに対し、撤廃には一千億円超の財源が必要であり、厳しい医療保険財政が課題であるとの答弁がなされ、見直しの優先順位については長期療養者や所得の低い方への配慮を検討する必要があるとされました。また、七十歳以上は既に合算されており、技術的には七十歳未満の統合も不可能ではないとの説明もありました。芳賀道也議員は、医科歯科・入院外来別の二万一千円基準が子だくさん家庭に不利であると指摘し、合算の拡大を要望しました。上野賢一郎氏および間隆一郎氏は、撤廃の指摘への理解を示しつつも、財源約一千億円の確保と優先順位の整理の必要性を強調し、慎重な姿勢を示しました。
やはり、この七十歳未満という年齢区分は撤廃すべきだというふうに考えております。
被保険者と被扶養者の家族全体の保険医療、医療費、薬剤費を合算できるようにこれ改めるべきではないでしょうか。
一千億円を超える財源が必要になりますので、厳しい医療保険財政においてその点をどのように考えるのかということが課題になろうかと思います。
これを実現しようと思いますと一千億円を超える財源が必要となりますので、この厳しい医療保険財政においてその点をどのように考えるか、そして、仮にその財源が確保できたとした場合に、高額療養費制度の中で見直しの優先順位をどのように考えるのかと。
本テーマでは、国民皆保険制度と憲法二十五条の生存権保障との関係が議論されました。上野大臣は、皆保険は国民全体でリスクを分かち合う制度であり、憲法二十五条の生存権の趣旨に適合する必要があると答弁し、高額療養費制度についてはセーフティーネットであり中核制度という表現も取り得るとしました。間政府参考人は、皆保険を憲法二十五条の生存権保障を実現する制度の中のコアな仕組みと説明しました。小西議員は、高額療養費制度が個人の尊厳を守るため憲法二十五条の生存権を具現化した皆保険の中核制度であると主張しました。これに対し上野大臣は、概念的な議論部分については小西議員の指摘もあろうかと一定の同意を示しました。
本テーマでは、高額療養費年間上限制度の現物給付化に向けたシステム整備の課題が議論されました。川村雄大委員は、償還払いのままでは診断直後の生活への影響が大きいとして、現物給付化の早期実現を強く要望しました。これに対し大臣は、現物給付化への思いは共通であるとしつつ、千四百程度の保険者においてシステム上・実務上の課題があると説明しました。上野賢一郎委員も、現物給付化に賛成する思いは共通としながら、保険者のシステム課題が多い点を指摘しました。政府参考人からは、年間上限の償還時期は保険者により異なり、現時点で何か月後になるか明言できないとの答弁があったほか、現行の診療報酬請求実務では累積自己負担額をリアルタイムで把握する仕組みがなく、現物給付化には課題があるとの説明がなされました。
高額療養費算定における随時改定の減収反映をめぐっては、随時改定が標準報酬月額二等級以上かつ三か月連続の減収を要件としており、適用までに時間差が生じる点が指摘されました。また、随時改定は保険料算定のための制度であり、高額療養費のための制度ではないとの説明がなされました。上野賢一郎は、即時反映には保険料急変や実務負担増の問題があるとし、即時対応は困難との否定的評価を示しました。一方、山内佳菜子は随時改定の即時反映・柔軟化を明確に主張しました。両者の立場は対立していますが、明確な結論や決定事項は示されていません。
高額療養費の見直しをめぐり、小西洋之議員は年額上限53万円であっても年収200万~400万円台の患者に受診断念や生活困窮が生じ得るのではないかと質問しました。これに対し上野賢一郎大臣は、専門委員会で延べ20超の事例等を基に議論した結果、必要な受診抑制は想定していないと答弁し、必要な受診かどうかを機械的に区分するのは困難だが、多数回該当や年間上限によりセーフティーネットを強化しているため受診抑制は想定していないと説明しました。また大臣は、今回の見直しは制度の持続可能性確保と、長期療養者・低所得者へのセーフティーネット維持という二軸で行ったと述べました。山内佳菜子議員は、機械的に分けられないとしながら必要な医療がないと断言する答弁には矛盾があると指摘し、必要な受診かどうかを決めるのは患者であるとの主張で質疑を終えました。
給付の縮小は必要な受診を削らせることになるのではないでしょうか。
現行でも受診を断念したりあるいは生活困窮に陥っている例があるというのは、衆参のこの審議の中で参考人の患者当事者の方々、あるいは学者の方々などからも、社会的にもそうした指摘があるところなんですが。
私どもが何度も申し上げているとおり、長期の療養者の方、あるいは所得の低い方、そうした皆さんに対して、これセーフティーネット機能はしっかり準備をさせていただいて、これまでと負担額が増えるということはないということをしっかりとお伝えをするということだというふうに思っております。
高額療養費制度の見直しをめぐっては、今回の政令改正により医療費支出に困る家庭(破滅的医療支出)がゼロになるかが問われ、セーフティーネットの強化により必要な受診の抑制は生じないとの認識が示されました。川村雄大委員は、年間上限に該当する約五十万人が既存の高額療養費利用者千二百八十万人の約3.9%にとどまると指摘し、負担が増える人・減る人の概数を示すよう求めました。これに対し間隆一郎政府参考人は、3.9%という試算は機械的な割り算によるものであり、多数回該当が継続する利用者や年収二百万円未満の軽減対象等を考慮すると単純には評価できないと説明し、統計上の制約から人数について回答することは困難であると答弁しました。
本テーマでは、高額療養費見直しの政令措置について、令和八年八月施行分と令和九年八月施行分を一体として扱うか分離するかが議論されました。小西洋之議員は両施行分を一体か別かで質問した上で、令和九年度分は切り離して別の政令で抜本的に検討すべきと主張しました。これに対し間政府参考人は、全体をパッケージとして実施する方針であり、政令の具体的形式は政府部内で調整中であると答弁しました。上野賢一郎大臣も、これまで令和八・九年度をパッケージとして議論してきた経緯を踏まえ、パッケージとして示し実施したいと答弁し、令和八年分と九年分を一体で施行し影響検証も全体として行う方針が示されました。一方、山内議員は令和八年度分と九年度分を切り離し、調査結果を踏まえた検討を求めました。川村雄大議員はセーフティーネットの毀損への危惧を表明しました。
高額療養費の見直しをめぐっては、専門委員会(在り方委員会)第9回で金額提示があった後、患者を交えた十分な議論時間が確保されないまま第10回以降が開催されなかった経緯が問題視されました。この点について川村雄大氏は議論打ち切りと丁寧さの欠如を批判しました。山内佳菜子氏は受診の必要性は患者自身の判断によるべきものとした上で、制度見直しが一方的に進められたことを批判しました。一方、上野賢一郎大臣は、選挙を理由に議論を終わらせたとする自身の答弁について、誤解を与える不適切な表現であったと釈明しましたが、議論打ち切り自体への賛否については明らかにされませんでした。
高額療養費制度やOTC類似薬見直し等については、長期療養者・低所得者への配慮やセーフティーネット強化を図りつつ令和八年度・九年度分をパッケージとして施行し、施行後に影響を検証する方針が示されました。出産費用の現物給付化や不妊治療の保険適用拡大等については、給付水準や実施時期を含め今後審議会等で丁寧に検討を継続するとされ、明確な結論に至っていない論点も残されています。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。