本会議(法務委員会)では、内閣提出の入管法改正法案を議題として、井上委員長のもと参考人三名(結城恵、鈴木雅子、生田志織)が招致され、JESTA(日本版ESTA)制度の創設及び在留諸申請手数料の引上げをめぐり議論が行われました。結城参考人は、負担からサービス・成果への流れを可視化し人道的配慮を制度として透明に組み込む必要性を強調し、JESTAの透明性・料金設定・多言語対応・地方における多文化共生の推進に肯定的な見解を示しました。鈴木参考人は、手数料の急激な引上げによる生活への影響や租税法律主義との適合性、政令への全面委任の是非について懸念を表明しました。生田参考人は、庇護希望者への影響、ミャンマー出身者の難民認定の少なさ、難民認定手続の公正性・透明性の課題を指摘しました。小竹委員、福原委員、和田委員からも手数料引上げの憲法適合性や外国人材の受入れ・定着に関する質疑が行われました。
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全20テーマ ・ 紐づく質疑25件
在留諸申請手数料の急激な引上げが外国籍者の生活・家族に与える影響
結局は、JESTAでどういった情報を収集するのか、そして、どういった場合にその認証が受けられないのかという部分、そういった制度の透明性という部分も必要になってくる部分ではないかなと思っております。
本テーマでは、JESTA導入に伴う受益と負担の関係を踏まえた料金設定のあり方が議論されました。結城恵参考人は、空港設備投資の状況等を踏まえ、受益と負担の関係を定期的に見直し、金額の妥当性を検討すべきであるとの立場を示し、賛成の意向を表明しました。一方、生田参考人は、JESTAがビザ取得者を相談対象外とする場合が多いことを指摘し、査証免除国からの庇護希望者への影響について懸念を示しました。
そのように考えますと、非常に柔軟に、情報収集をしながら、今どういう現状であるか、それが今、なぜ、どのようにJESTAに反映されるのかというところは定期的に見直しをしながら、その金額の妥当性を考えていくということが必要になろうかと思います。
本テーマでは、JESTA導入に伴い空港において庇護希望者が不当に排除されることのないよう懸念する意見が示されました。鈴木雅子参考人は、難民条約締約国としての立場から、庇護希望者が空港で不当に排除されないよう確保すべきであるとの懸念を表明しました(スコア0.50)。また、生田参考人は、査証免除国から庇護を求める人への悪影響や、トランジット者への適用範囲について注視したいと発言しました。両参考人とも、JESTA導入が庇護希望者の権利保護に与える影響について注視する姿勢を示しています。
そこで懸念をいたしますのが、JESTAの導入というところに伴って、やはり空港で、難民、本来の庇護を求めるという人たちが不当に排除される結果というふうにつながらないということを確実に、やはり日本は難民条約の締約国でありますので、そこについてはしっかり確保をいただきたいというふうに考えております。
JESTA(日本版ESTA)創設に伴う入国前審査手数料の使途と制度設計については、結城恵参考人がJESTAの目的は観光利便性のみでなくデータ連携による出国前のリスク回避も含むと説明し、手数料を審査体制整備の投資と位置づけて肯定的に評価しました(賛成)。一方、生田参考人は、JESTAが収集する情報や認証不許可の基準など制度の透明性が必要であると発言しました。
したがって、日本におけるJESTAについても、私は、観光客を主対象とする入国前審査に必要な環境整備の投資として位置づけることが適切であると考えます。
このテーマでは、ミャンマー出身者に対する難民認定の状況が議論されました。生田志織参考人は、2021年のクーデター以降、ミャンマー人からの難民申請は多いものの認定数は少ないとして改善を求める考えを示しました。また、帰国すれば危険と思われる申請者が不認定となっている事例があることを指摘し、ミャンマー案件は申請数の多さから日本の難民認定制度の試金石的な存在であると述べました。さらに、ウイグルやチベット出身者については統計上「中国」として扱われるため詳細な知見が乏しいものの、保護が必要な者がいるとの発言もありました。生田参考人は認定基準の改善を明確に求める立場を示しています。
なので、ここを改善していくことというのは求めていきたいなと思っているところです。
在留諸申請手数料の急激な引上げが外国籍者の生活・家族に与える影響について、複数の発言者から懸念が示されました。生田志織氏(スコア0.20)は、手数料が本人の支払可能範囲を超えないよう求め、急激な引上げに否定的な立場を示しました。結城恵氏(スコア0.35)は手数料の高さへの懸念を表明しました。鈴木雅子氏(スコア0.05)は、急激な引上げが生活に深刻な影響を及ぼすと強く懸念し、上限額自体を過大と批判しました。
在留諸申請手数料の減免対象・基準を政令に全面委任することについて議論が行われました。鈴木雅子参考人は全面政令委任することは適切でないと指摘し、難民申請者・難民認定者・補完的保護対象者を原則免除対象とすべきこと、子供・高齢者を含む家族、住民税非課税世帯、傷病・障害・解雇等の事情も減免対象とすべきことを提案し、反対の立場を示しました。結城参考人は減免制度導入を評価しつつ、脱却支援への投資と財源を併せて審議すべきと指摘し、減免の基準は合理的・迅速・予見可能・透明であるべきで、現場の声を解析する仕組みが必要と述べました。生田志織参考人は未成年者への配慮や、就労不許可期間(約8か月)についての減額・免除を提案し、減免対象を広げる立場を示しました。
本テーマでは、在留諸申請手数料の引上げに関し、手数料額を政令で定める方式の憲法適合性が議論されました。小竹凱委員は、手数料額は政令ではなく法律で定めるべきであるとし、租税法律主義の観点から疑義を呈しました。鈴木雅子参考人は、弁護士界において租税法律主義との適合性に強い懸念があると述べ、国会でこの点を議論すべきであると主張しました。両者とも、政令への委任に疑義を示す立場から発言しており、租税法律主義および平等原則との抵触の疑念が表明されました。
在留資格変更・更新手数料の実費相当額の妥当性について議論が行われました。鈴木雅子参考人は、入管庁試算では更新・変更手数料が1万円、永住が2万円とされている一方、1年前には更新・変更が6千円、永住が1万円とされていたと指摘し、1年で実費見込みが倍近くに変わることの妥当性やそのタイミングについては検討を要すると述べました。また、手数料が実費相当額にとどまるのであれば、インフレ等に伴う値上げはあり得るとの見解も示しました。結城恵参考人は、手数料が支援制度と一体で設計される場合には妥当であるとの条件付きの見解を示しましたが、手数料単独についての言及はありませんでした。
本テーマでは、地方における外国人材の受入れ・定着に向けた多文化共生の実践モデルについて議論が行われました。福原委員は、市町村が共生の最前線に位置づけられるとした上で、法の趣旨を理解し対話を実践する主体となるべきであると提起しました。これに対し参考人の結城恵は、顔の見える関係の構築や、市町村と産官学金民の連携が多文化共生に不可欠であると回答しました。
誰を受け入れるのかではなく、どのような社会をつくるのかという問いです。
本テーマでは、外務省保護費の見直しを含む難民申請者への経済的支援の在り方が議論されました。鈴木雅子参考人は、手数料が現実化する場合には外務省の保護費自体の見直しも対象とせざるを得ないと述べ、負担軽減を求める立場から賛成の姿勢を示しました。
仮にこの手数料という話が現実化する場合には、本人たちも、支援団体としても、やはりとても現実的に負担をし切れる金額ではないということが明らかだと思いますので、この保護費自体をどうするのかということも対象にしていただかざるを得ないのではないかというふうに考えております。
本テーマでは、外国人の受入れと秩序ある共生をめぐり複数の論点が議論されました。結城恵参考人は、秩序を明示し話し合う土台ができたことを評価した上で秩序の再構築の必要性を強調し、日本人を巻き込む幼児期からの教育、当事者の声を政策につなげる仕組み、省庁横断組織の必要性を提言したほか、ヘイト的言説にも背景を傾聴しつつバランスの取れた共生議論が必要と述べ、秩序と多様性の両立という方向性を肯定的に評価しました。一方、鈴木雅子参考人は、総合的対応策が外国人側に負担を負わせる主体になっているとして排外的な空気への懸念を示しました。また生田参考人は、難民認定後の定住支援プログラムの拡充と、認定前からの日本語教育機会拡大を評価・要望しました。
将来的な人口動態予測を踏まえた外国人労働力受入れ数の在り方について議論が行われました。和田委員は、経済産業省による2040年の就業構造推計改訂版では労働力の大きな不足は生じないとされていることを紹介した上で、将来的な人口動態予測を踏まえた外国人政策への取組みの必要性を総括しました。結城恵参考人は、労働力不足時のみ受け入れるという発想ではなく、人権を尊重し自己実現できる社会の構築が必要であると発言し、企業の海外展開に伴い日本への定着でなく循環する外国人材が今後増えると指摘しました。また、日本で生まれ育つ外国籍の子供たちを未来人材として育てる視点も必要であると述べました。結城参考人のスタンスは、受入れ自体を前提としつつ人権尊重の制度整備を条件視するものであり、受入れ数量そのものへの言及はありませんでした。
人道的に人権というものをきちんと尊重し、その方たちが自らの意思で日本で生きるという覚悟をされるのであれば、しっかりといろいろな制度の下で自己実現が図れるような社会でなければならないと思います。
手数料上限額引上げに伴う増収分の使途をめぐっては、外国人施策への充当が議論されました。結城恵参考人は、基盤整備への投資は必要であるとし、増収分をDX推進や生活支援情報のコンテンツ整備、対話の場づくりに充てるべきと提案しました。一方、鈴木雅子参考人は、外国人一律への負担付与を論理的でないと批判し憲法上の疑義も指摘した上で、増収分の使途を決める前に当事者ヒアリングを各層から行うべきと主張しました。また鈴木参考人は、日本語教育・生活支援に国がより取り組むべき方向性については歓迎する意向を示しました。
本テーマでは、手数料の急激な引上げが非正規滞在・地下経済の増加という政府方針と逆行する副作用を招くのではないかという懸念が議論されました。小竹凱委員は、急激な手数料引上げが非正規滞在・地下経済化を招く副作用を懸念し、慎重な議論を求めました。生田志織委員も、手数料値上げが非正規滞在者の増加を招くとして反対の立場を示しました。鈴木雅子委員は、急激な手数料引上げの妥当性に疑問を呈し、国会審議を要求するなど、慎重・反対的な立場を示しました。
改定法案が目指す急激かつ過大な手数料の引上げが、憲法上や条約上、問題を生じないのか、外国籍者に対する実際上の影響は許容され得るものか、さらには、こうした引上げが本当に日本社会にとって望ましいものであるかなど、国会で十分に議論いただく必要があると考えます。
特に、金額に関しては、急激な引上げ、引上げというふうになりますと、むしろ、非正規滞在といいますか、いわゆる地下経済の増加にもつながりまして、政府の方針と逆行する副作用を招く可能性があるというふうに思いますので、慎重な議論、そして、当事者の声も大事にしながら、引き続きの議論を深めていきたいというふうに思います。
仮に在留資格の変更や更新の手数料が値上げされた場合、手数料が支払えず、本人の意思に反して非正規滞在となってしまう方が増えることが懸念されます。
技能実習・特定技能制度における人身取引的仲介構造への対応について、ブローカーが労働者を強制的にあてがう仕組みが論点となりました。福原委員はこの仕組みを問題視し、事業者側への対応について結城参考人に質問しました。これに対し結城参考人は、労働者本人への啓発だけでなく、雇用側や現場環境への意識啓発も重要であるとの考えを示しました。
本テーマでは、難民支援団体による手数料支払い支援の財源枯渇懸念について議論が行われました。移住連については、手数料の直接支援は行っていないものの、生活支援を通じて間接的に手数料支援に回ることがあると回答されました。生田志織参考人は、手数料引上げ後は支援対象を一部に絞るか他の支援を削る可能性があり、団体の支援には限度があると述べ、手数料値上げが困窮者へ与える影響への懸念や減免措置の要望とあわせて、財源枯渇への懸念を示しました(スコア0.25)。鈴木雅子参考人は、移住連の緊急支援が既に需要に応え切れていない状況にあり、手数料負担が加わればより厳しくなるとの懸念を示し、手数料負担が支援団体の財源を圧迫し困窮を招くとの立場を述べました(スコア0.15)。
本テーマでは、難民申請中の在留資格について、更新頻度が6か月ごとであることや在留期間がより短くなっている現状の見直しが論点となりました。生田志織参考人は、更新頻度の緩和や在留期間の長期化を一貫して要望し、見直しに賛成の立場を示しました。鈴木雅子氏は手数料免除について主張したものの、在留資格の更新頻度や在留期間の見直し自体への言及はありませんでした。
議論では、JESTA制度及び手数料引上げの制度設計をめぐり、透明性確保、減免対象の拡大、租税法律主義との整合性、非正規滞在・地下経済化への懸念など多岐にわたる論点が提起されましたが、参考人・委員間で見解の相違が残り、明確な結論には至っていません。今後、当事者ヒアリングや国会での継続審議を求める意見が示されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○井上委員長 結城参考人、ありがとうございました。 次に、鈴木参考人にお願いいたします。