本委員会では、民法等改正法案及び関係法律整備法案が一括して議題とされ、成年後見・保佐・補助の三類型を廃止し補助へ一元化する改正案を中心に審議が行われました。参考人として山野目章夫氏、小澤吉徳氏、根本雄司氏、阿部弘樹氏が出席し、平成11年以来指摘されてきた「終わらない」「権限広過ぎ」「替えられない」という三つの課題の解消、任意後見と法定後見の併存、保管証書遺言制度の創設、特定補助制度の創設と本人同意の在り方、中核機関(地域権利擁護相談支援センター)の設置促進や報酬助成の地域差是正等について議論されました。國重徹委員、井戸まさえ委員、鈴木美香委員、金村委員、有田委員、長坂康正委員らが質疑を行い、平口洋大臣が答弁しました。国連障害者権利委員会勧告と成年後見制度廃止方針との関係や、高齢者の連れ去り問題における後見人・行政・施設管理権の権限区分についても取り上げられました。
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全26テーマ ・ 紐づく質疑57件
後見・保佐・補助の三類型廃止と補助への一元化による包括的代理権の見直し
本テーマでは、成年後見制度等における中核機関(地域権利擁護相談支援センター)の設置促進と予算・人材確保が論点となりました。中核機関の設置率は全市町村の約77~8割にとどまり、小規模市町村での未設置が多く、予算・人材不足が課題として挙げられました。社会福祉法等改正案では、中核機関を地域権利擁護相談支援センターとして法律上位置づけ、都道府県による連携支援や好事例の共有等を通じて体制整備を支援し、小規模自治体の整備を促進することとされました。受任者調整機能については、センター設置済み自治体の約6割が実施しており、市民後見人の育成のためにも拡充が望まれるとされ、根本参考人は中核機関の機能強化と未設置地域への支援の必要性を指摘しました。國重徹委員は、現場負担への懸念を示しつつ予算・人材確保を政府に要求し、設置促進に前向きな姿勢を示しました。長坂康正委員も予算確保に努める意向を表明しましたが、費用対効果の検討にも言及しました。
本テーマでは、任意後見制度と法定後見制度の併存を可能とする改正の意義について議論が行われました。根本参考人は、補助と任意後見の併存を可能にする改正内容を説明しました。小澤参考人は、現行制度では法定後見が開始されると任意後見が終了してしまう不具合があるとした上で、改正案ではこの不具合を解消し両制度の併存を可能にすると説明しました。あわせて、任意後見契約の登記後であっても、本人の利益のため特に必要がある場合に限り法定後見の開始が可能とされ、任意後見を優先する原則は維持されると説明しました。
この法定後見との併存は、任意後見で不足する部分、先ほどの例でいえば、想定外の相続や不動産売却についてのみ法定後見を利用しても、任意後見を終了させず使い続けることができるという重要な制度になるというふうに考えています。
任意後見制度の普及に向けては、モデル条項の整備が論点となりました。根本雄司参考人は、法改正後は日本公証人連合会のモデル条項見直し作業に直ちに着手する必要があると指摘し、積極的な姿勢を示しました。また、山野目章夫参考人は、任意後見契約の利用促進には法律改正に加えて、関係専門家団体によるモデル条項の作成と広報が有効であると提案し、同じく積極的な立場を示しました。両参考人とも、法改正のみにとどまらず、モデル条項の整備とその普及活動を通じて任意後見制度の活用を促進すべきとの見解で一致しています。
本テーマでは、任意後見監督人の選任要件見直しと任意後見人を支える専門機関整備の必要性が議論されました。小澤吉徳参考人は、任意後見監督人の負担が契約締結・発効を阻害する要因であると法務省調査で判明したと説明し、限定的ケースで監督人を選任せず家庭裁判所が直接監督する規律等が盛り込まれたことを紹介し、負担軽減を歓迎する立場を示しました。山野目章夫参考人は、任意後見監督人選任の希望を公正証書で示せば家庭裁判所が考慮する規定や、監督人の人選をあらかじめ公正証書に記す等の改革を説明し、柔軟化規定を肯定的に評価する一方、任意後見人を支援・監督する専門的機関の育成が今後の運用上の課題であると指摘しました。根本参考人は、監督人が必置でなくなること等の改正内容を説明し、任意後見の活用拡大が必要と述べました。
本テーマでは、デジタル社会における遺言の真正性・真意性確保と所有者不明土地問題への対応を目的とする保管証書遺言制度が議論されました。山野目章夫参考人は、パソコンでの遺言作成を可能とし法務局で保管する制度について、デジタル社会への対応として説明し、これを賛成の立場から評価しました。小澤吉徳参考人は、自筆証書遺言には形式不備による無効や発見可能性の低下という課題があり、これが相続登記の進行を妨げていたと説明した上で、保管証書遺言は遺言書保管官による確認や形式不備のチェック、法務局保管によって真正性・真意性を確保し、無効リスクや発見不能リスクを回避できるため、所有者不明土地問題の解消に資するとして賛成の立場を示しました。金村委員は、川崎でも所有者不明土地が増加しているとして制度活用への期待を述べました。根本参考人は、運用面において本人が不当な影響を受けていないことの保管官による確認、および高齢者・障害者への機器利用支援が重要であると指摘しました。
本テーマでは、入所施設への遺贈規制と遺言証人資格制限をめぐる公序良俗上の懸念について議論されました。根本雄司参考人は、入所施設への遺贈自体を禁止すべきとする論文の主張について、施設が業務に乗じて対価を受領することへの懸念が背景にあると説明しました。また、名古屋高裁の事例等を挙げ、対価を超過する受領を条件とする契約は公序良俗に反する可能性があると指摘しました。その上で、施設への財産移転については、民間が直接受け取るのではなく、基金化等の公的な仕組みを検討することを提案しました。根本参考人のスタンスは、施設による過大な遺贈受領を問題視しつつも公的な受け皿の整備を提案するものであり、規制自体には慎重な立場が示されました。
そのような、業務に乗じるという言い方がいいのかは分かりませんが、そのような業務に乗じて必要以上の対価を受け取るというのは、これはやはり少し違うのではないかというふうには思っております。
本テーマでは、令和4年10月の国連障害者権利委員会勧告が意思決定代行制度廃止のための民法改正を求めたことを受け、成年後見制度の廃止方針との関係が議論されました。成年被後見人の欠格条項は令和元年に撤廃済みで、参議院答弁では現行制度は障害者権利条約に違反しないとされていた点、法制審中間試案では成年後見維持案も検討対象だったが結果的に廃止方向へかじを切ったとの指摘が示されました。大臣は法案が法制審部会での障害当事者等の議論を踏まえたものであり、国連勧告の趣旨も踏まえつつ国内の声に基づくと答弁しました(平口洋、スコア0.50、国内利用者の声を根拠としつつ国連勧告との関係を明確に位置づけていない)。参政党委員(鈴木美香、スコア0.25)は国連勧告受け入れの側面を否定できないとし、国際機関の意向による制度変更に慎重であるべきと主張しました。阿部弘樹(スコア0.40)は廃止を極端としつつ現行運用の弊害も認める立場を示しました。参考人として山野目氏は権利条約の法的能力の平等と社会参加の理念を法制審議会が常に考慮したと説明し、小澤氏は後見制度終了を可能にする改正が保護をより短期間とすべきとする権利条約の理念に即すると説明しました。
我が国といたしましては、国際機関の意向によって日本の家族の制度や法律が大きく変更されていくことを慎重にあるべきだと考えております。
私は、廃止というのは非常に極端な言い方だと思いますが、しかし、理事弁識能力が欠けるだけでいろいろなことができないというのは、私は、いささか、平成十一年のこの新しい制度ができるときの厚生労働省の担当でもありましたが、このようになるとは思いも寄らなかったと思っております。
本法案の内容は、国連障害者権利委員会の勧告の趣旨も踏まえたものではございますが、国内の制度利用者の声に基づくものであるという認識でございます。
本テーマでは、新家事事件手続法120条3項に基づき、補助関連審判において市町村長等に本人の心身の状態等について意見を求めることができる旨が取り上げられました。市町村長への照会は、ケアサービス利用の有無等の福祉的支援状況や日常生活の状況の把握を想定するものとされました。また、解任・取消しの審判においても、本人・補助人からの陳述聴取に加え、市町村長等の意見聴取が行われるとされました。根本参考人は、審理における市区町村連携等について家事事件手続法の新たな規律が有効に活用されるよう関係機関の取組が必要であると指摘し、さらに、審判終了後に支援が途切れないよう、同法に基づく自治体・中核機関との連携が求められると指摘しました。スタンス(賛否)データは示されていません。
本テーマでは、成年後見・保佐を廃止し補助に一本化する改正案について議論が行われました。参政党委員は、緊急入院や手術、施設入所など想定外の事態が生じるごとに代理権付与の追加申立てが必要になるとの懸念を提起しました。鈴木美香委員(スコア0.15、反対的立場)は、包括代理権・取消権廃止による弊害を複数指摘し、廃止ではなく修正を行うべきと提案しました。また、鈴木委員は後見・保佐廃止後も現場では従来に近い運用が続く可能性があり、司法書士の対応負担が増すことへの懸念も示しました。一方、小澤参考人は、特定補助について全行為への取消権付与が必要となる事案は想定しにくく、利用に適した事案は少ないとの見方を示しつつ、特定補助を現行の後見類型と同一視する誤解があるため、専門家による周知でこれを解消する必要があると指摘しました。
特定補助によってこれまで成年後見が担ってきた保護を実質的に補うのであるならば、成年後見を廃止するのではなくて、成年後見の弊害部分を修正するという選択肢もあったのではないかと思います。
本テーマでは、後見・保佐・補助の三類型を廃止し補助へ一元化することで、包括的代理権・取消権を廃止し必要な範囲で取消権を付与する改正案について議論が行われました。事理弁識能力を欠く常況にある者も改正後は補助のみ又は特定補助の利用が可能となる点や、参考制度としてドイツの世話法が挙げられました。山野目章夫参考人は類型一元化と補助人への特定権限付与を理念的に支持し、成年後見制度の3つの「でも」課題の解決策になると説明しました。根本雄司参考人も必要性の原則採用による補助一元化を柔軟な制度見直しとして肯定的に評価しました。小澤吉徳参考人は、後見類型廃止により本人保護は弱まるものの本人の意思尊重とのバランスが取れた改正と評価する一方、改正が専門職後見人寄りとの見方を認めつつ、親族が後見人になれない事例が多い現場実態を説明しました。阿部弘樹参考人は後見・保佐人を外せる点や補助人という名称を明確に肯定しました。他方、包括的代理権・取消権の廃止により本人の自己責任範囲が広がることで財産被害増加への懸念も示され、法務省(松井信憲氏)は意思能力欠如による無効主張の立証負担は改正前後で変わらないとし、法定後見の適時利用の重要性を説明しました。
補助人だと、残された機能だけを補助するということで、私は非常にいいと思っています。
今回の改正案は、現在強過ぎると言われている本人保護を弱めることにより、本人の意思尊重とバランスを取ったものであり、国連障害者権利条約との関係や制度利用者の人権という視点からも評価できるものだというふうに考えています。
今般の改正により、成年後見制度が、本人の意思を十分に踏まえ、適切な時機に適切な範囲と期間で利用することのできる柔軟な制度へと見直されたものと考えております。
今般の法律案は、権限の包括性を廃し、類型を一元化し、補助の下で、補助人が特定の行為について権限を与えられて仕事をします。
本人がした行為を取消し可能とすることは、本人が単独で確定的に有効な行為をすることを否定し、本人の自己決定を制約する側面を有します。
本テーマでは、後見制度等の利用終了要件である必要性喪失の明確化について議論されました。小澤吉徳参考人は、法案が必要性が失われれば制度利用を終了できると規定し、漫然とした利用継続を防ぐと説明し、これにより制度が利用しやすくなるとして賛成の立場を示しました。一方、頼れる親族がいない利用者については必要性喪失と判断されず利用継続する仕組みであることも説明されました。山野目章夫参考人は、事実上の終身性を「いつまででも続く」課題と位置づけ、補助終了時には家庭裁判所の審判がされると説明し、終われない仕組みを終わらせる改正であり、終われる事案は終われるようにする趣旨であるとして賛成の立場を示しました。根本参考人は、補助人による年1回の定期報告を法制上定め、必要性の定期的な司法審査を行う仕組みについて、実効性確保が課題であるとし、また必要性の始まり・終了の認定基準に関する実務運用の整理とコンセンサス形成が今後の課題であると指摘しました。
本テーマでは、成年後見人等の報酬算定の考慮要素の明確化と、低所得者への報酬助成制度における地域差の是正が論点となりました。改正案は、補助人が行った事務の内容等を報酬の考慮要素として条文上(第八百七十六条の十九)明確化するもので、政府側は現行法でも資力以外の事情は考慮要素として規定されており実務上も事務内容は考慮されてきたと説明しました。最高裁は、報酬算定の在り方について補助人等の権限付与や事務遂行の内容を重視したものになり得るとの見解を示しました。小澤参考人は、報酬額の適切性について本人・親族と後見人側の認識差が大きい点を説明しました。鈴木委員は、基本額に加え付加報酬で本人が高額と驚くケースや、補助へ移行した場合の報酬低下への懸念を指摘しました。障害基礎年金のみの利用者にとって月額2万円程度の後見人報酬は重い負担との指摘があり、日弁連調査では弁護士の16.5%が財産不足を理由に無報酬で後見業務を経験したとされています。成年後見制度利用支援事業(報酬助成)は自治体によりばらつきがあり、予算枠到達で利用できない例も指摘されました。厚労省は低所得者を広く助成対象に含めるよう自治体に留意事項・好事例を示していますが、地域差の是正は今後の課題とされています。井戸まさえ委員、根本雄司委員はいずれも負担の重さや地域差を問題視し、制度の見直し・改善を求めました。
本テーマでは、成年後見人の選任における専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士等)の割合が高い理由について議論が行われました。金村委員は成年後見人の約8割が専門職である統計を示し、その理由を質問しました。これに対し、阿部委員は財産のある人には専門職後見人が選任される一方、財産のない障害者には選任されにくい傾向があると指摘しました。小澤参考人は、頼れる親族がいない申立てが多いことに加え、財産管理の不備や不正事案を経て専門職選任が増えてきたと説明しました。根本参考人は、家庭裁判所の選任基準に照らして親族候補が少ないことや、市民後見・法人後見の拡充が不十分であることも要因であると指摘しました。山野目参考人は、身寄りがない場合、親族間に対立がある場合、事務が高難度である場合という三つの場合に専門職が選ばれると整理しました。また、金村委員は、本人や親族に面会せず相談もなく物事を決める後見人には交代してほしいとの声を紹介し見解を質問したのに対し、小澤参考人は、本人の意思を軽視することは後見人として望ましくないが、親族の意見を優先することも必ずしも適切ではないと説明しました。
本テーマでは、成年後見・保佐廃止に伴う申立て手続の負担と審理の迅速性について議論が行われました。判断能力低下を裏づける診断書等の資料提出は改正後も不可欠であり、省略は困難であるとの説明がなされました。現行法下では成年後見等事案の約7割が申立てから2か月以内に審判されているとされ、緊急保護が必要な場合は保全処分の活用、また家事事件手続のオンライン化も負担軽減に資するとされました。これに対し参政党委員は、デジタル化が不慣れな者にとって逆に負担となる可能性を懸念しました。また小澤参考人は、申立て目的の事務終了後も利用終了できないことで申立て自体をちゅうちょする事例が多かったと説明しました。スタンスとしては、鈴木美香氏がデジタル化が申請負担を増す可能性を懸念し、手続簡素化に慎重な立場を示しました。
そもそも不慣れな方々にとってデジタル化が逆に申請の負担をかける可能性もあったりとか、手続の煩雑さといった問題や、それに伴う本人の負担ということは増えてしまうのではないかというふうに懸念しております。
本テーマでは、成年後見制度における身上保護の内容の明確化について議論が行われました。改正法により、補助人は本人の心身の状態に応じ適切な方法で本人の意向を把握する義務が新設され、この意向把握は本人からの陳述聴取のほか、良好な関係にある親族や地域連携ネットワーク構成員からの聴取も想定されるとされました。また、身上保護は生活・療養看護に関する法律行為を指すものであり、補助人が現実の介護等の事実行為を行う権限は持たないこと、改正法によって身上保護の範囲自体は変わらないことが説明されました。参考人の発言として、山野目参考人はおまんじゅうの例を用いて、財産保護偏重から本人の尊厳重視への理念転換を説明しました。根本参考人は、財産管理中心からチーム支援の中で身上保護を重視する流れがあるとし、本人との信頼関係や日常的な関わりの重要性を説明しました。
本テーマでは、成年後見制度の抜本的見直しにおいて本人の自己決定をより尊重する理念が議論されました。大臣は、改正の目的が本人の尊厳ある生活の継続と権利利益の擁護のため本人の意思決定をより尊重することにあると答弁し、自己決定の尊重が本人の幸せにつながるという価値観への転換が改正の底流にあるとの認識が示されました。具体的には、補助人選任時の考慮要素の冒頭に本人の意見を規定し、本人の意見を重視する趣旨が明確化されました。小澤参考人は、この改正を本人の自己決定尊重と保護の必要性の調和を図った難しい理念の具現化と評価し、根本参考人は自律の保障として支援付意思決定の保障を含む理念を説明しました。また、山野目参考人は、無断でものといった課題に対し補助人が本人とのコミュニケーションと意思尊重義務を負うと説明しました。國重徹は自己決定尊重の価値観への転換を肯定的に評価し、山野目章夫も保護から尊厳へという理念転換を肯定的に提示しました。
本テーマでは、成年後見制度における平成11年以来指摘されてきた三つの課題、すなわち事理弁識能力が回復しない限り制度利用が終わらないこと、後見人の権限が広過ぎること、後見人を替えられないことについて議論されました。参考人として出席した山野目参考人は、この三つの課題を「何でもできる」「無断でもできる」「いつまででも続く」という三つの「でも」として提示しました。有田委員は、四半世紀ぶりの改正に至った経緯と問題点について小澤参考人に説明を求めました。これに対し小澤参考人は、これらの三課題が今回の改正により解消されると説明し、賛成の立場を示しました。具体的な改正内容として、制度利用の必要がなくなった場合には事理弁識能力の回復前であっても家庭裁判所の判断で制度利用を終了できる仕組みが導入されたこと、また後見人の交代要件について本人の利益のため必要な場合にも解任を可能とする見直しが行われたことが説明されました。補助人についても、根本参考人により、本人の利益のため特に必要という事由が新設され、交代がしやすくなったことが説明されました。
今回の改正、私が冒頭、画期的な改正であるというふうに申し上げた理由については、先ほどの三点の問題が今回の改正でクリアになっているというふうに私は理解をしているからでございます。
本テーマでは、成年後見制度における「終われない・替われない」制度の見直しに伴い、相談業務が増加することが見込まれる中での地域専門職・福祉関係者との連携体制について議論されました。井戸委員は制度見直しにより相談業務が大幅に増加すると予想し、地域連携の重要性について質問しました。これに対し小澤参考人は、相談需要の増加を見込み、司法書士会・リーガルサポートの相談体制強化と、自治体・福祉関係者との連携強化が必要であると説明しました。また根本参考人は、後見利用の入口・期中・出口それぞれの局面において、専門職が中核機関等としっかり連携していく必要があると説明しました。
本テーマでは、成年後見制度改正の周知徹底に関する方法が議論されました。井戸まさえ委員は、家庭裁判所への年一回の報告の機会を利用し、制度改正の周知と本人意思確認を報告事項に含める案を提案しました(賛成)。この提案について、小澤吉徳参考人は、裁判所報告のタイミングでの周知は効果的かつ効率的であると評価し、参考にしたいと回答しました(賛成)。根本雄司参考人は、附則の経過規定に基づく三つの選択肢への意思決定支援として報告活用案に賛成する一方、全件を一年で行うことは家庭裁判所の負担に耐えられないため、二〜三年かけて実施すべきと指摘しました(賛成)。また、山野目参考人は井戸委員の提案をグッドアイデアと評価しました。
この三つの選択肢に対するまさに意思決定支援というのが非常に重要になるというふうに考えておりますので、そういった意味で、委員の御提案については賛成させていただきたいというふうに思っております。
先ほど先生から御提案があった、裁判所の報告のタイミングでという御提案に関しては、非常に効果的で効率のよいものというふうに考えておりますので、私たちも少し参考にさせていただければなというふうに思っております。
その機会を利用して、制度変更について説明を行ったのか、若しくは、また、現行制度を継続するのか、新制度における事項ごとの契約に移行するのかなどについて、本人や関係者と話し合った内容を報告事項に含めることも一つのアイデアなのではないかと思っています。
本テーマでは、成年後見制度改革における民事法制改革と社会福祉法改正による地域社会福祉改革との一体的推進が議論されました。論点として、日常生活自立支援事業の対象者・事業内容の拡充、制度利用終了者の受皿としての機能、同事業を新たな第二種社会福祉事業と位置づけ社協以外にも担い手を広げる方針(全国で約3千人の待機者が存在)、改正社会福祉法における意思決定支援・入院入所支援・死後事務支援の三本柱での充実が取り上げられました。参考人の山野目章夫氏は、民事法制改革と地域社会福祉改革は「車の両輪」であり一体でなければならないと述べ、社会福祉法改正法案が同一のリズムで審議中であること、両検討が密接に連携し同日の閣議決定や両委員会でのほぼ同歩調の審議が進んだことを説明し、一体的推進に賛成の立場を示しました(スコア0.75)。また同氏は、法律成立後が改革の本番であり、地域社会福祉との対話を継続する必要があると述べました。
まさに民事法制の改革と地域社会福祉の改革は車の両輪であって、一体でなければならない、どちらかがつまずけば全体が壊れるということを政府として強く意識して進めてきたあかしではないかというふうに考えます。
本テーマでは、社会福祉法等改正案において、福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業を第二種社会福祉事業とし都道府県社協に実施義務を課すことや、身寄りのない高齢者等への日常生活・入院手続・死後事務支援事業を第二種社会福祉事業として新設することが議論されました。厚労省は具体的予算額を法律改正後に検討するとし現時点では明らかにできないと答弁しています。根本雄司参考人は中核機関の体制整備には各市町村での人材・財源確保が必要であり、未設置・機能不十分な地域への人的財政的支援措置が必要と指摘しました。山野目参考人も、社会福祉法改正は予算措置や地方公共団体の理解が必要で法改正のみでは直ちに実現しないとし、政府が各部署連携で予算をきちんとつけることが重要だと述べています。國重徹、根本雄司、西村智奈美は予算・人材確保の拡充を求め前向きな立場を示す一方、鈴木美香は予算の見通しが立たないまま法整備が先行し国民への説明が不十分との懸念を表明しました。長坂康正は予算編成過程で検討するとの答弁に留まっています。
受任者調整会議というのは、今後、市民後見を育成していく、また受任してもらうということからいっても大事なものだと思うので、是非拡充をしていってもらいたいと思っています。
これは人と予算を確保しなければ現場がパンクしてしまいます。
これらについて各市町村等において具体的な体制整備が図られるために必要な人材や財源が確保されること及び地域権利擁護の地域連携ネットワークにおいて関係機関、関係団体がそれぞれ期待された役割を果たすための推進体制を設けることが必要だと考えます。
今後、支援体制の拡大に伴って公的支援や国民負担が段階的に膨らんでいく可能性についても、本来は丁寧な国民に対しての説明とか議論があった上で、本当はこうやって、法務省が、厚労省がと進めていくべきではないかと私は考えております。
本事業が利用料収入による運営を原則としている点や、他の民間事業者も担い手になる点といった特徴も踏まえて、今後の予算編成過程で検討してまいりたいと考えております。
本テーマでは、成年後見制度見直しに伴う権利擁護支援事業の推進体制について議論が行われました。根本参考人は、地域連携ネットワークにおいて関係機関が期待された役割を果たすための推進体制の必要性を指摘し、本人・家族・政府・家庭裁判所・自治体・専門職団体が連携して権利擁護を進めるべきであると結びました。また、鈴木委員は、権利擁護支援事業の今後について厚生労働省に確認したところ現状未定との回答であったことを紹介した上で、この点について山野目参考人に見解を質問しました。
本人と補助人等の支援者との間で制度利用の必要性について意見が分かれる場合の家庭裁判所の判断枠組みが論点となりました。この点について、家庭裁判所は結論のみでなく根拠資料を確認した上で判断するとされました。発言者としては、松井信憲氏が手続の説明を行い、西村智奈美氏が判断枠組みについて質問しており、両者とも賛否についての立場は表明されていません。
本テーマでは、事理弁識能力を欠く常況にある者に対する特定補助制度の創設と、その要件明確化が議論されました。事理弁識能力を欠く常況については、社会生活上の事務理解・利害得失検討・態度決定の可能性がないことがほとんど普通とする整理が示され、現行の認定が想定より広い範囲に及んでいるとの指摘を踏まえ明確化が図られました。特定補助は法定の重要な財産行為をいずれも取り消せる制度で、行為類型を的確に予測・特定できない場合の利用が想定され、必要性は漠然とした不安感のみでなく審判時までの事情に基づき個別に判断されるとされました。國重徹委員は本人保護への懸念を示しつつ政府に確認する質疑を行い、賛否は明示しませんでした。小澤吉徳委員は利用に適した事案は少ないと指摘し制度の実効性に懐疑的な立場を示し、松井信憲氏は特定補助と個別代理権付与の組み合わせで十分な保護が可能と説明し制度を擁護しました。根本雄司参考人は、事理弁識能力を欠く常況にある者への導入是非は部会で最終段階まで意見が分かれたと説明し、将来的な規定の要否は運用状況・利用実績を踏まえた政府検証が必要と指摘しました。法務省は当然に特定補助が使われるわけではなく、動機や状況に応じ必要な仕組みを選択すると説明しました。
この特定補助の利用に適した事案というのはさほどないのかなというふうにも考えています。
法定の重要な財産行為以外の行為についても個別の必要性に応じて取り消すことができることとすることによって、十分な保護を図ることができるようにしております。
一方で、これで本当に本人保護が図れるのか、いろいろなことを取り消せるようにしている方が守れるんじゃないか、こういう懸念の声もありますけれども、大丈夫なんでしょうか。
限定的かつ厳格な実務運用及び同枠組みの将来的な規定の要否についても、今後、その運用状況や利用実績などを踏まえた政府における検証が求められるものと思います。
本テーマでは、現行制度利用者の新制度への移行に向けた周知と本人意思確認の仕組みについて議論されました。施行日前に後見・保佐を利用中の者は現行内容での利用継続が可能であり、新制度への移行や取消しの申立ても可能とされています。現行利用者は約26万人に上り、周知には困難な面があること、通知を出しても本人が理解できない場合があるとの課題が指摘されました。これに対し、後見人が年1回行う家裁への報告の機会を利用し、制度変更の説明や本人・関係者との話し合いの内容を報告事項に含める案が提案されました。最高裁は、本人の意思・意向を尊重した適切な運用がなされるよう後押ししたいとの考えを示しました。また、根本参考人は、補助への一元化に伴い経過規定を含めた制度の周知・広報が欠かせないと指摘しました。
知的障害者等の成年後見制度利用促進をめぐっては、当事者からスマホ等の利用が危険性を理由に制限されることへの不満と、自己決定の機会拡大を求める要望が示された事例が紹介されました。また、育成会連合会の調査結果として、制度の認知度が83%である一方、実際の利用は約11%にとどまり、その理由として親が元気であること、悪評、報酬への懸念などが挙げられました。井戸まさえ委員(スコア0.25)は、後見制度の不可逆性や身上保護の不足など、利用控えの要因となる課題を指摘しました。これに対し平口洋大臣(スコア0.75)は、改正により利用を終了できない等の課題が解消され、これまで利用をためらっていた層の利用が進むとの見通しを肯定的に示しました。さらに阿部委員からは、精神障害者は財産がないために後見人が選任されない実情があるとの指摘がなされました。
本テーマでは、補助人の解任・交代要件が議論されました。改正法案では、不正行為がなくても「本人の利益のため特に必要があるとき」には補助人を解任できる規律が新たに追加される点が取り上げられ、現行法では不正行為等がある場合のみ解任可能であるのに対し、改正により本人利益のための交代が可能になる旨が小澤参考人により説明されました。また、「特に」という文言は特別の必要性を要件とする趣旨であり、選任された補助人の継続性を基本としつつ例外的に解任を認める趣旨であることが示されました。具体的には、補助人が本人に面会せず支援チームと連絡を取らない等、適切な関係構築ができていない場合が想定されるとされました。小澤吉徳は解任要件見直しを本人にとって望ましい制度と評価し、松井信憲も特別必要性要件は本人保護に資すると説明し、いずれも制度趣旨を肯定する立場を示しました。
本テーマでは、補助人の報酬に関する考慮要素の明確化が議論されました。改正案は、補助人が行った事務内容を報酬の考慮要素として条文上明記するものであり、実務上は従来から資力以外の事情も考慮されてきた点が確認されました。小澤吉徳氏はスコア0.75で、事務内容の明文化を本人・親族の期待に沿う改正であるとして肯定的に評価しました。松井信憲氏もスコア0.75で、現行実務において事務内容が考慮要素とされていることを説明し、明確化に肯定的な前提を示しました。また、根本参考人からは、補助人がしっかり支援できるよう報酬助成制度の抜本的見直しが求められるとの指摘がありました。
本テーマでは、補助人選任における考慮要素の記載順序を末尾から冒頭に変更し、本人の意見を重視する趣旨を明確化することが議論されました。平口洋は本人意見尊重を重要と明言し、考慮要素の筆頭に規定したと説明し賛成の立場を示しました。小竹凱はドイツ世話法等の諸外国が本人意思を人選順序の起点とする制度を参考にすべきと提起し、本人意思を人選で一番に位置づけるよう繰り返し制度改善を要求しました。松井信憲(法務省)は、本人が信頼する家族を希望する場合その意思は選任時に重視されるが、親族間紛争等で選任されない事案もあると説明しました。國重徹は記載順序変更の趣旨を確認要請するにとどまりました。小澤参考人は、本人不同意で申立てのみ行い後見人就任を望まない親族が多い実情を説明しました。背景として、現行法・改正法とも補助人選任の審判に不服申立てはできず、選任理由も原則は審判書に記載するものの、即時抗告不可の補助人選任審判では記載しない場合があること、令和7年の成年後見選任では親族16.4%、親族以外83.6%で専門職が大半を占める一方、親族が候補者だった事案の約8割で親族が選任されているとのデータが示されました。改正法では、本人の意見を考慮要素の最初に規定することとされました。
この制度を日本でも、制度というかこの発想を本人の意思尊重というのであればもっと明確に取り入れるべきだというふうに思いまして、現行制度のように、結果として候補者を書いても必ずしも選ばれるわけではなく、そのことについて不満があっても不服申立てができない、しかも、順序についても明確に一番、二番、三番というような候補が挙がっていないというところは、制度全体に本人意思尊重を必ずしも反映できているとは言い難いというふうに思います
本人にとって適任の者を選任する観点から、本人の意見を重視すべきことを明確にするためでございます。
補助人の選任に関しても、本人の意見を尊重することは重要であると考えております。
この点については是非しっかりとお願いしたいと思います。
本テーマでは、補助制度が終了可能となることに伴い、地域権利擁護相談支援センター(中核機関)が出口支援を担う重要な役割となり得ることが議論されました。林俊宏氏は、中核機関の重要な役割として出口支援を肯定的に位置づける立場から発言し、賛成の姿勢を示しました。西村智奈美氏も、政府への取組要望を確認する形で賛意を表明しました。両者ともに賛成の立場でしたが、明確な結論や決定事項については提示された要点の中には示されていません。
補助開始の審判における本人同意の要件について議論が行われました。本人が同意する意思能力を有しながら制度利用を拒否する場合は、本人同意要件を欠くため補助開始審判はできないとされる一方、虐待等の不当な働きかけにより本人が適切に理解・検討できずに利用を拒否している場合は、同意不能とみなして審判の余地があるとされました。改正案においても補助開始の審判には原則として本人同意を要件とし、親族が申立てを行っても本人同意がなければ審判はされないとされています。小澤参考人は、補助類型の利用について本人同意が必要な原則を維持しつつ、同意表示が困難な者についても必要性があれば利用可能とする旨を説明しました。また根本参考人は、本人同意の実務上の認定方法や、家庭裁判所による本人意思の把握方法の整備が必要であると指摘しました。松井信憲氏は、原則として本人拒否の場合は不開始とし、不当な働きかけがある場合に限り例外を認めるという条件付きの立場を示しました。
周囲の者からの虐待などの不当な働きかけがあって、これによって本人が制度を利用することを適切に理解、検討することができずに制度の利用を拒否するという意思決定に至っているような場合には、本人が同意の意思を表示することができない場合に当てはまると解する余地もあると考えられ、このような場合には補助開始の審判をする余地もあると考えております。
本テーマでは、高齢者の連れ去り事例において区役所が面会制限を後見人の判断であるとする文書を出している実態について、有田委員が根本参考人に見解を質問しました。これに対し根本参考人は、面会制限は後見人の権限ではなく、行政による虐待防止法上の処分や施設の施設管理権に基づくものであると整理し、後見人の権限は限定的で中立性を重視すべきものであり、面会制限は自治体・施設の権限であるとの立場を示しました。さらに、後見人が合理的理由なく制限を続ける場合には、不法行為や善管注意義務違反の問題が生じ得ると指摘しました。
面会制限をしている主体は自治体ないしは施設管理権に基づく施設ということになるかと思いまして、後見人は後見人の権限で面会制限をしているということではなく、虐待対応の判断の中で、後見人の権限や責任において一義的に制限しているというふうに法的に構成するということではないのではないかというふうに考えております。
改正案は本人の自己決定尊重と保護の必要性の調和を図るものとして概ね肯定的に評価される一方、特定補助制度の実効性、報酬助成の地域差、中核機関の予算・人材確保、消費者保護法制の整備等が今後の課題として指摘されました。参考人質疑はこの回で終了し、委員長が参考人各位に謝辞を述べました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。