本会議(厚生労働委員会)では、内閣提出の健康保険法等改正案と浜地雅一君外三名提出の高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案を一括議題とし、参考人五名から意見聴取が行われました。菊池馨実氏、大黒宏司氏、林鉄兵氏、中村洋一氏、佐野雅宏氏らが出席し、OTC類似薬の保険給付見直し、出産費用の保険適用、高額療養費の見直しと財政効果、後期高齢者医療の公費負担、市販薬乱用防止、現役世代と高齢者世代の負担バランスなど多岐にわたる論点が議論されました。大黒参考人は自身も膠原病患者であることを踏まえ発言し、菊池参考人は当事者を「共事者」として捉える視点の重要性と、合意形成のための議論の場の確保を指摘しました。
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全35テーマ ・ 紐づく質疑54件
高額療養費見直しにおける当事者・関係者への意見聴取及び資料提示の制度化
OTC類似薬・スイッチOTC化の基準と安全性については、中村参考人が、OTC薬は医師処方薬の成分量を減らして一般用としてきた経緯自体に問題があったと指摘し、ロキソニン等が医師処方薬と同量の成分を含む場合に弊害が生じうるとして慎重な扱いを主張しました。中村参考人はまた、前立腺肥大患者に風邪薬を投与した際に尿閉が生じる例が年に2、3例あると説明しました。梅村委員は、ステロイド塗り薬について欧州では一段階のみが市販化されているのに対し、日本では下から三段階までスイッチOTC化されている点を指摘しました。菊池馨実は、重点化のためやむを得ない方向性であるとして見直しを肯定する立場を示しました。
一定の自己負担を徴収するという今回の見直しは、医療給付の重点化を進める上ではやむを得ない方向性と考えます。
本テーマでは、OTC類似薬の保険適用除外拡大に関して、健康保険法上の条文構造や臨床現場への影響が論点となりました。辰巳孝太郎委員(スコア0.25)は、薬以外の療養の給付範囲についても保険適用除外を拡大しうる条文構造を指摘し、混合診療化や臨床現場への悪影響を懸念して政府側に質問を行いました。中村洋一参考人(スコア0.05)は、自己負担増により同じ病状であっても治療内容に差が生じ、皆保険制度が掲げる公正公平の理念が崩れると強く懸念を表明しました。また中村参考人は、歯科における自費化の事例を挙げ、経営悪化によっていかがわしい治療が横行しかねないと指摘しました。両者とも、対象拡大が医療の分断や混合診療化を招くことへの懸念を示しており、明確な結論や決定事項は示されていません。
OTC類似薬対象者の要配慮者判定基準について、難病等症状変動患者への対応が議論されました。豊田真由子委員は、難病でも公費負担対象外の方や在宅人工呼吸器装着者が配慮対象になるかについて懸念を表明しました。中村洋一参考人は、ロキソニンテープの購入によるぜんそく発作誘発事例を紹介し、薬の自己判断購入の危険性を指摘するとともに、ALS人工呼吸器患者が花粉症であっても難病対象外のため自己負担になる例を説明し、現行基準の対象限定性を批判しました。林鉄兵委員は負担増への懸念を示し、要配慮者の範囲等について丁寧な検討を求めました。
一部保険外療養の創設をめぐっては、賛否の立場が分かれました。中村洋一氏は、公的医療保険制度を覆す制度改変であるとして法案からの削除を求め、明確な反対の立場を示しました。一方、佐野雅宏氏と菊池馨実氏はいずれも一部保険外療養の創設に賛同する立場を示し、佐野氏は条件付きで賛同しつつ要望を付す姿勢を、菊池氏は別建て創設への賛成を明言しました。
本テーマでは、健保組合・職場における健康づくりや予防を通じた医療ニーズの抑制策について議論が行われました。日野委員は、給付削減ではなく健康づくり・予防による医療ニーズ抑制策の必要性について質問しました。これに対し佐野参考人は、毎年の健診受診の徹底と、健康状態に問題があった場合の改善取組の促進が重要であると回答しました。また林参考人は、長時間労働の抑止、夜勤負担の軽減、メンタルヘルス対策、労働安全衛生の強化が重要であると回答しました。
本テーマでは、健保連保有データの提供・公表をめぐる課題が取り上げられました。佐野参考人は、検討会においてデータ面での大きな課題はなかったとしつつ、国の保有データについては整理が十分でなく取りにくい部分があると指摘しました。また、健保連が保有するデータについては、個人情報を除き可能な限り対外的に公表しており、審議会等でも活用されていると説明しました。
本テーマでは、出産なびに掲載される出産費用情報の正確性確保と更新体制について議論が行われました。佐野参考人は、出産経験者から費用が事前に分からなかった、お祝い膳等が自動的にセットされていたとの声を紹介しました。その上で、出産費用の見える化・標準化とデータ分析が保険適用検討の第一義であると主張しました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、出産費用の保険適用移行に伴う新旧制度の併存期間の在り方と、周産期医療体制への公費支援が議論されました。論点としては、現物給付と現金給付の併用が長期化することの是非、医療機関が移行してもよいと思える報酬水準の設定、旧制度のみの医療機関しかない地域では新制度を選択できないという問題が挙げられました。発言者としては、佐野雅宏氏が新旧制度の併存は一定期間やむを得ないとしつつ早期移行の仕組みの重要性を指摘し、周産期医療体制の維持は国のインフラとして公費投入により別途解決すべきと主張し、賛成の立場を示しました。林鉄兵氏は無償化・現物給付化を評価しつつ経過措置には期限を求める条件付きの賛成、菊池馨実氏は併存期間の早期解消と現物給付化・自己負担の極小化を明確に支持しました。
やはりこれは、負担の均衡を図るためにも、今の一時金のやり方ではない、現物給付化する、極力自己負担を抑える、療養の給付は三割負担ですけれども、そうではなくて、基本的には負担が発生しないようにする、通常分娩の場合ですね、それはやはりやらなければいけないことであると思っております。
今回、出産への支援強化として、標準的な出産費用を無償化する、保険診療以外の分娩対応に要する費用を全国一律の水準で現物給付化するとし、妊婦の自己負担が生じない仕組みにすることは評価しているところでございます。
そういった点を踏まえても、やはりできるだけ早期に新制度の方に移行するような仕組みが重要だというふうに考えております。
出産費用の保険適用に関する議論では、医療提供体制及び産科医師配置の一体的検討の要否が論点となりました。菊池馨実氏は、医療保険制度の枠組みのみに限定せず、医療提供体制・医師配置を含めて関係者を交え広い視点から検討すべきと繰り返し主張しました。これに対し佐野雅宏氏は、医療体制整備は保険適用とは切り離し公費で対応すべきとの立場から、一体的検討には否定的な見解を示しました。両者の間で意見の一致には至らず、明確な結論・決定事項は示されませんでした。
本テーマについて要点の抽出はありませんでしたが、発言者のスタンスとして以下が示されています。中村洋一氏はスコア0.20で反対の立場を示し、拙速な制度変更による負担強要が地域産科医療の喪失につながるとの懸念を根拠としています。菊池馨実氏はスコア0.75で賛成寄りの立場を示し、現物給付化を妥当と評価していますが、患者集中への直接の言及はありませんでした。
出産費用の保険化をめぐっては、分娩施設間の格差や給付水準、施行時期の明確化が論点となりました。菊池参考人は、具体的な報酬水準については今後厚生労働省や専門家、当事者を交えて議論されるべきとの認識を示しました。佐野雅宏氏は、新体系の導入自体には賛成する立場を示しつつ、移行については時限的に速やかに行うことを求めるという条件付きの賛成でした。
新たな給付体系の導入は、やはり妊産婦の方の選択に不利益ですとか不公平が生ずることのないように、また保険者にとっても過度な事務負担が生ずることのないよう、移行期間、これはあくまでも時限的なものとして期限を区切っていただいて、できる限り速やかに新制度の方に移行をお願いしたいと思います。
本テーマについては要点の抽出はありませんでした。発言者のスタンスとしては、林鉄兵がICT活用による負担軽減自体には賛成の立場を示しつつ、人員配置基準の緩和には反対するとの条件を付けています。
ただし、ICTなどを活用したからといって、人員削減が可能になるといった単純なことではないと考えますので、人員確保、離職防止という観点からも、人員配置基準を緩和することなく、真に働く者の負担軽減に資する取組となるようにしていただきたいと考えています。
本テーマでは、高額療養費の自己負担見直しに先立ち医療費適正化を優先すべきとの日野委員の質問を端緒に、複数の観点から議論が行われました。保険給付範囲に関しては、菊池参考人が治療効果の低い治療への保険適用の在り方を議論すべきと指摘し、佐野参考人も給付範囲見直しを含む医療費の適正化・効率化が不可欠であり、負担は公費・保険料・自己負担のバランスで考えるべきと述べました。重複投薬・残薬対策については、大黒参考人がかかりつけ薬局・薬剤師の推進による無駄削減を提案したほか、林参考人は薬や湿布のもらい過ぎが保険財政を傷める点を組合員へセミナー等で周知していると説明しました。薬価に関しては、中村参考人がメバロチンやオプジーボを例に新薬の薬価設定が高過ぎる問題を指摘し、適正な薬価検討の必要性を主張するとともに、医療従事者給与が労働者平均より1割以上低い要因として診療報酬の低さを挙げました。また林参考人は、医療保険内の議論にとどまらず金融所得課税強化等の税負担も含めた検討を主張しました。
本テーマでは、協会けんぽの国庫補助特例減額に関する3年間の時限措置の取扱いが論点となりました。林鉄兵参考人は、協会運営委員会や支部評議会において当該時限措置に唐突感や納得感のなさを指摘する意見があったと説明し、時限措置終了後も国庫補助率を維持するよう求める意見が多く出されたことを述べました。あわせて、協会けんぽの試算では将来的に単年度赤字化する見通しであることや、協会けんぽの一人当たり準備金は健保組合等と大差がないことを説明し、保険料率1.64%の維持を強く要望しました。辰巳孝太郎委員は、協会けんぽの国庫補助について3年間の特例減額後の取扱いが大臣折衝において令和10年度までの見直し検討対象とされている点を確認しました。林鉄兵参考人・辰巳孝太郎委員はいずれも国庫補助率の維持を求める立場から発言しており、減額特例の取扱いについて反対の姿勢を示しました。
市販薬乱用防止に向けた薬局における販売管理の在り方について、豊田委員は乱用防止策の実効性が上がっていない現状を踏まえた改善策を中村参考人に質問しました。中村参考人は、乱用市販薬ランキングでコデイン類(パブロンゴールド)が上位にあり、若者が覚醒剤的効果を目的に購入している実態を説明した上で、十代の薬物依存患者数が2016年以降急増し百三十件台に達していると指摘しました。さらに、2015年・2018年に行われた薬局における薬剤師管理の緩和がオーバードーズ増加の要因であると分析し、オーバードーズの7割が市販薬によるものであり対策が急務であると述べました。スタンスデータでは、中村洋一氏(スコア0.10)は販売管理の緩和が乱用を助長しているとして規制強化を志向し、辰巳孝太郎氏(スコア0.20)も規制緩和が乱用増加の背景にあると指摘し、規制強化を示唆しました。
希少疾患・難病治療薬に関するドラッグロスと治験環境の課題について議論が行われました。梅村委員は、日本が高額新薬の治験対象国から外れつつあり、上市の経済合理性も乏しい状況にあることへの懸念を示しました。大黒参考人は、難病患者に治験の機会がほとんど提供されておらず、治験そのものへの認識も希薄であると指摘し、ドラッグロス問題を市民・患者に広く知らせるための公表の必要性を主張しました。大黒宏司氏のスタンスについては、高額療養費見直しが希少疾患薬の開発に悪影響を及ぼすとの懸念を示すにとどまり、明確な賛否は示されていません。
高額療養費制度の見直しに関する議論が、希少疾患治療薬の開発に影響を及ぼすのではないかという懸念です。
後期高齢者医療における現役並み所得者への給付費に公費が投入されていない点が課題として質疑されました。佐野雅宏参考人は、現役並み所得者への公費未投入分が約6000億円にのぼり現役世代の過重負担になっていると指摘し、早期の公費投入を要望する賛成の立場を示しました。また、現役並み所得者の増加が現役世代の負担増につながる構造はいびつであるとし、拠出金割合が4割超、組合によっては5割超に達していると述べました。梅村委員は、現役並み所得者への公費不投入について、平成14年の2割負担導入時からの経緯がそのまま引き継がれ、これまで見直しがなされてこなかったことを説明しました。
現役世代の負担軽減のためにも、早期にここの部分についての公費投入、これを図っていただくことは、全体の給付と負担の、世代間の負担のアンバランスを解消するためにも大変重要なことだと思っていますので、早期の実施をお願いしたいというふうに思っております。
後期高齢者医療制度における金融所得(上場株式配当等)の勘案について、林鉄兵は確定申告の有無によって賦課額に差が生じることを公平性の課題として挙げ、その解消の必要性を明言しており、賛成の立場を示しました。
確定申告の有無によって保険料の賦課対象が変わるという点については、支払い能力に応じて公平に負担を求めるという社会保険の原理原則も踏まえ、公平性の観点から課題解消に向けた対応が必要と考えます。
治療・出産と就労の両立支援における保険制度の役割について、複数の論点が示されました。古川委員は、出産費用の見通しづらさが無理な就労継続につながる問題や、高額療養費制度における反映のタイムラグの課題を提起しました。林参考人は、病気により職場を辞めざるを得ないケースがあることを踏まえ、休業と負担軽減を組み合わせる工夫や職場での支え合いの必要性を述べました。大黒参考人は、難病患者を障害者雇用率制度に算入することの検討や、病気休暇制度・短時間勤務の一般化が就労継続を後押しするとの見解を示しました。
現役世代と高齢者世代の負担バランスと拠出金の在り方については、少子高齢化による社会構造の変化を踏まえた議論が行われました。佐野参考人は、現役世代が減少する社会構造の変化を前提として、パラダイムシフトが必要であると指摘しました。一方、林参考人は、現役世代と高齢者世代を対立軸として捉えるのではなく、現役世代もいずれ自身がシニア世代になる立場であることを共有した上で、負担は負担として訴えていると説明しました。
現役世代の保険料負担軽減に向けた医療保険への公費投入について議論が行われました。梅村委員は現役世代の負担軽減のため公費投入を議論すべきでないかと質問し、公費負担が社会保険料の税への置き換えにならない仕組みの検討が必要であると指摘しました。これに対し菊池参考人は、全世代型社会保障の流れの中で公費財源活用の方向性はあり得るとしつつ、財源確保が課題であると回答しました。また、佐野雅宏氏は現役世代の保険料負担軽減が不可欠であると明言しましたが、公費投入自体への言及はありませんでした。
現役世代の保険料負担の軽減、これが不可欠だというふうに考えております。
本テーマでは、認知症の早期発見と地域介入プログラム(とっとり方式)の普及について議論が行われました。中村参考人は、早期発見と地域グループでの運動及び座学を組み合わせたとっとり方式により、軽度認知機能障害が減少することを紹介するとともに、国立長寿医療研究所が南信州・愛知県で行っている同様の取組にも言及しました。また、中村参考人は、高齢者の健康講座に対する関心は高い一方で、それを実践する場が不足していると指摘しました。スタンスデータは示されていません。
本テーマでは、医療財源の確保に向けた税制のあり方が議論されました。林参考人は、金融所得課税の強化や所得捕捉の強化など税負担の見直しを提案しました。中村参考人は、金融所得課税の強化に加え、600兆円を超える大企業の内部留保への課税強化を財源として提案しました。
本テーマでは、手帳制度のない難病患者の雇用を障害者雇用率制度に含める検討が進められていることが取り上げられました。大黒宏司参考人は賛成の立場で、働けないと見られる現実への不安から頑張り過ぎて症状が悪化する状況があると指摘した上で、難病を開示せずに働く人が多い現状を挙げ、雇用率制度への算入を通じて一人でも雇用が進めば社会的な理解が広がると期待を示しました。
そういう意味では、こういうことを通じて難病患者の働くということが社会化されるということで、皆さんの理解が広まっていければいいかと思います。
このテーマでは、大黒参考人が、難病患者等の就労継続支援について、法的な合理的配慮としてではなく、「お互いさまの配慮」として職場内で役割分担を行い、同僚とともに育んでいく姿勢が重要であるとの考えを示しました。
高額療養費における所得区分の更なる多段階化・きめ細やかな負担設定については、林鉄兵氏と菊池馨実氏がそれぞれの立場を示しました。林鉄兵氏は、社会保険料との重複負担が強化されることを問題視し、多段階化に慎重な姿勢を示しました。一方、菊池馨実氏は、見直しを公平性と持続可能性を高める改革として肯定的に評価しました。
高額療養費制度の中核的役割を法的に明記することについて、複数の発言者が意見を述べました。大黒宏司参考人は、給付は必ずしも応能負担ではなく必要な医療提供を第一に制度設計すべきと主張し、自己負担上限引上げに慎重な立場を示しつつも制度の意義自体は評価しました。早稲田ゆき議員は、制度の中核的役割を趣旨規定に明記する条文提案について説明しました。菊池馨実氏は、同制度を最後のセーフティーネットと位置付け、その役割を堅持すべきことを明言し、明確に肯定的な立場を示しました。
高額療養費制度の在り方に関する専門委員会について、古川委員から菊池参考人に対し、同委員会でのデータ分析が十分であったかとの質問がなされました。これに対し菊池参考人は、当事者の声やデータに基づく議論が昨年は不足していたとの反省を述べました。一方で、教育費を経済的負担に含める分析については不要であるとの見解を示しました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
高額療養費等の在り方をめぐっては、早稲田ゆき委員ら3党が提出した見直しの議員立法が議論されました。大黒宏司参考人は、この議員立法について生活破綻の回避や当事者の意見を尊重する内容であると評価しました。辰巳委員は、療養をためらうことが命に直結しかねないとの認識を示し、負担軽減に資する議員立法を既に提出していると表明しました。早稲田ゆき委員は、患者負担増に慎重な立場から現行制度の改善を求める議員立法を提出しており、中村洋一委員も議員立法が負担軽減に活用されることへの期待を示しました。
本テーマでは、高額療養費専門委員会における当事者参加の枠組みについて議論が行われました。古川委員は、この当事者参加枠組みへの評価について中村参考人に質問しました。これに対し中村参考人は、当事者参加の取組を評価する一方で、高額療養費の負担者が抱える苦悩を知ることの重要性を強調しました。
本テーマでは、高額療養費の見直しに際して行われた当事者・関係者への意見聴取及び資料提示のあり方が議論されました。大黒宏司参考人は、専門委員会が8回開催されたものの金額に関する議論は行われず、金額は提示されるのみであったと証言し、専門委員会は高額療養費の堅持が必要であるという点では一致したものの、金額の決定過程には不満があり共同声明を発出したことを述べました。また、患者団体が参加したことを意見聴取が十分であったことの根拠とせず、患者の納得が得られる形での意見聴取を求める姿勢を示しました。辰巳孝太郎氏も、患者団体参加を形式的な正当化に用いる答弁を批判し、実質的な意見聴取を求めました。一方、早稲田ゆき氏は当事者等への意見聴取の措置を講じることを説明し、これを肯定的に紹介しました。中村洋一氏は、当事者参加を当然かつ高く評価する発言を行いました。
当事者を参加させるということは当然だというふうに思って、大変評価しております。
まさに、患者団体が専門委員会の中に入っているんだからというようなことを何か免罪符のようにして認められたというような様々なやり取り、答弁がこの国会でもありましたので、それは違うよというお話だったと思います。
今の現状では、納得というまではいかないという状況で共同声明を出したという状況になります。
さらに、高額療養費の支給に関する事項を定めるに当たっては、社会保障審議会の意見を聞くとともに、これに当たり、あらかじめ高額療養費等の支給を受ける者等の意見を聞くための措置を講じることとしております。
本テーマでは、高額療養費が医療費全体に占める割合が6.8%にとどまり鈍化傾向にあることから、制度見直しによる財政効果は限定的である一方、患者側のリスクは大きいとの指摘がなされました。あわせて、高額療養費制度は財政調整の道具ではなく命を守る制度であるとの認識が示されました。発言者としては、辰巳委員が医療費全体に占める高額療養費の割合が6.8%で鈍化傾向にあることを挙げ、見直しの財政効果は限定的であると指摘しました。また、大黒宏司氏はスコア0.15と自己負担上限の引上げに否定的な立場を示しており、その根拠として高額療養費の割合の低さを挙げています。
本当に高額療養費の急増が医療保険財政を圧迫しているのか、私は疑問に思います。
高額療養費の月額上限について、早稲田委員は7〜38%の引上げが患者負担増につながることへの懸念を表明しました。大黒参考人は、高額療養費の一回の使用機会を逃すと不可逆的な健康被害や社会保障費増につながると指摘するとともに、上限引上げが常態化し第二段階以降も続く可能性への強い不安を示し、既に医療支出が生活プランを崩す破滅的な水準に達している患者がいると述べました。辰巳孝太郎委員は受診控えが命に関わると批判し、負担軽減のための議員立法提出に言及しました。大黒参考人及び辰巳孝太郎委員はいずれも段階的引上げに反対の立場を示し、大黒参考人は慎重な再検討を要望しました。
高額療養費の見直しに関する議論では、審議会の委員構成について論点が示されました。古川委員は、審議会にデータ分析専門家や医療経済の専門家をより多く委員として加えるべきであると提起しました。これに関連し、菊池馨実参考人は、医療保険部会には医療経済学者が一名在籍しているものの、EBPMの観点からデータに基づく議論を行うためにはその人数がさらに増えてよいとの考えを示しました。スタンスデータでは、大黒宏司氏はスコア0.30とされていますが、これは専門委員会での議論不十分を批判し共同声明を出したことによるものであり、専門家参加の要否そのものについての直接の言及はないとされています。また菊池馨実氏はスコア0.60とされ、多様な関係者の参画の継続を期待する立場が示されていますが、専門家に限定した参加についての言及はないとされています。この論点に関する結論や決定事項は示されていません。
高額療養費見直しや出産費用の保険適用、OTC類似薬の対象拡大等の各論点では、賛成・反対双方の立場からの意見が示されたものの、明確な合意には至らない論点が多く見られました。一方、高額療養費制度を最後のセーフティーネットとして堅持すべきとの認識は複数の発言者に共有されており、今後の議論における当事者参加や意見聴取の継続的な確保が課題として挙げられました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――