本会議(法務委員会)では、再審法改正案を中心に多岐にわたる論点が議論されました。参考人として弁護士の宇田幸生氏、福井女子中学生殺人事件被害者遺族の大橋宏子氏を招き意見聴取が行われ、大橋氏は妹智子さんの事件経緯と家族の苦しみ、前川氏の無罪判決への思いを語りました。委員会では、牧山ひろえ議員、打越さく良議員、川合孝典議員、横山信一議員、安達悠司議員、北村晴男議員、嘉田由紀子議員、仁比聡平議員らが、再審請求審における証拠開示・証拠提出命令制度、検察官抗告の是非、証拠の目的外使用禁止規定、調査手続(スクリーニング)の明確性、裁判所の専門性蓄積などについて質疑を行いました。また供述調書・聴取報告書の確認手続、検察の証拠改ざん・捏造事案の原因究明、被収容者への医療提供体制、外国人の入国審査や宗教的配慮要望への対応方針など、司法・行政両面の論点も取り上げられました。
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全48テーマ ・ 紐づく質疑103件
再審法改正の基本理念(冤罪救済・誤判からの確実な救済と手続の迅速化の両立)
本議論では、イスラム教徒の土葬要望への対応をめぐり、自治体向けガイドラインの必要性が論点となりました。北村委員は、信教の自由は他人に負担を求める権利ではないとの価値判断をガイドラインで自治体に示すべきと要求し、土地の狭さ・墓地スペース・衛生上の問題を理由に土葬対応の検討継続を求めました。北村委員のスタンスは、土葬要望に応じる必要はないとの立場を明確にすべきというものでした。これに対し厚労省は、墓地埋葬法上、土葬・墓地経営は市町村長・都道府県知事等の許可制であり、各自治体が適正に判断しているとの答弁を行いました。明確な結論・決定事項は示されませんでした。
本テーマでは、イスラム法典等の教義を法律より優先する外国人の入国拒否・退去強制対象化の是非が議論されました。北村晴男は、欧州の意識調査を示しつつ、イスラム法典を法律より重視する外国人の受入れが治安悪化を招くと主張し(賛成、スコア1.00)、客観的な違法行為が起こる前に対応する必要があるとして、教義優先の外国人や異教徒女性を性奴隷にしてよいと考える外国人を退去強制・入国拒否の対象とすべきと提起しました。また、内心の問題による退去強制・入国拒否は刑事手続とは別の政策判断であり、両者を混同すべきでないとも主張しました。これに対し内藤惣一郎(内藤政府参考人)は、在留審査では法令違反行為を素行不良として消極評価する等総合的に判断していると説明した上で、法令違反行為に及ぶおそれの有無等は様々であり一概に答えることは困難であるとし、また回答内容で不利益処分を科す前提の宗教アンケートについては信教の自由への配慮から慎重になるべきとの意見もあると答弁しました。明確な結論・決定事項は示されませんでした。
そこで、日本の法令よりもイスラム法典あるいは聖書を優先すべきであると考える外国人については、退去強制、入国拒否の対象とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
本テーマでは、大川原化工機事件において有識者聴取の内容と異なる報告書が作成された問題を契機に、供述調書・聴取報告書の確認・署名手続の実効性が議論されました。川合孝典議員は、逮捕前の任意聴取では署名・押印確認がおざなりになっている現場実態を指摘し、証拠力発生の要件として確認・署名の徹底を提案しました(スタンス0.85、賛成)。これに対し警察庁は、供述調書の複写提供は刑訴法四十七条により困難であるが、犯罪捜査規範に基づき事実に即した作成を都道府県警察に指導すると答弁し、聞き取り報告書に有識者の発言と異なる記載があるとの指摘は控訴審判決になされていないとしつつ、違法捜査による国民の信頼毀損を重く受け止めると述べました。刑事局長は、供述調書は署名押印があって初めて証拠能力を持つ一方、聞き取り報告書は本人確認を経ない伝聞に過ぎないと説明し、刑訴法百九十八条により調書は被疑者に閲覧・読み聞かせて誤りを確認する手続が前提であり、確実に実施されるべきと答弁しました。佐藤淳氏も確認手続を確実に実施すべきと明言しています(スタンス0.75、賛成)。
本テーマでは、再審における事実認定・証拠評価を当時の基準で行うべきか、現代の基準で行うべきかが論点となりました。安達悠司は、四十年前の事件を現代の感覚で裁き直すことの可否と時代基準の在り方を質問し、当時基準による判断は現代の裁判官にとって困難であり心証を誤る可能性があると指摘しました。安達悠司のスタンスは反対寄り(賛成度0.20)であり、現代基準での再審見直しに慎重で、証拠評価の誤りや被害者の不安定化への懸念を根拠としています。これに対し平城文啓は、行動原理の評価等では過去の社会通念・経験則を取り込む場合があると一般論で説明した上で、当事者の主張立証を踏まえれば当時の経験則等を踏まえた適正な判断は可能であると答弁しました。両者の質疑を通じて、時代基準の設定と適正な事実認定・証拠評価の可否について議論が交わされました。
やはり証拠の評価を誤りやすい。時代考証を立証しろと言われてもなかなか難しいんではないかと思いますので、その点は慎重な評価が必要だと思います。
本テーマでは、再審請求事件における裁判所の専門性蓄積の在り方が議論されました。牧山議員は、裁判官一人に証拠価値の判断を委ねるのは酷であるとして、証拠全面開示により被告人・弁護人が価値ある証拠を探せる仕組みとすべきと主張しました。これに対し副大臣は、裁判官も万能ではないとしつつ、証拠提出命令制度の新設により裁判所と当事者のコミュニケーションで対応できると答弁しました。湖東記念病院事件では熱心な裁判長の訴訟指揮が再審無罪につながった例が挙げられ、裁判官ガチャの実態が指摘された一方、最高裁は個々の訴訟指揮権行使の評価は差し控えるとしつつ手続規定整備の重要性を説明しました。地裁刑事事件約七万件中再審請求は百四十一件(〇・二%)にとどまり、裁判官の経験蓄積機会が乏しいことが指摘され、元裁判官の水野智幸教授による研修プログラム不在の指摘も紹介されました。司法研修所は令和六・七年度に再審制度に関する研究会を開催し、審理長期化経験のある弁護士を講師に招いて進行管理等を議論したと説明されました。嘉田由紀子議員(スコア0.85、賛成)はイギリスCCRCやフランス破棄院専門部を例に、再審専門部設置・再審調査官配置を提案し、平城文啓は体制整備と研究会継続により知見共有環境を整えると答弁しました。
検察においても専門性を高める努力がある一方で、裁判所の組織としても体制整備が進まなければ、バランスを欠くことになります。
本テーマでは、再審請求人が必ずしも無罪の冤罪被害者とは限らないという前提から、再審制度に関する濫用懸念が議論されました。安達悠司委員は、再審請求人が必ずしも無罪とは限らない点を挙げて濫用の懸念を指摘し、再審制度を不用意に変更することで制度が濫用・悪用され、本来処罰されるべき者が処罰されなくなる懸念を表明しました。また、再審を何度も繰り返すことについて慎重な評価が必要であるとの指摘を改めて行いました。これに対し宇田幸生氏は、請求者イコール冤罪者との見方に警鐘を鳴らしつつ、どのような制度にも濫用の懸念はあり得るとした上で、救済されるべき者が救済されるバランスが必要であると回答しました。両者ともスコア0.20とされており、制度変更に対して慎重な立場が示されています。
本テーマでは、再審請求審における職権主義構造と証拠開示請求権の関係が議論されました。牧山議員は無罪の可能性がある者に証拠へのアクセスを与えないのは問題であると追及し、副大臣は通常審での証拠開示手続によりアクセス機会は十分あったと反論しました。また副大臣は、検察官の手持ち証拠全面開示制度について、名誉・プライバシー侵害等の弊害や通常審との整合性の観点から見送った経緯を説明しました。現行刑訴法が当事者主義基調に改正された一方、再審規定は旧法の職権主義のまま維持された経緯について質問があり、その経緯は国会審議記録上判然とせず、濫請求排除等が理由として文献で指摘されているとの答弁がありました。横山信一議員(賛成、スコア0.85)は職権主義を理由に証拠開示を拒むのは矛盾を抱えたままの制度運用だと指摘し、開示請求権を重視する立場を示しました。刑事局長は、裁判所が主体的に証拠提出を命ずる仕組みが職権主義構造と整合的であると説明し、請求者への直接開示制度は手続構造と整合性を欠くとの指摘も示されました。川合孝典議員(賛成、スコア0.75)は弁護側・検察・裁判所が同じ証拠を持つべきと主張しました。五年後見直しでは職権主義と当事者主義の矛盾を見定めるべきとの指摘がなされました。
職権主義を盾にしてこの証拠開示をかたくなに拒むというのは、やはり先ほどの川合理事の話でもありませんけれども、非常に矛盾を抱えたままでこの再審制度というのは維持をされてきているという一つのあかしなのではないかというふうにも思うわけです。
公平な裁判を図る上で、要は職権主義の中で、要は弁護側と検察と裁判所の間で同じ証拠を持った上できちんと再審の手続を進めていくというのは、その方が裁判手続としては公平だと思うんですけど、私の言っていること、おかしいですかね。
この手続構造からすると、裁判所が主体的に判断するわけですので、それが審理、判断のために必要と認めた証拠について裁判所への提出を命ずる仕組みとするのは整合的であるとまずは申し上げているのが一点であります。
本テーマでは、再審手続の進行が犯罪被害者・遺族の心の平穏を再び侵害することへの懸念が議論されました。北村議員は、スクリーニング後の審判開始という段階に至った時点で、被害者がそれまでに得ていた心の区切りが破られる懸念を指摘しました。参考人として出席した宇田幸生氏は、審判手続が開始され状況が動き出すことに対する被害者の不安は相当なものであると述べ、再審による裁判の長期化が被害者への二次被害となることを明確に訴え、この論点について反対の立場(スコア0.00)を示しました。両者の発言はいずれも、再審手続の進行が被害者・遺族に与える心理的な影響への懸念という点で共通していました。
いつまでも裁判が終わらないというのは、犯罪被害者にとって大きな二次被害なのです。
本テーマでは、再審法改正の基本理念について議論が行われました。牧山議員は、法改正は行政や検察のためでなく真実を求める国民のための制度であるべきと主張し、基本理念を質問しました。これに対し三谷副大臣は、誤判からの確実な救済と手続の円滑・迅速化という相反しがちな二つの理念を両立させることが今回の改正の重要性であると説明し、今回の改正を考え得る最高のものと述べつつ、終着駅ではなく五年ごとの見直しで対応するとしました。牧山議員は前川氏欠席を立法事実として重く受け止め、最高の法案なら前川氏が納得する内容にすべきと主張しました。スタンスとしては、三谷英弘、宇田幸生、安達悠司、平口洋の各氏が両理念の両立や手続明確化等を評価し賛成の立場を示した一方、打越さく良氏は政府提出法案が冤罪被害者の思いに即さず不十分であるとして反対の立場を示しました。
これこそが、今私たちが審議しているこの政府提出法案が、冤罪被害者の思いに即していないし、冤罪被害が二度と起こらない、そういうものになっていないという立法事実ではありませんか。
間違いなくこれは再審制度を大きく前進させるものであると思っております。
そういった修正があって、今のものというのが、考えられる上で私は最高のものだというふうに考えています。
再審請求者の立場ももちろんなんですけれども、あわせて、被害者の立場も踏まえて、完全ではないけれども前進した内容であるといったことが理由となります。
かなりバランスを熟慮して、考慮して構築された法案ではないかというふうには受け止めております。
本テーマでは、再審法改正案における証拠の目的外使用禁止規定が支援・救済活動に与える萎縮効果について議論されました。横山委員は目的外使用禁止が従来問題のなかった規定であるとしつつ性被害の悪用防止のための必要性を質問し、報道・市民検証の重要性を強調して新聞協会声明を重視すべきと主張し萎縮効果を懸念しました。嘉田委員は目的外使用禁止がマスコミ・支援者による社会的支援を削ぐ懸念を示し、日野町事件・湖東事件等でマスコミ報道が社会的関心や裁判に影響した例を挙げました。仁比委員は検察が第一次判断する構造自体が萎縮効果を生むのではと指摘し、裁判所による個別判断を提案しました。牧山議員は参考人質疑を紹介し、プライバシー保護を理由とした利用制限が被害者の知る権利を損なうと指摘しました。宇田幸生氏は目的外使用禁止を一貫して支持し、SNS等の拡散時代を踏まえた慎重な扱いと被害者保護のための厳格な制限を主張しつつ、マスコミの監視機能の重要性も認め、目的外使用は再審準備・請求以外に使わない原則を維持しながら裁判所が個別に開示判断すべきとしました。日本新聞協会は目的外使用禁止規定に反対する声明を出し、副大臣は証拠に含まれる関係者のプライバシーや捜査手法保護を理由に禁止の必要性を説明し、大臣は支援活動や報道の重要性を認識していると答弁しました。
本テーマでは、再審法改正案における証拠の目的外使用禁止規定の一律適用の是非が議論されました。宇田幸生参考人は目的外使用を認める意見に反対の立場を示し、性的画像等の悪用による被害申告への萎縮効果を懸念し、再審と通常審で被害者の心理に区別はなく一律制限による安心感が重要だと主張しました。牧山委員はプライバシー部分を除いた目的内使用の承認を、小林委員は適切なマスキングによる個別判断や公益目的の例外規定化を提案しましたが、宇田氏は一度開示された情報は回収不能であるとして現行案の慎重な運用を支持しました。北村議員は目的外使用禁止に反対する立場への見解を質問し、宇田氏は報道等への情報提供が事実解明につながった事例の意義を否定しないとしつつ、厳格な制限の必要性を述べました。答弁では、証拠の概要伝達は禁止されないが複製物の交付・提示は違反になり得ること、再審請求者側や第三者による実験は目的により許容され得ることが説明されました。早大澤教授は捜査機関保管証拠を公共財とし一律禁止でなく法曹三者による留意事項検討を、少年審判規則第七条の個別条件付与方式の参考も提案されましたが、刑事局長は同方式は遵守担保や手続保障の点で問題があると説明しました。スタンスでは、仁比聡平氏が個別判断による限定を主張する一方、佐藤淳氏は一律禁止と調整規定の組合せを妥当とし、横山信一氏は個別条件付与を提案するなど、賛否が分かれました。
証拠の目的外使用を認める意見には絶対に反対であります。
こういう証拠に関して裁判所が、これは何々という条件以外に絶対に使ってはならないというような判断を個別に行うという形にすれば、萎縮的な効果というのは極めて限定されるのではないか。
私どもとしては、いろいろ頭を悩ませた上で、こういった結論に至るのが正しいと、その上で、個別の事案に関しては調整規定などを置きまして個別に適切に対応していくのが重要だろうというふうに考えているということでございます。
このような有識者の指摘や少年審判での仕組みを参考にして、裁判所が個別に条件を付すような、より制限的ではない制度を検討するべきと考えますけれども、局長のお考えを伺います。
本テーマでは、再審法改正案附則における抗告審を一年以内で終えるとする努力規定の実効性が議論されました。安達悠司委員はスコア0.20と反対寄りの立場から、記録量や反論期間を考慮すると一年以内での終了は現実的か疑問を提起し、弁護側・検察側が要望すれば合理的範囲で期間延長を認めるべきと主張しました。これに対し宇田氏は、一年という期間は努力規定であり絶対義務ではなく、争点整理による迅速化の指標であると説明し、事案内容によっては努力規定の運用の中で検証していけばよいと回答しました。また佐藤淳氏は、附則五条の起算日や抗告審の平均審理期間を説明した上で、一年は達成可能な目標であるが必要な審理を省略する趣旨ではないと答弁しました。
私は、弁護側なり検察側が要望あればそこはきちんと期間を取って準備期間を与えるべきではないかと思いますが
本テーマでは、再審請求審における証拠開示命令の裁判所権限をめぐり議論が行われました。古庄玄知議員は、証拠開示について職権主義に反するとする否定説とプライバシー保護を理由に開示しないとする説を紹介した上で、肯定説は職権主義に反せず個別にプライバシー保護を図れるとする立場を説明し、検察官任せの現状と法務省説明の条文根拠の欠如を批判して裁判所の開示命令権限確立を求めました。また、スクリーニング段階では審判開始決定前のため証拠提出命令を出せないことが問題視されたほか、過去の再審無罪事件では裁判所の勧告による証拠開示が再審開始決定につながった例があると指摘されました。発言者のスタンスとしては、牧山ひろえ議員と宇田幸生議員が証拠アクセスを与えないのは間違いであるとして開示命令権限に肯定的な立場を示した一方、北村晴男議員は法定外の証拠開示命令が運用上狭まることへの懸念を表明し否定的な立場を示しました。
本テーマでは、再審請求審における証拠一覧表・送致書類等目録の法定化の要否が論点となりました。川合孝典議員は、提出命令規定の導入を五年後見直しに向けて早期に検討すべきと主張し、職権主義を理由に一覧表開示を拒むことは矛盾であり、欧米では既に制度化されていると指摘しました。打越さく良議員も、裁判所が勧告した際の証拠一覧表開示を必須化すべきと主張し、法定化に前向きな姿勢を示しました。一方、平口洋議員は、一覧表交付制度の創設について慎重な検討を要するとし、消極的な姿勢を示しました。
このいわゆる一覧表のきちんと開示を行うということについては、これはもう当然のこととして検討すべきことだと思います。
証拠の一覧表の開示、交付の制度を設けることにつきましては、証拠の提出命令の請求等に際して効果的な場面は限定的であるというふうに思われる一方で、再審請求審の審理の在り方や手続構造との整合性、職権主義ということなんですけれども、ことから、慎重な検討を要するものと考えております。
せめて、もう一度言いますけれども、せめてですね、裁判所が必要であると勧告した場合には、裁判所が指定する範囲に属する証拠の一覧表は必ず開示するべきということでよろしいでしょうか。
本テーマでは、再審請求審における証拠提出命令制度について、証拠の特定方法や関連性判断の運用が議論されました。山谷委員は必要性・関連性により開示範囲が絞られる懸念を紹介し、宇田氏は証拠開示命令の法定化を運用と法制度の二重の手当てとして重要と評価し、裁判所が証拠を事前にチェックし目的外使用に当たらないものは命令を出す立て付けと説明しました。古庄玄知議員は複数パターンの証拠特定例を示して裁判所が命令を発し得るか質問し、最高裁代理者は個別の証拠まで指定された特定であれば命令発付はあり得るとする一方、類型・例示・再審請求理由関連・犯人性関連による特定は事案によるとしか答えられず、未提出証拠全部という特定は改正後445条の2第1項の要件に適合しない可能性があり命令は考えにくいと答弁しました。古庄議員は法務省と裁判所の認識の食い違いや、弁護側・裁判所双方が検察の保有証拠を知らない中での特定の困難、検察が無罪証拠を関連しないと判断すれば裁判所に出てこない構造上の問題を指摘し、条文にコミュニケーション規定がない点を法務省の希望論に過ぎないと反論しました。法務省局長は証拠特定は検察官が一義的に判断するとしつつ、裁判所と検察官の協議や提示命令による特定を説明し、副大臣はカナダ最高裁判決を踏まえ証拠は適正な裁判実現のため収集・使用されるべきとし、関連性要件は一定の広がりを持ち請求側の指定により対応可能と述べました。
そうすると、この提出命令というのはほとんど意味を成さないというふうに考えるべきじゃないかと思うんですが
本テーマでは、再審請求審における調査手続(スクリーニング)の期間・基礎資料・審判開始要件の明確性について議論が行われました。安達委員は、改正案でスクリーニングにおける明らかな理由なし規定がなくなり、請求が突破しやすくなるとの懸念を質問しました。これに対し宇田氏は、スクリーニングと審判手続の立て付けは明確化されており現段階で具体的懸念はないと回答し、再審手続の経験がなく審判手続についての意見表明は困難とも述べました。北村晴男議員(スコア0.75)は、再審開始理由がないことが明白な場合はスクリーニングで排除すべきとの意見を示しました。宇田幸生氏(スコア0.75)はスクリーニングと審判手続の立て付けが明確であると評価し、横山信一議員(スコア0.70)はスクリーニングの厳格な運用と請求者への手続保障の必要性を強調しました。また、日弁連会長声明は濫用的請求の排除自体は否定しないが、再審請求前の記録閲覧謄写制度がなく理由の的確な構成は困難であると指摘されました。改正法四百四十四条の二は裁判所に遅滞なき調査義務を課すものの、不適法申立てを適法へ誘導することは困難と説明され、裁判所は不明瞭点について釈明や補正を促す運用はあり得るとされました。調査手続段階では棄却事由を法令上の方式違反等に限定し、拙速な棄却は生じないと説明されました。
本テーマでは、再審請求審に関与した裁判官の除斥拡大に関する新設規定(438条の2)の趣旨や、過去に原判決に関与した裁判官が再審請求審を担当した例の有無が論点となりました。北村晴男は、原判決関与裁判官の再審関与は不公平であるとの立場から除斥拡大に肯定的な姿勢を示し、法規定がなければ疑問を持たない姿勢だと証拠開示勧告等の運用が狭まる懸念があると指摘しました(賛成)。これに対し平城文啓は、福井事件において再審公判担当裁判官の一部が再審開始決定にも関与していた例があったことを説明し、昭和34年の最高裁決定にも言及しました。
原判決、これは有罪確定した裁判ですね、それに関与した裁判官が再審請求審を担当したりするなどすれば、これ公平な判断が期待できないと考えるのが当然だというふうに私は思います。
本テーマでは、再審開始決定に対する検察官抗告の必要性と、その犯罪被害者への影響が議論されました。宇田幸生氏は抗告の全面禁止に反対し、誤って再審開始された場合に不服申立ての機会がなければ被害者が再び裁判に巻き込まれると主張し、抗告は検察が証拠を隠す前提ではなく裁判官の誤りを是正する不服申立て制度として必要と説明しました。また、原則禁止としつつ十分な証拠がある場合に抗告できる立て付けについては十分な反論の余地が残り評価できると回答しました。三谷英弘氏も、誤った再審開始決定への不服申立てが無いと確定判決の紛争解決機能が損なわれるとして抗告存置に肯定的な立場を示しました。一方、横山信一氏は福井事件で検察が事実誤認を認識しつつ抗告し真犯人検挙が遅れた点を踏まえ抗告の必要性を質問し、根拠不十分な抗告が容認されてきた過去を問題視しました。牧山ひろえ氏は、検察官抗告による再審開始の長期化が冤罪被害者・犯罪被害者双方に不利益であると指摘し、抗告存置で誰の利益を守るのか質問しました。これに対し副大臣は、裁判の確定による紛争解決機能と刑事司法への国民の信頼維持のため上級審の審査機会保障が必要であり、抗告裁判所において理由なき抗告は棄却され司法的抑制が機能すると答弁しました。打越議員は、前川彰司さんら支援者が検察官抗告をなくすことなどを参議院に求めたと紹介し、安達悠司氏は附則五条の抗告事件一年以内努力規定について、審理充実との優先関係を質問しました。
本テーマでは、再審開始決定に対する検察官抗告について、十分な根拠がある場合に限り抗告可能とする規定が検察官の行為規範にすぎず、抗告原則禁止が実質を伴うか疑問視されました。これに対し、検察官の抗告理由等を遅滞なく公表し、国民がチェックできる仕組みとしているとの説明がなされました。横山信一氏は、抗告原則禁止の実効性に疑問を呈しましたが、賛否自体は不明瞭でした。
本法律案では、再審開始決定に対する検察官の抗告の原則禁止となっていますが、この改正部分が検察官の行為規範にすぎないのであれば、検察官における抗告を原則禁止するとしたことにならないのではないか。
本テーマでは、再審関係者や被害者のプライバシー保護をめぐり、証拠一覧表の開示方法や関連制度の在り方が議論されました。宇田参考人は、殺人罪等の事件でも被害者の過去の履歴や男女間トラブルなど赤裸々な事情が関わる例があり、結婚詐欺的な事件でも同様の背景事情が出てくる可能性があると説明しました。川合議員は本会議答弁を受け、証拠一覧表開示時における名誉・プライバシーへの配慮方法の検討状況を大臣に確認するとともに、刑事訴訟法四十七条が名誉・プライバシー保護と公平な裁判の両立を図る規定であると指摘しました。これに対し平口大臣は、一覧表交付制度の創設については職権主義との整合性等の観点から慎重な検討を要するとの考えを示し、現行法下でも裁判所が検察官に対し標目一覧表の提示・提出を勧告する運用は、本法案の成立後も可能である旨を説明しました。なお、牧山ひろえ議員は、被害者保護を目的とした証拠制限が真実発見を損なうおそれがあるとして、批判的な立場から問題提起を行いました。
被害者保護を旗印に証拠の利用を制限することは、かえって被害者が真実を知る権利を損なう場合があると考えますが、副大臣、いかがでしょうか。
本テーマでは、冤罪事件発生の原因と検察の反省の在り方について議論が行われました。牧山議員は名古屋の主婦殺人事件を例に証拠保全の困難さを指摘し、検察の反省を踏まえた捜査再開判断の進化が必要であると質問しました。これに対し副大臣は、個別事案には答えられないとしつつも、検察当局が過去事件の知見共有・反省を捜査公判の教訓としている旨を答弁しました。また仁比聡平議員は、検察・警察の有罪維持姿勢と反省の欠如を強く批判し、原因究明を求める立場を示しました。
警察とそれから検察がこの事件で行ったのは、その捜査機関が描いたあの筋立て、ストーリーに基づいて、言わば裁判所からだまし取った確定有罪判決を維持することにきゅうきゅうとすると、警察ぐるみ、そして検察ぐるみで有罪確定判決を維持することにきゅうきゅうとしてきたと、そのことについて反省がないということじゃないですか。
本テーマでは、冤罪被害者と犯罪被害者の関係や、再審法改正の意義をめぐる議論が行われました。大橋宏子氏は、冤罪被害者と犯罪被害者は敵同士ではなく共に被害者であると述べ、前川さんの代わりに無実の人が犯人にされない法律への改正を求めました。宇田氏も元依頼者の言葉を引きつつ、両者が共に被害者であるとの認識に同意を示しました。仁比委員は、前川氏が国会前パレードで冤罪被害の繰り返し防止のための法改正を訴えたことを紹介しました。打越さく良議員は、前川彰司さんが参考人質疑を欠席したのは採決が近いと聞き絶望したためと説明し、その欠席自体が政府提出法案が冤罪被害者の思いに即していない立法事実だと主張しました。牧山ひろえ議員も同様に、前川さんの欠席理由を政府案・修正案が不十分であることを示す立法事実であると主張しました。両議員はスコア上、検察官抗告廃止などの抜本修正を強く求める立場です。これに対し平口大臣は、誤判防止と手続迅速化を目指す思いは同じだと答弁しつつ個別事件への言及は避け、前川さんの長期服役と無罪判決を重く受け止め、本法案は誤判からの確実な救済と迅速化を図るものであると答弁しました。
本テーマでは、犯罪被害者・冤罪被害者支援における行政の予算化・組織体制整備の在り方が議論されました。嘉田由紀子委員は、滋賀県での犯罪被害者総合相談センターやワンストップセンター設立の経験を紹介し、自治体支援の在り方について質問するとともに、自治体の予算化・組織化を法務委員会で公言するよう要望しており、支援体制整備に積極的な立場を示しました。宇田幸生氏は、行政との定期的な情報交換や制度提案の場が重要であると述べるとともに、宿泊施設の手配や日常生活支援など行政ならではのきめ細かなフォローアップが被害者にとって心強いと説明し、支持的な立場を示しました。
本テーマでは、大川原化工機事件を題材に、勾留中の被収容者への医療提供体制と保釈判断の在り方が議論されました。川合孝典議員は、胃がん確定診断後も保釈請求が繰り返し却下された経緯を示し、適切な医療提供・人権保障の在り方を質問するとともに、本省の人権配慮の意図と拘置所現場の運用実態との乖離を指摘し、医療アクセス確保のルール化を要求しました(スコア0.85、賛成寄り)。これに対し矯正局は、被収容者への社会一般水準の医療提供は国の重要な責務であり、必要に応じ外部医療機関への通院・入院や救急搬送で対応しているとし、国賠訴訟では東京拘置所の医療対応に医学的合理性があり治療義務・転医義務違反はなかったとの判断が示されたと説明しました。一方、佐藤淳は検察対応の問題を認める発言をしています(スコア0.70)。刑事局長は最高検検証結果報告書に基づき、保釈請求への反対意見は不適切であり、進行胃がん診断後は反対意見を述べない柔軟対応が相当だったと認め、深く反省すると答弁しました。矯正局は、矯正施設内の医療体制を社会一般水準に即したものとするよう引き続き指導するとしています。
本テーマでは、名古屋高検による検察官15人聞き取り調査結果報告書の内容とその妥当性が議論されました。山谷委員は報告書で検察官6人が証拠の誤りを把握し上司の指導不足等があったとされる点を紹介し受け止めを質問しました。打越議員は、テレビ番組放映日が事件当日でない証拠を原審・第一次再審請求審の検察官複数名が把握しながら開示しなかった点を指摘し、政府提出法案における無罪方向証拠の開示義務の有無を質問、法務省局長は該当性は個別事案によるとしつつ誤り判明時の速やかな是正の必要性を答弁しました。安達悠司は福井事件で検察が平成元年に放送日の誤りを把握しながら平成2年論告で従前主張を維持した経緯を追及し、佐藤淳は報告書がこの点を真摯に反省すべきとしていると説明しました。仁比聡平は、報告書が控訴審検察官の弁論に事実と異なる主張はなかったと記載する点を責任回避的と批判し(スコア0.00)、宇田幸生も検察の対応に憤りを表明し反省を要求しました(スコア0.00)。仁比聡平はさらに、本件捜査報告書の不開示と再審請求理由との関連性を追及し、佐藤淳は目撃者証言の信用性に関する証拠が再審請求理由に関連し提出命令の対象となり得ると説明しました。
本テーマでは、外国人が加害者・被害者となる事件における支援上の困難について議論されました。安達委員がこの点について質問したのに対し、宇田氏は、被害者が外国籍である場合には法制度の理解や裁判用語の難解さに配慮し、通訳の手配に気を付けていると回答しました。また宇田氏は、適正な通訳人の確保とその費用負担が、日本国籍の被害者の場合以上に気を遣う点であると説明しました。
本テーマでは、外国人の入国審査における日本の法令遵守意思の確認方法及び退去強制・入国拒否の在り方が議論されました。北村晴男委員は、外国人の法令遵守意思をどのように確認しているかを質問し、法令遵守意思を確認した上で、これを優先しない者については入国拒否・退去強制すべきであるとの立場を一貫して主張しました。北村委員はまた、性犯罪については示談により不起訴となることが多く、現行の退去強制・上陸拒否事由に該当しないため、制度改正が必要であるとも主張しました。これに対し内藤惣一郎は、入国記録カードの提出や上陸審査での慎重な確認を行っていると説明した一方で、法令遵守の意思そのものは確認していないことが北村委員から指摘されました。内藤惣一郎は、宗教アンケートによる不利益処分に慎重な立場を示し、法令遵守確認の手法について懸念を表明しました。
本テーマでは、学校給食における豚肉除去等の宗教上の禁忌食材への対応や、礼拝の場所・時間の確保といった宗教的配慮要望に対し、国として応じなくても不適切とならない指針を示すべきかが論点となりました。北村委員は、こうした要望に応じなくても不適切とされない指針を国が示すべきと質問しました。これに対し文科省は、学校給食は安全確保を優先し過度に複雑な対応は行わない原則であるとし、宗教上の禁忌食材の除去等の個別対応は義務ではなく、学校設置者が保護者に説明すべきものと答弁しました。また礼拝の場所・時間についても具体的な指針は示しておらず、外国人児童生徒受入れの手引きの考え方を踏まえて個別に判断すべきとの立場を示しました。北村委員は、給食での個別対応は基本的に不要であるとの説明が周知徹底されるよう要望しました。橋爪淳は、個別対応は義務でないとし、宗教的配慮要望に消極的な立場を示しました。
これらの求めに応じなくても違法、不適切な対処ということには必ずしもならないという当たり前の指針を学校現場に対して国から示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
一方で、当該原則に照らし、宗教上の理由による禁忌食材の除去などの個別対応は一般的に行う義務はなく、その点につきまして、各学校設置者において保護者に御説明いただくことが適切と考えてございます。
本テーマでは、性犯罪被害者の公訴時効撤廃を求める声への対応が議論されました。横山委員は、性犯罪の申告に時間を要するという特性を踏まえ、公訴時効撤廃を求める声に対する見解を質問しました。これに対し宇田幸生氏は、被害申告まで何十年もかかる事例があることを指摘し、時効の在り方を慎重に検討すべきと述べました。宇田氏のスタンスは賛成寄り(スコア0.70)とされていますが、性犯罪の特殊性を踏まえた時効の在り方の見直しを求める発言にとどまり、撤廃までは明言していません。本議論において具体的な結論や決定事項は示されていません。
だから、性犯罪の被害の特殊性を考えたときに、時効というものについて今のままでいいのかどうかというのは本当に慎重に考えていただければ有り難いなという思いはございます。
本テーマでは、我が国の治安の良さと刑罰権の国際的相対化・グローバル化への懸念が論点となりました。安達悠司は犯罪白書のデータを用いて日本の治安の良さを示すとともに、グローバル化による刑罰権の相対化への懸念を指摘しました。スタンスとしては、安達悠司は過剰な国際基準への迎合が治安維持を損なう懸念を明確に表明しており、反対寄りの立場(スコア0.15)です。北村晴男も、犯罪率の高い地域からの入国が治安悪化を招くとの懸念を明確に表明しており、同様に反対寄りの立場(スコア0.10)です。両者とも治安の維持を重視する立場から懸念を示しており、明示的な結論・決定事項については示されていません。
本テーマでは、令和六年一月に設置された最高検察庁再審担当サポート室が、検察官抗告原則禁止の実効化に果たす役割について議論されました。サポート室は各検察庁への助言・指導、再審事件情報の収集・分析・発信を行っていると説明され、法改正後もサポート室が中心となって各検察庁への助言指導を継続する方針が示されました。嘉田由紀子氏は、サポート室が法改正の趣旨を後押しすることへの期待を示し、賛成の立場を取りました。
サポート室から今回の法改正の趣旨を尊重した対応を取るよう背中を押していただくようなことができれば、現場の運用というものも変わってくるのではないでしょうか。
本テーマでは、厚労省元局長事件・福井事件における検察の証拠改ざん・捏造事案について議論が行われました。論点として、テレビ放送日のずれに関する証拠を検察が把握していながら正しい報告書を提出しなかった点が取り上げられました。大橋宏子氏はこの点について問われ、心情を述べるのが難しいとの立場を示しました。スタンスデータによれば、大橋宏子氏は検察による証拠隠しを明確に強く批判し、原因究明・再発防止に強く賛成する立場を示しています。
前川さんを犯人にでっち上げた警察も、前川さんが犯人じゃない証拠があるのに隠した検察も、本当にひどいと思いました。
本テーマでは、検察国賠訴訟における証拠提出をめぐる誓約書要求と、報道・知る権利への萎縮効果が論点となりました。打越さく良議員は、検察国賠訴訟の基本方針文書がメディア報道を外部流出と位置付け非公開を求める姿勢に懸念を示すとともに、目的外使用禁止が証拠の私物化との批判を招くとして、証拠は誰のものかを質問しました。打越議員のスタンスは反対(スコア0.00)であり、検察の非公開要求姿勢が問題検証を妨げるとの強い懸念が根拠とされています。これに対し法務省局長は、刑事事件の証拠は適正な裁判実現のためのものであり、特定の誰かのものでも捜査機関のものでもないと答弁しました。
違法な取調べや冤罪の実態を明らかにしてきたメディアの報道を外部への流出と位置付け、裁判所に非公開を求め、問題の検証を妨げる姿勢がどうも伺える、とても懸念されるわけです。
本議論では、刑事訴訟法四百三十九条一項が検察官を公益代表者として再審請求権者に位置付けていることが指摘されました。これに関連し、大臣は検察官の再審請求権限が適切に行使されることが誤判からの速やかな救済に重要であると答弁しました。また、検察官による再審請求の具体的事例として、真犯人が判明した強姦事案や、保険金詐取目的の偽装事故であることが判明した事案が説明されました。
本テーマでは、検察官保管証拠一覧表提出制度の創設可否とその五年後検討への先送りが議論されました。打越議員は、裁判所が勧告した場合に指定範囲の証拠一覧表を必ず開示すべきと重ねて質問し、法務省局長の「開示があり得るがないこともあり得る」という答弁では困ると指摘しました。法務省局長は、現行法下でも一覧表提示・提出を勧告する運用例があり、改正後も継続可能と説明しました。川合孝典議員(賛成、スコア0.75)は、通常審に証拠一覧開示制度があることから再審でも支障なく導入可能であるとし、五年後見直しに向けた検討を速やかに開始すべきと主張しました。刑事局長は、通常審が当事者主義で検察官が直接交付する一方、再審請求審は職権主義で裁判所への提出となる違いを説明し、同様制度の導入は見送ったが今後検討する旨を答弁しました。佐藤淳議員(反対、スコア0.15)は通常審と同様の一覧表交付制度は設けないと説明し、三谷英弘議員(スコア0.50)は限定的な提出命令制度について説明するにとどまり、制度創設の可否や五年後検討には言及しませんでした。
こうした違いを捨象して、通常審の公判前整理手続における検察官保管証拠の一覧表等交付制度の、同様の制度を再審請求審についても設けることとはしていないところではございます。
五年後の見直しに向けて、まず、裁判所が必要と認めるときには、検察官に対して証拠一覧表又はこれに代わる送致書類等目録の提出又は再審請求人弁護士への交付を命じることができる旨の規定の導入を、これから五年後に向けて速やかに検討を始めるべきなのではないかと考えておるところでありますが、政府参考人の御見解をお伺いします。
全面開示は弊害ありとして限定的な提出命令制度を説明するのみで一覧表提出制度自体の可否や五年後検討への言及なし
本テーマでは、法制審議会における委員選定の基準・理由が議論されました。委員は学識経験者の中から法務大臣が任命するものであり、個別人事の検討過程については答弁が差し控えられました。答申に反対したのは弁護士委員三名のみであり、研究者委員の間では賛否が分かれていなかったとの指摘がなされ、これに対し研究者委員は刑事訴訟法学界を代表する立場から選ばれたものであり、個別論点についての意見を基準に選定したものではないと説明されました。また、再審に長年取り組んできた研究者が委員に選ばれなかった点について、専門性への配慮の考え方を問う質問がなされ、裁判所・弁護士・警察・検察に加え、刑事訴訟法を専門とする学者を委員に加えたとの説明がありました。嘉田由紀子委員は、委員選定の基準における公平性・中立性を問題視し、賛否両論を反映した委員選定を求める立場を示しました。
研究者の委員の中にも賛成、反対の方がいて、研究者内部での議論が活発に行われるようなメンバー選定がなされるべきだった、つまり、研究者の中では賛否は分かれていなかったんですね、というような御指摘もありましたけど、ここについてはどうでしょうか。
福井事件をめぐっては、大橋宏子氏が、前川さんを犯人に仕立てた警察と証拠を隠した検察を許せないとし、無実の前川さんを恨んでいたという苦しい思いを語りました。また牧山ひろえ氏は、検察がアリバイを崩す証拠を持ちながら抗告を行ったことを取り上げ、名古屋高検が当時の抗告を今なお正当と評価していることが、同種の抗告が再発する懸念につながると指摘しました。スタンスデータでは、大橋氏は引用が曖昧で検察評価への具体的立場が読み取れないとしてスコア0.50とされ、牧山氏は検察が証拠隠しを伴う抗告を正当と評価している点に強い懸念を表明したとしてスコア0.00とされています。
本テーマでは、福井女子中学生殺人事件をめぐり、証拠隠蔽と真犯人未検挙の問題が議論されました。大橋氏は、証拠が隠されず最初から出ていれば真犯人を捕まえられたかもしれないとし、警察に真犯人を見つけてほしい、それが妹の供養になると繰り返し訴え、事件が終わっていないとの思いを述べました。打越議員は大橋宏子さんの妹智子さんを殺害した真犯人が処罰されていないことへの思いを紹介しました。仁比聡平委員は、テレビ番組日程のずれを示す捜査報告書が隠されたため裁判所判断が長期不安定化し真犯人が野放しになったと指摘し、検察が証拠を持ちながら控訴し高裁で誤った有罪判決が出た経緯を確認したうえで、前川氏を犯人視し続けたことで真犯人が逃れている問題への大臣の認識をただし、警察の供述誘導・利益供与の疑いを追及、捜査の徹底検証と前川氏への謝罪を求めました(賛成、スコア0.90)。牧山ひろえ氏も冤罪可能性発生時の捜査再開・見直しを主張しました(賛成、スコア0.90)。平口洋大臣は個別事件への所感は差し控えるとしつつ再審無罪判決を厳粛に受け止めると答弁し、遠藤剛(警察庁)は無罪判決で捜査の一部が不正・不当とされた点を重く受け止め、適正な捜査を指導するとし、前川氏との面会は検討中と説明しました。
本テーマでは、冤罪被害者である前川氏が参考人質疑を当初予定されていたにもかかわらず欠席した経緯について議論されました。山谷委員はこの欠席の経緯を大橋氏に確認し、大橋氏は前川氏がつらい思いをしており外に出られない状況にあるため、自分が代わりに発言していると説明しました。仁比聡平委員は、前川氏が参考人質疑を欠席した理由・事情について委員会として丁寧に確認するよう求めました。なお、大橋宏子氏については参考人質疑欠席への対応自体に関する言及がなく、この論点における賛否の立場は証言内容からは判定できません。これに対し伊藤孝江委員長は、後刻理事会において協議する旨を回答しました。
参考人質疑欠席への対応自体への言及がなく、証言内容から欠席対応の立場を判定できない
本テーマでは、薬物常用者等の供述弱者に対する取調べの信用性確保と録画・録画等の対応が議論されました。安達悠司は、供述弱者への取調べにおける録画や弁護人立会い等の対応について検察に質問したほか、検察が有する警察への捜査指揮権に基づく指導内容についても質問し、信用性確保のため取調べ過程の録画等をより強く検察が警察に指導すべきであるとの意見を示しました。これに対し佐藤淳は、供述弱者に対しては医療関係者からの情報収集・助言等の配慮を行っており、再審無罪判決後は誘導防止のための通知を発出したと説明した一方、警察の取調べは警察当局の所管であり、検察からの指導内容については把握していないと答弁しました。
これはもっと私は強く検察が警察を指導したらいいと、のではないかと思っておりますので、その点、是非これから検討いただきたいと思います。
本テーマでは、衆議院修正附則四条二項に関する検察官の証拠任意開示拡大や五年後見直し規定について議論が行われました。安達委員は、参政党が同附則の趣旨を理由に衆院で賛成した経緯を説明しました。打越議員は、裁判所勧告があれば関連性を問わず証拠開示を行うと明言できるか質問し、これに対し法務省局長は、勧告に法的拘束力はないものの、附則四条二項の趣旨を踏まえて従来より後退させず適切に対応すると答弁しました。また、三者協議について、本法律案成立後は証拠提出の権限・責務が明確化されることで議論・認識の深化に資するとされていたことを踏まえ、運用の義務化が提案されましたが、最高裁は三者協議の実施が訴訟指揮権行使に関する事項であるとし、全件義務化は柔軟な進行を阻害しうると説明しました。あわせて、三者協議を実施しない場合の例として、被収容者からの請求や審判開始決定後に事実取調べが不要な事案が挙げられました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、被害者供述の信用性が後に否定される事態を想定した証拠化の工夫が議論されました。安達委員は、警察官調書・検面調書の信用性が後に否定される場合を想定した証拠化の工夫について質問し、また被害者供述の事前録画や証人尋問の早期活用についても質問しましたが、宇田氏はそのような経験は想定していないと回答しました。宇田氏は、捜査機関との綿密な連絡・打合せを行うとともに、被害者の思いを書面化する対応をしていると説明しました。牧山議員は、福井事件においてテレビ番組の放映日に関する証拠が供述の信憑性を覆した例を挙げ、証拠は検察官の判断のみで閉じ込めるべきではないと主張しました。
本テーマでは、裁判官の人事異動や専門性不足が再審における証拠提出命令の運用の実効性に影響を及ぼしうるかが論点となりました。山谷委員は、裁判官の能力ややる気によって再審の扱いに格差が生じているとの認識を示し、裁判所に証拠開示命令の権限を付与する必要性について問いを投げかけました。この論点に関する他の発言者のスタンスや、結論・決定事項は示されていません。
本テーマでは、裁判官の人事評価における再審決定・破棄判決の取扱いが論点となりました。嘉田由紀子は、人事評価において再審決定と破棄判決の扱いに差が生じている可能性を資料とともに指摘し、現行の取扱いに疑問を呈するスタンス(スコア0.20)を示しました。嘉田由紀子は、この論点について次回に継続して取り上げる意向を述べました。本件についての明確な結論・決定事項は示されていません。
その裁判官の人事評価に、再審を決定した判決、あるいは破棄した判決、この違いによってどうも評価が変わってくるということも一つの研究ですけど出されておりますので
本テーマでは、証拠提出命令における再審請求理由との関連性要件をめぐり、古庄議員が成瀬参考人・佐藤局長の見解では十分でない根拠の抗告は棄却される点で一致すると整理したのに対し、最高裁代理者はそれなりの根拠でも不十分な場合は棄却の判断に至ると考えられると答弁しました。また、改正後は審判開始決定前に事実の取調べができず、福井事件のような捜査報告書の提出請求ができなくなるとの懸念が示されました。これに対し、再審請求理由記載書面と証拠書類等の提出要件は改正前後で変わらないこと、証拠書類を具体的に列挙し所在を明示して取り寄せを求めた事案が方式違反でないとした裁判例があること、調査手続の新設は現行法の解釈・運用を変更する趣旨ではなく請求者の負担増にはならないことが説明されました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、足利事件・氷見事件など性犯罪冤罪事件において被害者自身もつらい思いをするのではないかという論点が議論されました。仁比聡平委員は、冤罪により被害者も苦しむのではないかとの問題提起を行い、被害者保護への配慮を示唆する立場を示しました。これに対し宇田幸生氏は、冤罪によって真犯人が処罰されない事態は被害者にとってもあってはならないことであり、是正が必要であると回答しました。両者とも、冤罪事件が被害者に及ぼす影響を是正すべきという立場を示しています。
再審法改正の基本理念として、誤判からの確実な救済と手続の迅速化の両立が確認され、五年後見直しを前提とした議論となりました。証拠一覧表の法定化や検察官保管証拠の開示制度化については賛否が分かれ、多くが今後の検討課題として先送りされました。検察官抗告については原則禁止としつつ例外規定を設ける衆議院修正が評価される一方、実効性への疑問も示され、明確な結論には至りませんでした。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。