本委員会は、情報通信技術の進展に対応するための刑事訴訟法等改正法律案を審査するため、東京大学教授・成瀬剛参考人、日本弁護士連合会刑事調査室室長・河津博史参考人、立命館大学教授・渕野貴生参考人の三名から意見を聴取し、委員による質疑を行った。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
本テーマは、仁比聡平委員による質疑の中で取り上げられた。河津博史参考人(日本弁護士連合会)は、国際人権法上、被留置者が裁判官の面前に直接連れていかれることは権利として保障されるべきであり、「オンライン勾留質問は、仮に本法律案が成立するとしても、極めて例外的に運用されるべき」と述べ、反対寄りの立場を表明した。実質的な議論はこの発言に限られており、他の参考人からの見解は示されなかった。
国際人権法上も、被留置者が裁判官の面前に連れていかれることは権利として保障されているべきですので、その意味で、オンライン勾留質問は、仮に本法律案が成立するとして...
本テーマは、複数の委員と参考人の間で広く議論された。成瀬剛参考人(東京大学教授)は、オンライン接見の重要性を否定せず、「いつかの段階ではオンライン接見というものも刑事訴訟法上の権利として定められる時期が来るものと願っております」と述べたが、全国一律の権利化は現時点では困難とする中立的立場をとった。河津博史参考人は、「刑事手続全体をデジタル化するという中で、最も権利が保護されるべき被疑者、被告人を取り残すべきではない」と主張し、刑訴法上の権利として認めるべきとする賛成寄りの立場を明確にした。渕野貴生参考人(立命館大学教授)も、憲法34条が保障する弁護人の有効な援助を受ける権利の実現として「本来であればきちんと権利として保障すべき」と述べた。地方における弁護士不足の実態を踏まえた制度整備の必要性についても議論された。
渕野貴生参考人が強く問題提起したテーマである。渕野参考人は、ビデオリンク証言について「証人審問権の侵害に直結しかねない」と述べ、証人が被告人の目を見て証言する対面権保障の観点がこれまでの議論で軽視されていると指摘した。また、刑事施設収容者への適用については、「共犯者的立場の証人の証言を切り崩されることを妨害する目的で検察官が悪用する危険を否定することができず、極めて問題が大きい」と強く反対した。さらに、国外所在証人のビデオリンク証言を認めない一方で検察官によるオンライン取調べ調書の伝聞例外を認める法案の構造的矛盾も指摘された。矢倉克夫委員からの質疑においてもこの問題への関心が示されたが、成瀬参考人と河津参考人からの直接的な応答は限定的であった。
反対尋問の効果を著しくそぐおそれが強いビデオリンク証言は、証人審問権の侵害に直結しかねません。
本委員会の中心的な議題であり、三参考人が総論的立場を表明した。成瀬剛参考人は法案全体を支持する立場から、電磁的記録提供命令は「現行法上の課題を解決するものと言える」と評価し、令状主義・憲法上の要請を満たすと主張した。河津博史参考人は「刑事手続のデジタル化には賛成」としつつも、「本法律案は国民のプライバシーの権利や弁護人の援助を受ける権利を軽視し、バランスを欠いた内容」として修正を求める立場を表明した。渕野貴生参考人は、電磁的記録提供命令と証人尋問の拡充を中心に「適正手続保障の観点から法案には大きな問題がある」と述べ、従来の令状実務の問題点を検証しないまま法案が提出されたことへの根本的疑問を示した。
鈴木宗男委員からの質疑の中で取り上げられたテーマである。河津博史参考人は、「事件を担当する中で、やはりこの情報のリークが行われているということを感じることは少なくない」と述べ、「それが単に被疑者とされた人物の名誉を毀損するだけではなくて、有罪イメージのようなもの、世論に影響を与えていくことによって公正な裁判が害されているのではないかという問題意識は私も有しております」と表明した。日弁連としての組織的な見解ではなく、個人的問題意識として語られたものであり、他の参考人からの発言はなかった。
それが単に被疑者とされた人物の名誉を毀損するだけではなくて、有罪イメージのようなもの、世論に影響を与えていくことによって公正な裁判が害されているのではないかとい...
事前規制である令状審査の実効性と、事後規制として通知・消去制度の必要性をめぐり対立する議論が展開された。成瀬剛参考人は、捜査機関内部での事前チェックや裁判官による関連性審査が機能しており、「令状主義の仕組みというものは有効に機能し得る」と主張した。河津博史参考人は、差し押さえ却下件数が年間138件にすぎないことを示し、「これまで厳格な令状審査が行われてきたと想像することは困難」と反論し、本人への通知制度と違法収集記録の消去を含む事後規制の整備を主張した。渕野貴生参考人は、通信傍受において傍受された通話のうち無関係通話が約85%に達する実態を示し、「厳格な令状審査が行われていると言えるのか」と令状実務の実効性に根本的疑問を呈した。
秘密保持命令によって情報主体の不服申立て機会が実質的に奪われる問題が議論された。成瀬剛参考人は、秘密保持命令は罪証隠滅防止のために必要な場合があり、裁判官の事前審査・取消規定・不服申立て制度が設けられており「情報主体の地位を不当に害することはない」と主張した。河津博史参考人は、「秘密保持命令以前に、情報主体への通知制度こそが必要」であり、通知なしには不服申立て機会が実質的に保障されないと反論した。渕野貴生参考人は、「偶然知ることができた場合にだけ不服申立てができるというのは、これは権利とは到底呼べない」と強く批判し、権利侵害状態が放置されることの深刻さを強調した。
衆議院修正による一年以内の期間制限の評価をめぐり、参考人間で評価が分かれた。成瀬剛参考人は、期間制限の追加を「原案を更により良くした内容」と評価し、取消規定や不服申立て制度と組み合わせることで「何重にも仕組みが定められ、秘密保持命令が適切なタイミングに取り消される、あるいは効力が失効する」と述べた。河津博史参考人は、期間制限の追加は「積極的な評価」をするとしつつも、「多くの事業者は、秘密保持命令の効力が失われようが、本人に通知しない可能性が高い」ため、通知制度がなければ依然として不十分と主張した。渕野貴生参考人は、本人への通知が被疑者の弁護活動のためにも重要であり、「本人への通知というのは、被疑者が今立件されようとしている当該事件に関する弁護活動との関係でも非常に重要」と述べ、通知制度なしでは権利侵害状態が放置されると主張した。
令状のIT化による請求増加と審査の弛緩リスクをめぐり議論が展開された。成瀬剛参考人は、捜査機関内部でのチェックや裁判官による関連性審査が機能しており、法案成立後も「令状主義の仕組みというものは有効に機能し得る」と主張した。河津博史参考人は、関連性がルーズに解釈されている実情や包括的差押えの実態を挙げ、「令状の請求が容易になることによって令状請求の数が増え、権利侵害の数が増えてしまうのではないか」と懸念を示した。渕野貴生参考人は、令状請求のIT化によりコストが減って請求件数が増加する一方、「裁判官、令状審査をする裁判官の人数が増えないとなりますと、裁判官一人当たりが処理すべき令状請求の数というのが増えてきますので、一件当たりの審査の時間を短縮するしかなくなってしまう」として、令状裁判官の抜本的な増員を求めた。
証拠の不適正管理による冤罪の実態と、それを防ぐための規律整備をめぐり議論が行われた。河津博史参考人は、令和7年4月の東京地裁立川支部無罪判決を具体例として挙げ、LINEトーク履歴が警察のパソコンに保管されながら証拠として取り扱われなかったため不存在として開示されなかった事実を指摘し、「違法に収集された電磁的記録については、捜査機関が保有する正当性がないのですから、裁判所の決定に基づいて消去されるようにすべき」と主張した。渕野貴生参考人は、通信傍受令状に基づいて傍受された通信のうち犯罪関連通信は15%にすぎないという実態を示し、「令状実務の問題を検証しないまま提案された法案に根本的な疑問がある」と述べた。
違法収集記録の消去規定の必要性をめぐり、参考人間で見解が対立した。成瀬剛参考人は、現行刑訴法の証拠管理の基本的考え方が電磁的記録にも応用可能であり、「同命令により取得した電磁的記録の保管、消去に特化した新たな規定を設けることが直ちに要請される状況にはない」と述べ、全体見直しは中長期的課題と位置づけた。河津博史参考人は、通信傍受法や撮影新法には既に消去規定が設けられていることを挙げ、「刑事手続をデジタル化するに際して違法に収集された電磁的記録を消去する規定を設けない理由として合理的であるとは思われない」と反論した。渕野貴生参考人は、消去なしでは「最も想定される使われ方というのは、他事件にその情報を流用して使うということが一番大きな問題を生じさせる」と指摘し、違法収集証拠が他事件や当該事件で使用されることを見過ごすことになると主張した。
電磁的記録の提供を命じることが憲法38条1項の自己負罪拒否特権に抵触するか否かをめぐり、詳細な議論が行われた。成瀬剛参考人は、「電磁的記録提供命令の対象は既に存在する電磁的記録ですから、その提供を罰則の担保の下で被疑者に命じたとしても、被疑者が観念した事柄を新たに表出すること、すなわち供述の強要には該当せず、自己負罪拒否特権を侵害することはない」と主張した。河津博史参考人は、電磁的記録の提供が「自己に不利益な電磁的記録の存在を認識し、これを所持していたこと自体を外部に伝達することとなる場合」には供述の強要にあたると指摘し、パスワード入力の強制も観念の表出にほかならず自己負罪拒否特権に抵触すると主張した。渕野貴生参考人は、「自己負罪拒否特権の本質は自己提出させるという点にこそある」として、「日記を差し押さえる行為と同等であるという説明はミスリーディングであって、正しくは日記を自ら提出させる行為と比較しなければならない」と述べ、罰則付提出命令は明らかに特権侵害に当たると主張した。
電磁的記録提供命令において憲法35条が求める差押対象物の特定性を満たせるか否かが中心的な争点となった。成瀬剛参考人は、裁判官が疎明資料に基づき被疑事実関連データのみを令状に記載し、「データが作成された時期とかファイルの形式等の限定を掛けることによって、押収すべきデータの特定性を満たすことは可能」であり、不服申立ても可能であることを示した。河津博史参考人は、「抽象的な記載では義務違反の範囲が不明確になり処罰の適切性に疑問が生じる」と指摘した。渕野貴生参考人は、「情報は形あるものではないので、情報の切れ目をどこで区切るかが融通無碍になりやすく、令状が一般令状化し、包括的で無限定な差押えになりやすい」と指摘し、「本来的に憲法三十五条の要求を満たす特定性を、このデータについて満たすことは不可能」と明言した。
衆議院修正により追加された附則40条(被疑事件と関連性を有しない個人情報を取得しないよう特に留意しなければならない旨の規定)の評価をめぐり議論が行われた。成瀬剛参考人は、附則40条によって捜査機関が疎明資料を慎重に作成し裁判官も関連性を厳格に審査するようになるとして、「この附則は非常にいい附則」と評価した。河津博史参考人は附則40条を積極的に評価しつつも、「事前規制だけでは十分ではない」と述べ、本人への通知と違法収集記録の消去を含む事後規制の整備が必要と主張した。渕野貴生参考人は附則の趣旨を理解するとしつつも、大量データを一件ずつ仕分けする令状審査は「現実の令状審査でそのようなことをしているとは到底思えない」と述べ、附則の実効性に根本的疑問を示した。
三参考人は、法案の中心的争点である電磁的記録提供命令の創設について、令状主義・自己負罪拒否特権・特定性の要請との関係をめぐりそれぞれ異なる見解を示した。成瀬参考人が法案全体を支持する立場から憲法上の要請を満たすと評価したのに対し、河津参考人は事後規制の欠如を問題視して修正を求め、渕野参考人は令状実務の未検証や特定性充足の不可能性を根拠として法案全体に根本的疑問を呈した。衆議院修正による秘密保持命令の期間制限や附則40条については一定の評価がなされた一方、情報主体への通知制度および違法収集記録の消去規定の欠如については複数の参考人から継続的な問題提起がなされた。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○委員長(若松謙維君) ありがとうございました。 次に、河津参考人にお願いいたします。河津参考人。
○参考人(河津博史君) 日本弁護士連合会刑事調査室室長の河津でございます。 本日は、意見陳述の機会をいただき、感謝申し上げます。 当連合会は、刑事手続のデジタル化には賛成しておりますが、本法律案は国民のプライバシーの権利や弁護人の援助を受ける権利を軽視し、バランスを欠いた内容であることから、修正を求めてまいりました。 衆議院における修正により、電磁的記録提供命令や記録媒体の押収に当たり...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約52,781文字) |
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