本会議(内閣委員会)では、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律等改正案について、趣旨説明及び衆議院修正部分の説明が行われた上で、経済安全保障をめぐる幅広い論点が議論されました。サプライチェーンの可視化や供給の目詰まり、レアアース・ナフサ等の中国・中東依存低減と供給源多角化、特定重要物資の指定基準や支援措置の活用実績、医療分野への基幹インフラ拡大とサイバーセキュリティー人材確保、JBICの体制強化、シンクタンクの人材確保等が取り上げられました。大門実紀史氏は自主独立の貿易・経済安保方針を主張し対中国戦略としての性格を批判し、杉尾秀哉氏は中東・中国依存の実態や南鳥島レアアース発言を問題視しました。小野田紀美大臣は多角化や自律性・不可欠性確保の必要性を答弁し、鬼木誠氏、堂込麻紀子氏、高木かおり氏、大津力氏、司隆史氏らがそれぞれ支援拡充や負担軽減、制度の透明性確保等について質疑を行いました。
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全32テーマ ・ 紐づく質疑43件
サプライチェーンにおける供給偏り・目詰まりの実態把握と可視化
本テーマでは、アメリカ追随によらない自主独立の貿易・経済安保方針の是非が議論されました。大門実紀史氏は、アメリカ追随のみでは国益を守れないとして、米中双方と対等な経済貿易関係を構築すべきと主張し、経団連も二大国に過度に依存しない開かれた国際経済主義を掲げていると紹介しました。さらに大門氏は、経済安保の方向性を中国封じ込め戦略から考え直すべきと述べ、前中国大使垂秀夫氏の分析を引用しつつ、日本が中国・アメリカ双方から軽視されていると指摘しました。これに対し小野田大臣は、特定国への過度な依存を避け、アジアや同志国等への多角化により経済的安定を図るべきと答弁しました。大門氏は対米追随を批判し、自主独立路線を一貫して主張する立場を示しました。
アメリカとも中国とも対等の立場で経済貿易関係を構築すべきだということはもう繰り返し申し上げているところで、更に言えば、アジアを含めて、もっと国際経済関係を大きく広げる方が結局日本の国益になるんではないかと思って主張してきたところです。
本テーマでは、サプライチェーンにおける供給の偏りや目詰まりの実態把握と可視化のあり方が議論されました。小野田紀美氏は、川上・川中・川下を一連のサプライチェーンとして把握し適切な措置を講じることが重要と答弁しました。畑田政府参考人は、上流から製品段階では供給維持を統計上確認しているが、問題は末端の一部での偏り・目詰まりにあると説明し、川下製品については前年同月比並み以上の供給があるものの、不安心理による発注抑制や過剰発注が目詰まりの原因であると述べました。対応として、情報提供窓口での個別状況把握や需要側への前年同月比同量の購入要請、専門チームによる上流・下流間の状況伝達の仲介を行っていると答弁しました。杉尾秀哉氏は、サプライチェーン全体の可視化と物資の優先配分計画(BCP)策定の重要性を指摘しました。西脇政府参考人は、改正案の情報提供協力規定と経済安全保障経営ガイドラインにおける代替供給計画策定要請を紹介しました。高木かおり氏は、末端に届かない目詰まりの根本原因の実態把握を要求しました。
そこをやっぱりしっかりと検証、そしてどういうふうな原因があるのかという実態把握をとことんやっていただきたいというふうに思うんですけれども
川上、川中、川下、この各段階の物資を個別に捉えるのではなくて、一連のサプライチェーン上のリスクを把握した上で適切な措置を講ずること、これは経済安全保障上重要であるというふうに認識をしております。
量は足りている、足りていると言われても、現に自分のところに届いていない、じゃ、川上なのか川中なのか川下なのか、どこに目詰まりが起きているのか、供給の偏りがあるのか、政府から全く何の説明もないと、こういうふうに言うんですよね。
本テーマでは、サプライチェーン強靱化における中小企業の事業継続支援のあり方が論点となりました。大津力委員は、中小企業の安定経営環境整備がサプライチェーン途絶リスク軽減の要であると指摘し、支援強化に賛成的な立場を示しました。これに対し浦上健一朗参考人は、事業承継税制やものづくり補助金の活用が経済安全保障上のリスク軽減にもつながるとの見解を答弁し、同じく肯定的な立場を示しました。両者とも中小企業支援策の意義を経済安全保障の観点から評価する点で一致していますが、明確な結論や決定事項は示されませんでした。
本テーマでは、レアアースの中国依存低減に向けた供給源多角化について議論されました。杉尾秀哉氏は、2005年時点でレアアース輸入のほぼ100%が中国からであったこと、現在は7割まで低下したものの依然として高水準であり、中国の存在は無視できないと指摘し、リスク分散を求めました。これに対し畑田浩之政府参考人は、現状レアアースの約7割を中国から輸入している実態を説明した上で、豪州における鉱山開発やマレーシア・フランスでの分離精製への政府出資、リサイクルや省レアアース磁石開発の支援を行っていると述べました。また、マレーシア産重レアアースが昨年10月から国内輸入を開始したことを多角化に寄与するものと評価しました。高木かおり氏は多角化の取組を評価し、継続を要望しました。杉尾氏は依存度の高さを問題視する立場、畑田参考人と高木氏は多角化の取組を肯定的に評価する立場を示しました。
本テーマでは、中東情勢の混乱によりナフサ等燃油由来物質の供給不安が生じ、生活必需品の供給途絶リスクが顕在化したことを踏まえ、サプライチェーン強靱化のあり方が議論されました。杉尾秀哉議員は、ナフサ国内供給のうち輸入分の大半が中東産である中東依存の実態や、経産省が複雑な流通を把握し切れていなかった可能性、石油の中東依存度が95.9%に達している点を指摘し、安保政策の再点検を求めました。高木かおり議員は、ナフサ等原材料や由来製品が特定重要物資に未指定のまま流通の目詰まりが生じている現状を問題視しました。これに対し小野田大臣は、石油・ナフサは石油備蓄法等他制度と経済安保推進法を組み合わせて対応しており、石油は特定重要物資の要件を満たさず、ナフサも民間備蓄や供給源多様化の可能性から未指定であると説明した上で、今後サプライチェーンリスクを点検し必要に応じて特定重要物資指定を検討すると答弁しました。また、川上・川中・川下を一連のサプライチェーンとして把握し措置を講じることの重要性、需要側連携の努力義務を改正案に新設したことも説明されました。畑田参考人は、民間在庫備蓄と供給源多様化により指定を見送ってきたが、多様調達源からの調達増により年越えの供給確保が見込めると答弁しました。
本テーマでは、医療分野におけるサイバーセキュリティー専門人材の確保・育成をめぐり議論が行われました。鬼木誠委員は、病院に限らずサイバーセキュリティー人材が全国的に不足しており、各病院が独自に確保することは困難であると指摘し、確保・育成の推進を求める立場を示しました。参考人からは、情報処理安全確保支援士等の資格取得を望ましいとするガイドライン改訂案を検討中であること、また専任の医療情報システム安全管理責任者の配置を要件とする診療報酬加算を新設したことが説明されました。司隆史委員は、中核病院を指導機関とし、中小・最前線病院へ段階的に人材を配置する人材育成モデルを提言するとともに、感染症の指導強化加算・連携強化加算のような報酬体系をサイバー人材育成にも導入すべきと提案し、加算による人材育成推進を積極的に主張しました。森真弘参考人は、人材配置が対策の核心であるとした上で、重層的な地域連携の仕組みを厚生科学研究で検討中であると答弁し、人材配置とセキュリティ対策を併せて進める必要性を肯定的に述べました。
本テーマでは、南鳥島周辺のレアアース含有泥に関する総理発言の評価をめぐって議論が行われました。杉尾秀哉氏は反対の立場(スコア0.00)を示し、高市総理の当該発言について採算性等が未確定であるにもかかわらずミスリードであると批判し、東京大学の岡部教授による批判も紹介しました。これに対し小野田大臣は、総理発言への個別のコメントは差し控えるとしつつ、重要物資の安定供給確保に不断に取り組む旨を答弁しました。
やはりこういう誤った情報、ミスリードを国のトップがするということ自体が私は不適切だと思いますけれども
本テーマでは、基幹インフラ事業者に課される検査・点検・報告等の手続負担の簡素化が議論されました。鬼木誠議員は、進化する攻撃への対応に加えてこれらの手続負担が重なっている現状を指摘し、簡素化を求めました。高木かおり議員は、新たな事前審査手続が負担となることを懸念し、負担軽減を主張しました。これに対し参考人は、法52条改正により届出義務の適用範囲を明確化するとともに、省令の見直しやサイバー対処能力強化法所管部署との連携を通じて負担軽減に取り組む方針を答弁しました。殿木文明参考人は、相談窓口の設置、証跡書類の省略、届出システム化といった事務負担軽減策を検討中であると説明しました。鬼木誠議員、高木かおり議員、殿木文明参考人はいずれも負担軽減の方向性に賛成の立場を示しています。
届出様式の作成や届出に添付する証跡書類の提出等について、証跡書類の一部省略や届出のシステム化を含め、事業者の事務負担軽減につながる方策を検討しているところでございます。
検査とか点検とか報告とか、それぞれの手続をできるだけ簡素化をするとか、検討の方向性ってお金だけではないところ、先ほども少しお答えいただきましたけど、あるんではないかというふうに思いますので、是非その点について、政府として今こんなことを考えているんだというようなことがあれば教えていただければと思います。
ここで新たな事前審査という手続に負担だけを強いると、そういう結果になってはならないというふうに思っております。
本テーマでは、大企業と中小企業の格差拡大と政府の経済財政政策の是非が議論されました。大津力委員は、1990年代以降の格差拡大が政府の経済政策の結果ではないかと問題提起し、政府政策に否定的な立場を示しました。一方、浦上健一朗参考人は、大企業優遇との指摘に反論し政府政策を擁護する立場を示しつつ、政府は中小企業支援に努めてきたものの、格差是正については不十分な面もあるとの認識も示しました。両者の発言からは、政府の経済財政政策の評価をめぐって立場の相違があることが示されています。
本テーマでは、国家安全保障戦略が掲げる安全保障と経済成長の好循環という政策方針の是非が論点となりました。伊勢崎賢治氏は、この方針には構造的ジレンマがあると指摘し、軍産複合体化への警告を引用してこの方針への懸念を示唆しました。若林洋平氏は、経済成長を目的とした防衛力整備を明確に否定し、好循環方針から距離を置く立場を示しました。両者とも当該方針に対して消極的ないし否定的な姿勢を示しており、明確な結論や決定事項は示されていません。
本テーマでは、戦略的自律性から戦略的不可欠性への転換の必要性が論点となりました。寺田静議員は、参考人の指摘を引用しつつ戦略的不可欠性の確保について質問し、シナリオ欠如による財政規律緩みを懸念する慎重な姿勢を示しました(スコア0.25)。これに対し小野田紀美大臣は、自律性向上に加え不可欠性確保の重要性を述べ、シンクタンク設立等がその役割を果たすと答弁しました。また、シナリオベースの考え方をリスク点検に有効なアプローチと肯定的に評価し(スコア0.75)、机上演習等で実践していることを説明しました。参考人からは、大規模インフラ障害を想定した机上演習で政府・自治体・事業者の対応を具体的に議論したとの説明がありました。司氏は寺田委員のシナリオベースの議論に共感し、中東情勢への推進法の効果と今後の課題を質問しました。小野田大臣は、改正案の官民協議会・総合シンクタンクでシナリオを作りブラッシュアップしていくことも可能であると説明しました。
本テーマでは、日米戦略的投資イニシアティブに伴う対米5500億ドル投資イニシアティブとJBIC業務拡充を踏まえた人員・予算・専門人材確保への影響が論点となりました。堂込麻紀子氏(スコア0.75、賛成寄り)は、業務量増加を踏まえ体制・専門人材確保の必要性を指摘し、JBICの体制強化を支持する立場から質問を行いました。これに対し高橋はるみ財務大臣政務官(スコア0.75、賛成寄り)は、JBICの定員増・資本増強を措置し日米戦略投融資部門を新設したことを説明し、法案成立後は認定特定海外事業の審査・モニタリング体制と予算確保に取り組むと答弁しました。また、JBICが民間金融機関への出向や専門人材の中途採用等を通じて専門性向上に取り組んでいることも説明され、政府としてJBICの人材基盤確保を後押しする方針が示されました。
本テーマでは、大門委員が法成立直後に開催された日米経済版2プラス2について枠組みの説明を求めたのに対し、渡邊参考人が、同枠組みは2022年の首脳合意により発足し、外務・経済産業両大臣と国務・商務両長官が参加するものであると説明しました。大門氏は、経済2プラス2の共同声明において米側が中国を名指ししたことから中国封じ込め戦略が明らかになったと指摘し、さらに今回の経済安全保障法改正案の内容がこの経済2プラス2での議論を基にしていると指摘しました。提示された内容に発言者のスタンス(賛否)データは含まれていません。
本テーマでは、日米間の対中国戦略協議に関連し、日本の貿易・経済安全保障政策における自主性のあり方が論点となりました。大門氏は、小林鷹之氏の著書を引用しつつ、日本は自主独立の立場で貿易を考えるべきであるとの見解を示し、この点について大臣に確認を求めました。これに対し小野田大臣は、我が国の自律性・優位性・不可欠性を高めることは日本が主体的に考えるべき事柄であるとの認識を示しました。両者のやり取りからは、経済安全保障における日本の自律的な立場の重要性という点で一定の方向性が共有されていることがうかがえますが、提示された要点の範囲では、具体的な結論や決定事項には至っていません。
本テーマでは、消費税制が中小零細事業者の価格転嫁を阻害しているとの指摘がなされました。大津委員は、消費税の価格転嫁が困難であることが中小零細事業者を圧迫しているとし、段階的な廃止を主張しました。この立場について、大津力氏はスコア0.90(賛成寄り)と評価され、消費税制が経済停滞の要因であると明言し、税制の見直し・廃止を主張したことがその根拠とされています。提示された資料の範囲では、他の発言者による反対や中立の立場は示されておらず、また具体的な結論や決定事項についても記載はありません。
今のこの日本経済の停滞の一番の大きな要因はやはり消費税制だと思っているんです
本テーマでは、特定機能病院を基幹インフラとして指定し段階的にサイバーセキュリティー対策を進める方針について議論が行われました。論点として、全国88特定機能病院のうち施行後3年で各都道府県最低1病院を選定・指定する方針の是非、病院経営が公定価格である診療報酬に依存するため指定コストの価格転嫁ができない負担の問題、特定機能病院のみの指定では機器・人材の少ない市中の小規模病院経由の攻撃リスクが残るのではという懸念が取り上げられました。鬼木誠議員はスコア0.75で、経団連参考人の指摘を引用し負担の大きさを指摘しつつ、対象拡大の検討や各省庁への支援強化要請を主張し対策強化に前向きな立場を示しました。司隆史氏はスコア0.25で、特定機能病院指定のみでネットワーク全体を守れるか疑問を繰り返し表明しました。森真弘政府参考人はスコア0.75で、特定機能病院指定に加え支払基金ネットワークも指定する二段構えの対応、非指定医療機関への安全管理ガイドライン遵守や立入検査での対策確保、攻撃を受けた医療機関とのネットワーク即時切断などの仕組みを説明し、対応を肯定的に示しました。大臣は財政支援として厚労省のサイバーセキュリティー対策補助や診療報酬加算新設等の施策を紹介しました。
特定機能病院を守ったからといってそのネットワークそのものが守られるわけではないというふうな感覚を持つわけですけれども、その辺は特定機能病院の指定だけでよろしいんでしょうか。
委員御指摘のそのネットワークそのものを攻撃されるのについてはどう考えるかということについては、基盤となるインフラである社会保険審査支払基金のネットワークそのものを指定することによってきちんとしたものにしていくという二つの対応をしているというふうに思っていただければと思います。
特定機能病院以外の公立病院、あるいは災害拠点病院、あるいは三次救急病院等への対象拡大について、その検討の方向性等があればお聞かせをいただきたいと思います。
本議題では、特定海外事業促進制度における中小企業・中堅企業の参画支援のあり方が論点となりました。堂込麻紀子氏は、改正案の共同実施規定を踏まえ、中小企業が大企業と共同で特定海外事業を実施できるよう政府が尽力すべきと質問し、また中堅企業についても十分な支援を受けにくい課題があるとして、多様な事業者が参加しやすい仕組みを求めました。これに対し小野田紀美大臣は、有識者会議の提言を踏まえ本制度は中小企業を対象外とせず、大企業との共同事業も可能であると説明し、さらに認定事業者に対してJBIC等が情報提供や助言を行うことで、中小企業の海外事業参画を後押しする考えを示しました。堂込氏は賛成の立場から中小企業支援の推進を求め、小野田大臣も賛成の立場から支援に前向きな方針を明言しました。
本テーマでは、特定社会基盤事業への医療分野追加と病院への支援策について議論が行われました。高木委員は、医療分野追加により医療現場に事前審査等の新たな負担を強いるべきでないと指摘しました。発言者のスタンスとしては、司隆史氏は医療分野追加が病院現場の負担増を招くとの懸念を表明しており反対寄りの立場でした。小野田紀美氏は現行制度の説明にとどまり、医療分野追加や支援策への賛否は示されていない中立の立場でした。鬼木誠氏は基幹インフラ指定病院への財政支援強化を2度にわたり明確に要請し、賛成の立場を示しました。提示された資料の範囲では、これらの論点についての結論・決定事項は示されていません。
本テーマでは、特定重要物資に関する輸送手段の確保と役務支援対象の範囲が議論されました。堂込麻紀子氏は、令和4年制定時の附帯決議で輸送手段確保への配慮が求められた経緯を踏まえ、政府の取組と改正案における役務支援対象について質問し、輸送手段は原則対象外と理解した上で、物流の強化も経済安保の重要要素として今後注視する意向を表明しました。これに対し殿木文明政府参考人は、一般的な輸送手段は制度制定時より支援対象外と整理していると説明する一方、専ら特定物資のために用いられる特殊・専用設備の輸送手段は役務支援の対象となり得ると述べました。また高木かおり氏は、特定重要物資に物流・メンテナンス・海底ケーブルといった役務を追加する意義を質問し、殿木参考人は海底ケーブルが国際通信の99%を担っており、その敷設役務の途絶リスクを踏まえて役務支援を導入したと説明しました。
有形の物資そのものだけではなくて、その供給に不可欠な無形の役務を対象に加えるということは、このサプライチェーン全体のデジタル化や複雑化が進む現代におきまして極めて適切かつ必要な措置であり、その方向性は評価するものです。
こういった点も、附帯決議の趣旨を踏まえますと、今後、輸送能力の確保、また物流の強化、強靱化というところについても経済安全保障の重要な要素としては位置付けられるんではないかなというふうに考えております
広範な物資を供給するための一般的な輸送の用に供される輸送手段につきましては、経済安全保障推進法の制定時より支援の対象とはならないものと整理をしているところでございます。
本テーマでは、特定重要物資の指定における四要件(重要性・外部依存性・供給途絶蓋然性・措置必要性)の客観性担保が論点となりました。殿木文明参考人は、物資・役務ともにこの四要件に基づいて指定を判断していると説明し、客観性担保の方針を肯定的に述べ、指定運用の継続的な適切化を表明しました。高木かおり氏は、客観的かつ厳格な基準設定を求め、四要件の客観性担保に賛成の立場から質しました。両者ともに四要件による判断枠組みの客観性確保について肯定的な立場を示しており、明確な対立点は見られませんでした。
本テーマでは、特定重要物資支援措置として設けられた助成・利子補給・ツーステップローン・投資育成/信用保証の特例という四つの支援措置について、活用実績に偏りが見られる点が議論されました。堂込麻紀子氏は、助成が中心的に活用される一方で融資・出資・保証はあまり使われていないのではないかと指摘し、実績を質問しました。これに対し殿木政府参考人は、助成については149件の全計画で活用され最大助成額の総額は約1.5兆円に上る一方、利子補給には実績がないこと、ツーステップローンは2件・実行額150億円にとどまり、投資育成・信用保証の特例には活用実績がないことを説明しました。堂込氏は、支援の活用が助成・利子補給に集中し制度間で利用状況に差があると指摘し、不断の検証を求めました。小野田紀美大臣は、支援ニーズは事業者ごとに多様であるとした上で、現状の支援策は必要十分としつつ、今後も不断に見直していく考えを示しました。
本テーマでは、石油・ナフサ等化学品を特定重要物資に指定するかどうかが論点となりました。杉尾秀哉議員は、石油備蓄法や民間備蓄を理由に石油・ナフサを特定重要物資に指定しなかった政府判断の妥当性を問い、石油・天然ガス由来化学品の追加指定を求める立場から質疑を行いました。これに対し小野田紀美大臣は、石油については石油備蓄法で対応中であり特定重要物資の要件を満たしていないとの現状認識を示す一方、ナフサについては指定が必要となれば関係省庁と連携して対応する方針を答弁しました。杉尾議員は非指定への批判と追加指定を求める発言で一貫しており、小野田大臣は石油に関しては要件不十分としつつもナフサ等については前向きに検討する姿勢を示しました。
経済安全保障推進法における内閣府と事業所管官庁の連携・実効性確保について、病院の基幹インフラ追加を巡り、内閣府は厚労省と連携し、規制範囲の限定、段階的指定、相談窓口の設置等を検討する方針が示されました。また、公立病院等への対象拡大については、特定機能病院指定の運用状況を勘案しつつ、内閣府と厚労省で検討するとされました。基幹インフラの届出審査は事業所管大臣が行い、勧告・命令の際には内閣府との協議が義務付けられていることが殿木参考人から示されました。司隆史委員(賛成、スコア0.75)は、内閣府が各省庁の取組に具体的にコミットする姿勢が乏しいのではないかと問題提起し、内閣府の関与強化を求めました。これに対し小野田紀美大臣(賛成、スコア0.75)は、経済安保推進法第四条第二項において関係行政機関の相互協力義務が規定されていることを挙げ、連携強化に取り組む姿勢を示しました。
本テーマでは、経済安全保障推進法が対中国戦略としての性格を持つかどうかが議論されました。大門実紀史委員は、同法がアメリカの対中国戦略に従い中国をターゲットにしたものではないかと質問し、その方向性を批判する立場から見直しを主張しました。これに対し小野田紀美大臣は、特定の国を念頭に置いたものではないとして、4年前と同様の答弁を繰り返し、対中国戦略としての位置づけを否定しました。両者の見解は対立したまま、明確な結論や決定事項は示されませんでした。
本改正案について、小野田大臣は特定重要物資の役務整備、医療分野の追加、JBIC支援制度の創設、官民協議会の創設等を柱として説明しました。衆議院修正では、経済安全保障上必要な措置の在り方について政府が速やかに検討を加える検討条項が追加され、公布日施行とされました。後藤祐一議員(賛成、スコア0.75)は、AI技術の進展やサイバー攻撃への懸念を背景に、施行後3年目途の検討規定では遅いとして新たな検討規定を追加したと説明し、その対象には官民協議会(3条の2)や特定重要物資指定(7条)の改正可能性も含まれると述べました。杉尾秀哉議員(賛成、スコア0.75)は、衆院修正を適宜適切なものと評価しました。
本テーマでは、経済安全保障重要技術育成プログラム(Kプログラム)に食料・エネルギー自給率向上技術を追加すべきかが議論されました。大津力委員は、同プログラムへの投資拡大と支援対象の観点拡充を求め、食料・エネルギー自給率向上技術をより組み込むべきと提案しており、賛成の立場を明確にしています。これに対し小野田大臣は、バイオ領域では肥料研究、領域横断・サイバー空間領域では次世代蓄電池等を既に支援対象としていると答弁し、現行の取組状況を説明しました。
この自給率を高めるための先端技術ということの開発にもっともっと政府はお金を使うべきだと思うんです。
本テーマでは、経済活動の自由と安全保障確保の両立を図るための官民協議会等の活用について議論が行われました。高木かおり委員は、官の関与と民の活力の調和を求め、過度な官主導を避けつつ、民間投資リスクを軽減する呼び水としての機能を官民協議会に期待する立場を示しました。これに対し小野田紀美大臣は、法第五条において規制措置は合理的に必要な限度で行うと規定されていることを踏まえ、官民協議会の活用によって対応する旨を答弁しました。両者はいずれも規制を必要最小限にとどめ、経済活動の自由との両立を志向する立場であることが示されています。
本テーマでは、総合的経済安全保障シンクタンクと重要技術戦略研究所という二つの機関の併存・統合の在り方が論点となりました。堂込麻紀子氏は、両機関の併存による人材・資金の分散を懸念し、有識者会議が将来的な統合を提言していることを踏まえ、両機関の役割分担について質問し、併存は非効率であるとして早期統合を求める立場を示しました。これに対し小野田紀美大臣は、シンクタンクは独立行政法人という公的機関であり、重要技術戦略研究所は民間の一般財団法人であるとして、両者は役割・組織が異なると説明し、併存に経済安全保障上の意義があるとの立場を明確にしました。また統合の具体的な年次については、活動状況を踏まえて判断する必要があり現時点では示せないが、早急に検討する旨を答弁しました。高木かおり氏は、新設よりも既存の独立行政法人の強化を支持する発言をしました。明確な結論・決定事項は示されませんでした。
私も、似たような機関が存在する、併存するということは、人やお金、資金ですね、これを分散させて、大変効率的にも悪いんではないかなというふうに考えますが
このように、二つのシンクタンクは役割や組織体制、調査研究対象が異なることから、まず、各シンクタンクがそれぞれの役割に基づいて設立され、活動を進めていくことに経済安全保障上の意義があると考えておりまして、国会審議の中でも繰り返し説明をさせていただいているところです。
ゼロから新しい組織をつくるんではなくて、実績のある独法をしっかり強化していくということは大変重要だと思います。
本テーマでは、経済安全保障シンクタンクにおける高度人材の確保と処遇のあり方が議論されました。寺田静議員は、シンクタンクに必要な人材像として政策マインドや技術と経済安全保障の融合的視点、海外対話力を挙げて確認したのに対し、大臣は深い専門知識・実務経験・分析能力・政策立案能力を有する人材の参画が必要であると答弁しました。参考人からは、有識者会議において国際的整合性のある給与水準や専門人材・マネジメント人材の充実を求める提言があったことが説明されました。寺田議員はRIETIの給与水準を照会しましたが、参考人は個人特定につながるとして回答を控えました。また寺田議員は、トヨタのウーブン・バイ・トヨタの例を挙げ、独立行政法人の給与体系を超えた思い切った処遇の必要性を主張しました。高木委員は既存独法の強化による専門性の担保と人材戦略について質問し、小野田紀美大臣は産学官からの人材確保と適切な給与水準・処遇の必要性について、有識者会議の提言も踏まえて答弁しました。
本テーマでは、認定供給確保計画の進捗状況をめぐり、特定重要物資16物資・149件のうち約6割が順調である一方、約4割が遅延等の課題を抱えている点が取り上げられました。堂込麻紀子氏はスコア0.25とされ、おおむね順調との評価には慎重な見方を示し、支援メニューの見直し・強化の必要性を質問しました。これに対し小野田紀美大臣はスコア0.75とされ、軽微な遅延(約20%)と後ろ倒し(約15%)を合わせると順調と軽微遅延で約8割を占めると説明しました。また、遅延の要因として、肥料は他国の輸出管理の影響、永久磁石は資材高騰、蓄電池・半導体は市況変化による後ろ倒しであることが説明されました。
本テーマでは、堂込氏が認定取消し計画事業者に対するこれまでの政府の支援・対応について質問しました。これに対し殿木政府参考人は、認定取消しは蓄電池・半導体・工作機械産業用ロボット・船舶部品の4分野6件であると説明しました。その上で殿木政府参考人は、取消し後も研究開発支援や中小企業施策など他の既存施策と連携して事業者を支援していく方針を示しました。殿木政府参考人のスタンスとしては、直接支援は制度目的外としつつ、他施策との連携により支援を継続する意向を示す条件付き賛成とされています。
物資の安定供給の観点から、政府全体として、研究開発支援政策や、企業の規模によっては中小企業施策など、他の既存の施策とも連携しつつ、引き続き特定重要物資の安定供給に取り組む事業者というものを支援してまいりたいというふうに考えているところでございます。
本テーマでは、防衛産業の成長産業化が自衛隊の組織文化に与える影響について議論が行われました。伊勢崎賢治氏は、自衛隊の強さの源泉は経済的利害ではなく国民を守る任務に専念できる組織文化の純粋さにあると指摘し、アイゼンハワー元大統領の軍産複合体への警告を引用しながら、防衛産業の成長産業化の危険性を強調しました。伊勢崎氏のスタンスは反対(スコア0.05)であり、防衛産業の成長産業化が自衛隊の職業倫理をゆがめるとの懸念を根拠としています。これに対し若林政務官は、経済成長を目的として防衛力を整備することは断じてないと答弁し、防衛と経済の好循環とは防衛力強化が結果として経済にプラス効果をもたらし得るという考え方であると説明しました。両者の発言からは、防衛力整備の目的をめぐる論点の相違が示されています。
私が統合幕僚学校で十八年間教えてきた幕僚監部候補生たちのあの高い職業倫理と使命感を、このようなゆがんだ構造でゆがめてはなりません。
本テーマでは、防衛産業を成長産業と位置付けることが脅威の誇張につながるリスクについて議論されました。伊勢崎賢治氏は、防衛産業を成長産業とすることが脅威の誇張に経済的インセンティブを与えると指摘し、宮澤元総理の発言を引用しながら安全保障と金もうけを結び付けない自己規制の重要性を問いました。また、1950年代の米国におけるミサイルギャップ論争を例に、脅威の誇張が防衛産業に利益をもたらした歴史があると指摘し、中東情勢による原油高騰への対応は資源外交・エネルギー多角化であるべきで軍拡の口実にすべきでないと主張し、反対の立場を示しました(スコア0.00)。これに対し若林洋平政務官は、防衛力整備は安全保障環境の冷静な分析に基づき行うものであり、脅威の過大評価によってゆがめられることはないと答弁し、伊勢崎氏の懸念を退ける立場を示しました(スコア0.20)。
改正案では特定重要物資の役務整備、医療分野の追加、JBIC支援制度の創設、官民協議会の創設等が柱として説明され、衆議院修正により検討条項が追加され公布日施行とされました。個別の論点では、ナフサ等の特定重要物資指定は今後の検討課題とされ、医療分野への対策は相談窓口設置など負担軽減策を検討する方向が示されるなど、多くの論点で具体的結論には至らず、引き続き検討・不断の見直しを行う方針が示されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
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