衆議院憲法審査会において「憲法と現実の乖離」をテーマに自由討議が行われ、九条と自衛隊の関係、緊急事態条項、デジタル時代の人権保障、財政規律など幅広いテーマについて各会派が意見を述べた。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
自衛隊に対する文民統制の憲法上の明記をめぐり複数の委員が意見を述べました。大野敬太郎委員(自民党、賛成)は、内閣総理大臣を最高指揮監督者とする政府内統制と国会による民主的統制の両面から憲法規定を設けるべきと主張しました。浅野哲委員(国民民主党、賛成)は、文民統制の強化と国会の事前承認を含む統制の仕組みを憲法上明示すべきと述べました。浜地雅一委員(公明党、賛成)は、自衛隊法七条の内閣総理大臣の指揮命令権限規定を憲法七十三条レベルに格上げすることを提唱しました。阿部圭史委員(維新、賛成)は、内閣総理大臣を最高指揮官とし、国会の承認等の統制に服する文民統制規定の明記を党の方針として示しました。
国防を担う実力組織である自衛隊に対する政治家による統制、すなわちシビリアンコントロールが肝要であるということであります。
公明党は、我が国最大の実力組織であります自衛隊に対する内閣や国会による民主的統制、すなわちシビリアンコントロール、この側面を重視して考えていくべきだ、そのように...
同時に、文民統制の強化、国会の事前承認を含む政治による統制の仕組みを憲法上明示すべきと考えます。
内閣総理大臣を最高指揮官とすること及び法律の定めにより国会の承認等の統制に服することの、文民統制に関する規定の明記。
浅野哲委員(国民民主党、賛成)が、スマートフォンの位置情報やSNS投稿、購買履歴といった個人情報がAIの判断や広告配信に用いられる現状を指摘し、現行憲法第十三条や第二十一条はデータの自動収集やAIによる判断という新たな課題に正面から対応していないと述べました。米国アマゾン社の採用AIによる女性差別的出力を例に挙げ、ブラックボックス化の問題が日本社会にも入り込みつつあると警告しました。その上で、国家権力だけでなく巨大IT企業のような民間主体によっても自由が制限される時代において、デジタル時代の新しい人権を憲法に明記するための議論を強く呼びかけました。
その第一歩として、デジタル時代の新しい人権の憲法への明記を議論することを強く呼びかけたいと思います。
山花郁夫委員(立憲民主党、賛成)が、同性婚を法的に保障しないことが憲法違反であるという高裁判決が続いており、最高裁の判断も時間の問題ではないかと述べ、「同性婚に対する法的整備は喫緊の課題である」と明言しました。具体的な反対意見や中立的意見の表明は会議テキスト中に見られませんでした。
同性婚に対する法的整備は喫緊の課題であると考えます。
大野敬太郎委員(自民党、賛成)は、現行憲法が占領下で制定されたため「主権国家の最も根幹的な役割である国防規定を欠いている」と主張し、一九五二年の主権回復時に憲法を改正して国防規定を設けるべきだったと述べました。船田元委員(自民党、賛成)は、自民党の改憲四項目における自衛隊明記案の主眼は「国の平和と独立、国及び国民の安全を保つといった国防規定の創設にある」と強調し、自衛隊の保持はそれを担う実力組織として位置づけるものだと説明しました。
山花郁夫委員(立憲民主党、賛成)が、一九三三年の京大事件(滝川事件)を取り上げ、政治権力による大学人事への介入が学問の自由に対する侵害であったと述べました。最高裁判例が大学の自治として教員人事における自主的判断を保障していることを確認した上で、菅首相(当時)による二〇二〇年の日本学術会議会員任命拒否について、任命拒否という消極的介入も「憲法二十三条が学問の自由を保障した趣旨に反する」と主張しました。柴山昌彦委員(自民党)も私学について「建学の精神が尊重されるべき組織」として学問の自由の保障要請が高いと述べました。
今回の任命拒否というのは、憲法が学問の自由を保障した趣旨に反すると考えるべきだと思います。
山花郁夫委員(立憲民主党、賛成)が、令和五年十月二十五日の最高裁大法廷決定で性同一性障害特例法三条一項四号が憲法十三条に違反するとされたにもかかわらず、会議日現在いまだ改正がなされていないと指摘しました。過去の違憲判決後に数か月以内に改正が行われた複数の事例(第三者所有物没収事件、薬事法適正配置規制、森林法分割規定、郵便法違憲判決、在外日本人選挙権制限など)と比較し、「違憲判決から一年以上放置されるというのは極めて異例であり、早急に法改正をすることが必要である」と述べました。
違憲判決が出されてから一年以上放置されるというのは極めて異例であり、早急に法改正をすることが必要であると考えられます。
本日の主要テーマとして多くの委員が意見を述べました。船田元委員(自民党、賛成寄り)は、九条二項と自衛隊の存在が「最も典型的な乖離」であるとして、憲法改正で自衛隊の存在を明文で認めるべきと主張しました。阿部圭史委員(維新、賛成寄り)は、九条二項の削除による集団的自衛権の全面容認を含む党の五項目方針を示し、現行の必要最小限度論を「不毛な神学論争」と批判しました。浅野哲委員(国民民主党、賛成寄り)は、平和主義を堅持しつつ自衛隊の憲法上の正当化規定と行使範囲の明文化によりねじれを解消すべきと述べました。浜地雅一委員(公明党、中立)は、九条一・二項の堅持を前提としつつ自衛権の具体的内容の条文化には慎重な姿勢を示し、シビリアンコントロール規定の格上げを提唱しました。大野敬太郎委員(自民党、賛成寄り)は乖離解消の必要性を強調しました。北神圭朗委員(有志の会、反対寄り)は、九条下のポジリスト方式が現実の安全保障に耐え得るか検討すべきと問題提起しました。和田有一朗委員(維新、賛成寄り)は「自衛隊は軍隊だ」と直感的に述べ改憲論議の必要性を主張しました。赤嶺政賢委員(共産党、反対寄り)は沖縄戦の歴史的教訓を踏まえ「憲法九条を生かした平和外交」を主張し軍拡・要塞化に反対しました。大石あきこ委員(れいわ、反対寄り)は憲法擁護義務に基づき改憲派の動きを排除すべきと主張しました。
今必要なのは、戦争の心配のない東アジアをつくるための、憲法九条を生かした平和外交です。
私たちは九十九条で憲法擁護義務がありますので、こういう間違った、憲法を変えようとするというのは徹底排除する義務があります。
何としても憲法九条と自衛隊の存在との乖離を解消しなければならないと考えます。
憲法の規範性を回復するという意味でも、憲法を改正して自衛隊の存在を明文で認めるべきであると思っています。
一つ目、現在の九条二項の削除による集団的自衛権の全面容認。
以上、こうした観点からも、憲法九条が我が国の安全保障の現実に耐え得るのかを検討すべきだということを申し上げて、私の意見といたします。
そういう意味で、しっかりと私たちは議論を尽くして、改憲に向かわなければならないと私は思います。
私たち国民民主党は、平和主義を堅持した上で、自衛隊の存在を憲法上正当化する規定を設け、その行使範囲も明文化することで、憲法と現実とのねじれを正面から解決すべきと...
公明党は、憲法九条の一項及び二項、この規定は今後とも堅持をすべきと考えております。
平岡秀夫委員(立憲民主党、反対寄り)が、昭和二十三年および昭和三十年の最高裁大法廷判決で死刑が合憲とされてきた経緯を説明した上で、現在では世界七割超の百四十四か国が事実上の廃止国となっており、国連人権理事会のUPRでもドイツやイギリスなど多くの国が日本に死刑廃止の勧告を出していると指摘しました。「現行日本国憲法は死刑制度のない刑罰制度とより親和的であると考えられる」と述べ、速やかに死刑存廃の国民的議論を行うべきと主張しました。
現行日本国憲法は死刑制度のない刑罰制度とより親和的であると考えられるところであり、速やかに死刑存廃の国民的議論を行うべきと考えます。
船田元委員(自民党、賛成寄り)は、憲法八十九条が「公の支配に属しない」事業への公金支出を禁じているにもかかわらず私立学校への公費助成が行われており、政府の解釈における「支配」という語が日本語の一般的な感覚と異なると指摘し、「公の監督が及ばない」という実態に即した表現に改めるべきと主張しました。柴山昌彦委員(自民党、賛成寄り)も同様に、「公費乱費を防ぐという意味での、監督が及ばないという表現に改めるべき」と述べ、裁判官報酬問題より私学助成の改正の緊急度が高いとの見方を示しました。
大石あきこ委員(れいわ、反対)が、六月十二日の幹事会で改憲五会派(自民・公明・維新・国民民主・有志の会)が緊急事態条項の骨子案を示す動きに強く反対しました。大石委員は、緊急事態条項に含まれる議員任期延長は「憲法前文に完全に違反している」違憲提案であり、骨子案の提示自体を「絶対あってはならない」と批判しました。武正公一委員(立憲民主党、反対寄り)は、審査会で骨子案が示されると「三分の二以上の賛同を得るという発議に至らない、溝が深まる」との観点から反対し、幹事会での提案にとどめるよう求めたと述べました。
大石あきこ委員(れいわ、反対)が、緊急事態条項の内容として言及されている緊急政令について、「政府が日本国民の権利を侵害して、法律代わりに何でもできるというフリーハンドを与えるようなものだ」と批判しました。任期延長とともに緊急政令を含む緊急事態条項全体を憲法前文および九十九条の憲法擁護義務に反するものとして排除すべきと主張しました。
緊急政令と言って、政府が日本国民の権利を侵害して、法律代わりに何でもできるというフリーハンドを与えるようなものを緊急事態条項とうたっているわけじゃないですか。
浅野哲委員(国民民主党、賛成)が、個人が自分に関する情報の収集・利用・保存・削除の在り方を主体的にコントロールできる権利を「新たな人権として重視している」と述べました。従来のプライバシー権の枠を超えた保障が必要であり、個人情報保護法などの個別法制による対応も重要だとしつつも、「人格的自律や民主主義の基盤に関わる原理的な権利規定については、憲法という最高法規に理念として明記することが不可欠」と主張しました。国家権力だけでなく巨大IT企業のような民間主体にも向けた憲法レベルでの基準定立の必要性を説きました。
人格的自律や民主主義の基盤に関わる原理的な権利規定については、憲法という最高法規に理念として明記することが不可欠です。
自衛隊を憲法に明記すべきかどうかをめぐり、各会派の立場の違いが明確になりました。柴山昌彦委員(自民党、賛成寄り)は、「九条の二という位置づけにするのが望ましい」と述べ、現在の自民党改憲案の実現を求めました。船田元委員(自民党、賛成寄り)は、国防規定の創設とともに自衛隊の保持を定めるべきと主張しました。阿部圭史委員(維新、賛成寄り)は九条二項削除の上で自衛隊保持と自衛官の地位の明記を党の方針として示しました。一方、浜地雅一委員(公明党、反対寄り)は「違憲論解消のために改正が必要というのはいささか無理がある」と述べ、自衛隊明記より九条堅持とシビリアンコントロール明記を優先する立場を示しました。
高市早苗委員(自民党、賛成寄り)が、憲法二十一条(表現の自由・通信の秘密)はインターネットがなかった時代に定められたものであり、現在はインターネット上で国民の命や財産を脅かす事案が生じているにもかかわらず、「この犯罪抑止に必要な制度そのものが二十一条の制約によってつくりにくい」と指摘しました。ブロッキングの議論、児童ポルノ禁止法、闇バイト対策に係るサイバー空間上の捜査、自殺・家出サイトへの対応などを例示し、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行うことは認められない」旨の条文を追加することを提案しました。
つけ加える条文として、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行うことは認められない、こういったものが加わっていればかなりよくなると思うんですが、今直面し...
船田元委員(自民党、賛成寄り)が、憲法七十九条六項・八十条二項が裁判官の報酬の在任中減額を禁じているにもかかわらず、二〇〇二年・二〇〇五年・二〇一二年・二〇一五年に国家公務員全体の給与引下げと同時という名目で裁判官報酬が引き下げられた事例を挙げ、「一定の場合の引下げを容認するのであれば、そのような趣旨の表現を憲法に書き込んでおくべき」と主張しました。柴山昌彦委員(自民党、中立)は、この問題は「国民の多くの方々が関心を持ったり問題視するところも少ない」として、私学助成の問題の方が改正の緊急度が高いとの見方を示しました。
大石あきこ委員(れいわ、反対)は、議員任期延長について「衆議院議員の居座り、ひいては内閣の居座りであり、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するという日本国民の権利を妨げる違憲の改憲だ」と強く反対しました。武正公一委員(立憲民主党、反対寄り)は、「国会議員の議員任期延長は必要ない、立法事実はない」と明言し、東日本大震災と同様の状況下でも八割以上の選挙区で選挙が行えるとの根拠を示しました。大石委員はさらに、立法事実がないうえ、参議院緊急集会の七十日限定説も論が破綻しているとして骨子案の提示に断固反対しました。
武正公一委員(立憲民主党、賛成寄り)が、国会が国権の最高機関とされながら財政面での実質的権限が制約されている点を指摘しました。予備費の過大計上とその使途拡大が続いており、「コロナ禍を契機として拡大した予備費を平時の状態に戻す必要がある」と主張しました。また、補正予算が常態化し当初予算に盛り込まれるべき国際機関への拠出金が補正予算に計上されるなど、憲法八十六条の単年度予算審議の原則に反するとの見方を示しました。国会の予算修正権の充実のため米国議会を参考とした国会予算局のような組織の設置を提言し、衆議院法制局等の定員・予算の充実も求めました。
コロナ禍を契機として拡大した予備費を平時の状態に戻す必要があると考えます。
集団的自衛権の容認範囲をめぐり立場の分かれる議論が行われました。阿部圭史委員(維新、賛成)は、九条二項削除による集団的自衛権の全面容認を主張し、現行の限定容認は「必要最小限度論の基準を少し押し広げたにすぎない」と批判しました。浜地雅一委員(公明党、中立)は、自衛権の具体的内容を条文化することには「慎重であるべき」とし、これまでの国会等における解釈の積み重ねを条文上に正確に表現することは難しく、かえって解釈の安定性が揺るがされるおそれがあると懸念を示しました。赤嶺政賢委員(共産党、反対)は、憲法九条を生かした平和外交を主張し、軍拡・要塞化に反対しました。
九条と自衛隊の乖離については改憲の方向性で意見が集中したが、九条二項削除・集団的自衛権全面容認(維新)、自衛隊明記(自民)、シビリアンコントロール規定格上げ(公明)、平和外交の堅持(共産・れいわ)と各会派の立場は大きく異なった。緊急事態条項の骨子案提示をめぐっては、れいわ・立憲が反対を表明し、会派間の溝が改めて浮き彫りになった。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○阿部(圭)委員 日本維新の会の阿部圭史です。 憲法九条をめぐる問題には、二つの乖離がございます。一つは安全保障環境との乖離、もう一つは国際法環境との乖離です。 まずは、憲法九条と安全保障環境との乖離について。 本年は戦後八十年。我が国を取り巻く極東の安全保障環境は分岐点を迎えようとしています。我が国は、力による現状変更をいとわない核保有国に囲まれ、周辺国による領海侵入及び領空侵犯が相...
○浅野委員 国民民主党の浅野哲です。 憲法規定と社会実態との乖離という本日のテーマの下、私は、本日、デジタル時代における人権保障と憲法九条に係る課題認識について意見を述べさせていただきます。 まず、人権分野におけるデジタル時代の人権保障についてです。 現代では、スマートフォンの位置情報やSNS投稿、購買履歴など、個人に関する情報が日常的に収集、分析され、AIの判断や広告配信に用いられて...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約28,930文字) |
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