参議院消費者問題に関する特別委員会において、公益通報者保護法の一部を改正する法律案の審査のため、東京大学教授・山本隆司氏、元オリンパス社員・濱田正晴氏、弁護士・林尚美氏の三名を参考人として招致し、意見陳述および質疑が行われた。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
今回の改正案でフリーランスが公益通報者として保護の対象に追加された点について議論された。林尚美参考人(中立)は「フリーランスが入ったというのは、今まで個人の方は入れていなかったということですので、とても意義が深い」と評価する一方、「フリーランスというのは、誰も雇っていない、本当に一人だけの人ですので、ちょっと限定し過ぎではないか」と批判した。また、フリーランスは事業者内部への通報が困難なため実質的に二号通報しか利用できず、要件が厳しいという問題点も指摘した。
フリーランスというのは、誰も雇っていない、本当に一人だけの人ですので、ちょっと限定し過ぎではないかなというふうに考えています。
従業員数三百人以下の中小企業への体制整備義務の拡大と支援策について議論された。山本隆司参考人(賛成寄り)は、まず三百人超の事業者による義務履行の徹底が優先であるとしつつ、三百人以下の事業者に対しても「具体的なプラクティスを示すということと、それから支援を行っていくということが重要」と述べた。田村まみ委員は、アンケート調査で中小企業が「義務がないから内部通報体制を整えない」と回答している実態を挙げ、何らかの義務付けの重要性を示唆した。
事業者の体制整備義務の履行徹底と指針文言の明確化について議論された。山本隆司参考人(賛成寄り)は、従業員数千人超を含む三百人超の事業者でも義務未履行が存在するとし、今回の法改正案で消費者庁の立入調査・命令・命令違反時の刑事罰を定めたことを評価した。林尚美参考人(賛成寄り)は施行に向けた準備として「この条文にある文言はどういうことを言っているのかということについてもう一度検討をする必要がある」と述べ、指針文言の再検討を求めた。
報奨金制度や付加金制度の導入等、公益通報者に経済的インセンティブを与える制度設計について議論された。林尚美参考人(賛成寄り)は、相談を受けた潜在的通報者がリスクを考えて断念するケースが珍しくないと指摘し、「公益通報を行うことは経済的には何のメリットもなく、むしろマイナスでしかない」現状を打開するため、労働基準法の付加金制度を参考にした制度の導入を強く主張した。大門実紀史委員は報奨金制度について「報奨金目当てにやるのかみたいなすごい誤解がすぐ生じる」と社会的受け止めの難しさに言及しつつ、その必要性に同意的な発言をした。
配置転換・降格に対する立証責任の転換について集中的な議論が行われた。山本隆司参考人(中立)は、解雇・懲戒への立証責任転換は支持しつつ、配置転換については「日本の現状では、配置転換が、人材育成や適材適所の観点から、事業者の人事上の裁量により定期、不定期に頻繁に行われており」制度化が困難と説明したが、解雇・懲戒への転換により「配置転換の場合も、裁判所が一層注意深く審理し判断することを促す効果はあるのではないか」と期待を示した。林尚美参考人(賛成寄り)は「証拠が偏在している場合に立証責任を労働者側に負担させるのは公平ではない」として配置転換への転換規定設置を強く主張した。濱田正晴参考人(賛成寄り)は配置転換への立証責任転換がないことで現行法では救済できないと批判。田島麻衣子委員は「日本型と割り切ることができない」という山本参考人の言葉を受け、日本の特殊性論に疑問を呈した。
このように、証拠が偏在している場合に立証責任を労働者側に負担させるのは公平ではありません。
そうすると、今度、弁護士、もう弁護士の先生も、もう日弁連も日本労働弁護団もいろいろ今回の問題点言っていますけど、要は配転命令でやられると救済できないと。
この配置転換で立証責任、これは会社側にあるべきではないかと、私もそうあるべきではないかな、今、水の理論を聞いていて思うんですけれども、これをやらない理由として日...
法案は、配置転換について立証責任の転換を定めておりません。しかし、解雇、懲戒について立証責任の転換が定められることにより、配置転換の場合も、裁判所が通報を理由と...
解雇・懲戒への刑事罰導入と配置転換への対応について議論された。山本隆司参考人(賛成寄り)は、解雇・懲戒への直罰規定の導入を「前回ではおよそ考えられなかった」大きな進展と評価した一方、配置転換については日本の雇用実態を理由に現時点での刑事罰化は困難と説明した。林尚美参考人(中立)は解雇・懲戒への刑事罰導入を「感動した」と高く評価する一方、配置転換・降格への対応がないことを問題と批判した。濱田正晴参考人(反対寄り)は、報復の形態として配置転換が相談件数でトップであるにもかかわらず対応がないことを「水の理論」で説明し、「太いホース(配置転換)を塞がないと報復がそちらに流れる」と批判した。
通報対応業務従事者の守秘義務の実効的確保について議論された。濱田正晴参考人(賛成寄り)は自身の経験として、内部通報後にコンプライアンス室から情報が漏えいして配置転換につながったことを証言した。守秘義務確保のための仕組みとして「インフォームド・コンセント」の考え方を挙げ、「調査できないのであれば、承諾を取ったということでちゃんと取っておく」など、調査内容や情報開示の可否について書面で残しておくことの重要性を強調した。書面による承諾取得がなかったことが裁判での証明を困難にしたと具体的に指摘した。
きちんとそこで承諾を、要は、調査できないのであれば、承諾を取ったら取ったということでちゃんと取っておくとか、それでも承諾取れないということだったら、やっぱり調査...
制度全体の実効性について多角的な議論が行われた。山本隆司参考人(賛成寄り)は「漸進主義で法制度をより良いものにしていく」という検討会全委員の合意を紹介し、早急な法改正による国際的動向へのキャッチアップを重視した。林尚美参考人(反対寄り)は弁護士として相談を受ける立場から「改善されないということは余り機能していないということ」とほとんど機能していないと評価した。濱田正晴参考人(反対寄り)は「民事訴訟前提の法律」であることが最大の問題であるとし、「普通の労働者は分からない」法律として、裁判前提の制度では一般労働者には使えないと強く批判した。
保護法の対象法令の範囲拡大について議論された。山本隆司参考人(中立)は、包括化の方法として適用除外を設けるアプローチを紹介しつつ、「所管省庁をどうするかという問題」と適用除外の設定の困難さを理由に今回は見送ったと説明した。また、体制整備の方が実効性向上に効果的であると主張した。濱田正晴参考人(賛成寄り)は「もう消費者庁の管轄を既に越えている」として、厚生労働省・法務省等との連携と所管領域の拡大が必要と主張した。
地方公共団体(兵庫県齋藤知事の事案が念頭に置かれた)に対する国の指導権限について議論された。山本隆司参考人(中立)は、国から地方への指導は「地方自治法の規定に従って技術的助言、勧告等々を行う」形になること、組織の内部管理問題に国が介入することには慎重さが必要であることを説明した。助言・勧告に従わない場合の対応として「是正の要求」が制度上可能であるが、個別事案ごとの調査・判断が必要となり地方自治の観点からその妥当性も検討が必要と述べた。
公益通報者保護法の話というのは、結局その組織の内部管理の問題になってまいりますので、一般的に申し上げれば、やはり国が地方公共団体に対していろいろなことを言うとい...
公益通報に必要な資料の収集・持ち出し行為への免責規定の必要性について議論された。山本隆司参考人(中立)は、資料持ち出しが必要な場面があることを認めつつも、「個人情報の取扱いや企業の情報の取扱いに関して十分注意をしなくてはいけない」社会的要請とのバランスから一般規定化に慎重な立場を示した。林尚美参考人(賛成寄り)は「具体的な資料がないと、何が不正なのかどうかということを弁護士としても検討することができない」と述べ、資料持ち出しが窃盗罪として懲戒・解雇の理由とされる問題を具体的に指摘した上で、EU指令・フランス法・ドイツ法にも免責規定が存在することを根拠に明文規定の設置を強く主張した。
通報妨害・通報者探索行為の禁止の明文化について議論された。山本隆司参考人(賛成寄り)は、これらの行為が令和二年改正時には意見がまとまらず法制化されなかったが、今回の改正案で明文化されたことを評価した。探索行為への刑事罰については「様々な行為が包含されることになり、刑事罰を科すことが相当な行為と言うのが難しい」として今回は合意しなかったと説明した。林尚美参考人(賛成寄り)は探索・妨害禁止の明文化を高く評価し、兵庫県の第三者調査委員会報告書が通報者探索行為を違法と指摘したことを引用して「早急に実現していただきたい」と述べた。
通報者情報の秘密保護と漏えい防止の実効的確保について議論された。濱田正晴参考人(賛成寄り)は、自身の内部通報後にコンプライアンス室から情報が漏えいし配置転換につながった経験を具体的に証言した。承諾の有無が裁判の一審と二審で異なる判断となったことを踏まえ、「コンプライアンス室がきちんと書面を取っておけば、それは会社側としても強い」と述べ、調査内容・情報開示について書面で明確に記録しておくことの重要性を強調した。
やっぱり私の裁判、私の内部通報の場合はそういったのが一切なかったので、裁判では承諾があった、あったと。で、一審ではあったになっちゃったんですよね。
配置転換を公益通報を理由とする不利益取扱いと認定する際の立証責任の在り方が中心的に議論された。山本隆司参考人(反対寄り)は、日本の雇用実態では配置転換が「事業者の人事上の裁量により定期、不定期に頻繁に行われており」不利益取扱いかの判断自体が困難なこと、全事業者が対象となる中小企業への負担を理由に今回は見送りとし、解雇・懲戒への転換による配置転換案件への波及効果を期待すると述べた。林尚美参考人(賛成寄り)は「証拠が偏在している場合に立証責任を労働者側に負担させるのは公平ではない」と断言し、配置転換・降格への立証責任転換規定の設置を強く主張した。濱田正晴参考人(反対寄り)は配置転換への対応がなければ「弁護士が救済できない」と批判し、「三つセットで初めて百点」と主張した。田島麻衣子委員は日本の特殊性論への疑問を呈し、配置転換の立証責任を会社側に負わせるべきという立場を示唆した。
今回の改正案については、解雇・懲戒への刑事罰導入や立証責任の転換、通報妨害・探索禁止の明文化を評価する意見がある一方、配置転換への対応不足、資料持ち出し行為の免責規定の欠如、制度が民事訴訟を前提としている点など多くの課題が指摘された。三参考人は漸進的な制度改善の必要性では概ね一致しており、附則に基づく三年後の見直しに向けた実態調査や省庁横断的な対応の充実を求める意見が示された。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○参考人(濱田正晴君) 五年前にこの場に来まして、そのときはオリンパスの現役社員でしたけど、二〇二〇年六月、その後、定年退職して再雇用の後、二〇二一年三月でオリンパス退職して、そして今は法律事務所の方で研修の講師をやっております。 そういう意味で、衆議院はいつもなくて参議院ということで、参議院には呼ばれるので、そういうことでは、今の状況ですね、要するに今の改正法案がもう可決するという、非常に残...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約49,283文字) |
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