参議院外交防衛委員会において、日本国の自衛隊と締約国軍隊との間の部隊間協力円滑化協定(RAA)の国内実施法を共通規定化する法律案が審議・採決された。同法案に加え、フィリピンとの防衛協力・ODA活用、トランプ関税への対応、自衛官の処遇改善、台湾有事・ガザ情勢など幅広いテーマについて与野党間で活発な質疑が行われた。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、世界銀行の購買力平価GDP統計を示しながら、中国が既に米国を上回る世界第一位の経済大国となっており、BRICS加盟国の合計GDPがG7を上回っていると指摘した。また、インドネシアのBRICS正式加盟、マレーシア・タイのパートナー国加盟を例示し、アジア諸国の経済的重心がG7以外に移りつつある現状を踏まえ、日本は中国との連携・交流を一層深めるべきと主張した。外務省政府参考人はインドネシアの加盟等の事実を確認した。
BRICS加盟国五か国の合計がG7加盟国の合計額を上回っています。
円滑化協定(RAA)の一般法化と国会審査権
三浦信祐氏(公明党)は、日英伊三か国共同開発のGCAPについて、イタリアとの関係強化の観点からRAA締結を視野に入れるべきと主張した。岩屋外務大臣は、日豪間のACSA締結やイタリアの空母寄港など防衛協力の深化を確認しつつ、RAA締結については「部隊間の協力実績や実際のニーズ、相手国の法制度を踏まえ防衛省と協議する」と述べるにとどめた。榛葉賀津也氏(国民民主)はインドやサウジアラビアのGCAP参画可能性を質問したが、中谷防衛大臣は「現時点で申し上げる段階にない」と回答した。
今般の防衛装備移転協定を結んでいる国々と輸出を想定をするのであれば、これらの関係強化の一端として、先ほど来御説明いただいているところのプロセスを踏みつつも、RAA締結も視野に入れる必要があるのではないでしょうか。
メリット、デメリットあるでしょうね。ただでさえ今遅れているこの開発が更に遅れる可能性もあるし、イエメンとの関係含めて、サウジアラビア微妙だと思いますし、インドもそうですけれども、ロシアですね、特にサウジはロシア、中国ともこういう防衛交流ありますので、是非これは、こういう議論をすると、外交上相手があるから話さないとか、仮定の話には答弁できないとか、これ外交防衛ってほとんど相手があって、仮定の話をやらないと議論にならないんで。
山添拓氏(日本共産党)は、イスラエル軍による攻撃再開後に救急車・消防車が攻撃され救急隊員ら十五人が死亡した事案を取り上げ、「これは国際法違反の攻撃か」と問うた。岩屋外務大臣は「深刻な懸念を有し甚だ遺憾」と表明する一方、「事実関係の十分な把握が困難で確定的に評価することは難しい」と述べ、イスラエルへの直接的な非難は行わなかった。山添氏は、イスラエル軍がミスと認めているにもかかわらず非難できないのは問題と批判し、大臣自身がイスラエル大使を呼んで抗議するよう求めた。また、トランプ大統領のガザ領有発言についても撤回を求めるよう迫ったが、大臣は「米国内外で様々な議論がある」として確定的見解を述べることを控えた。塩村あやか氏(立憲民主)は、大阪万博のパレスチナ展示物未着を通じてホスト国としての立場を問い、岩屋大臣は「相談があれば便宜を提供する」と述べた。
生稲晃子政務官は、石破総理がトランプ大統領との電話会談で「日本が五年連続で最大の対米投資国」と説明しつつ、「関税ではなく投資拡大を含む日米双方の利益になる幅広い協力の在り方を追求すべき」と伝えたと説明した。赤澤大臣を交渉担当閣僚に指名し、米側ベッセント財務長官も優先協議を表明したと述べた。若林洋平氏(自由民主)は、交渉継続を求めつつ、「ピンチをチャンスに変えるには内需拡大しかない」として、中小企業への経済対策・減税・ガソリン減税の実施を強く主張した。また、財政規律よりも国難時の財政出動が重要と訴えた。
林誠政府参考人は、米国が相互関税の一部について九十日間(七月九日まで)一時停止を発表したことを確認しつつ、一時停止の理由について「政府として答える立場にない」とし、引き続き措置の見直しを申し入れていくと説明した。若林洋平氏は、九十日停止を「ピンチかつチャンス」と位置付け、内需拡大・経済対策・減税を積極的に推進すべきと主張し、国難時には財政出動も必要と強調した。
中谷元防衛大臣は、フィリピンは「シーレーンの交通の要路に位置する日本の戦略的パートナー」であり、防衛協力の強化が重要と明言した。堀井巌氏(自由民主)は、日・フィリピンRAAを速やかに発効させ積極的に活用すべきと主張した。岩屋外務大臣はフィリピン訪問時にマナロ外相との間で海上保安能力向上・インフラ整備・情報通信等の幅広い分野での協力推進を確認したと表明し、「あらゆる意味での戦略的パートナー」と位置付けた。
塩村あやか氏(立憲民主)は、フィリピンで中国が橋や護岸工事などのインフラ支援を目に見える形で展開していることを自身の現地訪問の経験を踏まえて指摘し、「日本も戦略的にODAを展開すべき」と主張した。岩屋外務大臣は「ODAを戦略的に活用してフィリピンとの二国間関係を強化していく」と表明し、特定の国を念頭に置くものではないとしながらも、フィリピンを戦略的パートナーと明確に位置付けて幅広い分野での協力を進めると述べた。
松沢成文氏(日本維新の会)は、朝日新聞の報道を引用し、中谷防衛大臣がヘグセス国防長官との会談で「日米豪フィリピン韓国などを一つのシアターとして捉えて連携を深めるワンシアター構想」を伝えたと問いただした。中谷大臣は会談の詳細は差し控えるとしながらも、「日米豪比韓の五か国防衛大臣会議を実施した」「点から線へ、線から面への考え方は大事」などと構想の趣旨を認める答弁を行った。松沢氏は構想を高く評価した上で、尖閣の米軍施設での日米合同訓練の実現を強く求めた。山添拓氏(日本共産党)は「専守防衛を逸脱し憲法上問題がある」と批判し、中谷大臣は「自衛隊の活動は憲法と法律の範囲内」と反論した。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、世界銀行の二〇二三年購買力平価GDP統計(中国一位・三十四・六兆ドル、米国二位・二十七・七兆ドル)および文部科学省の科学技術指標(トップ論文数で中国が一位)を示し、経済力・科学技術力ともに中国が世界一位になったと指摘した。その上で、中国との連携・交流を一層深めていくべきと主張した。外務省政府参考人はBRICS加盟国の拡大状況を確認する答弁にとどまった。
既に経済力でも科学技術力でも中国が米国を追い抜いて世界第一位となっています。
大和太郎政府参考人は、中国が「十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に増強」し、尖閣諸島周辺の領海侵入を含め東シナ海・南シナ海で「力による一方的な現状変更の試みを継続・強化」しているとの認識を示し、「深刻な懸念事項」と明言した。松沢成文氏(日本維新の会)は中国の覇権主義的行動を抑止するために具体的行動を求め、特に尖閣での日米合同訓練の実現を強く訴えた。若林洋平氏(自由民主)は、日本が防衛費を抑えた間に隣国が軍拡を進めパワーバランスが崩れたと指摘し、抑止力強化が最重要と主張した。
中国は、国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に増強させております。また、我が国の尖閣諸島周辺における領海侵入を含め、東シナ海、南シナ海において力による一方的な現状変更の試みを継続、強化するとともに、我が国周辺での軍事活動を拡大、活発化させています。
中国は南シナ海、東シナ海において国際法を無視した拡張政策あるいは侵略行為を展開しておりまして、台湾周辺や尖閣諸島における軍事的圧力も高まっています。
日本が防衛費を抑えていた間に隣国はそれこそどんどん軍拡を行い、完全にパワーバランスを失ってしまったのではないでしょうか。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、先島十二万人等の住民を九州・山口方面に避難させる計画について、「南西諸島から人払いをして軍事要塞化し、中国と戦争するのが本当の目的ではないか」と批判した。中谷元防衛大臣は「さきの沖縄戦で住民を巻き込んだ教訓を踏まえ、住民の安全を最優先に確保するためのものであり、軍事要塞化が目的との指摘は全く違う」と明確に否定し、石垣市役所の訓練状況を視察した経験も紹介した。
防衛大臣、この島外への全住民避難計画は、結局、南西諸島から人払いをして軍事要塞化して、そこで中国と戦争をするのが本当の目的ではありませんか。
それは全く違います。さきの沖縄戦におきましては、住民を盾に戦わせ、そして置き去りにし、そして犠牲にしたということは、これは私にとりましては一番大きな教訓でありまして、やはり万が一の有事の際には、住民の安全を実効的に確保するためのものでありまして、このために有事に際して住民の迅速な避難、これを実現させる、万が一の事態に備えて平素から関係機関が連携して、様々な検討、訓練を行っていくということが重要でありまして、私も石垣島に訪問して視察しました。
本テーマをめぐる議論は会議の中核をなした。伊波洋一氏(沖縄の風)は「一般法化は国会の関与を低下させ行政府の暴走を許す憲法違反・立法府の自殺行為」と批判した。塩村あやか氏(立憲民主)は、本法案成立により衆議院安全保障委員会での質疑機会が失われることを問題視し、新たな協定締結後の国会への報告を求めた。政府参考人は「国会での丁寧な説明に努める」と答弁したものの、閣議決定前の報告については明言を避けた。山添拓氏(日本共産党)は「締約国が条文上明記されず、将来への白紙委任を取り付けるもので国会の審査権・立法権の侵害」と強く批判した。広田一氏(無所属)は、当時の浜田防衛大臣が「単行法の実績を積み上げることが必要」と答弁していたことを取り上げ、今回の共通規定化との整合性を問い、道路運送法等の適用除外の実績がないまま定型化とするのは「議論として荒っぽい」と批判した。最終的に附帯決議として、新たな円滑化協定が署名された際は防衛省が遅滞なく当委員会に報告することが多数で採択された。
中谷元防衛大臣は、日豪・日英のRAAで実績を積み重ね、日・フィリピンRAAも同じ内容の措置で実施可能と判断し共通規定化に踏み切ったと説明し、積極的に支持する立場を示した。堀井巌氏(自由民主)は、フィリピンと豪・英との協定で実質的な差異がないことが確認されたことから「定型化法案は理解できる」と述べた。一方、広田一氏(無所属)は浜田元防衛大臣の答弁との整合性を問い、大和太郎政府参考人・中谷大臣の答弁との間に矛盾があると指摘した。
山添拓氏(日本共産党)は、日本の刑法下で死刑が科されるような重大な罪を犯した場合、死刑廃止国である豪州・英国は身柄引渡し義務を免除されるとして「日本が裁判権を行使できなくなるのは主権放棄に等しい」と批判した。岩屋外務大臣は、死刑廃止国への引渡し義務免除規定を認めつつも、被疑者が本国に帰国した場合は豪州・英国が「自国の法令の認める範囲内で訴追のため自国当局に事件を付託する義務を負う」とも規定されていると説明し、双方の立場を紹介した。
塩村あやか氏(立憲民主)は、公務内・公務外の線引きが曖昧なケース(例:上官の指示で買い物に行った際の交通事故など)への懸念を示し、より明確な判断基準を求めた。大和太郎政府参考人は、「上官の命令はその職務に即して行われるものであり、ご質問のような事項とは異なる」と答弁したが、塩村氏は職務との関連性が薄いグレーゾーンについての具体的な基準の提示を求めた。若林洋平氏(自由民主)は、公務中と公務外で裁判権の分配が異なることを確認する質問を行い、政府参考人が詳細を説明した。
三浦信祐氏(公明党)は、共通規定化の意義を認めつつ、将来的に法案の範囲外の内容が生じた場合の法整備プロセスを確認した。大和太郎政府参考人は「仮に本法案の範囲内にとどまらないものが生じた場合は法律の一部改正などにより改めて法整備を行うこととなる」と説明した。広田一氏(無所属)は道路運送法適用除外の実績がないまま定型化するのは「議論として荒っぽい」と批判し、当時の浜田防衛大臣の答弁との整合性を繰り返し問うた。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、産経新聞報道を基に、昨年二月の日米共同指揮所演習キーンエッジで台湾有事を想定し航空自衛隊が中国軍輸送艦を仮想攻撃したと指摘し、「日本全土を戦場にするシナリオだ」と批判した。山添拓氏(日本共産党)も同報道と琉球新報記事を引用し、「軍事的緊張を高める威嚇であり中止すべき」と主張した。中谷元防衛大臣は「特定の国・地域を念頭に置いたものではなく、憲法・法律の範囲内で行っている」と繰り返し説明し、報道内容については「そのような事実を発表したことはない」と述べたが、事実そのものについての明確な否定は行わなかった。伊波氏は委員会への演習内容の提出を委員長に求め、後刻理事会で協議することとなった。
中谷元防衛大臣は「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障はもとより国際社会全体の安定にとっても重要」と明言し、台湾はシーレーンの中核に面する戦略的要衝であると説明した。若林洋平氏(自由民主)は「日本の輸入の九九%は船舶によるもので、多くが台湾海峡・バシー海峡を通っており日本経済の命綱」と述べ、「どんなことがあっても台湾有事を絶対に起こさせてはならない」と強く主張した。
この二本のシーレーンは日本経済の命綱と言っても過言ではなく、現在のように、航海ができなくなるということは日本経済にとって大きなマイナスになり、これはもちろん日本のみならず、直接的に影響の出る韓国は当然のこと、日本経済の失速は世界経済への影響も大きいことをまずは全国民の皆様にも御理解をいただき、加えて、トランプ大統領にも引き続き御理解をいただけるよう、我々も尽力をいたしますが、防衛省並びに外務省の皆様にも更なる御尽力をお願いしたいと思います。
台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要であると考えておりまして、自衛隊としましては、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を実現をし、地域の平和と安定を確保していくということとともに、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らし、これを守り抜くために、いかなる事態にも対応できるように、万全を期してまいりたいと考えております。
中谷元防衛大臣は「台湾をめぐる問題が対話によって平和的に解決されることを第一」としつつ、「いかなる事態にも憲法の範囲内で対応できるよう万全を期す」と説明した。伊波洋一氏(沖縄の風)は、「台湾防衛のための自衛隊介入は日本領土を戦場にし国民の命を守れない」と強く反対し、日中共同声明の枠組みに沿った外交的解決を訴えた。
堀井巌氏(自由民主)は、一九九四年から二〇二四年にかけて米国の消費者物価指数が二・一倍になったのに対し在米大使館の在勤基本手当は一・二倍にとどまっていると指摘し、物価・為替の実態に見合った手当の改善を強く求めた。大鶴哲也政府参考人は「物価や為替の変動も勘案した適切な水準で支給されることが重要」と認め、在勤手当の不断の見直しを継続すると表明した。
堀井巌氏(自由民主)は、在外公館のうち国有化されているのは約四割にとどまり諸外国と比較して低水準であると指摘し、有事の際の在留邦人保護機能等も考慮した積極的な国有化推進を求めた。大鶴哲也政府参考人は「国有化の進展が重要」と認め、「経済合理性の観点も含めて検討した上で推進する」と表明し、令和七年度予算で前年度比八%増の百五十一億円が計上されたことも紹介した。
塩村あやか氏(立憲民主)は、大阪・関西万博のパレスチナ館でイスラエルによる軍事占領のため展示物の到着が遅れている事実を取り上げ、政府の把握状況と対応を問いただした。岩屋外務大臣は展示品の一部到着遅延の報道を承知していると述べ、現時点では万博協会が一義的に対応しているとしながらも「相談があれば提供できる便宜を提供する」と表明した。塩村氏はホスト国としての立場も問い、是非政府として応援してほしいと求めた。
堀井巌氏(自由民主)は、太平洋島嶼国で中国が海底ケーブル整備支援を進めていると指摘し、日米豪連携での海底ケーブルネットワーク整備にODAを柔軟活用して支援すべきと強く主張した。石月英雄政府参考人は、ミクロネシアへの陸揚げ局建設支援に係る公文交換を本年三月に実施したこと、ツバルへの支援も調整中であることを説明し、「ODAを用いたデジタルインフラ整備を同志国と連携して進める」と表明した。
堀井巌氏(自由民主)は、奈良県が全国で唯一陸上自衛隊の駐屯地がなく、「設置は県民の悲願」として検討を強く要請した。中谷元防衛大臣は、奈良県が南海トラフ地震の後方支援機能として優れた地理的特性を持つことを認め、整備が計画されている防災拠点の利活用についても「しっかりと検討する」と述べたが、人員等の制約から「直ちにお答えすることは困難」とした。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、産経新聞が報じたキーンエッジ演習の内容を踏まえ、存立危機事態認定による集団的自衛権行使が先制攻撃を可能にし専守防衛に反すると強く批判した。中谷元防衛大臣は「存立危機事態とは我が国の存立に関わる事態に際した受動的措置であり、専守防衛という国の基本政策にいささかの変更もない」と説明し、批判に反論した。
安倍政権の集団的自衛権行使容認により、存立危機事態において日本が攻撃を受ける前に自衛隊が反撃をする、すなわち、実態を見れば先制攻撃をすることが可能になりました。
存立危機事態というのも、我が国の存立に関わる事態に際して、我が国を助けに来た米国を防衛することができるということで、日本の存立に関わる事態ですから、まさにこれは我が国の自衛、防衛にも匹敵するような事態に限ってということでありまして、常にこういった憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略、これを構築をして、そして専守防衛につきまして、この国の基本政策であるということについてはいささかの変更も行われないようにやっているということでございます。
松沢成文氏(日本維新の会)は、戦後八十年談話や石破総理が示したさきの大戦の敗因に関する私的メッセージについて、「謝罪外交の継続であり日本の国益に合わない、やめるべき」と主張し、岩屋外務大臣に石破総理への進言を求めた。岩屋外務大臣は「現時点で談話発出は決定していない」としながらも、私見として「戦後八十年・被爆八十年の節目に総理が何も言わないわけにはいかない」と述べ、松沢氏の主張には同調しなかった。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、安保三文書で認められた敵基地攻撃能力と存立危機事態の認定が組み合わさることで、日本が直接攻撃を受ける前に先制攻撃が事実上可能になったと批判し、専守防衛への回帰を求めた。中谷元防衛大臣は「受動的防衛戦略と専守防衛という国の基本政策に変更はない」「敵基地攻撃は武力行使の三要件に該当する場合の自衛の措置」と説明し、先制攻撃との批判を否定した。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、中国のAI技術(ディープシーク等オープンソースモデル)を日本の中小製造業が活用することで低コストでのAI導入・生産性向上が見込めるとし、米中のAI技術を組み合わせるハイブリッドなアプローチが合理的と提案した。岩屋外務大臣は「AIの開発力を高めることは極めて重要」としながらも、「イノベーションの促進とリスクへの対応を同時に進めることが重要」と述べるにとどまり、中国AIとの連携の可否については踏み込まなかった。
中谷元防衛大臣は、日・フィリピンRAAを「二国間の安全保障・防衛協力を更なる高みに引き上げる法的枠組み」と位置付け、積極的に支持する立場を表明した。堀井巌氏(自由民主)は速やかな発効と積極的活用を求めた。山添拓氏(日本共産党)は反対討論において、日・フィリピンRAAを含む円滑化協定全般が「自衛隊の海外活動拡大で憲法九条に違反する」と明言した。
この日本・フィリピン円滑化協定が発効しますと、我が国又はフィリピンの領域において日本とフィリピン軍の間で協力活動をより円滑に実施することが可能となりますので、自衛隊といたしましては、部隊間の共同訓練等の協力活動を通じて、日本、フィリピン間の安全保障、防衛協力を一層推進してまいりたいと考えております。
この日・フィリピン円滑化協定も速やかに発効させて積極的に活用していくべきだと考えております。
二〇二三年に国会承認された日豪及び日英間の部隊間円滑化協定も、今国会で承認を求められている日・フィリピン部隊間円滑化協定も、日米同盟を中心に自衛隊の海外活動と外国との、外国軍との共同の軍事活動の更なる強化を図ろうとするものであり、憲法九条に違反します。
伊波洋一氏(沖縄の風)は産経新聞の報道を引用し、キーンエッジで台湾有事を想定して航空自衛隊が中国艦を仮想攻撃した演習概要が判明したとして内容の確認を求めた。中谷元防衛大臣は「特定の国・地域を念頭に置いたものではなく憲法・法律の範囲内」と説明し、報道内容については「そのような事実を発表したことはない」と述べたが、演習内容そのものの否定には至らなかった。委員会への演習内容の資料提出については後刻理事会で協議することとなった。
堀井巌氏(自由民主)の質問に対し、大和太郎政府参考人は、日豪間の「武士道ガーディアン」「ピッチブラック24」、日英間の「ビジラント・アイルズ24」などの具体的な共同訓練実績を挙げ、円滑化協定の適用によって出入国手続の簡素化や港・空港使用条件の明確化などが図られ協力活動が円滑に実施できるようになったと説明した。堀井氏は締結済み協定の活用と今後の新たな国との締結推進を求めた。
中谷元防衛大臣は、日豪・日英・日フィリピンの各RAAを積極的に活用し多角的・多層的な防衛協力を推進していくと表明した。山添拓氏(日本共産党)は反対討論において「日豪・日英・日フィリピンのRAAはいずれも自衛隊の海外活動拡大で憲法違反」と明言し、本法案への反対理由として挙げた。
堀井巌氏(自由民主)が本年の日韓国交回復六十周年を踏まえた日韓関係の課題と展望を質問した。生稲晃子政務官は「日韓は互いにパートナーとして協力していくべき重要な隣国」と述べ、北朝鮮への対応を含む日韓・日米韓の緊密な連携の重要性を確認した上で、「国民間の交流を大切にしながら両政府でしっかりと意思疎通していきたい」と表明した。
松沢成文氏(日本維新の会)は、沖縄県がワシントンDCに設置した事務所が違法状態かつ実質的に反基地ロビー活動を行うものであり「二重外交」だと批判し、玉城知事と会談して廃止を説得するよう岩屋外務大臣に求めた。岩屋大臣は「外交は政府の責任において行うべき」としながらも、「地方自治体が国際交流等を目的として海外に事務所を置くことはあり得る」と述べ、「当該自治体や議会の判断によるところ」として、政府としての廃止への働きかけには消極的な姿勢を示した。
是非この問題はまた後日やりたいと思いますけれども、メリット、デメリットあるでしょうね。ただでさえ今遅れているこの開発が更に遅れる可能性もあるし、イエメンとの関係含めて、サウジアラビア微妙だと思いますし、インドもそうですけれども、ロシアですね、特にサウジはロシア、中国ともこういう防衛交流ありますので、是非これは、こういう議論をすると、外交上相手があるから話さないとか、仮定の話には答弁できないとか、これ外交防衛ってほとんど相手があって、仮定の話をやらないと議論にならないんで。
広田一氏(無所属)は、RAA第十四条に基づく訪問部隊の火薬類輸送・保管に関する手続・要件について文書の存在を確認し、委員会への提出を求めた。門脇仁一政府参考人および岩屋外務大臣は「文書は存在するが締約国との合意なく公表しない」と答弁した。広田氏は「文書があるにもかかわらず内容を示せないのは問題」と批判し、委員長に相手国との協議の上での提出を求めた。委員長は後刻理事会で協議すると答えた。
これは非常に重要なことだというふうに認識をしておりまして、文章化をしているということであれば、むしろ相手側の理解と承諾を得た上で速やかに当委員会に提出をしてもらいたいというふうに思いますので、この点については、委員長のお取り計らい、よろしくお願いします。
塩村あやか氏(立憲民主)は、RAAの適用対象に災害救助活動が含まれることを確認した上で、二〇二三年に署名された日本・フィリピン間の人道支援・災害救援活動取決め(TOR)の扱いについて質問した。中谷元防衛大臣は「RAAにより災害派遣がより容易に迅速に行われるようになる」と肯定的に説明し、大和太郎政府参考人はTORは廃止せずに残すと明言した。塩村氏はTORを残すべきとの立場を確認し、両制度の役割の違いについて更なる説明を求めた。
塩村あやか氏(立憲民主)は、法案第十四条の特殊海事損害について、被害額が高額・法的に複雑であるとの理由で被害者が相手国政府と直接交渉することになる規定に疑問を呈し、「高額で複雑だからこそ国が守るべき」との立場から批判的な質問を行った。大和太郎政府参考人・中谷大臣は、一定の閾値を超えない損害は国同士で解決し、特殊海事損害については日本政府が被害者救済の観点から請求あっせんなど必要な援助を行うと説明したが、塩村氏の疑問は解消されないまま審議が進んだ。
額が低い場合は国がこれまでどおりやってくれるというふうにも取れるんですが、その線引きとか目安はどの辺りで考えられているのか、お伺いをしたいと思います。
中谷元防衛大臣は、ヘグセス長官との日米防衛大臣会談で「インド太平洋地域の情勢認識や国防戦略・考え方について認識が完全に一致した」と述べ、日米豪比韓の多角的防衛協力を積極推進すると表明した。伊波洋一氏(沖縄の風)は「安保三文書の同盟国・同志国連携という外交方針はトランプ政権下で既に成り立たなくなっている」と批判した。若林洋平氏(自由民主)は「同志国が厳しい状況になれば日本が応えるべき」と述べ、多角的防衛協力の継続を求めた。
RAA実施法案は、日本が戦争に巻き込まれた際に利害関係国を増やそうとする意図でしょうが、そもそも、戦争を前提とする安保三文書は、日本国民の生命、財産を守らないばかりか、既にトランプ二・〇以降、安保三文書の同盟国、同志国、国際機関の連携という外交方針が成り立たなくなっている中で、百害あって一利なしと考えます。
米国のヘグセス長官とはせんだって日米の防衛相会談を実施しましたが、周辺国等の情勢の認識、また、国防戦略や考え方について意見交換をいたしましたが、その認識は完全に一致をいたしておりました。
日本の同志国が厳しい状況になった場合に日本に頼ってくることが想定されますし、また、頼ってもらわなければ困るとも思います。
中谷元防衛大臣はFOIPビジョンの下で同志国連携を深め「自由で開かれた国際秩序実現に引き続き取り組む」と明言した。塩村あやか氏(立憲民主)はFOIPの視点で外交・防衛を戦略的に連携させることが必要と主張した。岩屋外務大臣は「外交と防衛は車の両輪」と述べ、クアッド・日米韓・日米フィリピン等の枠組みを通じた重層的なネットワーク構築を推進すると表明した。松沢成文氏(日本維新の会)はRAAをFOIP実現の戦略的インフラとして位置付け計画的に拡大すべきと主張した。
防衛省としましては、引き続き、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた地域的、国際的な協力を深化させてまいりたいと考えております。
外交と防衛は国の根幹を成すものでありまして、言わば車の両輪でございますので、こういった観点から、防衛省を始めとした関係省庁と引き続き緊密に連携して、重層的なそのネットワークを構築してまいりたいと考えております。
FOIPの視点で、防衛面だけではなくて外交面も戦略的に連携をして、バイとかマルチ、しっかり組み合わせて抑止に、様々な抑止につなげていくことが必要だというふうに思っております。
我が国として、このRAAを、日米同盟の補完にとどまらず、中国の一方的な行動を牽制する実効的な戦略的インフラとして位置付けて、同志国とのネットワークを重層的、計画的に拡大していくという、そういう方針はあるんでしょうか。
中谷元防衛大臣は「全ての自衛官が士気高く任務に専念できる環境構築に取り組む」と明言した。堀井巌氏・若林洋平氏(自由民主)はいずれも初任給改善と生活・勤務環境の改善を強く求め、若林氏は退職後の処遇改善も必要と主張した。青木健至政府参考人は、自衛官候補生制度廃止・任期制士の創設、指定場所生活調整金の新設、三十を超える手当の新設・引上げなどの具体的施策を説明した。また、陸自の営舎居室個室化を令和七年度までに完了することや、無線LAN環境整備を令和八年度までに完了することも紹介された。
堀井巌氏(自由民主)は「手当だけでなく俸給そのものの引上げが重要」として強く検討を求めた。中谷元防衛大臣は「給与を上げることで手取りを増やし、安心して職務に従事できる環境を整備することが必要」と認め、俸給表の改定も含めた処遇改善に取り組む意向を示した。防衛人事審議会に処遇・給与部会を新設して既に審議を開始していることも説明された。
三浦信祐氏(公明党)は、大型装備品持込み時の安全確保について確認し、日本の道路基準に合わない車両への対応を質問した。大和太郎政府参考人は「事前に相手国と移動経路を協議し、経路指定や移動制限を課すことで安全性を確保できる」と説明した。榛葉賀津也氏(国民民主)は、自衛隊の車両はヘッドライト・方向指示器等を装備して公道走行が可能だが、相手国軍の装備は同等の安全基準を満たしていない可能性があるとして安全基準の担保を求めた。
榛葉賀津也氏(国民民主)は、外交官ナンバー車両による交通違反の逃げ得問題を引き合いに出し、締約国軍の公用車両が交通違反を犯した場合の対応を質問した。大和太郎政府参考人は、公務中の事件については相手国側が第一次裁判権を持ち、公務外の事件については日本側が第一次裁判権を持つと説明した。
この法案には、締約国軍隊の公用車両、これに道路交通法が適用除外になるということは明記されていないんですね。もしこの締約国軍隊の公用車等と若しくは締約国から来た軍人軍属が交通違反を犯した場合、これ同じように免除されることがあるんでしょうか。
広田一氏(無所属)は、RAA第十一条二の訪問部隊医療専門家による公衆への医療行為について、「接受国の事前同意」が必要と定められているが、その具体的な手続規定が整備されていないと指摘した。東日本大震災でフィリピン・イスラエル・タイ等から医療チームが来日した経験を踏まえ、「南海トラフ地震発生時に備え事前に手続を整備すべき」と主張した。岩屋外務大臣は「様々なケースに対応できるようにこの条項がある」としつつ「関係省庁とよく協議する」と答弁し、広田氏は精査が不十分と批判した。
こういうふうなことを踏まえたときに、今回のこの協定を結んでいる以上、どういった事前同意をするのかというふうなことについては、やはりしっかりと整備、整えておかないといけないのではないかというふうに考えますけれども、整えられていないということは私は問題ではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
そういう対応がしっかりできるようにこの条項があるというふうに考えて……(発言する者あり)いやいやいや、おりますので、それぞれ関係法令がございます。医師、医療の場合は医師法ということになりますけれども、関係省庁ともよく協議をしてまいりたいというふうに思います。
広田一氏(無所属)はRAA第十四条に基づく火薬類の取扱いについて文書の存在を確認し、委員会への提出を求めた。岩屋外務大臣は「火薬類取締法に基づき適切に定めている」としながらも、「締約国との合意なく公表しないため、現段階で協議する考えはない」と述べた。広田氏はこれを問題視し、委員長に相手国との協議の上での委員会提出を改めて求めた。
伊波洋一氏(沖縄の風)は、前回委員会での中谷防衛大臣の発言(軟弱地盤は関空や羽田にもあったが開港していると述べた)に対し、大浦湾の地盤は羽田・関空と全く異なると反論した。配付資料を示しながら、大浦湾は水深五メートルから三十メートルと不均一で地層も多様であり「技術的に困難で完成見込みがない」と批判した。この発言に対する政府側からの直接反論は会議テキスト上確認できなかった。
大浦湾の海底地盤は均質な地層構造の羽田や関空と大きく違うのです。海底水深も均一でなく、水深五メートルから三十メートルと複雑で、海底地層も軟弱地盤を含めて多様な地層で、地層沈下も予測困難です。
山添拓氏(日本共産党)は、主権の制限・放棄を伴う内容を含むRAAを一般法化することは「どの国を相手とするかも条文上明記されておらず、国会の審議権・立法権の侵害で許容できない」と強く批判した。松沢成文氏(日本維新の会)は、日米地位協定での刑事裁判権の問題との対比でRAAの裁判権規定を確認し、艦艇や滞在拠点への逃げ込みが発生した場合の日本側の対処について岩屋外務大臣に質問した。大臣は、相手国側への援助要請・警察権行使・本国帰国後の訴追義務などの規定を説明した。
堀井巌氏(自由民主)は、四月十八日にリニューアルオープン予定の領土・主権展示館について内覧会に参加した経験を述べ、「すばらしい展示」と高く評価し来館者増加への取組を求めた。岡朋史政府参考人は、映像技術を活用したイマーシブシアターなど若年層に訴求するコンテンツを導入したことを紹介し、修学旅行・課外授業への活用に向けて教育委員会や旅行会社への働きかけを戦略的に行っていくと説明した。
是非、これ国会見学の後に領土・主権展示館回ろうというような形になるような、まさにそのような展示館になることを、皆様の、政府の取組を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
堀井巌氏(自由民主)は、本年一月にユネスコへ推薦書を提出した飛鳥・藤原の宮都の世界遺産登録について、政府を挙げて全力で取り組むよう強く要請した。金子万里子政府参考人は、二〇二六年夏頃の世界遺産委員会での審議が予定されているとし、関係省庁・自治体と連携して取り組むと表明した。
登録実現に向けて政府を挙げて全力で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
RAA実施法案は、自由民主党・立憲民主等の賛成多数で可決された。日本共産党・沖縄の風は憲法違反・国会審議権の侵害として反対した。附帯決議として、新たな円滑化協定が署名された際は防衛省が遅滞なく当委員会に報告することが多数で採択された。フィリピンとの戦略的防衛協力強化や自衛官処遇改善については与党・政府が積極的に推進する方針を確認したほか、トランプ関税については引き続き協議を通じた見直しを求めていく方針が示された。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
RAA実施法案は、自由民主党・立憲民主等の賛成多数で可決された。日本共産党・沖縄の風は憲法違反・国会審議権の侵害として反対した。附帯決議として、新たな円滑化協定が署名された際は防衛省が遅滞なく当委員会に報告することが多数で採択された。フィリピンとの戦略的防衛協力強化や自衛官処遇改善については与党・政府が積極的に推進する方針を確認したほか、トランプ関税については引き続き協議を通じた見直しを求めていく方針が示された。
○委員長(滝沢求君) 日本国の自衛隊と我が国以外の締約国の軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国と我が国以外の締約国との間の協定の実施に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堀井巌君 おはようございます。自由民主党の堀井巌でございます。 質問の機会をいただいたことに関係各位に感謝申し上げます。 早速質問に入らせていただきます。 まず、今回のいわゆる円滑化協定実施法について、防衛省の方に伺ってまいりたいと思います。 まず、防衛大臣にお伺いしたいと思います。 これまで円滑化協定というと、豪州、英国と締結がされました。また、今国会において、フィリピンと...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約107,165文字) |
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