本会議は、日本国の自衛隊と締約国軍隊との間の部隊間協力円滑化協定(RAA)の国内実施法を一般法化する法律案を中心に審議し、日・フィリピン防衛協力の実態、在日米軍司令部のアップグレード、先島住民の避難計画、自衛官の処遇改善等、幅広い安全保障関連テーマについて各党委員が質疑を行った。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、フィリピンでの米陸軍中距離ミサイルシステム「タイフォン」配備や米海兵隊地対艦ミサイル「NMESIS」展開の事実関係を確認した上で、日比防衛相会談で確認した「運用面の戦略的連携」に長射程ミサイルの一体的運用が含まれるかをただした。中谷元防衛大臣(賛成寄り)は、具体的な内容はフィリピン側と調整の上で公表するとしつつ、「危険極まりない長射程ミサイルの配備とIAMD網構築はやめるべきか」という問いに対し、日米同盟の抑止力・対処力強化の必要性を強調した。赤嶺委員(反対)は「長射程ミサイルの配備とIAMD構築はやめるべきだ」と主張し、平和外交への転換を求めた。
日・フィリピン円滑化協定(RAA)の国内実施法の共通規定化
松尾明弘委員(立憲民主党)は、RAAの締結推進と並行して中国への外交努力・緊張緩和の取組が必要と主張し、「行け行けどんどんでやっていると偶発的な事態が起こりかねない」と述べた。政府側(柏原裕参考人、生稲晃子大臣政務官)は、戦略的互恵関係の包括的推進と建設的・安定的な関係構築が一貫した方針であると説明。具体的成果として、先般の日中外相会談において岩屋大臣と王毅部長の間で日中安全保障対話を可能な限り早期に開催することで一致したと報告した(生稲政務官・賛成寄り)。五十嵐えり委員も、RAAの締結に際して中国への説明が重要と指摘した。
福田かおる委員(自由民主党)は、我が国周辺で中国・ロシアによる共同訓練が実施されていることを安全保障上の観点から注視すべき問題として冒頭に指摘した。中国・ロシアの動向を脅威として注視し、今回の円滑化協定がこうした安全保障上の要請に沿ったものであるという認識を示した。当委員会では当該テーマについてそれ以上の具体的な賛否の議論は展開されなかった。
我が国周辺で中国、ロシアによる共同訓練が実施されたりするなど、我が国の安全保障の観点からも、ロシアの情勢も注視しなければなりません。
新垣邦男委員(社民党)は、政府が公表した宮古・八重山五市町村約十一万人を九州・山口八県に振り分ける避難計画について、「余りにも生煮えで実効性に乏しい」と批判し、台風シーズンや観光客増加期の想定がないこと、六日間での輸送の実現性、沖縄本島が対象外であることなどの問題点を列挙した。門前浩司内閣官房内閣審議官(政府側)は、先島諸島は輸送困難性が高いため優先的に検討を開始したものであり、今後沖縄全体の避難計画に横展開するとした。中谷大臣(賛成寄り)は石垣島・与那国島を視察した経験を踏まえ、計画を立て訓練することの必要性を強調した。新垣委員(反対寄り)は、有事を想定した避難計画よりも外交による平和を優先すべきと訴え、財産補償制度の整備も求めた。
山崎正恭委員(公明党)は、本法律案第十二条の損害賠償規定について質問し、訪問部隊の構成員が公務執行中に第三者に損害を加えた場合に日本が賠償責任を負うとする規定において、「他人」には公務執行中の自衛隊員が含まれないとの解釈を確認した(賛成寄り)。大和太郎政府参考人は、円滑化協定にいう第三者には訪問部隊・接受国部隊の構成員は含まれないと説明した。また、自衛隊員が相手国軍から違法に損害を受けた場合については、重過失・故意による場合を除き相互に請求権を放棄しており、重過失・故意の場合は両国間協議で賠償額を決定するとした。
この法律案の第十二条では、締約国軍隊、つまり自衛隊とともに活動する相手側の軍隊が日本国内で公務中に違法に他人に損害を加えたときは、日本政府がその損害を賠償すると規定されています。
本テーマは会議を通じて複数の委員から集中的に議論された。下野幸助委員(立憲民主党・賛成寄り)は、共通規定化後も安保委員会での情報提供・審議を要望し、大和政府参考人は新協定締結の際に誠実に対応すると表明した。松尾明弘委員(立憲民主党・賛成寄り)は、共通化によって安保委での審議プロセスが省略され国会の民主的コントロールが低下すると懸念し、報告・意見聴取のあり方について具体的確認を求めた。中谷大臣は「国会からの指摘や意見に最大限誠実に対応する」と述べた。赤嶺政賢委員(日本共産党・反対)は「一般法化は国会審議を形骸化させ、国会の審議権・立法権を侵害する」と強く批判し廃案を主張した。討論で同委員は反対の立場を改めて表明したが、採決では附帯決議「新たに円滑化協定が締結された際に安保委に遅滞なく報告し意見を求めること」が多数で採択された。
五十嵐えり委員(立憲民主党)は、2024年6月に南シナ海でフィリピン海軍補給船と中国船が衝突し、フィリピン兵士7名が負傷・1名が指を切断した事例を示し、日本がフィリピンとRAAを締結することで中国との関係悪化を招かないか懸念を示した(反対寄り)。政府側(柏原参考人、生稲政務官)は、協定は特定国を念頭に置いたものではなく、中国との関係については日中安保対話を早期開催することで一致したと説明した。新垣邦男委員(社民党・反対寄り)も、南シナ海で衝突が繰り返される中での共同訓練中に中国船がフィリピン船に衝突した場合の自衛隊の対応に懸念を表明したが、政府側は「仮定の質問には答えられない」と述べるにとどまった。
新垣邦男委員(社民党)は、先島十二万人を六日間で避難させる計画の実効性に疑問を呈し、「有事になった場合に六日間待っていてというのが本当に言えるのか」と問題提起した。また、沖縄本島(嘉手納・普天間)も有事の対象になり得ることを指摘し、先島だけでなく沖縄全体の避難計画を早急に整備すべきと主張した。政府側(門前政府参考人)は、先島は輸送困難性が特に高いため優先的に検討を開始したものであり、成果を横展開して県全体の計画策定につなげると答弁した。新垣委員(反対寄り)は外交による平和を優先すべきと繰り返し訴えた。
国民保護というのは、前提として有事があるという想定ですから、これは沖縄県民にとっては八十年前とまた同じかというような不安を非常に抱えています。そういう意味では、やはり有事がない、外交で平和を守っていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
福田かおる委員(自由民主党)は、「台湾をめぐる情勢は我が国の安全保障に直接影響を与えるものとして重大な関心を持って注視しなければならない状況にある」と述べ、中立的立場から現状認識を示した。赤嶺政賢委員(日本共産党・反対)は討論の中で、「台湾有事を想定した同盟国・同志国を巻き込んだIAMD計画の具体化」に反対し、「戦争の心配のない東アジアをつくるための平和外交にこそ取り組むべき」と主張した。台湾有事を巡る日本の具体的な役割や対応についての詳細な議論は展開されなかった。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、平成19年の国会で石破茂防衛大臣(当時)が「先進諸国において制服軍人が国会で専門的・技術的見地から意見を述べない国は日本以外にない」として悉皆調査を行うと述べた事実を確認し、その調査結果を問うた。萬浪学政府参考人は、当時の資料を確認した結果、米国では軍事委員会等の公聴会に将官クラスが証人として出席することがあり、英仏独でも議会に軍人が証人等として出席する事例があったと回答した(賛成寄り)。橋本委員はその調査結果を書面で委員会に提出するよう求め、委員長が理事会で協議すると述べた。
先進諸国において制服軍人、他国では軍人というのでしょう、それが国会に出て専門的な技術的な見地で意見を述べないという国は日本以外にはないと私は承知しております。
松尾明弘委員(立憲民主党)は、3月30日の日米防衛相会談でのヘグセス長官の発表を踏まえ、在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードの現状と赤坂プレスセンターへのサテライトオフィス設置について確認した。中谷大臣(賛成寄り)は、自衛隊の統合作戦司令部創設とタイミングを合わせる形でアップグレードが開始され、市ケ谷との調整を行う要員の一部が赤坂プレスセンターを拠点とする予定であり、関係自治体に説明済みであると説明。今後は日米作業部会を通じて段階的に進めると述べた。松尾委員(賛成寄り)は連携強化は必要としつつ、安全確保・住民への説明責任・国会のコントロールを求めた。
機能強化を図っていく、連携強化を図っていくことは、私も今日の質疑でも何度も言いましたけれども、今の東アジアの情勢を踏まえると当然やらなければいけないことだと思っています。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、締約国が日本国内で使用する電波の事前通知や使用料の取扱いを確認した。荻原直彦政府参考人は、外国軍隊が持ち込む無線設備は電波法に基づいて運用され、使用前に外務省を通じて総務省に諸元等を連絡して既存システムへの影響を確認していると説明。電波利用料については国際慣行上の相互主義に基づき徴収しないとした。橋本委員(中立)は相互主義による免除の仕組みを確認しつつ、軍隊の特性上の考慮との関係を問題提起した。
締約国ですとか他国の軍隊から事前に日本国に対して、どの電波帯を使用するのか、その通知はあるんでしょうか。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、令和7年度から特定利用施設の対象に道路が追加されたことについて、沖縄で指定された三路線がいずれも以前から着工されている民生用事業であることを確認した上で、「軍事費GDP比2%達成のために公共事業を軍事費に組み込んだいびつなやり方だ」と批判し廃止を求めた(反対)。中谷大臣(賛成寄り)は、道路整備は民生利用を主とし、円滑な自衛隊の通行や災害対応にも資するものであると反論した。国土交通省の佐々木俊一政府参考人は、三路線の規格変更はなく民生利用が前提であると説明した。
本テーマは会議の中心議題として多くの委員が論点を提示した。中谷大臣(賛成・スコア1.00)は、日豪・日英・日比の国内実施法の担保措置内容が定型化しているため共通規定化が有用であり、潜在的締結国への示唆を与えて交渉円滑化に資すると主張した。下野幸助委員(中立)は共通化の意義は理解しつつも、一国一国丁寧に積み上げることも重要と指摘し、従来の浜田防衛大臣の「単行法の積み上げが必要」との考え方からの変化を問うた。松尾明弘委員(中立)は共通化の意義は否定しないが国会の民主的コントロール機会の減少を懸念した。福田かおる委員(中立)は共通規定が協定交渉内容を制約しないよう柔軟な改正の可能性を留保するよう求めた。赤嶺政賢委員(反対)は一般法化によって国会審議が形骸化されると強く批判し廃案を主張した。
この共通規定化によりまして、従来のように相手国ごとに個別の法律を参照することなく、円滑化協定の国内実施法が規定する担保措置を総覧することができるようになるというメリットがあります。
国会審議を形骸化させ、国会の審議権、立法権を侵害するものであり、断じて認められません。
緊張感の高まりに伴って、共通化することの意義は私も否定するものではありません。
ただ、私は、一つ一つ、一国一国を整理していくことも大切ではないかと思っています。
今回、共通規定が作られたとしても、共通規定が円滑化協定の交渉内容を不本意に制約してしまうといった本末転倒なことがないようにしていただくよう、お願い申し上げます。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、2月24日の日比防衛相会談で確認された「運用面の戦略的連携のハイレベル枠組みの新設」の内容を追及し、長射程ミサイルの一体的運用やIAMD構築への参加につながるものではないかと批判した(反対)。中谷大臣(賛成・スコア1.00)は、会談でテオドロ国防大臣との間で①運用面の連携、②人的交流強化、③防衛装備・技術協力、④日米豪比等の同盟国・同志国連携深化の四分野での連携強化を確認しており大変有意義であったと評価した。枠組みの具体的内容はフィリピン側と調整の上公表するとした。
生稲晃子大臣政務官は、現在フランスとの間でRAA交渉を行っていること、および引き続き同志国との連携を一層強化していく考えであることを答弁した。中谷大臣(賛成寄り)は、一か国でも多くの同志国と連携することが重要であるとして、今後とも円滑化協定の締結に努力すると述べた。松尾明弘委員が英米法系と大陸法系(フランス)の法体系の相違が共通規定化に支障をきたさないかを問いただしたが、政府側は定型化した内容であり相手国の法体系の違いのみで困難になることは想定しないと答えた。
同盟国のみならず、一か国でも多く連携することが非常に重要でありまして、我が国と相手国の部隊間の相互運用性の向上のために、非常に安全保障が進んでいくのではないかということで、今後とも円滑化協定の締結に努力してまいりたいというふうに思っております。
五十嵐えり委員(立憲民主党)は、2024年7月にハワイで発生した自衛隊員によるレンタカー事故(民間人死亡)を題材に、アメリカでは自衛隊員の法的地位を定めるRAAに相当する取決めが存在しないことを確認し、米国で訓練する自衛隊員の法的安定性が不明確であると指摘した(賛成寄り)。防衛省側は一般的な国際法の原則に従い適切に処理していると答弁したが、具体的な根拠規定の明示を回避した。五十嵐委員は「アメリカとの間でも自衛隊員の地位をしっかり定める必要があるのでは」と大臣に迫り、中谷大臣は当該事故が不起訴で終わったことを説明したにとどまった。
アメリカとの間でも、自衛隊員の地位をしっかり法的安定性を定める必要があるんじゃないですか、見直すべきなんじゃないですかという点について、では、大臣、いかがでしょうか。
中谷元防衛大臣(賛成・スコア1.00)は、3月30日のヘグセス米国防長官との日米防衛相会談について「大成功」と評価し、硫黄島の慰霊を通じた同盟の歴史的意義の共有、FOIP戦略での認識一致、統合作戦司令部創設と連動した在日米軍の統合軍司令部へのアップグレード開始など多数の成果を説明した。池畑浩太朗委員(日本維新の会・賛成寄り)は、両大臣の普通科・歩兵という共通の経歴から人間関係が構築できたとして継続的な連携強化を求め、防衛装備技術協力(DICAS)の深化や地元産業への波及効果への期待を表明した。
新垣邦男委員(社民党)は、有事になった際に先島を避難した住民や島に残留した住民の財産補償はどうなるのかを問いただした(賛成寄り)。門前浩司内閣官房内閣審議官(政府側)は、個別具体的な判断が必要であるため武力攻撃事態終了後の復興政策の在り方の一環として検討されるべきとの認識を示した。新垣委員は、補償が「戦争被害受忍論」で退けられないかとの懸念を表明し、住民説明を丁寧に行うよう求めた。
いざ有事になった場合の避難者の財産補償はどうなるんだろうか、あるいは、避難せずに島に残るんだという選択をした住民の財産もひとしく補償されるのかどうなのか。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、防衛出動時に自衛隊があらかじめ割り当てられた周波数帯以外の電波も軍事合理性に基づいて柔軟に使用できる制度整備を求めた(賛成寄り)。家護谷昌徳政府参考人は、武力の行使に電波が含まれ得ることを認めつつも、現状では装備品導入時に総務省の承認を得た周波数を使用し、緊急時には総務省と二十四時間連絡体制を構築していると説明した。橋本委員は「敵は日本の電波行政お構いなしにやってくる」として有事における柔軟な電波使用の検討を防衛大臣に求めたが、中谷大臣は総務省を含む関係省庁間での調整を通じた周波数確保の重要性を述べるにとどまった。
有事の局面、それは武力の行使といった究極の使命を果たすときに当たって、どこまで割り当てられた領域を守る必要があるのかという話です。それはやはり、軍事専門的見地から、あるいは合理性の見地から、場合によってはあらかじめ割り当てられている帯域以外も使えるようにするべきだと思いますし、その想定もするべきだと思います。
新垣邦男委員(社民党)は、先島の住民避難計画との関連で、武力攻撃事態はどのタイミングで認定されるのかという疑問を呈し、中谷大臣に見解を求めた。中谷大臣は、重要影響事態・予測事態・おそれ事態などを経て様々な要素を勘案して武力攻撃事態の認定がなされると概括的に説明した。当委員会では当該テーマについて詳細な賛否の議論には至らなかった。
そもそも武力攻撃事態というのはどのタイミングで判断をするのか、これが一番重要じゃないかなと思うんですね。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は討論の場で、「円滑化協定と本法案は日本国内における二国間・多国間の共同訓練を拡大し、基地被害の更なる増大を招くものであり、米軍と自衛隊による航空機騒音や事件事故に苦しめられてきた日本国民に新たな負担を押しつけることは到底許されない」と述べ、法案への反対を表明した(反対・スコア0.00)。質疑では、沖縄では地位協定が守られず米軍が犯罪を犯しても基地内に逃げて帰国するという歴史的経緯も指摘した。
協定と本法案は、日本国内における二国間、多国間の共同訓練を拡大し、基地被害の更なる増大を招くものです。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、令和7年度から特定利用施設に追加された沖縄県内三路線(国道58号那覇北道路・国道506号小禄道路・国道506号豊見城東道路)がいずれも以前から着工されてきた民生用道路であることを国交省に確認し、規格変更もなく民生利用が前提であることを明らかにした。その上で「従来の民生事業を軍事費に組み込むいびつなやり方はやめるべきだ」と批判した(反対)。中谷大臣(賛成寄り)は民生利用を主としつつ自衛隊の円滑な通行・災害対応にも資すると反論した。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、令和7年度の関係閣僚会議の決定で平良港が新たに特定利用港湾として追加されたことを含む特定利用施設の拡大について、「安保三文書に基づく公共インフラ整備」の問題として取り上げた(反対)。政府側は、民生利用を主としつつ自衛隊・海上保安庁が円滑に利用できる枠組みを整備するものと説明した。詳細な賛否議論は主に道路整備に集中したため、空港・港湾の拡充自体についての具体的な質疑は限定的であった。
こんないびつなやり方はやめるべきではありませんか。
中谷元防衛大臣(賛成・スコア1.00)は、3月24日に発足した統合作戦司令部について、山火事対応やミャンマー地震への対応において早期情報収集・分析・初動対応が可能になったことを具体例として高く評価した。池畑浩太朗委員(日本維新の会・賛成寄り)は、発足直後から各地の山火事対応に当たった統合作戦司令部の意義を評価しつつ、データ・経験の蓄積の重要性を指摘した。また在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードとの連動についても確認が行われた。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、昨年のバリカタン演習に航空自衛隊がオブザーバー参加してIAMDに関する情報交換を行ったことを確認した上で、米国のIAMDセンターが「同盟国とシームレスに統合する」構想を持ち、演習で指揮統制を共有していることを指摘し、「米軍指揮下で同盟国・同志国を巻き込んだ一体のIAMDシステム構築ではないか」と追及した(反対)。中谷大臣(賛成寄り)は、我が国のIAMDは米国の要求ではなく日本の主体的取組であり米国推進のIAMDとも異なる、自衛隊と米軍は独立した指揮系統に従って行動すると反論した。
松尾明弘委員(立憲民主党)は、赤坂プレスセンターと横田・厚木の米軍基地を往来する米軍ヘリのルートが、南風時の羽田空港着陸便ルートと都心上空で交差していることを図示した資料を示し、機能強化に伴うヘリ増便は東京にとって高リスクであると指摘した(賛成寄り)。今年1月のワシントンでの旅客機・軍用ヘリ衝突事故も例示した上で、赤坂プレスセンターではなく羽田着陸ルートと交差しない西側への設置、または羽田着陸便の海上ルート復帰を求めた。中谷大臣は「安全が第一」と確認しつつ、日米連携強化の観点から今後安全面を踏まえて検討すると述べた。
赤坂プレスセンターへの移設ではなくて、少なくとも羽田空港への着陸便よりも西側、ルートが交差しない辺りに設置するべきだと思いますし、どうしてもそれがかなわない、市ケ谷との距離があるのであれば、羽田空港への着陸便のルートを、一定時間で通っているわけですから、元の海上ルートに戻すとか、そういったことも検討するべきだと思いますけれども、大臣、その辺はいかがでしょうか。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、精強性や文民統制との関連で「軍事専門的見地」の定義と育成計画を問いただした(賛成寄り)。萬浪学政府参考人は「部隊の指揮命令や作戦立案、装備・能力の把握、部隊錬成等に関する知識」と定義し、青木健至政府参考人は幹部学校での戦略・戦術・リーダーシップ教育や諸外国の国防大学への留学機会を通じて育成していると説明した。橋本委員は修士・博士号を持つ自衛官数が管理されていないデータを示し、知的基盤を組織的・系統的に整備する必要性を強調。防大教育が学生の自主的変革に委ねられている現状を問題視し、近代軍としての組織的人材育成の観点から制度設計を見直すよう求めた。
知的基盤は大変重要です。先ほどの大臣の答弁は精強性を考える土台になる話ですけれども、どういう部隊が精強なのか、どういう教育をしていかなければならないのかというのは、それは思いつきや時の担当者が場当たり的に考える話ではなくて、やはりそれは知性の積み重ねであるというふうに思います。
池畑浩太朗委員(日本維新の会)は、前回の安全保障委員会・予算委員会での提案を踏まえ、農業大学校を活用した退職自衛官の就農支援の進捗状況を確認した(賛成寄り)。青木健至政府参考人は、就農を希望する退職自衛官に対して地方農政局と調整しながら農業分野の業種説明会やインターンシップを実施しており、地方協力本部への聞き取りを通じて周知・支援の在り方を検討中であると回答。農林水産省との連携を継続するとした。日本農業新聞で取り上げられた経緯も言及された。
農林水産省も期待しておりますし、これから再就職をしていく上で、四十倍もの希望が来るわけですから、農林水産省としてもしっかり体制を整えながら、防衛省と連帯しながらこれからも進めていきたいですし。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、防衛大学校の卒業式で六十九期生が「変革した」と述べた内容が「容儀点検の簡略化と朝の清掃への上級生参加」にとどまるなら大した変革ではないと問題提起し(中立)、精強性の育成が属人的・アマチュア的になっているのではないかと懸念を示した。また、初代校長・槇智雄の個人哲学に依拠した「槇イズム」が現代の安全保障環境変化に対応できていない可能性を指摘し、近代軍としての組織的人材育成の視点から防大教育の在り方を再考するよう求めた。中谷大臣(賛成寄り)は、六十九期生が自ら組織変革に取り組んだことを「立派なことだ」と評価しつつ、精強性とは体力・気力・使命感・軍事技術・知識の多面的な能力であると説明した。
赤嶺政賢委員(日本共産党)は、日米ガイドラインの「自衛隊・米軍が任務を達成する上で依拠する重要インフラ及びサービスを防護する」との記述の意味を問いただした(反対)。中谷大臣(賛成寄り)は、電力・通信等の重要インフラへのサイバー攻撃が自衛隊・米軍の任務遂行の阻害要因となり得ることを認め、日米間でサイバーセキュリティの重要性について意見交換を行っていると説明した。赤嶺委員は「個人や中小企業のサイバー犯罪対策ではなく、軍事機密保護と日米軍事同盟強化のためのものだ」と批判した。
池畑浩太朗委員(日本維新の会)は、3月30日の日米防衛相会談でDICAS(防衛装備・技術協力)の枠組みを効果的に活用して防衛産業協力を深化させる認識が確認されたことについて、米艦船・航空機の共同維持整備等の具体的な検討状況を問いただした(賛成寄り)。坂本大祐政府参考人は、米軍の所要と日本企業の整備能力を確認しながら対象艦種・機種ごとの整備内容を米側と検討中であると説明。政権交代後も防衛産業協力の深化方針が国防当局間で改めて確認できたことは有意義だったと評価した。池畑委員は地元産業への波及効果への期待も表明した。
DICASの中で取り組まれている内容で、アメリカ軍の船、そしていろいろな戦闘機も含めて修理するということがこのまま話によっては進んでいく、そういうことでありますと、日本の地域の企業にとってもプラスなんじゃないかなというふうに思っております。
松尾明弘委員(立憲民主党)は、RAAを締結している相手国であることが集団的自衛権行使の三要件(武力行使の三要件)に該当するかどうかの判断に影響するかを問いただし、「対象範囲の安易な拡大は控えるべきであり、要件は明確化すべき」と主張した(反対寄り)。中谷大臣は、第一要件にいう「我が国と密接な関係にある他国」はあらかじめ特定されておらず、武力攻撃が発生した段階で個別具体的な状況に即して判断されるものと回答した。松尾委員は「曖昧なままで物事が進むのはよろしくない」として継続的な明確化を求めた。
いろいろな議論がある中で、この対象範囲が安易に拡大していくということは控えるべきだと思っていますし、対象の要件は明確にしていくべきだと思っていますので。
審議の結果、法律案は多数をもって原案のとおり可決され、「新たに円滑化協定が締結された際には遅滞なく安全保障委員会に報告し意見を求めること」とする附帯決議が多数で採択された。会議全体を通じ、RAAの共通規定化による国会の民主的コントロール確保のあり方、フィリピンとの運用面の戦略的連携を含む地域の安全保障体制強化と対中外交努力の両立、および沖縄を中心とした基地負担軽減と住民保護の実効性について、与野党間で対立的な議論が展開された。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
審議の結果、法律案は多数をもって原案のとおり可決され、「新たに円滑化協定が締結された際には遅滞なく安全保障委員会に報告し意見を求めること」とする附帯決議が多数で採択された。会議全体を通じ、RAAの共通規定化による国会の民主的コントロール確保のあり方、フィリピンとの運用面の戦略的連携を含む地域の安全保障体制強化と対中外交努力の両立、および沖縄を中心とした基地負担軽減と住民保護の実効性について、与野党間で対立的な議論が展開された。
○福田(か)委員 自由民主党の福田かおるです。 昨今、我が国の安全保障をめぐる状況は急激に複雑化しております。台湾をめぐる情勢は、我が国の安全保障に直接影響を与えるものとして、重大な関心を持って注視しなければならない状況にあります。また、ロシアによるウクライナ侵略では、既に百万人を超える死傷者の方々が出ているとも言われております。北朝鮮からロシアに派兵がされたり、我が国周辺で中国、ロシアによる...
○中谷国務大臣 福田委員に御指摘をいただきましたが、日本の安全のためには多くの同志国や同盟国と共に行動してまいらなければなりませんが、ここで言います円滑化協定とは、一方の国の部隊が他方の国を訪問して活動を行う際の手続及び同部隊の地位等を定めることで、共同訓練や災害救援、災害救助等の部隊間の協力活動の実施を円滑にするとともに、部隊間の相互運用性の向上を図るためのものでありまして、本法律案は、この円滑...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約95,762文字) |
AIによる自動生成のため、一部情報が省略されている場合があります。
