衆議院内閣委員会において、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律案(能動的サイバー防御法案)および関係整備法案の質疑・討論・採決が行われ、与野党6会派提出の修正案を含め多数で可決された。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
市村浩一郎委員(日本維新の会)は、「サイバー空間はノートラスト・ゼロトラストを基本に考えなければならない」と主張し、守り切れるという発想ではなく、信用できない空間を前提に信頼性・安全性を高める議論が必要だと強調しました。これに対し石破茂内閣総理大臣は、ノートラストと言い切れるかについては明言を避けつつも、ファイアウォールをいかに高めてもそれが突破された場合にダメージを最小限に抑えることも考えなければならないと述べ、情報を守る観点からの取り組み姿勢を示しました。具体的な結論・決定には至りませんでしたが、サイバー空間の特性を踏まえた戦略的思考の重要性について両者が認識を共有する場となりました。
能動的サイバー防御とアクセス・無害化措置
サイバー通信情報監理委員会(通称「サバ監」)の実効性をめぐって活発な議論が行われました。今井雅人委員(立憲民主党)は「監理委員会の実効性がこの法律の要諦であり歯止めの重要性が高い」と指摘し、石破総理も「委員会がその機能を十分に発揮できなければならない」として、事務局体制の整備や専門性確保に最大限努力すると表明しました。平将明国務大臣は「国際法、法律、サイバー・デジタルに詳しい専門家を委員とし、独立性も各種規定で担保されており、決して追認機関にはならない」と説明しました。一方、塩川鉄也委員(日本共産党)は「委員会は権力の濫用防止や人権保障機関ではなく、内閣総理大臣が責任者である内閣府の下に設置されており、独立機関とは言えない、中身がブラックボックスだ」と批判しました。上村英明委員(れいわ新選組)も、独立性が担保される制度設計への修正がなされていないとして問題点を指摘しました。
このサイバー通信情報監理委員会は、あくまで法における措置の適正な実施を確保するために審査及び検査を行う機関でしかありません。権力の濫用防止や人権を保障する機関ではありません。そもそも中身がブラックボックスではないのか、総理任命の組織で独立機関と言えるのか、こういった点も含めて、歯止めとなるものとは言えないということを申し上げておくものです。
委員会の方も、そういった、国際法、法律、またサイバー、デジタルに詳しい専門家の方に委員長並びに委員を務めていただく。さらには、事務局体制も整備をしていくということで、さらに、独立性も様々な規定で担保されていますので、決して追認機関になることはない、しっかりと機能するものと考えております。
この法の施行に向けまして、この委員会がその機能を十分に発揮することができなければならぬのでありまして、じゃ、どうするんだと申しますと、この委員会の事務を処理するための事務局の体制をどうするか。
この措置をやはりしっかりと担保するためには、三条委員会でありますサイバー通信情報監理委員会の実効性というのが非常に重要なんじゃないかなというふうに私は思っておりまして、ここがある意味いろいろな歯止めというか要諦になっていると思うんですけれども、この監理委員会の重要性について、総理の見解をお伺いします。
サイバー通信情報監理委員会の独立性が十分に担保できる仕組みとなれば、アクセス・無害化が主権侵害となる危険性や通信の秘密が侵される可能性を大幅に下げることができるはずですが、通信防護措置等の承認申請元となる内閣総理大臣が責任者である内閣府の下に設置するなどの制度設計で大丈夫という見解に全く修正は見られませんでした。
日本の民間企業の約99.7%を占める三百三十七万社のうち、サイバーセキュリティーのお助け隊が対応しているのは約七千社(0.2%)にとどまるとの実情を踏まえ、中小企業支援の必要性が複数の議員から提起されました。上村英明委員(れいわ新選組)は「七千社のみの対応では不十分で、積極的な財政支援が必要だ」と主張しました。市村浩一郎委員(日本維新の会)は「中小企業はサイバーセキュリティーに手が回らない実態がある。啓発活動と支援が必要」と訴えました。平将明国務大臣は「中小企業もサプライチェーンの一員として守る必要があり、お助け隊を含む啓蒙と政策オプションを整えて国全体のサイバー防御力を高める必要がある」と述べ、石破総理も「セキュリティー対策の必要性を認識してもらう努力を最大限行う」と表明しました。
中小企業とかになってくると、もはや手が回らないというところ。ましてや国民ということになってくると、さっきも申し上げましたように、その方が、本当はこんな怪しいメールをクリックしちゃいけないよというところだけでも頑張ってくれると、なかなかそういう詐欺にもひっかからないんですけれども、やはり来たら、ついつい開いてしまって、それでおかしなことになってしまうということになって。
また、中小企業においても、サイバーセキュリティーと言った瞬間に、ちょっと何していいか分からないというのもありますので、今、お助け隊という政策もありますが、それも含めて、啓蒙プラス政策のオプションはしっかり整えて、国全体としてサイバーの防御の力を高めていく必要があると思っております。
中小企業庁によれば、日本の民間企業の九九・七%を占める中小企業の数は三百三十七万社です。七千社というのは〇・二%にしか当たらないという状況がありまして、その意味では、サプライチェーンが全部つながっているときに、こうしたところがやはり情報セキュリティーの部分を底上げしていくというのは、このプログラムにとってもとても大事だというふうに思っています。
ですので、先ほど、例のアメリカの関税対策で千か所の相談窓口と申し上げましたが、やはりつながっているわけですから、サイバーセキュリティーって大事なんですよということをいかにして御認識をいただくかというのは、認識しない方が悪いとは政府としては絶対申し上げられませんので、いかにして分かっていただくかという努力は、誇張ではなく最大限いたしていかねばならないと思っておるところでございます。
アクセス・無害化措置の承認に関して、事前承認と事後通知の場合における疎明資料の差異が議論されました。馬淵澄夫委員(立憲民主党)は「いとまがないという理由で事後通知となる場合、特段の事由の疎明が極めて重要だ」と強調しました。平将明国務大臣は「事後通知の場合は、事前承認と同様の資料(攻撃サーバーと認めた理由、措置内容等を示す疎明資料)に加えて、事前承認を得るいとまがないと認めた特段の事由に関する疎明資料も必要となる」と説明しました。馬淵委員はこの答弁を受け、「いとまがなかった」という言葉だけで全てが正当化されないよう、特段の理由が明確に添付されることが担保されたと評価しました。
馬淵澄夫委員(立憲民主党)は、実地調査の過程で国内-国内間通信(内内通信)が分析されていないことを委員会がどのように確認できるかを確認しました。小柳誠二政府参考人は、内内通信は自動選別で取り除かれる仕組みであり、実地調査では、自動選別に用いたIPアドレスに関する記録(文書または電磁的記録を含む)を確認することで検証可能だと説明しました。馬淵委員はこの答弁を受け、実地調査において電磁的記録も含めた確認が行われること、つまり内内通信は取得も分析もなされないことが検証可能な体制であると評価しました。
つまり、実地調査の中で、懸案であった内内通信に関しては、これは一切取得もなしということでありました。分析もないということで、これは、そのデータそのものを実際に端末などを確認して見る、さらには職員の聞き取りも行うということであります。
承認プロセスの具体的なフローについて、馬淵澄夫委員(立憲民主党)が質問し、平将明国務大臣が詳しく説明しました。同意によらない通信情報利用については、法定要件を満たしていることを示す疎明資料をサイバー通信情報監理委員会に提出し承認を得た上で通信情報の取得・分析を開始する流れが示されました。アクセス・無害化措置については、原則として個別の攻撃サーバーを特定した上で委員会の事前承認を求め、承認後に措置を実施する仕組みであることが明確にされました。馬淵委員はこれを「実務上極めて重要な答弁」と評価しました。一方、塩川鉄也委員(日本共産党)は「裁判所の令状なしに第三者機関の承認のみで措置が可能とするのは警察権の濫用を招く」と批判しましたが、平将明大臣は「比例原則に基づき必要最小限で実施し、複数の規定により権限濫用のおそれはない」と反論しました。
裁判所の令状もなしに、法案における第三者機関の承認で可能としているということが問われてくるところであります。
まず、同意によらない通信情報利用についてでございます。例えば、外外通信目的送信措置の実施については、攻撃の実態が不明であり、重要電子計算機の被害を防止することが著しく困難であること、この措置以外の方法によってはその実態の把握が著しく困難であることなどの要件を満たす場合に、内閣府が、措置の必要性や、これらの要件が満たされていると認めた理由、政府に通信情報を送信することとなる電気通信事業者の設備が国外関係電気通信設備であること、自動選別の選別条件を設定する基準等をサイバー通信情報監理委員会に示して承認を求めることになります。
今、大臣は明確に、サーバーの特定ということと、もちろん、ボットのような攻撃の場合は複数のサーバーということはあり得るけれども、個別の事案として申請並びに承認ということを行っていくという答弁をいただきましたので、これは実務上極めて重要な御答弁をいただけたというふうに思います。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、攻撃者の主体や意図の把握にはインテリジェンスコミュニティーとの有機的連携が不可欠であるとして、法案への明示的な書き込みを求めました。平将明国務大臣は「インテリジェンスコミュニティーは有機的な連携が基本であり、役割分担を明示的に示すことはない。法案への書き込みは不要」と回答しました。上村英明委員(れいわ新選組)は、日米・日英・日豪サイバー対話の頻発化やNATOとの連携強化に触れ、「能動的サイバー防御の動きが軍事同盟の強化に使われないか」と懸念を表明しました。平将明大臣は「この法律に軍事的な同盟を強化する目的や意図は入っていない」と述べました。
インテリジェンスコミュニティーについては、縦割りですとかそういったところの弊害も指摘されている事項であります。是非法案に書き込んでいただければというふうに思いますが、平大臣、いかがでしょうか。
能動的サイバー防御の動きは、これまで見てきたように、治安管理とか諜報活動と隣接した分野を扱うことから、常に日本の中では、これは今、新冷戦という言葉があるらしいんですけれども、そうした中での軍事同盟強化につながらないかというのが、先ほどの懸念の内容であります。
インテリジェンスコミュニティーは、私もそれなりに知見を持っていると思っています。基本的には有機的な連携ということで、余り明確に、役割分担を明示的に示すことはないんだろうというふうに思いますので、申し訳ありませんが、法案に書く必要はないと思っております。
国外サーバーへのアクセス・無害化措置の国際法上の位置づけをめぐって対立した議論が展開されました。上村英明委員(れいわ新選組)は「アクセス・無害化が他国の主権侵害とみなされる危険性が極めて高い」と批判し、塩川鉄也委員(日本共産党)も「相手国から主権侵害・国際法違反の先制攻撃と評価される危険がある」と強く反対しました。平将明国務大臣は「今般の措置は通常兵器による有形力の行使と同様の深刻な被害を伴わず、国連憲章第2条4が禁じる武力の行使に当たらない。外務大臣との協議で国際法上の許容性を担保する」と説明しました。石破総理も「外務大臣を協議に入れることで国際法上問題ないかを判断し、国際法に合致した行動を常に念頭に置く」と表明しました。
アクセス・無害化措置を海外の機器に対して行えば、相手国から主権侵害と受け取られる危険があります。政府は、国際法上の緊急状態によって違法性を阻却できると言いますが、国際社会の共通認識とはなっていません。
第一に、能動的サイバー防御に該当するアクセス・無害化が他国の主権侵害とみなされる危険性が極めて高いこと、第二に、憲法第二十一条が保障する通信の秘密を守るための規定が全く不十分であること、第三に、サイバー通信情報監理委員会の実効性、独立性が担保されていないこと、そして第四に、能動的サイバー防御の前に、官民のサイバーセキュリティー対策の抜本的底上げ等、最優先すべき課題が山積みであることです。
今般のアクセス・無害化措置は、通常兵器による有形力の行使と同様の深刻な被害を伴うことは想定されず、国連憲章第二条4が禁ずる武力の行使に当たることはないと考えております。
この法案に基づきます協議というのは、もう一回申し上げて恐縮ですが、これは、そのような措置が国際法上許容される範囲内のものかどうかということに限定をされておると承知いたしております。
上村英明委員(れいわ新選組)は「法案第28条による外国政府等への情報提供について、対象範囲や基準が法律に明示されていない」と疑問を呈しました。小柳誠二政府参考人は、提供先となる外国政府等の具体的な範囲は現時点で決定しておらず、相手国との関係に影響するため差し控えるとした上で、提供先における保護措置(情報取扱職員の制限、目的外利用の禁止、技術的アクセス制限等)の確認が要件になると説明しました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「収集した情報の外国政府等への第三者提供は個人情報保護の原則に反する」と批判しました。
当事者協定の性格について、今井雅人委員(立憲民主党)は「協議義務は強制ではなく任意だが、政府から求められると事実上の強制にならないよう配慮が必要だ」と指摘しました。平将明国務大臣は「協議への応諾は義務だが、協定の締結は任意であり、相手方事業者への配慮も十分になされている」と説明しました。また、協定当事者の通信の相手方となる第三者の情報保護についても確認が行われ、平大臣は、取得した情報は自動的な方法で機械的情報のみに選別・分析され、特定被害防止目的以外の利用は原則禁止される仕組みとなっており、問題ないと述べました。
市村浩一郎委員(日本維新の会)は「情報セキュリティーという概念の中にサイバーセキュリティーがあり、さらにその中に今回の能動的サイバー防御があると捉え直すべきだ。NISCが元々『ナショナル・インフォメーション・セキュリティセンター』だったことからも、原点に返るべきだ」と強く主張しました。石破茂総理は「そのような御理解でよろしい、全く異論はない」と明言し、スパイ問題や頭脳流出なども情報セキュリティーの観点から捉えることに同意しました。また、不断の見直しに際して情報セキュリティーという原点に立ち返って議論することが重要との認識を共有しました。
憲法21条が保障する通信の秘密とサイバー対処のバランスについて議論が行われました。市村浩一郎委員(日本維新の会)は「今回の法案は憲法9条・21条の制約の下で公共の福祉の観点から通信の秘密を一部制限する法案として認識している」と述べ、賛成の立場を示しました。石破茂総理は「通信の秘密を尊重しつつ、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度の制約として法規定を確実に遵守する」と表明しました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「通信の秘密とプライバシー権が実態として侵害される重大な問題がある」と批判しました。
実態として、通信の秘密、プライバシー権を侵害をする、そういう重大な問題があるということを指摘をして、質問を終わります。
通信の秘密を尊重し、これを不当に侵害することのないよう、政府といたしましてはこの法の規定を確実に遵守する、そのような対応をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
この憲法的制約をどう公共の福祉の観点から捉え直すかというところの話だということを、とにかく我々は、今回の法案はそういうものだということを認識した上で、決してこれでサイバー空間がとても安全になるとかいう話ではないということを、私はそう思っておるんですが、大臣の御認識をいただければ幸いでございます。
市村浩一郎委員(日本維新の会)は、量子コンピューターが現在の暗号を突破しうる時代を念頭に「完全暗号(耐量子の時代でも解読不能とされる暗号)が本物かどうか政府が判定すべきだ」と強く主張しました。石破茂総理は「暗号技術検討会(CRYPTREC)において確認を行っているが、完全暗号と呼ばれる技術については、技術評価に実績のある専門家による客観的な資料の提示が必要であり、引き続き国内外の最新の技術動向を注視する」と答弁し、評価作業が進行中である旨を示しました。
それで、実は、この暗号を日本人が完成させ、実装させていると言われているんです。これは何度も、岸田総理にも、経産委員会でも議論してきているんですが、ただ、これが本物かどうかは私には判断できないので、是非とも政府でこれが本物かどうかを判定してほしいと言っておるんですが、いろいろなことがあって、まだ今、成っていません。
お尋ねの完全暗号と呼ばれる技術につきましても、更なる検討には、技術評価に実績のある専門家により内容を確認された論文など、実態を正確に把握するための客観的な資料の提示が必要でありまして、引き続き、国内外の最新の技術動向を注視しながら、情報の漏えい等の防止を始めとしたサイバーセキュリティーの確保に向け、政府一丸となって取り組む、こういうことでございます。
橋本幹彦委員(国民民主党)は、サイバー攻撃には有事と平時の明確な区別がないシームレスな特性があることを確認した上で、「このことが今後の議論の混乱を招きかねない重要なポイントだ」と指摘しました。平将明国務大臣は「今回の法律のアクセス・無害化は、有事・平時の区別なく実施される」と明言しました。橋本委員は、この有事・平時の区別がない特性を踏まえつつ、警察と自衛隊の連携体制や指揮系統の単一化・簡素化の重要性を訴えました。
今井雅人委員(立憲民主党)と田中健委員(国民民主党)が本法案審議の冒頭で取り上げました。米国による自動車への25%関税と日本への24%相互関税の発動について、今井委員は「とても合理的とは思えず、深刻な事態だ。必要であれば国会決議も含め全力で協力する」と表明しました。田中委員は「リーマン・ショック並みの経済危機ともいわれる中、総理は速やかに渡米して交渉すべきだ。経済対策も求める」と訴えました。石破茂総理は「今回の米国の措置は極めて残念・遺憾・不本意」と述べた上で、積算根拠をただしながら報復関税・WTO活用も含めた対応を検討すると表明し、国難ともいうべき事態として超党派での対応を呼びかけました。
委員御指摘のとおり、今回のアメリカの発表というのは、極めて残念、極めて遺憾、極めて不本意、そういうことだと私は考えております。
是非、リーマン・ショック並みの経済危機とも言われますので、国内の中小企業を始め対策もしっかりしてほしいと思っていますし、総理は速やかにやはりアメリカに行くべきだと、私たちは昨日党で話し合いました。
本当にこれは日本にとって深刻な事態ですので、我々、立法府としても全力で応援しますし、党としても全力で応援しますので、必要であれば国会決議もした方がいいと思いますし、全力で協力しますので、是非頑張ってください。
市村浩一郎委員(日本維新の会)は「耐量子・AI時代を見据えたサイバーセキュリティー対策が今後必須であり、今回の法案はその第一歩に過ぎない」と強調しました。量子コンピューターが現行の暗号を短時間で解読しうること、すでに特定の国がデジタルハーベスティング(暗号化情報を今のうちに収集し、将来量子コンピューターで解読しようとする行為)を行っているとされる実態なども指摘しました。平将明国務大臣は「量子・AI問題への対策を今後しっかり検討していく必要がある」として認識を共有し、デジタル庁を含めて検討する意向を示しました。
本法案の核心である能動的サイバー防御の必要性と是非について、各会派から幅広い議論が展開されました。上村英明委員(れいわ新選組)は「ファイブアイズに倣う能動的サイバー防御ではなく、ドイツなど欧州諸国のように受動的防御力の向上こそ平和国家の取るべき政策だ」と反対を表明しました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「令状主義の形骸化・警察権の肥大化につながる」として強く反対し、法案の廃案を求めました。一方、平将明国務大臣は「能動的サイバー防御のためのアクセス・無害化は国民の安全と安全保障を守るために必要」と強調しました。市村浩一郎委員(日本維新の会)は「法案に賛成の立場で第一歩として評価するが、耐量子・AI時代への対応がさらに必要だ」と述べ、橋本幹彦委員(国民民主党)は「国民民主党は2022年からアクティブサイバーディフェンスの採用を訴えてきた」として賛成の立場を示しました。藤岡たかお委員(立憲民主党)は課題を指摘しつつも政府原案に賛成と表明しました。
警察による公権力の執行には市民の監視が必要ですが、アクセス・無害化措置について市民の監視は行き届きません。サイバー攻撃対処のためという名目でこうしたことを許してしまうのは、際限ない権限拡大の第一歩となってしまう危惧があります。
やはり、進めるべきは、英米等のいわゆるファイブアイズに右に倣えの能動的サイバー防御ではありません。ドイツなどの多くの欧州諸国のように、回復力、レジリエンスの強化を含めた受動的サイバー防御力の向上に重点を置き、官民のサイバーセキュリティー対策を抜本的に底上げするとともに、問題があるとする政府との関係を含む国際的な信頼醸成措置の構築によって、国際的なサイバー犯罪や攻撃行為をなくしていく取組を進めることこそが平和国家日本が取るべき政策であることを改めて強調し、れいわ新選組を代表して、反対討論を終わります。
こうした中で、我が国のサイバー対処能力を抜本的に強化するために、本法案では、官民連携の強化、通信情報の利用、攻撃者のサーバー等へのアクセス・無害化といった、サイバー安全保障分野における新たな取組を実現するための制度を整備することとしております。
法案については、長い時間をかけて、大臣も何度も答弁されておられますので。ただ、これは第一歩なんです。だから、我が党も賛成です。
私たち立憲民主党は、サイバー攻撃の脅威が増大している中で、我が国の重要インフラを守る重要性と必要性を十分に認識した上で、今回の法案審議に当たっては、通信の秘密との整合性とのバランス、国外にある攻撃サーバー等に対するアクセス・無害化措置が国際法上許容される範囲内で行えるかなどの観点から、有識者や関係者の意見も聞きながら、問題点を指摘し、政府答弁で確認してまいりました。
国民民主党は、二〇二二年、安全保障政策を発表しておりますが、このときから、アクティブサイバーディフェンスの採用というところは訴えてまいりました。
自動選別の要件と個人識別不可化措置をめぐって議論が行われました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「自動選別の要件は曖昧であり、政府による恣意的な選別が行われる懸念は拭えない」と批判しました。石破茂総理は「自動的な方法で機械的情報のみを選別し、特定の個人を識別できるおそれが大きい情報が含まれている場合はほかの符号に変換するなど個人識別できないようにする厳格な手続がある。重大なサイバー攻撃による被害防止目的以外の利用・提供は原則として禁止する」と説明しました。
自動選別するといいますけれども、自動選別の要件は、特定のサイバー攻撃に関係する機器などの探査が容易になると認めるに足りる状況のある情報という曖昧なものであり、政府による恣意的な選別が行われる懸念は拭えません。
何人も閲覧等ができない自動的な方法によって重大なサイバー攻撃に関係すると認められる機械的な情報のみを選別した上で分析するなど厳格な手続、条件を定めていること、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が審査や検査を行うことということでございまして、現行の政府案でありましても、通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる、こういうような制度と考えております。
橋本幹彦委員(国民民主党)はアクセス・無害化措置の実務上の司令塔機能について質問しました。平将明国務大臣は「内閣官房新組織(新NISC)がサイバー安全保障担当大臣の指導の下、実務上の司令塔機能を担う。国家安全保障会議で対処方針を審議した上で、個々の措置については警察・自衛隊の役割分担を検討・決定し、実際の実施は警察・自衛隊が行う」と説明しました。橋本委員は、警察と自衛隊の間に単一の司令塔がなく、いとまがない場合や飽和攻撃時の対応に懸念を示し、「指揮系統は単一であることが重要だ」と指摘しました。
警察及び自衛隊が実施するアクセス・無害化措置が我が国の国家安全保障の観点から整合性の取れた形で行われるよう、内閣官房新組織が、いわゆる新NISCとか拡大NISCとか言っていますが、内閣官房の新組織が、サイバー安全保障担当大臣の指導に基づき、国家安全保障局と緊密に連携しつつ、実務上の司令塔機能を発揮することとなります。
実際、実務上の司令塔ということでいうと、警察と自衛隊、それぞれに分かれているわけです。いかに総合的に調整するとはいえ、時間にいとまがないとき、そして、あるいは一つだけその脅威に対応できるということであればまだしも、複数の、飽和攻撃のような形をされたときには、大変現場は混乱するというふうに思います。指揮系統は単一である、簡素であることが大変重要だというふうに思います。
本法案は警察官職務執行法(警職法)に新たな条を追加する、昭和23年の制定以来初めての実質的な改正であることが確認されました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「警職法は即時強制を主たる目的とする法律であり、一定期間をかけて行うサイバー対処措置を追加するのは同法の趣旨に反する。また令状主義を形骸化させる」と批判しました。平将明国務大臣は「比例原則に基づき必要最小限で実施し、委員会の事前承認、措置主体の限定、警察庁長官等の指揮下での実施など複数の規定により権限濫用のおそれはない」と反論しました。
それを今回改正をし、しかも、重要インフラへのサイバー攻撃対処という法案の目的の範疇を超えて、サイバー攻撃と警察が判断すれば、他者の機器に侵入、監視、使えなくするなどの行為を可能としようとしております。
こうした権限行使については、適正性を確保する観点から、措置の実施主体を一定の知識や能力を有する者に限定をしていること、原則としてサイバー通信情報監理委員会の事前承認を得ることとし、例外的に承認を得なかった場合であっても事後通知を行うこと、措置を取るに際してみだりに関係者の正当な業務を妨害してはならないこと、警察庁長官等の指揮を受けなければならないことといった規定が設けられていることから、警察が法の趣旨を超えてその権限を濫用するおそれはないと考えております。
橋本幹彦委員(国民民主党)は「今回の法律のアクセス・無害化措置は、国外や他国領域においても警察権の範囲内で行われるものか」と確認しました。平将明国務大臣は「日本国外においても、他国の領域においても、警察権の範囲で行う」と明言しました。緒方林太郎委員(有志の会)は警職法の要件と存立危機事態の要件の表現が類似していることから「警察権と自衛権の間に何かが挟まるのか」と問い、本田太郎副大臣は「両者はそもそも想定される前提や目的が異なる規定であり、間に何かを挟む観念で作られたものではない」と説明しました。
他国の領域においても、警察権の範囲で行います。
日本の領域外における無害化の措置、これは警察が行うものであっても自衛隊が行うものであっても、目的のため必要な最小の限度の手段としての警察権の一つとして認識しておりますけれども、この認識で間違いないでしょうか。
片方は、警職法に書いてあるものは何かというと、警察権の行使を最大限広げたところで、ここまではやれますというのを、恐らく、練りに練って、警察権がここまで行けますということが書いてあって、けれども、存立危機事態に書いてあることというのは、その範囲を超えて武力攻撃事態に相当するような効果が生じるところですので、この二つの間には、やはり警察権と自衛権の大きな、まあ、大きなかどうか分かりませんけれども、差があると思うんですね。
憲法21条が保障する通信の秘密とサイバー対処措置のバランスが多角的に議論されました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「政府が通信情報を丸々コピーできる仕組みは通信の秘密の根本を覆す違憲立法だ」と断じました。今井雅人委員(立憲民主党)は「通信の秘密をしっかり守る旨を法文に書き込むことでより分かりやすくなる」と修正の提案を行いました。藤岡たかお委員(立憲民主党)は「通信傍受法等には通信の秘密尊重の条文があるが、本法案には盛り込まれていない」と課題を指摘しました。石破総理は「通信の秘密を尊重し不当に侵害することのないよう、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度の制約として法規定を確実に遵守する」と表明しました。修正案では「いやしくも通信の秘密その他日本国憲法の保障する国民の権利と自由を不当に制限することがあってはならない旨」が法文に明記されることとなりました。
本案は、サイバー攻撃の実態把握のためと言って、送受信者の同意なく、政府が通信情報をコピーできるとしています。さらに、自治体を含む基幹インフラ事業者に加え、あらゆる民間事業者と協定を結び、その利用者の情報を吸い上げることを可能とします。国民の通信の秘密侵害法案にほかなりません。
これは、日本国憲法に「通信の秘密は、これを侵してはならない。」とあるわけで、いささかでもこれに抵触するような法の内容であってはならないということは政府としてよく認識をいたしておるところでございます。
例えば、通信傍受法、特定秘密保護法などにおいては、通信の秘密や国民の基本的人権を尊重する条文が盛り込まれておりましたが、今回の法案には盛り込まれておりません。
その上で、我々としては、それでも、通信の秘密をしっかり守るというところを法文の中に書き込むことで、ビジュアル化するというんですかね、目に見える形になればより分かりやすいんじゃないだろうかという観点で御提案をしているんですけれども、より分かりやすくなるだろうなということは賛同いただけますか。
討論・採決において各会派の最終的な立場が示されました。三木圭恵委員(日本維新の会)は「能動的サイバー防御への第一歩を評価する」として政府案および修正案に賛成を表明しました。藤岡たかお委員(立憲民主党)は「通信の秘密尊重の条文がない等の課題を指摘しつつも、修正案と附帯決議を前提に政府原案に賛成する」と述べました。上村英明委員(れいわ新選組)は「問題点が払拭されず、全ての法案・修正案に反対する」と表明しました。塩川鉄也委員(日本共産党)は「通信の秘密侵害・憲法違反・国際法違反として廃案を求める」と反対討論を行いました。採決の結果、修正案は起立多数で可決され、修正部分を除く原案も起立多数で可決されました。
私は、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律並びに同整備法案及び全ての修正案について、れいわ新選組を代表し、残念ながら、全てに反対の立場から討論いたします。
以上、憲法と国際法を踏みにじる本法案の廃案を求め、討論を終わります。
まず、サイバー空間の戦いが日ごとに厳しさを増し、情報をいかに守り、正しく使えるか、重要インフラに対するサイバー攻撃をいかに未然に防ぐかが国家の存亡に関わってくる事態となっている中、本法案によって、日本がやっと本格的な能動的サイバー防御に取り組む第一歩を踏み出したことを評価いたします。
私たち立憲民主党は政府原案に賛成することといたしました。
本会議では、サイバー通信情報監理委員会の承認プロセス・検査体制・独立性、アクセス・無害化措置の国際法上の許容性、通信の秘密保護とのバランス、中小企業支援、耐量子・AI時代への対応など多岐にわたるテーマが議論された。修正案により通信の秘密の不当制限禁止の明記や国会報告事項の列挙が加えられ、附帯決議とともに起立多数で可決されたが、日本共産党・れいわ新選組は憲法・国際法上の問題点を理由に反対を表明した。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
本会議では、サイバー通信情報監理委員会の承認プロセス・検査体制・独立性、アクセス・無害化措置の国際法上の許容性、通信の秘密保護とのバランス、中小企業支援、耐量子・AI時代への対応など多岐にわたるテーマが議論された。修正案により通信の秘密の不当制限禁止の明記や国会報告事項の列挙が加えられ、附帯決議とともに起立多数で可決されたが、日本共産党・れいわ新選組は憲法・国際法上の問題点を理由に反対を表明した。
○馬淵委員 二回目の質問となります。馬淵でございます。 重要広範議案の本法案も、先ほど理事会も終わり、採決までは決まったというふうに伺いました。いよいよ佳境に入るわけですが、その採決を前にして、今日は実務的な点をお尋ねしたいと思います。 確認をさせていただきたいんですが、サイバー通信情報監理委員会、私ども、通称サバ監、サバ監と呼んでいるんですが、この委員会の具体的な業務フロー、これを伺いた...
○平国務大臣 お答え申し上げます。 まず、同意によらない通信情報利用についてでございます。 例えば、外外通信目的送信措置の実施については、攻撃の実態が不明であり、重要電子計算機の被害を防止することが著しく困難であること、この措置以外の方法によってはその実態の把握が著しく困難であることなどの要件を満たす場合に、内閣府が、措置の必要性や、これらの要件が満たされていると認めた理由、政府に通信情報...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約81,876文字) |
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