本会議は、「情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」の審査のため、法学研究者・実務家5名を参考人として招致し、電磁的記録提供命令制度の是非を中心に、オンライン接見の法制化、デジタル証拠の改ざん防止、プライバシー保護等の論点について意見を聴取した。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
オンライン接見の必要性と法制化について広く議論された。坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成)は、北海道など地理的条件が厳しい地域での接見困難を紹介し、「計画的に設備を整備していって、近い将来のどこかで実現することが重要」と法制化を強く訴え、秘密性の確保が現行の試行制度の課題であると指摘した。また、附則への明記を求めた。吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は「オンライン接見の必要性につきまして、恐らく否定する人はいないんじゃないか」としつつ、「できるところから着々とやっていく」形が現実的と述べた。樋口亮介(東京大教授)も「重要性、アクセスポイントの増加の重要性、それは何ら異論はございません」と明言した。指宿信(成城大教授)は日本の被拘禁者の外部交通権の乏しさを問題視し、海外施設との比較を示した。池田公博(京都大教授)は全件一律権利化には折り合えなかった経緯を示しつつ、アクセスポイント方式での積極的推進を支持した。
オンライン接見の法制化と秘密性確保
指宿信(成城大教授、反対寄り)が問題として紹介した。本会議での議論を受け、PINコードによるロック解除は自己負罪拒否特権に関わるが、指紋認証については刑訴法218条3項の指紋採取規定が転用されうると指摘した。さらに実態として、「被疑者の同意を得ないまま顔の前にかざして直ちに解除している」「任意という形で、指紋で解除させているなどの実態がある」と述べ、フランスや米国における明文規定と比較して日本の制度的手当ての不備を問題視した。
日本では、一番捜査機関が簡単にできる手段としては、顔認証のロック解除について、被疑者の同意を得ないまま顔の前にかざして直ちに解除している。
吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は、村木厚子氏の事件を契機に検察庁内でデジタルフォレンジック専門職員による証拠保全手続が始まったことを紹介し、「専門の職員が決まった手続でデジタル証拠を保全する」取組を肯定的に評価した。消したメールの復元なども可能になっており、外見だけでは判断困難なデータを捜査上扱う必要性も説明した。指宿信(成城大教授、中立)は、「デジタル証拠に関わる押収、取得後の管理、改ざん防止措置は内部的に行われている」としつつ、「ガイドラインやスタンダードのようなものがきちんと定められていない」として都道府県警察間の対応差や人員確保の格差を問題として指摘し、規則整備の必要性を述べた。
吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は、「そういった改ざんの防止などにつきましては十分な配慮がされるべきだと思いますし、やっているものだというふうに考えております」と現行の取組を肯定した。指宿信(成城大教授、中立)は、改ざん防止措置が内部的には実施されているとしつつ、「ガイドラインやスタンダードのようなものがきちんと定められていない」と制度的担保の不備を指摘した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「電子署名とか、あるいはタイムスタンプといった技術的措置によって、改ざんがあった場合により容易に検出できる」と述べ、デジタル化によって改ざん防止効果が高まると評価した。
坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は、「命令に違反すれば刑罰が科されますので、パスワード等の供述が事実上強要されるおそれがございます」と指摘し、執行時に命令が供述を命じるものではないと教示することを義務づけるよう求めた。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「命じられる記録には、電磁的記録に付されたパスワードを解除して行うことも想定されていますが、新たにパスワードを伝えるように強いることを意味しないため、この場合も黙秘権には抵触しません」と解釈し、法案を支持した。
池田公博(京都大教授、中立)は、ビデオリンクによる証人尋問について、「一段落ちる、例外的な手段だということは否定できない」としつつ、「そういう影響があってもなお、事実認定に与える影響が少ないとか、問題がないと評価される場合に用いられる」手段と位置づけた。裁判所が当事者の権利保護と事実認定へのインパクトを考慮して相当性を判断するとし、条件付きで容認する立場を示した。法制審での議論においてビデオリンク尋問の範囲に関し意見の食い違いがあったことも明かした。
したがいまして、そういう影響があってもなお、事実認定に与える影響が少ないとか、問題がないと評価される場合に用いられる、そういう手段であると位置づけられることになるのではないかと考えております。
池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「公判前整理手続がオンラインで実施できる、被告人の出頭もオンラインで行うことができるというような仕組みが設けられておりまして、期日指定を柔軟にすることによって審理の迅速化を図るということの基盤となり得る制度だろうと思っております」と述べ、公判前整理手続のオンライン化を審理迅速化の基盤として支持した。
今回の法案の中には、公判前整理手続がオンラインで実施できる、被告人の出頭もオンラインで行うことができるというような仕組みが設けられておりまして、期日指定を柔軟にすることによって審理の迅速化を図るということの基盤となり得る制度だろうと思っております。
指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、デジタル証拠の管理について「ガイドラインやスタンダードのようなものがきちんと定められていない」として、都道府県警察ごとの対応差を問題視し、「きちんとした規則ないし規範が設けられることが必要不可欠」と主張した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「IT化の利便性を享受するためには厳重なセキュリティーが確保されているということが当然前提になる」と述べ、セキュリティー確保をデジタル化の前提として位置づけた。
吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は、「当時は、スタンドアローンのパソコンを使って証拠のデータは扱っていたと記憶しております。ですので、そもそもネットにつながらない状況でデータの扱いをしているという点で、流出のリスクはかなり抑えられるんじゃなかろうか」と述べた。また、不正アクセス職員への厳正処分の必要性にも言及した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「閉じたシステムの中でやり取りをして、関係者が便益を享受することができるようになることが大事」と述べ、意図的な漏えいには厳正処分が当然と述べた。
坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は、現状の差押えにおいて「被疑事実と関連性の乏しい電磁的記録の差押えが行われている」と現状の問題を指摘し、「犯罪と無関係なプライバシー情報を収集し、それを濫用するということも実態としてございます」と批判した。指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、令和3年最高裁決定の事案で七テラバイトの大量データが押収された事例を挙げ、「包括的差押えというふうに呼ばれています。これは、現行刑事訴訟法上、適法とされています」として問題を指摘し、「日々行われている、現状、それが問題である」と述べた。
坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は、「最低限、裁判所や捜査機関に対し、デジタル社会における個人情報保護の観点から、犯罪と関係のない個人情報をできる限り収集しないよう留意しなければならないということを明記すべき」と主張した。指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、大規模サービス事業者のケースで「九千九百九十九人のデータを削除しなければならないはずであります」とし、「そのプロセスを誰が責任を持って行うかということは、現時点では一切これは捜査機関に委ねられてしまっている」と事後的チェック機構の欠如を問題視した。吉開多一(国士舘大教授、中立)は、「大量にデータが取得されるということがかなり言われているようではございますが、それはいかんせん事件によるというのが現場の考え方」と述べ、懸念を限定的に捉えた。
まず、最低限、裁判所や捜査機関に対し、デジタル社会における個人情報保護の観点から、犯罪と関係のない個人情報をできる限り収集しないよう留意しなければならないということを明記すべきだというふうに考えます。
やはり、データの量に見合った事後的なチェック、とりわけ個人情報についてはそうした担保がないとならないというふうに思いますので、委員会の諸先生方におかれましては、是非とも安全弁を、事後的なチェックを設けていただきますよう、切に望む次第です。
大量にデータが取得されるということがかなり言われているようではございますが、それはいかんせん事件によるというのが現場の考え方ではないかと思います。
指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、ラシター教授らの研究を紹介し、取調べ映像を見せると書面より任意性・信用性が高く評価されるというカメラ・パースペクティブ・バイアス(CPB)が、裁判官・法執行官にも生じることを指摘した。「人間は人が話しているのを正面から見ると、その人がしゃべっていることを信じてしまう、これはもう避け難いバイアス」と説明し、ニュージーランド警察が導入した被疑者と取調べ官を横から撮影するニュートラル方式を紹介した。日本の裁判例での回避措置にも言及しつつ、「環境そのもの、条件そのものを変えないと、なかなかバイアスを抑止することは難しい」と中立的な撮影方法の導入を提案した。
これを避けるためには横から撮影する方がいいだろうということで、より妥当な方法を取り入れたということでございます。
指宿信(成城大教授、強く賛成)は、「事前の令状請求に対する審査というものが用意されていますけれども、いかなる情報が取得されて保管されているかという事後的なチェック、事後的な保護手段が用意されていないのが今回の欠点」と主張し、事後的チェック機構の設置を強く訴えた。坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は「違法で取得された電磁的記録を消去する仕組みが必要」と述べ、処分が取り消された場合の消去命令の必要性を主張した。池田公博(京都大教授、中立)は、「事後チェックという視点が重要であるということについてはそのとおり」としつつ、「電磁的記録提供命令に対しては不服申立てが可能でありまして、そのような手段でまずは対応することが肝要」と不服申立てによる対応で足りるとの立場を示した。
坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は、「今後、証拠がデジタル化していく以上、当該弁護人がパソコンなどをしっかり管理した上で、外部に漏れたりしないようにということは必ず必要なこと」と述べた。性犯罪など機微な証拠がデジタル化された場合の流出リスクや二次被害の懸念も文脈で議論され、弁護人側の管理ルール整備が今後の課題として示された。
今後、証拠がデジタル化していく以上、当該弁護人がパソコンなどをしっかり管理した上で、外部に漏れたりしないようにということは必ず必要なことだというふうに思います。
吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は、「客観的な証拠があれば証拠隠滅のおそれも低くなってきますので、そうすれば、身体を拘束する必要というのは乏しくなっていく」と述べ、デジタル化によって客観証拠の収集が容易になることで身体拘束期間が短縮される可能性があると支持した。また、裁判官による釈放判断にも言及し、「デジタル化によって客観的証拠が集まりやすくなってくると、身体拘束も短くなる可能性というのはあるだろう」と述べた。
デジタル化によって客観的な証拠が集まりやすくなってくると、身体拘束も短くなる可能性というのはあるだろうというふうには思います。
坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は、本法案では情報を取得された本人への通知制度がなく、「それどころか、事業者に対し、無期限で、情報提供を行ったことを秘密にしておくよう命令する制度」になっていると批判し、通知制度の整備を求めた。指宿信(成城大教授、反対寄り)は、欧州委員会の2018年オピニオンで「日本の法執行機関における個人情報の収集につき透明性に欠けるという指摘」があったことを紹介した。国政調査権や公安委員会、総務省による監督の実効性や違法収集証拠排除法則の機能に疑問を呈し、捜査機関による個人情報収集の透明性確保が不十分と問題視した。
指宿信(成城大教授、反対寄り)は、捜査関係事項照会の実態について「捜査機関側から、あるいは国側からは一切のデータや情報の提供がございません。これは、取得される側の電気通信事業者等の透明性レポートの中で確認することができるだけです」と述べ、捜査機関側からの情報公開がなされていない点を問題視した。照会を受けるための専門部署を設ける大企業の実態にも触れ、カード利用履歴や家族情報など幅広い個人情報が令状なく収集されている状況を指摘した。
捜査機関側から、あるいは国側からは一切のデータや情報の提供がございません。これは、取得される側の電気通信事業者等の透明性レポートの中で確認することができるだけです。
坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は、事業者に対して「無期限で、情報提供を行ったことを秘密にしておくよう命令する制度」となっていることを問題視し、「秘密保持を命ずることができる期間を制限する」ことと情報収集された本人への通知制度を設けるよう主張した。保秘期間については個人的見解として「数か月というところ」と述べた。指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、「保秘要請の要件が抽象的に過ぎる」「保秘期間の定めもない」「保秘に対する被疑者、被告人側からの不服申立てがない」と批判し、ドイツの類似立法では最大六か月と定められていることを紹介した。
坂口唯彦(日弁連前副会長、強く賛成)は、「身体を拘束された被疑者や被告人が電子化された書類の授受をするということができるとされておりません」とし、「当事者であり刑事裁判に最も直接の利害関係を持つ被告人が証拠をそのままの形で見られないというのはおかしなことで」と強く問題視した。附則での将来的な実現への道筋をつけることを訴えた。吉開多一(国士舘大教授、中立)は、留置施設での規律維持の課題を認めつつ、「デジタルでアクセスする必要性はあるだろうというのも否定できない」と述べた。
坂口唯彦(日弁連前副会長、強く賛成)は、現行制度では刑事事件全体の約3%弱しか可視化が義務づけられていないとして、「全面可視化、それが当然、全件、全過程必要である」と述べ、弁護人の立会いも強く求めた。プレサンス事件等で問題のある取調べが一部で明らかになった点にも言及した。指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、「第三者、証人、参考人も含めまして、全ての取調べを録音、録画すべきだというのが私の基本的な立場」とし、捜査の適正性を海外に発信するためにも不可欠と主張した。また取調べ技術の改善という観点からも可視化の意義を述べた。
坂口唯彦(日弁連前副会長、強く賛成)は、「身体を拘束されている被疑者、被告人が弁護人と接見し、物や書類を自由に授受できる接見交通権は、弁護人の援助を受ける権利の不可欠の要素」と述べ、附則における法制化への道筋の明記を強く求めた。北海道での遠距離接見の実態や拘置支所廃止の動きにも言及し、被疑者・被告人と弁護人のアクセス確保が「弁護士が被疑者、被告人に必要な援助をする機会の確保が格段に容易になる」と防御権保障の観点から訴えた。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、全件一律権利化には折り合えなかったとしつつ、「アクセスポイント方式によるオンライン接見が許容されている」範囲で「ニーズの高いところから積極的に推進していっていただければ」と述べた。
吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は、「最近では、開示されるデータが膨大な量になるため公判前整理手続に時間がかかっているという話も耳にします」と述べ、デジタル化による改善の必要性を示唆した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「開示をオンラインで進めることによって迅速なやり取りを進めることで、主張、立証の準備に時間を取れるようになることで、その迅速化を図る」と述べ、証拠開示のオンライン化が審理迅速化に資するとした。
坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は、通信傍受法と今回の電磁的記録提供命令を比較し、「対象犯罪の限定がない」こと、情報を取得された当事者への「通知がなされない」こと、捜査機関の濫用防止のための「制度的担保措置もない」点を批判した。池田公博(京都大教授、中立)は、通信傍受が「リアルタイムに発生する通信を対象とする」のに対し、電磁的記録提供命令は「処分の時点で既に電磁的記録として存在する記録の保全に向けられたもの」であるとして「処分の性質に違いがあり、処分に及ぶ規律にもその性質に応じた差異が生じ得る」と規律の差異を合理的と解釈した。
指宿信(成城大教授、反対寄り)は、「重大な違法がないと証拠排除されませんので、通常の、重大に至らない違法の程度であれば排除されていないというのが現実」と批判し、事後救済が実質的に機能していない状況を問題視した。池田公博(京都大教授、中立)は、「排除法則の適用の在り方について、これはなかなか個別の事案ごとに特徴があり」、「電磁的記録提供命令の運用も含めて、事案の蓄積を待って、更に判断の精緻化を図っていくということと併せて議論されるべきこと」と慎重な立場を示した。
吉開多一(国士舘大教授、強く賛成)は、現状の紙媒体による令状請求の非効率性を詳述し、「電磁的記録による令状の発付、執行は、特にこうした緊急性を要する事案で有効」と述べた。電子令状の導入により「裁判官が令状請求を却下するのであれば、それ以上に留め置きを正当化することはできなくなりますので、疑われた人の行動の自由を保障することにもつながる」とし、司法的抑制の実効性向上を期待した。令状審査の基準自体は変わらないとの見解が複数の参考人から示された。
電磁的記録により令状の発付を受けるようになっても、裁判官の審査基準が変わるわけではありません。
坂口唯彦(日弁連前副会長、中立)は、「勾留質問や弁解録取のところなどにつきましては、そういったオンラインで行うということも設備として整えるということがこの法案の中に入っております」と言及し、これと同様に被疑者・被告人と弁護人のオンライン接見の整備も進めるべきと求める文脈で紹介した。
勾留質問や弁解録取のところなどにつきましては、そういったオンラインで行うということも設備として整えるということがこの法案の中に入っております。
坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は、「違法な処分が取り消された場合にも、電磁的記録を消去する仕組みがなく、それは捜査機関に蓄積されていくことになる」として、処分取消し後の消去命令の必要性を主張した。指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、大量データが廃棄・消去されているかを確認できないと問題視し、「事後的なチェック、とりわけ個人情報についてはそうした担保がないとならない」と述べた。池田公博(京都大教授、中立)は、「将来的な課題としては、やはり、電磁的記録に着目した保管、管理の仕組みというものは設けられてよいものだと思われます」とし、「電磁的記録提供命令のみに着目した何か別の仕組みを設けるとなりますと、それはそれとして全体の整合性を損なうという懸念もございます」と慎重な立場を示した。
坂口唯彦(日弁連前副会長、賛成寄り)は、電磁的記録提供命令や押収が取り消されたときに消去が命じられる仕組みが必要と主張し、現行法案に消去規定がないことを批判した。指宿信(成城大教授、賛成寄り)は、「押収データが適切に消去・管理されているか確認し得ない」と問題視し、事後的な規律整備を訴えた。池田公博(京都大教授、中立)は、「処分の違法は、その処分によって得られた資料等の利用可能性を当然に失わせるものではないとされています」という現行の基本的考え方に及ぼす影響も考慮しながら、「さらには、電磁的記録に限定されない、刑訴法全体に及ぶ大がかりな検討が求められる」との慎重な立場を示した。
坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は、通信傍受法に比べて今回の電磁的記録提供命令は「対象犯罪の限定がない」「被処分者への通知制度もない」「捜査機関の濫用防止のための制度的担保措置もない」として要件が緩いと批判した。池田公博(京都大教授、中立)は、通信傍受と電磁的記録提供命令は処分の性質が異なるとして、規律の差異は合理的との解釈を示した。
坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は、「裁判所が厳格な令状審査をし、かつ令状で許可されたものだけを捜査機関が取得するとすることが不可欠」と主張した。指宿信(成城大教授、反対寄り)は、「事前の令状請求に対する審査というものが用意されていますけれども、いかなる情報が取得されて保管されているかという事後的なチェック、事後的な保護手段が用意されていないのが今回の欠点」と述べ、令状審査では妥当な取得範囲を担保することが難しいと主張した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「提供させるべき電磁的記録の範囲は、保管者の保管に係る被疑事実に関連性を有する電磁的記録に限定されることになります」として令状主義の要請を満たすと述べた。
坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は、「命令に違反すれば刑罰が科されますので、パスワード等の供述が事実上強要されるおそれがございます」と指摘し、憲法上の自己負罪拒否特権との整合性に問題があるとした。指宿信(成城大教授、反対寄り)は、被疑者・被告人を提供命令の対象に含めることは「黙秘権の侵害と重なってくる」と批判した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「電磁的記録提供命令の対象も、既に存在する電磁的記録である以上、その提供を命じても供述の強要には当たらない」とし、パスワード解除についても「新たにパスワードを伝えるように強いることを意味しない」ため黙秘権に抵触しないと解釈した。
本会議の中心的論点として幅広く議論された。吉開多一(国士舘大教授、賛成寄り)は法案に賛成の立場から、令状主義の遵守のもとでの電磁的記録収集を支持し、「客観的証拠をできる限り収集し、十分に分析した上で捜査を進めていくことは、供述に依存しない、適正な捜査を実現するためにも重要」と述べた。坂口唯彦(日弁連前副会長、反対寄り)は「現在の法案は、捜査機関の利便に資する多くの制度を創設する一方で、国民のプライバシーの権利や被告人の防御権を軽視し、バランスを欠いた内容」と修正を強く求めた。指宿信(成城大教授、反対寄り)は「提供命令の創設に立法事実が不十分」として反対の立場を明言し、個人情報・通信情報を扱う大規模事業者と被疑者等を同一の提供命令で立法しようとした点をミスマッチと評価した。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は法制審委員として法案に賛成の立場から、提供命令は「被疑事実に関連性を有する電磁的記録に限定」され令状主義の要請を満たすと述べた。
罰則の水準及び両罰規定の当否について議論された。指宿信(成城大教授、反対寄り)は、「電磁的記録提供命令の比較対象になる、いわゆる提出命令、サピーナとかプロダクションオーダーの違反では、このような重い制裁は諸外国では見られない」として比較法的に重過ぎると批判した。保秘要請への罰則も含め問題視した。樋口亮介(東京大教授、賛成寄り)は、「拘禁刑の方に関しましては、刑事訴訟法上の証言拒絶罪と同一というふうに定められておりまして、証拠の顕出の妨害という点で共通性を持つ点で、参照することが許されるというふうに考えます」と評価し、罰金額も事業者の資産規模から相当と述べた。池田公博(京都大教授、賛成寄り)は、「間接罰・両罰規定は事業者の非協力への対応として必要性・相当性が認められる」と評価した。
樋口亮介(東京大教授、賛成寄り)は、電磁的記録文書等偽造等罪の新設について、電子令状の偽造への対応という直接のきっかけに加え、SNS上の成り済ましや公務所公式アカウントの乗っ取りへの対応など、「データの発信主体を偽るようなデータの作成及び発信行為それ自体を処罰するものではない」従来法の不備を補う立法事実があると支持した。構成要件の明確性については「従前の文書偽造罪の要件解釈を直接に参照可能」として担保されると評価し、SNS上での成り済まし行為の処罰が「表現の自由の不当な制約と評価される、こういった事態は考えにくい」と述べた。
SNS上等においてデータの発信主体を偽る行為、要するにネット上での別人への成り済まし行為ですね。これに関して、あるいは、公電磁的記録についてはですけれども、公務所又は公務員について内容虚偽のデータを発信する行為、これらを処罰対象にすることが表現の自由の不当な制約と評価される、こういった事態は考えにくいように思われます。
参考人の間では、刑事手続のデジタル化全般については概ね肯定的な見解が共有された一方、電磁的記録提供命令については立法事実の不十分さ・プライバシー保護の手当て不足・黙秘権との整合性等を理由に反対・修正を求める意見と、令状主義の範囲内で合理的と評価する賛成意見が対立した。オンライン接見の実現・秘密性確保、事後的チェック機構の整備、大量データ取得後の消去規定の欠如については、賛否を超えて多くの参考人が課題として指摘し、附則等での手当てを求める意見が示された。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
参考人の間では、刑事手続のデジタル化全般については概ね肯定的な見解が共有された一方、電磁的記録提供命令については立法事実の不十分さ・プライバシー保護の手当て不足・黙秘権との整合性等を理由に反対・修正を求める意見と、令状主義の範囲内で合理的と評価する賛成意見が対立した。オンライン接見の実現・秘密性確保、事後的チェック機構の整備、大量データ取得後の消去規定の欠如については、賛否を超えて多くの参考人が課題として指摘し、附則等での手当てを求める意見が示された。
○西村委員長 ありがとうございました。 次に、坂口参考人にお願いいたします。
○坂口参考人 坂口でございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。 日弁連は、各種技術の進展に伴う刑事手続のデジタル化には賛成でございます。しかし、現在の法案は、捜査機関の利便に資する多くの制度を創設する一方で、国民のプライバシーの権利や被告人の防御権を軽視し、バランスを欠いた内容になっているというふうに考えております。そのため、主に二つのポイントについて修正を強くお願いしているところで...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約60,324文字) |
AIによる自動生成のため、一部情報が省略されている場合があります。
