参議院法務委員会(2025年5月22日)では、主に「民事裁判情報の活用の促進に関する法律案」を議題に、データベース化の対象範囲、仮名処理・プライバシー保護、指定法人の選定基準・安全管理体制、AI活用基盤整備の在り方等について各党議員から質疑が行われ、同法案は全会一致で可決された。また、相続登記義務化の周知、裁判所デジタルシステムの不具合、選択的夫婦別姓に関する世論調査の中立性、離婚後共同親権制度の施行準備と自治体連携等についても議論が行われた。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
民事裁判情報のデータベース化とAI活用基盤整備の目的・範囲をめぐり活発な議論が行われました。川合孝典氏(国民民主党、中立)は、「紛争解決を補助するAIの開発基盤を整備するということが目的になっているんですけど、AIにデータを正確に食わせて学習をさせるということについてのビジョンが見えない」と指摘し、判決書のみをデータベース化する現行法案では目的達成に不十分であると述べました。また、令和4年以前の紙媒体判決の電子化対象拡大や、主張書面・証拠資料をAI学習素材に含めることの検討を求めました。政府参考人の松井信憲氏は、主張書面等はプライバシー情報が直接的に記載されており訴訟活動に萎縮的効果を与えうると回答しました。矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)はAIリスクへの対応策検討を求めつつ、法案の推進を支持する立場から、政府全体の方針も踏まえた啓発・リテラシー向上の取組を求めました。鈴木馨祐大臣は、偏りのない網羅的なデータベース整備を大前提としつつ、利用状況を注視して必要な取組を検討すると述べました。
民事裁判情報のセキュリティ対策と安全管理
矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)が、日本における国際仲裁の促進に向けて専門家育成が最大の課題であると指摘し、政府の対応策を質問しました。「仲裁においてそれができ得る専門家をしっかり育成しなければいけない、そこが今大きな課題」と述べ、専門人材の少なさが海外からの仲裁機関利用を妨げているとの認識を示しました。鈴木馨祐大臣(賛成寄り)は、「国際仲裁に精通した人材の育成は極めて重要」と応じ、令和6年の関係府省連絡会議が策定した指針に基づき、大学生・法科大学院生・司法修習生等の若年層向け教育や実務家向けトレーニングプログラムを関係機関と連携して進めていると説明し、引き続き国際標準に則した人材育成に取り組む方針を表明しました。
田島麻衣子氏(立憲民主・社民・無所属、反対寄り)が、旧姓通称使用の法制化では対応できない問題が多いとして、具体的課題を質問しました。田島氏は、法務省が当初の世論調査案で「どこでも旧姓を使うことができる」と説明していたものが最終的に「幅広く使うことができる」に変更されたことを取り上げ、現在の説明が正確ではないと批判しました。鈴木馨祐大臣(中立)は、旧姓通称使用では対応し切れない問題として、多くの金融機関でビジネスネームでの口座開設やクレジットカード作成ができないこと、海外ではダブルネームとして不正を疑われること、国際機関や特許・アカデミアにおいてキャリアの分断や不利益が生じることなどを挙げ、これらの課題があることを認めました。
民事裁判情報のデータベース化に伴う安全管理体制について、複数の議員から質疑が行われました。田島麻衣子氏(立憲民主・社民・無所属、賛成寄り)は、外国企業への再委託による情報漏えいリスクを懸念し、2018年の年金情報問題を例示しながら厳格な管理を求めました。鈴木馨祐大臣は「安全管理体制は極めて重要」と認め、承認制度を通じて運用面でしっかり対応すると表明しました。仁比聡平氏(日本共産党、賛成寄り)は、万が一情報が漏えいした場合の国の責任は極めて重いと主張し、国賠請求の可能性にも言及しながら万全の対策を求めました。矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)は、サイバー攻撃・災害リスクを考慮したデータバックアップ体制の必要性を主張しました。政府参考人の松井信憲氏は、安全管理に関する事項を業務規程の必要的記載事項とし、法務大臣の認可・監督権限行使を通じて対応すると説明しました。
今回の民事情報も、裁判情報も、個人のDV等の非常にプライベートな情報に加えまして、民間企業の技術的特許上の秘密等も漏えいするリスクがこれはゼロではないのかなというふうに思いますが、安全保障にも関連する問題ですのでもう一度答弁いただきたいですが、こうした問題、どのようにきちんと管理されていきますか。
個人的には、デジタルデータの保管というのは必ずバックアップを複数持つことが一般的には有効であると私は考えていますが、例えば、サイバー攻撃のほかに、日本ですと災害リスクというものもあります。
万が一にも一件の裁判情報で個人情報なり営業秘密の塊が違法に漏えいされてしまったというときの責任というのは重大ですよ。
やはりそうした安全管理体制、これは当然のこととして、やはり様々な情報が含まれる今回の制度構築においては極めて重要なものであります。
データベース化を担う指定法人の指定基準・運用についての議論が行われました。古庄玄知氏(自民党、中立)は、指定法人を一つに限ることで競争がなくなり料金が高騰すること、現在判例サービスを行っている民間業者への圧迫になるのではないかという懸念を示しました。政府参考人の松井信憲氏は、業務規程の必要的記載事項として料金を法務大臣が認可することで不当な高額設定を防ぐこと、民間判例データベース事業者とは競合せず共存できると説明しました。嘉田由紀子氏(日本維新の会、賛成寄り)は、司法文書のデジタル化・データベース化は社会的に重要と評価しつつ、指定法人の任期や不適切な業務発生時の監督体制について質問しました。矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)は、指定法人の選定基準が重要であるとし、しっかりした指定基準の下での指定を求めました。
仮名処理の基準・範囲と個人のプライバシー保護をめぐり議論が行われました。古庄玄知氏(自民党、中立)は、著名事件では事件の経緯から個人が特定できるケースや、企業間の特許・技術に関する情報が仮名処理だけでは防ぎ切れない懸念を示しました。政府参考人の松井信憲氏は、閲覧等制限制度・仮名処理基準・申出による追加処理の仕組みで対応すると説明しました。仁比聡平氏(日本共産党、賛成寄り)は、これまで法律家の間で確立されてきた仮名処理基準が今後も守られることが重要であると主張し、政府参考人はその基準を踏まえて対応すると応じました。矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)は、複合的手法による個人特定リスクを指摘し、特にストーカー・DV被害者等への周知徹底を求めました。政府参考人は訴訟関係者からの申出による追加的仮名処理と周知徹底を通じて対応すると述べました。
仮名処理をしても、それ以外の複合的な方法で個人を特定されるおそれが否定できず、特にストーカーやDV被害、その他の配慮が必要なプライバシー保護をどのように担保するのか、政府の答弁を求めたいと思います。
これが先ほど議論のあったAIに学習させるのかなども含めて利用されていくということを想定をしたときに、この基準、これまで個人情報を守るために確立されてきた基準ということがちゃんとこれからも守られると、それはとっても大事なことだと思うんですけど、いかがですか。
企業間のやり取りで、特殊な特許だとか技術などに関してのやり取りが争点になっている場合に、そういうのが仮名処分をしただけでは防ぎ切れないという場面があるんじゃないかと思うんですが、その点についてはどのように法務省としてはお考えなのでしょうか。
古庄玄知氏(自民党、中立)が、指定法人を一つに限ることで競争原理が働かず料金が高くなる懸念を提示しました。政府参考人の松井信憲氏は、利用料金は業務規程の必要的記載事項として法務大臣が認可することで不当な高額設定を防ぐ仕組みがあると説明しました。また、試算としてシステム開発費1億5千万円程度、ランニングコストとして年間4,400万円程度が示されており、年間1億円程度の費用を利用者数で按分して設定することが想定されると述べ、より多く利用されれば料金が低廉になる構造であると説明しました。
そういうことをすることによって競争がなくなり料金が高くなるのではないかとか、現在判例サービスを行っている民間業者に対する圧迫になるのではないかなというふうな懸念もあるんですが、その点について法務省はどのようにお考えでしょうか。
指定法人が民事裁判情報提供業務を委託・再委託する際の情報管理について議論が行われました。田島麻衣子氏(立憲民主・社民・無所属、反対寄り)は、外国企業への再委託によって個人のプライベートな情報や民間企業の技術的特許上の秘密が漏えいするリスクがゼロではないとして、厳格な管理体制を強く求めました。政府参考人の松井信憲氏は、海外企業への委託を一律禁止すると主要クラウドサービスを利用できなくなるなど法案の趣旨に沿わないとしつつ、法務大臣の承認制度を通じてきめ細やかに対応すると述べました。矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)は、委託・再委託先の監督体制強化と、指定法人に対して法務省が監督権限を行使することで委託先の業務適正を確保するよう求めました。
矢倉克夫氏(公明党、賛成寄り)が、相続登記・住所等変更登記の申請義務化について、既に生じた相続や住所変更も対象となるにもかかわらず周知が不十分であるとし、司法書士等と連携した相談体制の強化を求めました。法務省の調査では、相続登記の履行期限(相続を知った日から3年以内)を聞いたことがある人は43%、住所等変更登記の義務化を聞いたことがある人は31%にとどまると指摘しました。鈴木馨祐大臣は、司法書士会等と緊密に連携した周知広報活動や合同相談会の開催を引き続き進めると表明しました。
この周知徹底をするとともに、司法書士等の力も借りた相談体制の強化もこれ必要と考えますが、最後に大臣にこれをお伺いしたいと思います。
仁比聡平氏(日本共産党、反対寄り)が、裁判所が導入・開発している各デジタルシステムの問題点を指摘しました。RoootS(e事件管理システム)については統計システムとの連携不具合など一定の不具合が生じていると述べ、最高裁参考人の福田千恵子氏は重く受け止めており改修作業を進めていると応じました。mints(民事裁判書類電子提出システム)については、令和7年4月末時点で全国約6,300件の登録にとどまる低利用率を指摘し、使い勝手の悪さを問題視しました。そのうえで、来年(令和8年)5月の改正民事訴訟法施行に間に合わないのではないかという現場からの懸念を提起しました。福田氏は、施行を見据えて利用促進・利用習熟に向けた取組を進めているとしつつ、課題があることは認めました。
TreeeSとmintsと紙が併存するのかと。結局、裁判の事件管理が一元化できないということの中で、来年の五月には、民事裁判の申立てあるいは民事執行の申立てがあった際に裁判所間の判決正本などの情報を共有するというこの法が来年五月までに施行するということになっているわけですけど、そんなもの施行できないんじゃないのと、これ大丈夫ですかという声が弁護士やあるいは裁判所職員の現場から聞こえますけど、いかがですか。
田島麻衣子氏(立憲民主・社民・無所属、反対寄り)が、令和3年の世論調査において通称使用の説明が「どこでも旧姓を使うことができる」から「幅広く使うことができる」へ変更された経緯を問題視しました。田島氏は法務省と内閣府男女共同参画局のやり取りが詳細に記録された資料を示しながら、「保守派の政治家との関係でもたない」という記録が残っているとし、保守派政治家への忖度から恣意的に質問票が変更されたと批判しました。内閣府参考人の小八木大成氏は、政治的配慮から変更された事実関係は承知していないと回答しました。鈴木馨祐大臣(中立)は、「恣意的な結果を得ようとしたことはない」と否定しつつ、調査方法(対面から郵送への変更)の違いがあったと説明し、今後の調査においてはきちんとした意向把握ができるよう不断に検討していくと述べました。
嘉田由紀子氏(日本維新の会、賛成寄り)が、離婚後共同親権制度の実効性を高めるための自治体との連携強化について質問しました。嘉田氏は、離婚の9割が協議離婚で自治体が窓口となることを踏まえ、制度・手続の変更点について国民や自治体職員への周知・広報と、戸籍窓口での支援担当部局への誘導など自治体内部での連携強化を求めました。政府参考人の竹内努氏は、法務局を通じた自治体へのパンフレット配布や関係部局間連携促進の取組を紹介し、本年度は養育計画や子の意思の把握・反映に関する調査研究を実施し、好事例の横展開を図る方針を示しました。嘉田氏はガイドラインの充実と、親子交流まで展開できている自治体の好事例の横展開を速やかに進めることを要望しました。
できるだけ速やかにガイドラインを早く充実させていただいて、そしてモデルになるような市区町村の横展開を図っていただけたらと思います。
仁比聡平氏(日本共産党、賛成寄り)が、刑事デジタル法の具体化として令状請求の電子化が進む中、疎明資料の保存・蓄積の必要性を訴えました。現行では疎明資料は捜査機関に返却される仕組みになっているとし、電子化の機会に疎明資料も保存・蓄積することで裁判所内での検証機能を担保することが重要だと主張しました。最高裁参考人の平城文啓氏は、令状請求・発付の電磁的方法化によって現在の枠組みを変えるべきかは法制度に関わる問題として最高裁事務当局としての回答は困難としつつ、保存の要否については制度内容を前提にその必要性・相当性等を検討していく必要があると述べました。
これを電子化される、システム化されるということであれば、疎明資料も併せて保存、蓄積をしていくことが裁判所の中で検証を行う上でもとても大事じゃないかという指摘なんですけれども、この意見書は逮捕、勾留に関するものですが、捜索差押許可状、あるいはこれから施行されるであろう電磁的記録の提供命令などについてもそのように扱うべきではないかと思うんですが、いかがですか。
民事裁判情報活用促進法案は、プライバシー保護・安全管理体制の強化や利用料金の適正化等を求める附帯決議とともに全会一致で可決された。AI活用基盤整備の実効性については川合孝典氏から現行法案の不十分さが指摘され、紙媒体判決の電子化拡大等を含む今後の検討が政府に求められた。選択的夫婦別姓に関する世論調査の中立性については田島麻衣子氏が問題提起し、大臣が今後の調査改善の必要性を示唆した。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
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民事裁判情報活用促進法案は、プライバシー保護・安全管理体制の強化や利用料金の適正化等を求める附帯決議とともに全会一致で可決された。AI活用基盤整備の実効性については川合孝典氏から現行法案の不十分さが指摘され、紙媒体判決の電子化拡大等を含む今後の検討が政府に求められた。選択的夫婦別姓に関する世論調査の中立性については田島麻衣子氏が問題提起し、大臣が今後の調査改善の必要性を示唆した。
○委員長(若松謙維君) 民事裁判情報の活用の促進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古庄玄知君 皆さん、おはようございます。自民党の古庄です。 今回の民事裁判情報の活用の促進に関する法律案、これ民事裁判情報をデータベース化するということなんですが、民事裁判といってもいろんな種類があります。原告、被告が争う通常の裁判もあれば、保全とか強制執行とか、あるいはまた家庭裁判所における調停とか審判とか、そういういろんな種類があると思うんですけれども、その全てがデータベース化の対象にな...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約47,006文字) |
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