本委員会では、国家情報会議設置法案(内閣提出)と衆法・インテリジェンス態勢整備推進法案が一括議題とされ、外交・安全保障分野を中心に審議が行われました。SNSボットによる中国系の世論操作対策やスパイ防止法制の整備遅延について鎌谷政府参考人、川裕一郎委員、木原稔大臣が議論したほか、橋本幹彦議員が国民民主党提出法案の趣旨を説明しました。国会による民主的統制の在り方、情報公開・国家情報戦略の公表、インテリジェンス要員の人事制度整備、個人情報・プライバシー保護規定の欠如、強制捜査権限の有無、情報収集衛星の運用体制等について、中村はやと委員、後藤祐一委員、野村美穂委員、塩川鉄也委員、あかま二郎国家公安委員長、岡素彦審議官らが質疑と答弁を行いました。また、大垣警察市民監視事件や自衛隊情報保全隊による過去の情報収集事案を踏まえた懸念も示されました。防衛装備移転三原則の運用指針改正をめぐっては、後藤委員が決定手続きの拙速さを批判し、質疑終了となりました。
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全43テーマ ・ 紐づく質疑62件
国家情報会議・国家情報局の新設によるプライバシー配慮規定・政治的中立性規定の欠如
本テーマでは、SNSボットを用いた中国系による世論操作・情報戦への対処が議論されました。鎌谷政府参考人は、偽情報拡散を含む外国の影響工作は安全保障上の脅威であり、選挙公正等を脅かすものであると説明しました。また、国家情報局の設置により各省庁の情報が集約され総合的な分析が強化されることで、影響工作対策が向上すると説明しました。これに対し黒田征樹氏は、国家情報局による一体的対応を評価し、その職責遂行を要望する発言を行いましたが、法案自体への賛否は明示的には示されませんでした。
こういう法案によって、そういう見えない攻撃に対して政府が一体的に対応をしていくというところで、これがまさに国民の皆さんの知る権利とか選ぶ権利、そういったところにも寄与するというふうに思っていますので、この職責を果たしていただくようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
本テーマでは、インテリジェンス・スパイ防止関連法制の整備状況をめぐり議論が行われました。川裕一郎委員は、スパイ防止法制の秋提出見送りに関する報道を指摘し先送りの理由を質問するとともに、法整備の一年遅延が技術流出や工作活動への対処に空白を生じさせるリスクを挙げ、具体的な工程表の提示を求めました。これに対し木原稔大臣は、秋提出予定の事実自体がないと答弁したほか、検討状況を示せる段階にはないと述べるにとどまりました。スタンスデータでは、川裕一郎委員は法整備先送りを安全保障上の重大な失策と強く批判し早期立法を主張する立場、塩川鉄也委員は国家情報会議を防諜法制具体化の場として強く批判し体制づくりに反対する立場を示しました。木原稔大臣は権利義務への影響を考慮した慎重検討を述べるにとどまり、賛否は明示されませんでした。議論を通じて具体的な結論や決定事項は示されませんでした。
本テーマでは、インテリジェンス専従機関が存在しない現状を踏まえた法案の趣旨説明が行われました。橋本幹彦議員は、国民民主党提出の法案について、昨年11月に最初に提出し本年3月10日に再提出したものであり、現実的な脅威に正面から向き合う趣旨であると説明しました。橋本議員は、本法案におけるインテリジェンスを、国の安全確保等に必要な情報の収集・分析・活用及び保全・対処と定義し、この定義は国家情報会議設置法案が抱える「重要国政運営に資する情報」が広範であるとの問題意識にも対応するものであると説明しました。スタンスデータでは、橋本幹彦議員(スコア0.75)は法案提出者として賛同を求める趣旨説明を行い、黒田征樹議員(スコア0.75)は司令塔創設という法案目的を評価すると明言しました。
本テーマでは、インテリジェンスに係る態勢整備推進法案の基本的施策として、外国の不当な影響力行使への対処、行政組織整備、情報収集手法の拡充、要員の処遇確保、人材確保、検証、国民理解の増進等を規定することが取り上げられました。橋本幹彦議員は賛成の立場から、外国利益目的で活動する者への届出制度の創設やインテリジェンス機関を管理する独立行政委員会の設置を想定していると説明し、スパイ防止はヒューミントによる逮捕に偏重した一部の概念であり、全体像を示す必要があると述べました。また、第三条の基本理念で国民の自由と権利の尊重を規定し、第八条では情報収集手法の拡充に伴う制限を必要最低限とすることを規定していると説明したほか、国民の信頼構築には民主的統制、政治的中立、拉致問題や大川原化工機事件といった過去の失敗の教訓の活用が重要であるとしました。人材確保施策としては、第十条によりキャリアパスの構築、専門教育の一元化、セキュリティークリアランスの統一を、処遇確保としては第九条により要員保護(セーフハウス、仮装身分、別人格付与)やメンタルヘルスケアを想定していると説明し、独自の情報職採用制度の検討が必要であると指摘しました。
具体的には、外国の利益を図る目的で一定の活動を行う者を対象とする届出制度の創設や、インテリジェンスを行う機関とそれを管理する独立行政委員会の設置を含めた行政組織の整備、インテリジェンスに従事する者の安全を確保するための関係法令の整備などを想定しております。
本テーマでは、橋本幹彦君外二名提出のインテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案が審議され、起立少数で否決されました。
本テーマでは、インテリジェンス法制における国会の民主的統制の在り方が議論されました。中村はやと委員は、米英独仏には情報機関を監視する常設委員会が存在する一方、本法案には国会関与の新たな仕組みがないと指摘し、民主的統制の必要性を主張しました。これに対し官房長官は、他国の統治機構は我が国と異なり単純に当てはめられないため監視機能規定は設けていないとしつつ、将来の権利義務に関わる法制検討時には民主的統制も検討し得ると答弁しました。木原稔氏も民主的統制の検討の必要性に言及しました。また橋本幹彦議員は、我が国の情報監視審査会は特定秘密保護法の範囲にとどまり、他国に比べ国会の民主的統制が弱いと指摘し、統制強化と透明性確保を主張しました。後藤祐一氏は、国会による民主的統制の確保を条件として法制度検討に賛成する姿勢を示しました。
本テーマでは、インテリジェンス活動に関する毎年の情報公開について議論が行われました。森ようすけ氏は、情報活動の実施状況等を毎年公表すべきであると明確に主張し、賛成の立場を示しました。これに対し木原稔氏は、総理答弁に同調し、公表について前向きに検討する姿勢を示しましたが、具体的な方策は示されませんでした。
本テーマでは、インテリジェンス要員の専門教育・長期キャリア形成に向けた人事制度整備が議論されました。黒田征樹委員は情報要員の俸給表新設や養成機関の整備を要望し、連立合意において令和9年度末を目標とする旨に言及しました。これに対し岡審議官は、処遇については関係機関と相談しながら検討する考えを示し、養成機関についてはカリキュラム検討後にその在り方を結論づけると答弁しました。また岡審議官は、国家情報局の実員が約730人であることを示し、新卒・中途採用や省庁横断的なキャリアステップを通じて人員整備を進める方針を説明しました。スタンスとしては、橋本幹彦委員がジョブローテーションを改め長期的な専門育成を行うことの重要性を主張し、黒田征樹委員も俸給表改定や養成機関整備を早急に進めるべきと明確に主張しており、いずれも賛成の立場が示されました。
本テーマでは、インテリジェンス関連法制附帯決議に基づく態勢整備をめぐり、国会報告・監視の在り方が議論されました。木原官房長官は、中長期的推進方策を国会に報告・公表し、個人情報保護と政治的中立の具体策も盛り込むと答弁したほか、国家情報局長の「これまでの経験」は特定省庁ではなくインテリジェンスコミュニティー経験を指すと説明し、今後の検討では個人情報保護・政治的中立・民主的統制に配意する一方、施策の検討状況・スケジュールは現時点で示せる段階にないとしました。あかま国家公安委員長は、法令違反の要請があれば撤回を求めるとの立場に前回答弁を修正・統一しました。岡審議官は、国家情報会議・国家情報局の活動内容を関係法令等の遵守も含め国会に適時適切に説明するとし、議事記録は公文書として適正期間保存する方針を示す一方、逐語性は明言を避けました。また対外情報機関の仮装身分・金銭提供活動等は国会監視を前提に検討し得るとし、法制度実施後は同機関への情報提供状況も国会監視対象とすることに配意すると答弁しました。後藤祐一委員は、都合のよい文書作成を戒め歴史の検証に堪える記録を求めるとともに、特定秘密保護法の際の情監審のように国会側で監視機関の準備を丁寧に行う必要があると指摘しました。森委員は附帯決議九項目に関する対外情報機関設置やスパイ防止法制検討の方向性を確認し、岡政府参考人は同じ認識であると答弁しました。
アメリカやイギリスや韓国、こういった国々がやっているような形の監視機能を持つ国会の機関になるように、もしそういう法案を出す予定があるのであれば、かなり丁寧に、これはむしろ国会で、与野党で準備をする必要があるんじゃないかなということをあえて申し上げておきたいと思います。
本テーマでは、2009年の政権交代直前における内閣官房報償費(政策推進費)の支出の不透明性が議論されました。塩川鉄也委員は、同年9月10日に政策推進費へ2.5億円が繰り入れられ、9月16日までに全額が支出された記録があることを確認したとし、退陣直前の麻生政権官房長官が半月間でこの2.5億円を何に使ったのか明らかにすべきと追及しました。これに対し官房長官は、個別具体的な使途については答弁を差し控えるとしつつ、政策推進費は領収書が必ずしもそろっていないものの、官房長官自らが出納管理を行い、半期に一度検査を受けていると説明しました。塩川委員はさらに、会計検査院への官房長官による直接説明はなく事務方対応にとどまっていると指摘し、官房機密費が世論誘導や政界工作に使われ、政治腐敗を招くと述べました。塩川委員は支出の不透明性を問題視する立場を示しましたが、具体的な結論や決定事項には至りませんでした。
退陣する政権が、二億五千万、何が必要なんですか。常識的に考えておかしいと思いませんか。
国家公安委員長の職務権限と国家公安委員会の政治的中立性確保について議論が行われました。あかま国家公安委員長は、合議制の国家公安委員会が警察庁を管理する仕組みであり、委員長自身は可否同数の場合を除き表決に加わらないことを説明しました。この点について、あかま二郎氏は職務手続きの説明にとどまり、中立性確保に対する賛否は表明していません。また、大島敦氏は民主的統制への理解を求めるにとどまり、賛否は明瞭ではありませんでした。
本テーマでは、国家情報会議が策定する戦略の予算的裏づけと、国家情報局の予算配分権限の有無が論点となりました。木原稔は、国家情報会議・局に予算を直接査定・配分する権限はないとの立場を明確に示しました。この点について官房長官も、国家情報会議・局に予算を直接査定・配分する権限はないと明言しました。あわせて、国家情報会議の基本方針は関係閣僚の合意事項として、概算要求検討時に考慮されるとの答弁がなされました。
まず、本法案により新設されます国家情報会議及び国家情報局には、各省庁の予算を直接に査定をし、また配分する、そういった権限が付与されているものではありません。
本テーマでは、国家情報会議における情報供給側と需要側の関係適正化と重複排除が議論されました。野村美穂委員は、情報供給側と需要側の関係の適正化と検証体制の必要性について質問し、透明化と検証体制の検討を提起しました。これに対し木原稔大臣は、国家情報局の総合調整機能によって重複の解消に留意する旨を答弁しました。
本テーマでは、国家情報会議に地方警察・自治体の知見をどのように反映させるか、また中央と現場の間の調整プロセスのあり方が論点となりました。国家公安委員長は、都道府県警察からの報告に基づく指導調整プロセスは円滑に機能しており、現場の知見を国家情報会議に生かしていると答弁しました。
国家情報会議及び国家情報局の活動内容に関する国会への説明のあり方について議論が行われました。岡審議官は、国民の懸念を払拭するため、関係法令・答弁・附帯決議を遵守しつつ、国会へ適時適切に説明する旨を答弁しました。森委員は、特定秘密保護法や防衛白書が毎年公表されている例を挙げ、インテリジェンス活動状況についても毎年公表するよう要望し、これに対し木原大臣は前向きに検討する旨を答弁しました。また、大島敦委員は、附帯決議に説明義務が盛り込まれたことについて肯定的な評価を示しました。
さらに、附帯決議において、国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、国民の懸念を払拭するため、国会に適時適切に説明することが盛り込まれました。
国家情報会議・国家情報局における活動記録の蓄積と事後評価・検証体制について議論が行われました。論点としては、意思決定記録や分析資料の記録・管理のあり方、及び政策部門からのフィードバック評価の記録方法が取り上げられました。政府参考人は、記録は公文書管理法等に従って管理し、秘密区分の高い情報ほど厳格に管理される旨を説明したほか、政策部門からのフィードバック評価も記録し、インテリジェンスサイクルの始点から終点までたどれる仕組みを検討する旨を答弁しました。後藤祐一氏は、議事録を逐語的公文書として残すべきと主張し、記録の充実を求める立場を示しました。
この附帯決議では「議事の記録」とあるんですが、簡略化された議事要旨的なものではなくて、逐語的な議事録として公文書に残すということでよろしいでしょうか。
本テーマでは、国家情報会議・国家情報局に強制捜査権限があるか否かが論点となりました。岡素彦審議官は、両組織に通信傍受・逮捕・捜索等の強制捜査権限を設ける規定は一切ないと明確に答弁し、賛成の立場を示しました。黒田征樹委員は、強制捜査権限の有無について明確化と説明を求める質問を行いましたが、その賛否自体は不明です。また、国家情報会議を経由することで既存の法的制約が実質的に迂回されないかという質問がなされ、これに対しあかま大臣は、個人情報の取扱いルールを変更するものではないと答弁しました。
本テーマでは、国家情報会議・国家情報局の新設に伴う個人情報・プライバシー保護規定及び政治的中立性規定の欠如が論点となりました。野村美穂は規定欠如を懸念事項として明確に指摘し、中村はやとは権力集中への懸念から抑制を求め、川裕一郎は運用による規制なし崩し拡大への懸念とともに法的担保を問い、後藤祐一は定義の広さを問題視し条文修正を求めました。これに対し官房長官は、個人情報保護法等の遵守と十分な配慮を行うと確認し、不当侵害への懸念表明は情報収集をためらわせる趣旨ではないと述べ、政策部門は所掌と無関係な情報収集を情報部門に求めず、インテリジェンス機関は全体の奉仕者として政治目的での活動を行わないと答弁しました。岡素彦審議官は、目的外利用の個人情報提供は個人情報保護法69条の要件下でのみ認められ、プライバシー保護も法令有無にかかわらず個人情報と同様の配慮を要すると説明し、懸念には法案内容の誤解を解く発信と各機関の適法適正な監督継続で対応するとしました。あかま二郎国家公安委員長は、警察法2条2項の個人の権利及び自由にプライバシーが含まれると明確に答弁し、既存ルールで対応可能との立場を示しました。
個人情報等の取扱いのルール自体を何ら変更するものではないと承知をしております。
個人情報やプライバシーへの配慮、国会の関与、情報公開の在り方、過去の失敗の教訓を生かすための記録、公文書保存の在り方等についての懸念や課題が浮き彫りとなっています。
今、政権に権力が集中している今こそ、権力に抑制的であっていただきたいというふうに思っているんです。
特に問題なのは、制度上は違法でなくとも、運用の積み重ねによって結果的に規制が骨抜きになる、いわゆるなし崩し的な拡大であります。
この重要情報活動として収集調査する重要国政運営に資する情報は、定義が広過ぎで、本来、条文修正すべきだと思うんですが
重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たりましては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行ってまいりたいと考えています。
重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たりましては、プライバシーの保護につきましても、法令の有無にかかわらず、先ほど答弁申し上げた目的外利用となる個人情報の提供及び要請に係る取扱いと同様の取扱いに留意することが必要であると考えております。
国家情報会議設置法案における国会・第三者機関によるチェック機能・内部統制の欠如について、塩川鉄也氏は、司令塔が人権侵害を拡大すると強く指摘し、法案に否定的な立場を示しました。一方、木原稔氏は、政治的中立性の遵守を約束するにとどまり、チェック機能の是非については直接言及しませんでした。
国家情報会議設置法案における重要情報活動の定義と対象範囲について、木原官房長官は、外国情報活動への対処のうち「一体として行われる不正な活動」は働きかけや偽情報拡散を想定していると答弁し、「外国の利益」については態様や情勢を総合考慮して判断するものであり、通常の友好団体活動等は想定しにくいと説明しました。また官房長官は、本法案は調査権限・捜査権限を新設しない組織法であり、情報収集・活用・保全の在り方に変更を加えないと答弁しました。政府参考人は、個人情報保護法・国家公務員法・自衛隊法等の既存法令により、目的外利用の禁止や守秘義務、政治的中立が担保されていると説明しました。発言者のスタンスとしては、橋本幹彦がプライバシー保護規定を利点として説明し必要性を前提に賛成的な立場を示し、中村はやとも法案の必要性に賛同しつつ制度設計上の懸念を条件として付しました。一方、後藤祐一は定義が広過ぎるとして条文修正を求め、該当部分に反対的な立場を示しました。岡素彦は情報範囲を限定する説明のみを述べ、賛否は不明瞭でした。
この重要情報活動として収集調査する重要国政運営に資する情報は、定義が広過ぎで、本来、条文修正すべきだと思うんですが
その必要性は私も賛同はしておりますが、民主主義の根底を決して揺るがすことのない使い方をする制度設計が不可欠であろうと強く感じております。
インテリジェンス態勢の整備に当たっては、プライバシー権を始めとする国民の権利が不当に侵害されることのないようにすることは当然のことであり、国民民主党の法案においてもそれを明確に規定しております。
本法案第二条に定める重要国政運営に資する情報につきましては、その解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすることが必要であると考えております。
国家情報会議設置法案をめぐっては、大島敦委員が政府提出法案と国民民主党提出法案の双方に賛成する討論を行い、民主的統制と情報分析の独立性の両立、情報の政治化への戒めを主張したほか、政策反対デモ参加のみを理由に市民が調査対象となることは想定し難いとの政府答弁を今後を拘束する重い答弁と評価しました。野村美穂委員(国民民主党)も両法案に賛成する討論を行い、自党提出法案の包括性を主張する一方、内閣提出法案については個人情報保護・国会関与・情報公開・公文書保存等の懸念や課題を指摘し、政府に国会答弁の厳格な遵守や人材確保、教育体系整備、説明責任の履行を求めました。これに対し塩川鉄也委員(日本共産党)は反対討論を行い廃案を求め、本案が戦争する国づくりと一体で日米同盟における対米従属強化につながると批判したほか、過去の市民監視事件や冤罪事件を挙げて人権侵害拡大への懸念を表明し、内閣情報調査室が内閣官房報償費運用にも関わり世論誘導や政界工作を強めると指摘しました。塩川委員は国民民主党提出法案についても閣法の問題点を解消しないとして賛成できないとしました。
国家情報会議設置法案のメリットに関する国民への説明については、司令塔機能の整備に関する論点が議論されました。岡素彦政府参考人は、司令塔機能整備により情報活動の役割分担・優先順位づけと総合分析強化が図られると説明し、賛成の立場を示しました。黒田征樹も、総合調整機能が国民の安全に資することへ期待を表明し、賛成の立場を示しました。一方、安藤委員は国民の不安に配慮し、より分かりやすい説明を求めました。
国家情報会議設置法案の審議では、後藤祐一委員が附帯決議に基づき重要情報活動の定義や個人情報保護等について答弁で確認する方針を示し、岡審議官は重要国政運営に資する情報について政策部門対応に必要な情報に限定する解釈を答弁したほか、テロリズムの発生防止と規定し拡大防止は緊急の事態への対処で読む理由を説明しました。同法案は起立多数で原案のとおり可決されました。あわせて長谷川淳二君外五名から自民・中道改革連合・維新・国民民主・参政・チームみらい共同提案の附帯決議動議が提出され、後藤祐一委員が趣旨説明で案文を朗読し、起立多数で可決されました。附帯決議は、重要情報活動の解釈を政策部門対応に必要な情報に限定すべきこと、個人情報保護法等の遵守と目的外利用の禁止、政策部門から情報部門への無関係な情報収集依頼の禁止と政治的中立性確保・選挙関連情報収集の禁止、情報活動の中長期的推進方策の文書化と国会報告・公表、国会への適時適切な説明、議事記録の作成と公文書としての適正保存、国家情報局長人事の人物本位・能力本位での実施、将来の対外情報収集機関設置やスパイ防止関連法制検討時の国会による監視、政治的中立性・国会による民主的統制・国民の自由と権利の尊重への留意を求めました。木原内閣官房長官は附帯決議の趣旨を十分配意する旨答弁しました。
国家情報会議議事録の逐語的記録による公文書保存について、岡素彦氏はスコア0.50で、適正期間保存と事後検証確保を答弁したものの、逐語的記録への賛否は不明であるとされています。後藤祐一氏はスコア0.85で、議事要旨の恣意的作成を批判し、歴史検証のため逐語的記録を要求したとされています。
本テーマでは、国家情報局における出身省庁を超えた組織文化・一体感の醸成が論点となりました。野村委員は、出身省庁の利益に左右されない共通価値観をどのように醸成する仕組みを設けるのかを質問しました。これに対し木原大臣は、後藤田元官房長官の言葉を引用しつつ、研修と経験を重視する方針を答弁しました。
本テーマでは、国家情報局における緊急事態対応時の情報収集と国家情報会議開催判断が議論されました。緊急の事態への対処については自然災害・邦人救出等が典型例であり、パンデミックも該当し得ると説明されました。国家情報会議開催の要否については、内閣感染症危機管理統括庁等との役割分担を考慮し総理が判断すると答弁がありました。また、緊急参集協議や国家安全保障会議等の既存枠組みとの役割分担は個別事情により異なり、開催要否は残存時間や分析余地で決まると政府参考人が答弁しました。発言者のスタンスとしては、安藤たかお氏が実効性ある仕組みづくりを要望する発言を行い、岡素彦氏はパンデミックも情報収集の対象と説明し、木原稔氏は監督遵守を表明しました。
本テーマでは、国家情報局の情報分析能力向上に向けた実行戦略について、総合調整・企画立案事務の追加による省庁横断研修やAI活用の調査研究の推進が説明されました。岡素彦審議官(賛成、スコア0.75)は、国家情報局設置により情報部門が政府全体を俯瞰して戦略・方針を示す仕組みが整うこと、また総合調整により各機関の役割分担が明確化し情報の集約・評価が効率化することを、肯定的な立場から説明しました。野村委員は人材確保が未達となった場合の実効性低下リスクや処遇水準について質問し、岡政府参考人は中途採用の拡大、業務委託、官民交流、自動化システムによる対応を答弁しました。また野村委員が組織全体の総合的実行戦略の進捗を質問したのに対し、木原大臣はオール・ソース・アナリシス手法により分析レベルの向上を目指すと答弁しました。
本法案によりまして、内調の後継組織である国家情報局に総合調整に関する事務が新たに加わることから、より高い水準の情報が国家情報局に集約されることで、分析レベルの更なる向上が期待されるところでございます。
本テーマでは、各機関の情報収集対象が重なることによる事務の重複が論点となり、役割分担の見直しやシステム化による効率化を図る旨の答弁がなされました。岡素彦は、各省庁の重複業務について内閣官房が役割分担を見直す効率化案を支持する立場を示しました。
そういった効率化というのは、新しくできる内閣官房の組織において、政府全体を見渡した上で役割分担の見直しを図るというのは一案であるというふうに考えられます。
本テーマでは、国家情報局への情報集約による過大評価・過小評価の防止について議論されました。岡政府参考人(岡素彦氏)は賛成の立場から、オールソース総合分析と政策部門からのフィードバックにより過大・過小評価を防ぐ仕組みを説明し、情報集約による客観的評価の仕組みを肯定的に述べました。
今回の法案は、政府内の様々な関係機関が収集した情報を新設する司令塔組織に集約して、オールソースの総合分析を行い、客観的で、過大にも過小にもならない的確な情報評価を行える仕組みを整備しようとするものです。
国家情報局職員のメンタルヘルスケアと持続的パフォーマンス確保のための組織運営について議論が行われました。論点としては、秘密保全上の孤立感や重圧感に配慮し、相談受理体制の整備、長期休暇の取得、後任者育成を進めることが挙げられました。発言者としては、安藤たかお氏がストレスチェックと専門家によるフォローを通じた職員支援を積極的に要望し、賛成の立場を示しました。また、岡素彦氏も職員の心身の健康に留意した組織運営を図ると明言し、賛成の意向を示しました。両者ともに職員支援の必要性について共通の立場を取っています。
国家情報局長人事におけるインテリジェンスコミュニティーでの経験要件については、発言者間で立場が分かれました。後藤祐一氏はこの経験要件を必要と明言し、賛成の立場を示しました。一方、木原稔氏は経験を踏まえつつも人物本位で任命するとし、経験要件を絶対視しない条件付きの立場を示しました。
本テーマでは、国民民主党提出インテリジェンス法案の立法趣旨と国家情報会議設置法案との違いが議論されました。橋本幹彦議員は、同法案が国家情報会議の設置にとどまらずインテリジエンス態勢全体を強化するものであると説明し、三本柱として国民の自由と人権の尊重、国家の存立と主権の防衛、インテリジェンス従事者(現場従事者)の保護を挙げました。また同法案がプログラム法かつ基本法的性格を持ち、国家情報会議設置法をステップワンとするならステップゼロに位置づけられると説明し、民主的統制・政治的中立・拉致問題や大川原化工機事件等の教訓を実効性確保の要素として挙げ、賛成の立場から法案の意義を積極的に説明しました。野村美穂議員は、国民民主党法案を包括的で優れたものとし、成立がベストであると評価し賛成の立場を示しました。一方、塩川鉄也議員は、国民民主党案も閣法の問題点を解消するものではないとして賛成できないと明言しました。
外国代理人登録・ロビー活動公開制度の検討スケジュールについて議論が行われました。黒田委員は、外国代理人登録・ロビー活動公開制度が欧米では既に導入済みである一方、日本では未整備であるとして早期整備を要望しました。森ようすけ委員も同制度の検討・必要な措置を政府に求めました。これに対し岡素彦審議官は、次段階の施策は国民の権利利益に関わるため慎重な検討が必要であると答弁し、司令塔整備後に検討する課題と位置づけ、現時点は論点整理の段階であるとしました。木原稔委員は検討を進める姿勢を示しつつ、丁寧かつ着実に進めるとし、具体的なスケジュールには言及しませんでした。後藤祐一委員は、対外情報庁等の法制検討について専門家も交えた丁寧な審議を求めました。
こうした措置についても検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講じていただきたいと考えておりますが、政府の見解はいかがでしょうか。
先ほど来官房長官からも御答弁されていますとおり、まず司令塔の整備を行った後に検討すべき課題であるというふうに理解をしておりまして、ただ、国民の権利義務などに関わる事柄も含まれ得るものでございますので、様々な意見をお伺いしながら丁寧に政府において検討してまいりたいと思っておりまして、現時点、論点整理などを進めているところでございます。
個人情報やプライバシー保護、政治的中立、こういったことに関する専門家も含めて審議会などで丁寧に審議しつつ検討するということで、官房長官、よろしいでしょうか。
今後検討を進めるインテリジェンス関連施策の中には、本法案とは異なって、国民の権利義務に関わるものを含み得るということ、そういったことをこれから十分に念頭に置きつつ、各方面からの御意見を賜りながら、丁寧かつ着実に進めていきたいと考えているところです。
本テーマでは、外国利益目的活動者の届出制度創設について森委員が検討を求め、これに対し岡政府参考人は、司令塔整備後の検討課題であり、現在論点整理中である旨を答弁しました。また、黒田征樹氏は、外国代理人登録・ロビー活動公開制度の早期整備を主張し、賛成の立場を示しました。
外国代理人登録制度、そしてまたロビー活動の公開義務化、こういったものはもう既に欧米諸国で広く導入されているものでありまして、日本だけが長年手つかずの状態であるということで、どの組織が誰の利益のために動いているのかということをしっかりと明らかにする必要はあると思います。
大垣警察市民監視事件をめぐり、違法判決を受けた岐阜県警察が原告に謝罪・おわびの言葉を用いたことはないと国家公安委員長が答弁したことが取り上げられました。これに対し塩川鉄也委員は、謝罪がないまま「重く受け止める」との発言を繰り返すのみで反省が見られないと指摘し、警察・政府の対応を批判しました。
司法において断罪されてきたにもかかわらず、政府は、反省はおろか、被害者への謝罪も行うつもりがないことが明らかとなりました。
本テーマでは、情報リテラシー向上に向けた職員教育・研修体系について議論が行われました。野村委員は、情報リテラシーの位置づけと継続的な教育・評価制度のあり方について質問しました。これに対し岡政府参考人は、自学自習と計画的なOJTを組み合わせる方針を説明するとともに、国家情報局において省庁横断的な研修を実施していることを述べました。
情報分析へのAI活用と情報機関における技術責任者の組織的位置づけについて議論されました。川委員はAI活用時の判断過程の説明可能性と責任所在を質問し、あかま大臣は警察庁AIガバナンス責任者による体制構築を答弁しました。あかま大臣は、国家情報会議のAI運用に関する所管は官房長官であるとして自身の答弁を差し控えました。官房長官は、国家情報局に幹部クラスを含む技術系チームの組成を検討していると答弁し、技術系職員中心のチームを置くことは一案であり官民協力で技術基盤整備を進めると述べました。政府参考人は、AIによる公開情報の自動解析が不可欠であり、民間企業の協力を得て国家情報局で開発を進めると説明しました。また、技術人材の確保は希少人材の民間との取り合いであるとして、中長期的な理系・ICT人材育成策と並行して採用に力を入れると答弁しました。大島敦は衛星情報活用にAIの活用が必要と主張しました。
ですから、恐らく今後、衛星情報の活用としてはAIの活用も必要だと思うんですけれども、その点について、答えられないと思うんですけれども、何かあったら一言発言をお願いします。
情報収集衛星の運用体制・予算・機能強化について議論が行われました。情報収集衛星は平成10年の閣議決定に基づき導入され、現在11機が運用されており、安定運用の見込みは光学2機、レーダー2機、中継1機の計5機とされています。予算については令和8年度当初予算が約622億円、令和7年度当初予算と補正予算の総額が約950億円であり、過去3年間は約900~950億円で推移しています。内閣衛星情報センターの人員は令和8年4月1日現在で約380名です。大島敦氏は二十四時間運用体制の必要性を主張し継続的な投資を求める立場を示し、木原稔氏は機能拡充・強化と機数増を早期に達成すると明言し、推進の立場を示しました。官房長官は10機体制の早期実現とAI活用を含む機能拡充を進める方針を表明しました。
情報統合によるプロファイリングの危険性と救済措置について、川裕一郎委員が情報統合によるプロファイリングの許容範囲と救済措置を質問しました。川委員は監視や不利益の危険性を懸念し、範囲が不明確な点への対応を求める立場を示しました。これに対し、あかま二郎大臣は個人情報保護法の遵守と、国家賠償等の既存の救済制度により対応する旨を答弁し、追加の措置については言及しませんでした。
本テーマについては要点の抽出はありませんでした。発言者のスタンスとしては、後藤祐一氏が武器移転ルールの矛盾を指摘し、批判的な立場を示しています。ただし、この根拠は単一の引用に基づく断片的なものにとどまっています。
自国が一切攻撃されていない国が他国を攻撃している場合、武器移転ができちゃうということですか。そうすると、攻撃国に対しては移転してもオーケー、その攻撃を受けている国には駄目。そういうことなんですか、今回のルールは。
本テーマでは、自衛隊情報保全隊によるイラク派遣反対デモ参加者の個人情報収集をめぐり、仙台高裁で情報保全隊の市民監視活動が違法と確定したことが取り上げられました。防衛省は上告せず、原告一名に賠償金十万円を支払ったものの、謝罪はしていないと防衛省参考人が答弁しました。これに対し塩川鉄也委員は、警察も自衛隊も違法判決を受けても謝罪や反省がないと批判し、記録削除等の対応についても厳しく非難しました。
そういう点でも、自衛隊も、そして警察も、違法判決が出されても全く謝罪も反省もないということが改めて明らかになりました。
本テーマでは、自衛隊情報保全隊等による過去の情報収集事案を踏まえ、本法案が情報共有の拡大を通じて市民監視・人権侵害を強化するのではないかという懸念が議論されました。塩川鉄也委員は、政府が過去の違法な情報収集事案について反省がない中で本法案が情報共有を拡大することにより、市民監視や人権侵害が強化されるのではないかと質問し、法案に否定的な立場を示しました。これに対し官房長官は、本法案は組織法であり、国民の権利義務に直接関わる権限規定を設けるものではないため、監視強化や人権侵害には当たらないと答弁しました。
本法案は、情報機関が違法に収集した情報の共有を拡大をし、市民監視、人権侵害を強化する、そういうものとなるのではありませんか。
本テーマでは、総理等から関係法令に抵触する情報提供依頼があった際の警察庁の対応について議論が行われました。森ようすけ委員は、法令に抵触する依頼があった場合の警察庁の対応を質問し、そうした依頼は明確に断るべきであるとして確認を求めました。これに対しあかま二郎国務大臣は、法令に違反する求めがあった場合には撤回を求め、違反する情報提供は行わないと答弁し、法令遵守の姿勢を示しました。両者とも法令に抵触する情報提供依頼には応じるべきでないとする立場で一致しています。
本テーマでは、警察法上の個人の権利及び自由の保護にプライバシー権が含まれるかが論点となりました。後藤委員は、4月17日の答弁が曖昧であったとして国家公安委員長に再確認を求めました。これに対しあかま二郎国家公安委員長は、プライバシーは警察法上の個人の権利及び自由に含まれると明言し、賛成の立場を示しました。
これについてでございますが、警察法第二条第二項に規定する個人の権利及び自由に含まれるものであるというふうに考えております。
衆法・インテリジェンス態勢整備推進法案は起立少数で否決されました。国家情報会議設置法案は起立多数で原案のとおり可決され、重要情報活動の解釈限定、個人情報保護の遵守、政治的中立性確保、国会への適時適切な説明、議事記録の公文書保存、局長人事の人物本位実施、将来法制検討時の国会監視等を求める附帯決議も起立多数で可決されました。木原官房長官は附帯決議の趣旨に十分配意する旨を答弁しました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。