本委員会は、2025年3月13日に参議院法務委員会において法務行政の基本方針に関する件として質疑が行われ、DV被害者保護・共同親権制度施行準備、選択的夫婦別姓・同性婚の法制化、袴田事件を契機とした検察の信頼回復・再審制度改革、難民審査・不法残留者対策を含む入管行政の体制強化、ヘイトスピーチ・部落差別対策など、幅広いテーマについて各委員から法務大臣及び政府参考人への質疑が集中的に行われました。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
仁比聡平議員は、DVの本質は「家庭内の権力格差を背景としてパートナーを支配する人間関係の構造そのもの」であり、「暴力はその手段にすぎない」と述べ、DVを個人の尊厳を害する支配・人権侵害として位置付けるべきと主張しました。内閣府の原典久政府参考人は、「配偶者からの暴力が重大な人権侵害であること」、「精神的な暴力も暴力である」として広報啓発に取り組むと答弁しました。法務省の竹内努民事局長は、父母間に「力の差を背景として一方的に他方を支配するような関係が認められる場合」には共同親権の行使が困難と認められると答弁しました。鈴木馨祐法務大臣は、「配偶者からの暴力・殺人は個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害」と明言しました。DV被害者には被害の自覚を欠く場合があることも勘案した対応が必要との認識が示されました。
私は、支援に当たってきた様々な専門家の皆さんのお話からしても、家庭内の権力格差を背景としてパートナーを支配する人間関係の構造そのものがDVであって、暴力はその手段にすぎないと思います。
配偶者からの暴力、ましてや殺人は、個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であり、決して許すことのできるものではございません。
配偶者からの暴力が重大な人権侵害であることや、殴る、蹴るなどの身体的暴力だけでなく、心を傷つける精神的な暴力も暴力であること等についてホームページやSNS等を通じた更なる広報啓発に取り組むとともに、被害者がためらうことなく相談することができるよう、配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口について一層の周知を図っているところでございます。
委員御指摘のような、父母間に様々な力の差を背景として一方的に他方を支配するような関係が認められる場合には、父母が共同して親権を行うことが困難であると言えるものと考えられます。
DVの本質理解と支配・人権侵害としての認識
仁比聡平議員は、過去のDV・ストーカー相談後に殺害に至った事件の教訓を踏まえ、警察がDV相談を真摯に受け止め被害者の安全確保を最優先にすべきと強調しました。警察庁の大濱健志政府参考人は、「被害者の安全確保を最優先に、認知の段階から組織的に対処するための体制を直ちに確立」し、関係機関と連携した保護措置を講じていると答弁しました。また、被害者が被害届提出をためらう場合には、事案の特徴や警察の取り得る措置を丁寧に説明して意思決定を支援していると説明しました。警察庁通達「警察に来られたあなたへ」の内容として、暴力が再開される可能性や生命・身体を守ることを第一に考える必要性が示されており、こうした観点で相談に対応する姿勢が確認されました。
仁比聡平議員は、2025年1月にハンガリーで元夫のDVに苦しんできた邦人女性が殺害された事件を取り上げ、ハンガリー警察がDV相談を「ばかげている」として門前払いしたことは「国際人権基準に照らして重大な人権侵害」であると指摘しました。在外公館の対応についても、被害女性が大使館に繰り返し助けを求めていたとする友人からの手紙を引用し、「相談の具体性がなかった」とする政府答弁に強く異議を唱えました。岩本桂一領事局長は、小野駐ハンガリー大使がハンガリー警察当局・副首相に真相解明と再発防止を申し入れたこと、DV状況に応じた旅券・帰国渡航書の発行体制が整っており各在外公館に周知していくと答弁しました。藤井比早之外務副大臣は、配偶者からの暴力・殺人を「個人の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害」とした上で、DV撲滅決議の共同提案国として国際社会と連携してDV根絶に取り組むと表明しました。鈴木馨祐法務大臣は、事件を「極めて痛ましい」と受け止め、DV被害者保護を「極めて重要な課題」と認識すると述べました。
打越さく良議員は、ヘイトスピーチ解消法施行から約9年が経過するにもかかわらず、外国籍住民を対象にした実態調査が2016年以降行われていないと指摘し、ネットヘイト・ヘイトクライムを含む実態調査を国が主体となって実施すべきと強く求めました。また、災害時の差別デマへの即時対応、ヘイトスピーチに関するガイドライン作成、法務省ウェブサイトへの国際人権基準や判例等の掲載も要請しました。法務省の杉浦直紀政府参考人は、内閣府世論調査や地方公共団体との情報交換等を通じて実態把握に努めているが、外国籍住民を対象とした直接調査は明言しませんでした。鈴木馨祐法務大臣は、災害時等の差別デマを「極めて深刻な問題」と認識し、法務大臣として注意喚起に取り組むと表明しました。部落差別に関連して、特定地域を同和地区と指摘するネット上の情報は「人権侵害のおそれが高い違法なもの」として原則削除すべきとし、削除要請を継続すると述べました。
川合孝典議員は、不法残留者数が令和3年の約6万7千人から令和5年の約7万9千人へと増加していることを指摘し、増加原因の分析と対策強化を求めました。鈴木馨祐法務大臣は、増加要因として新型コロナ水際措置緩和後の入国者増加と特例措置終了後の在留期間更新不許可事案の増加を挙げ、改正入管法の運用による送還促進で削減に全力で取り組む意向を示しました。川合議員は、今後の外国人受入れ拡大に伴い不法在留者の増加がパラレルに起こる常態化を懸念し、外国人受入れ拡大との両立の重要性を訴えました。
外国人の入国が増えると不法在留者も増えていくということがパラレルに起こってしまうということが常態化してしまいますと、せっかくいわゆる人手不足対策も含めて外国人を労働者と認めた上で受け入れるという枠組みをつくったにもかかわらず、将来的に欧米のような社会の分断につながるような議論にもつながりかねないということでありますので、今とても大切な時期だと思っておりますので、このお取組、是非進めていただきたいと思います。
入管庁といたしましては、不法残留者の削減に向けた取組、これを進めていく上で、まずは厳格な入国審査によって不法残留者の発生の防止に努めるということ、そしてその上で摘発をしっかりと強化をしていく、さらには出頭申告しやすい環境整備にも努めておりまして、これらが、この半年ということでありますけれども、不法残留者の数の減少につながったと考えております。
福島みずほ議員は、無罪推定原則から「身体拘束されないことが原則」であるべきとした上で、罪を認めなければ長期拘束され冤罪の温床となる「人質司法」の実態を強く批判しました。ドイツの統計(刑法犯全体の勾留率3%、罪証隠滅勾留0.2%)と比較して、日本の運用が著しく乖離していると指摘し、「罪証隠滅のおそれを抽象的に解していることが極めて問題」と述べました。大川原化工機事件で癌の被告人が8回保釈を却下されたまま死亡した例を挙げ、「捜査機関による人質司法の利用と裁判所による人質司法の追認、これ変えなければ駄目」と訴えました。法務省の森本宏政府参考人は、現行の逮捕・勾留要件の運用は適切に行われているとの立場を示し、ドイツ式の解釈を採用していないと答弁しました。最高裁判所事務当局は個別事件の判断について所感を述べる立場にないとして答弁を差し控えました。
捜査機関による人質司法の利用と裁判所による人質司法の追認、これ変えなければ駄目ですよ。
福島みずほ議員は、狭山事件の石川一雄氏が再審請求中に86歳で死亡したこと、袴田事件を引き合いに出しながら、再審法における証拠開示規定の欠如や検察官不服申立て禁止規定の不存在を問題視し、「再審法を一刻も早く今国会で成立させるべき」と強く主張しました。超党派議員連盟による立法化の動きにも言及し、法務省に協力を強く求めました。鈴木馨祐法務大臣は、法制審議会に諮問済みであり「できる限り早期に答申をいただけるように期待している」と述べたにとどまり、今国会での成立については言及しませんでした。
古庄玄知議員は、弁護士法23条の2に基づく弁護士会照会制度について、銀行が「現在残高しか回答しない」ため、差押え前に預金を引き出されると無意味になると指摘しました。銀行側がプライバシー侵害による損害賠償リスクを理由に過去の取引履歴の提供を拒否している現状を問題視し、「立法化するか何かして役に立つような法条文に変えてほしい」と求めました。法務省の松井信憲司法法制部長は、照会に対する報告義務・拒絶事由の判断は個別事案ごとの比較考量によるものであるとした上で、「一般的な規律を設けることについては慎重な検討を要する」として消極的な姿勢を示しました。
古庄玄知議員は、刑事訴訟法351条から「検察官」を削除し、検察官の上訴権を廃止すべきと主張しました。理由として、起訴段階で十分な捜査が行われているべきこと、国には時間・能力・人材があるが被告人(一般市民)にはないという力の非対称性を挙げました。法務省の森本宏政府参考人は、過去の法制審議会での議論を紹介し、検察官上訴廃止に反対意見(第一審の誤った事実認定をそのまま確定させることへの批判等)があったことを説明しました。この問題点の存在を踏まえ、現在まで法整備に至っていないとしました。
最後になりましたが、刑事訴訟法の三百五十一条、「検察官又は被告人は、上訴をすることができる。」というふうに書いております。この条文から検察官を削ったらいかがでしょうか。
古庄玄知議員は、大分県で発生した時速194キロでの事故事件を例に、「制御することが困難な高速度」という危険運転致死傷罪の条文が曖昧であるために、検察官・被告人・遺族・弁護人・裁判官の全関係者が困っていると指摘しました。条文の曖昧さが刑罰法規の明確性原則に照らして問題であると訴え、数値基準の導入による明確化を求めました。鈴木馨祐法務大臣は、「飲酒類型・高速度類型について構成要件を明確化するための数値基準を規定すること」を法制審議会に諮問済みであり、「できる限り早期に答申をいただけるように期待している」と答弁し、数値基準導入の方向性を示しました。
嘉田由紀子議員は、特に離婚統計についてタイムリーなデータが必要であると問題提起し、現場の動きをリアルタイムで把握するための司法統計の公開頻度の向上を求めました。最高裁判所の小野寺真也長官代理者は、司法統計年報は毎年12月31日を基準日として一定の作業期間を要する旨を説明し、「可能な限り速やかに公表できるよう迅速な事務に心掛けてまいりたい」と述べましたが、具体的な頻度の向上については言及しませんでした。
打越さく良議員・福島みずほ議員は、高裁レベルで4件の違憲判断が相次いでいることを挙げ、「あとは立法だけ」という状況であるとして、同性婚を法制化すべきと強く主張しました。打越議員は、多くの世論調査で国民の過半数が賛成し、自民党支持層でも60.3%が賛成していること(産経・FNN調査)を示し、「立憲主義に則した政治」を求めました。福島議員は、高裁の違憲決定が続く中、同性婚を認めるべきだと主張しました。鈴木馨祐法務大臣は、名古屋高裁判決(3月7日)を認識しつつも、「確定前の判決であること」「国民一人一人の家族観と密接に関わる」として、法制化の判断を留保し「国民・国会での議論の状況と訴訟の状況を注視する」と述べるにとどまりました。
川合孝典議員は、在留審査件数が令和6年に約229万件(前年比約13%増)となり、在留資格認定・変更の標準処理期間超過案件数も増加傾向にあることを確認しました。「審査件数の増加と審査期間の長期化は人員体制が不十分な証左」として、入国者数や審査期間等の客観的指標に基づく定員の定期的見直しの仕組みを求めました。矢倉克夫議員も、入管職員の増員が今後も必要と要望として述べました。鈴木馨祐法務大臣は、現状の体制が「十分ではない」と認め、「客観的な指標も十分に考慮しながら適切な体制整備ができるよう最善を尽くしたい」と表明しました。
今後も明確に外国人の受入れ審査が増加をするということを考えたときに、件数の増加率ですとか審査期間を指標にした形での、いわゆる適正な入管職員の定員の定期的な数値に基づく見直しといったような考え方をきちんと仕組みとして導入していくべきなのではないのかと私は思うんですけど、この点についての大臣の御見解をお伺いします。
要望として、改めて、大臣、この入管に関する職員の増加ということは今後も引き続き強く働きかけをしていきたいというふうに思います。
私どもとしては、人員も含めた入管庁の体制整備、これを図ることは極めて重要でありますし、やはりこの長期化というのは誰しも望んでいない話でありますから、どういう指標を使うか、これはいろんな議論があると思いますけれども、その客観的な指標というものも十分に考慮に入れながら、適切な体制整備ができるよう、私としても最善を尽くしてまいりたいと思っております。
矢倉克夫議員は、外国人コミュニティーと地域住民の間でごみ出しや騒音等の問題が生じているとして、法的ルールのみならず地域で共生するための相互理解・ルール遵守の促進が重要であり、法務省にとどまらない全省的取組が必要と訴えました。鈴木馨祐法務大臣は、「日本は自由で開かれた社会であるべき」との考えを示しつつ、外国人との共生のためにルールを守らない者への厳格な対応と、ガイドブックや動画等を通じた共生推進のための情報提供を関係省庁と連携して進める意向を示しました。
福島みずほ議員は、外務省が2025年1月29日に女性差別撤廃委員会(CEDAW)への任意拠出金停止と訪日プログラム中止を宣言したことを取り上げ、政務三役が事前に知らなかった重要決定のプロセスを問題視しました。さらに、日本は2005年以降そもそもCEDAWへの拠出を行っていなかったと指摘し、この宣言が「日本はジェンダー平等を考えていない」という誤ったメッセージを国内外に発しているとして、「撤回すべき」と強く批判しました。生稲晃子外務大臣政務官は、政府として総合的に判断していくと述べるにとどまり、撤回の意思は示しませんでした。
撤回すべきです。間違ったメッセージを出す、日本がジェンダー平等指数百十八位であって、さらに後ろ向きのメッセージを出して、条約の履行について極めて後ろ向きだというメッセージを国内外に発して、問題です。
嘉田由紀子議員は、改正家族法の施行を前に家裁調査官5名の増員が予算要求されていることを確認しつつ、「裁判所の意識改革も必要」と問題提起しました。子供に会えない別居親の事例として、調停委員から「なぜお子さんに会いたいのですか」と問われたり、「奥さんに土下座してお願いしたら」と言われたりした事例を紹介し、家裁における意識の問題を指摘しました。具体的な家裁調査官の定員増や業務負担軽減策の詳細については、テーマ18「家庭裁判所調査官の増員と改正家族法対応」において別途議論されました。
是非裁判所の皆様がそこで子供に会えない親の気持ちに寄り添って、そしてようやく、面会交流ではなく、今回の法案改正では親子交流と、本来の親子の親密な、愛情豊かな交流をもっともっと増やそうということを法案に入れていただいているんですから、ここは確実に裁判所の皆さんの意識の変化を、本来、親子は離れてはいけないんだと。
嘉田由紀子議員が令和7年度予算における家庭裁判所調査官5名の増員の内容を確認しました。最高裁判所の小野寺真也長官代理者は、改正家族法の施行に向けた的確な調査実施と家庭裁判所の紛争解決能力向上のため、家裁調査官5名の増員を要求していると説明し、その必要性を述べました。嘉田議員はこの増員の内容を肯定的に受け止めつつ、単なる増員にとどまらず裁判所の意識改革も必要と強調しました。
嘉田由紀子議員は、出生数が最新統計で72万人台にまで落ち込んでいることを示した上で、「男性の家事・育児参画なしに出生率は上がらない」と断言しました。育児・介護休業法の名称を「育児・介護参画法」に変えるべきと過去にも主張してきたと述べ、公務の場から男性の育児参画を推進すべきと訴えました。また、脳科学者・明和政子氏の知見として、子育てが前頭葉を発達させ人材育成につながるという点も紹介し、組織長が若い父親の育児参画をサポートすべきと主張しました。政府側の具体的な答弁はなく、コメントとしての意見表明にとどまりました。
この間もある官僚の方と、家で子供を面倒見たと、霞が関では夜中の二時に呼出しはないけど、子供は夜中の二時に呼び出す、だから子育ての方がよっぽど大変だということを言っておられます。でも、そこをきちんと参画してもらわないとこの出生率上がりませんので。
川合孝典議員は、技能実習生の失踪を使嗾する悪質ブローカーや、失踪者であることを知りながら雇用する雇用主への摘発強化を求めました。法務省の杉山徳明政府参考人は、失踪事案発生時に外国人技能実習機構による臨時実地検査を速やかに実施すること、送り出し国に対し悪質なブローカーの排除を求めること、在留カード番号等を活用した不法就労等の摘発強化を行っていると答弁し、引き続き対策を徹底すると述べました。令和5年の失踪技能実習生は9,753人(前年比747人増)であり、国別ではミャンマーが1,158人増の1,765人となっている状況も報告されました。
この自己責任に係る部分の中に、失踪することをいわゆる使嗾するような悪質なブローカーですとか、失踪者であることを知っていながら雇う雇用主、こういった者の存在も指摘をされておりますけれども、そうした案件に対する具体的な摘発の状況も含めて、対応状況、分かったら教えていただきたいと思います。
嘉田由紀子議員は、大津市で保護司が相談中に殺害された事件を挙げ、保護司の安全確保と制度の存続・拡大を強く求めました。特に若い保護司の確保が難しくなっている現状を指摘し、制度の社会的認知向上とマスコミ等での発信強化を要請しました。鈴木馨祐法務大臣は、保護司の安全確保を「喫緊の課題」とし、持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会報告書(令和6年10月取りまとめ)に基づく78の取組を進めると表明しました。令和7年度予算において、保護観察官の増員、更生保護サポートセンターの運営経費拡充、サテライト型センターの設置、自宅以外の面接場所の確保等の経費を計上していることも説明されました。
川合孝典議員は、登録日本語教師制度の国家資格化後も、非常勤日本語教師が「こま給」方式で実質的な時給が1,500円以下、場合によっては1,000円を切る可能性があるなど、処遇が「昭和の業界」と言われるほど劣悪であると問題提起しました。文部科学省の平野誠政府参考人は、令和2年度の調査として法務省告示校の非常勤教師の時給が2,000円~3,000円未満が最多の59.5%であると説明しましたが、国家資格制度創設後の調査は行われていないと事実上認めました。川合議員は、外国人との共生推進のためには質の高い日本語教育が不可欠であるとして、優秀な人材を確保できる処遇改善の検討を強く求めました。
現状、御高齢の方や引退された方々のボランタリーな仕事としてこれやっておりますけど、それではもたない状態が近々来るということ、このことを御指摘をさせていただきまして、時間が参りましたので、私の質問終わります。
仁比聡平議員は、ハンガリーの事件における被害女性が元夫に子供たちのパスポートを取り上げられていたことを取り上げ、「パスポートを取り上げることは行動制限であって異常なDVではないか」と強く問題意識を示し、DV状況にある被害者への旅券発行の在り方と在外公館の対応改善を求めました。岩本桂一領事局長は、未成年者の旅券は原則として共同親権を持つ両親の同意を求めているが、DV等の状況があれば旅券や帰国のための渡航書を各事情に応じて発行できる体制が整っており、「各在外公館にしっかりと周知しつつ間違いのない対応をしていきたい」と答弁しました。
鈴木宗男議員は、袴田事件に関する検事総長談話(2024年10月8日)が「本判決が五点の衣類を捜査機関の捏造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません」という表現を含み、「判決に逆らう内容で一片のおわびもない」として強く批判しました。抗告できないほど証拠を出せなかったにもかかわらずこのような表現をすることは不当であり、「断じて受け入れることはできない」と述べました。鈴木馨祐法務大臣は、談話は検事総長の判断によるものとしつつ、「検察への信頼が揺らいでいることは否定できない」として、今後の信頼回復に努めると述べるにとどまりました。
鈴木宗男議員は、袴田事件のほか、大川原化工機事件・プレサンス事件など国家賠償訴訟が多発しているにもかかわらず「誰も責任を取っていない」と批判し、「検察の理念」の実践と組織的な改革を強く求めました。また、袴田事件検証報告書が御用納めの時期(12月26日)に公表されたことを「逃げの姿勢」と批判しました。鈴木馨祐法務大臣は、「検察への信頼が揺らいでいるのは事実」と認め、「信頼を取り戻せるよう努力していきたい」と表明しました。また、大臣所信に検察改革や冤罪問題への反省が盛り込まれなかった点について「至らなかったところがあった」と述べました。
川合孝典議員は、2025年3月11日に閣議決定された特定技能外国人の訪問系介護サービスへの従事解禁について、訪問介護業界では既に過去最多の廃業(2024年で612件、うち訪問介護448件)が生じており、有効求人倍率が14.14倍という深刻な人手不足の根本原因が低賃金・重労働であることを指摘しました。この状況に外国人を従事させることは「新たな低賃金労働等の温床になる」と懸念を示しました。鈴木馨祐法務大臣は、閣議決定済みの制度として、「ハラスメント防止や相談体制の構築など外国人介護人材の権利保護が極めて大事」と述べ、関係省庁と連携して適切な取組を進めると答弁しました。
そうした非常に厳しい状況に置かれている訪問介護業種に対して、いわゆるコミュニケーション能力が十分とは言えないような外国人を従事させるということが新たないわゆる低賃金労働等の問題の温床になるのではないのかということをちょっと懸念しておるんですけど、この辺りのところについて大臣の御見解をお伺いします。
特定技能外国人を今御指摘のような訪問系サービスに従事させるに当たっては、基本的には利用者と一対一で業務を行うというその特性も踏まえますと、ハラスメントの防止であったり、あるいはその相談体制、こういったものをしっかり構築をしていく、これを、外国人介護人材についての権利保護、これをしっかりとやっていくような取組、これが極めて大事だと認識をしております。
嘉田由紀子議員は、小学校・中学校の体育館が避難所として機能しても「トイレ・キッチン・ベッドがない」という問題を指摘し、法務省所管の矯正施設がこれらの設備を有することから避難所としての活用を積極的に社会に発信すべきと求めました。鈴木馨祐法務大臣は、矯正施設の避難所としての利用を「極めて大事な貢献」と述べ、防災協定締結施設が2025年1月31日時点で119施設に上ること、熊本地震では熊本刑務所の武道場で最大約250名を受け入れた実績があることを説明し、地域との連携を進める意向を示しました。
福島みずほ議員は、袴田事件を踏まえ「一刻の猶予もなく再審法を今国会で成立させるべき」と主張しました。鈴木宗男議員は、袴田事件の検証報告書(2024年12月26日公表)に「一片のおわびもない」と批判し、検事総長談話が判決に反論していることの問題性を強く指摘しました。五十八年にわたる拘束の結果、袴田巌氏が現在も健常な状態ではないとして、大臣が袴田ひで子氏に直接「申し訳なかった」という意思を示すべきと強く求めました。鈴木馨祐法務大臣は、袴田氏に「極めて大変申し訳なく思っている」と述べ、「法的に不安定な状況に長時間させてしまったことについておわびをするものだ」と発言しました。一方、法務大臣としての具体的行動については「相談していきたい」にとどまりました。再審制度については法制審に諮問済みで早期答申を期待するとしました。
嘉田由紀子議員は、子供に会えない別居親の実例として、調停・審判での裁判官・調停委員による不適切な言動(「なぜお子さんに会いたいのですか」「奥さんに土下座してお願いしたら」「死んだらニュースになる」など)を多数紹介し、裁判所関係者の意識改革が必要と強く問題提起しました。今回の民法改正が「面会交流」から「親子交流」という用語を採用し、本来の愛情豊かな親子の交流を増やすことを趣旨としていることを強調し、「本来、親子は離れてはいけないんだという認識の変化を」と求めました。なお、本テーマについて政府側から具体的な答弁はなく、嘉田議員が問題提起と意見表明として発言しました。
是非裁判所の皆様がそこで子供に会えない親の気持ちに寄り添って、そしてようやく、面会交流ではなく、今回の法案改正では親子交流と、本来の親子の親密な、愛情豊かな交流をもっともっと増やそうということを法案に入れていただいているんですから、ここは確実に裁判所の皆さんの意識の変化を、本来、親子は離れてはいけないんだと。
打越さく良議員・福島みずほ議員・矢倉克夫議員がそれぞれ質疑を行いました。打越議員は法制審答申から29年が経過していることを指摘し「いいかげん先送りすべきでない」として閣法による提出を求めました。法務省ホームページで明治民法と現行民法の夫婦同氏をともに「(夫婦同氏制)」と記載していることについて、家制度廃止後の現行法を家制度の残滓と誤解させる記載だと改善を求めましたが、大臣は問題ないとの認識を示しました。内閣府の世論調査(2021年)では家族の一体感への影響がないとの回答が61.6%に上ることも確認されました。福島議員は事実婚の自らの経験を述べ、閣法での提出を求めるとともに議員立法での今国会成立も主張しました。矢倉議員は法制審案を参考に戸籍制度との両立が可能であることを確認し、党内議論を深めて選択肢が広がるよう合意形成を図ると述べました。鈴木馨祐法務大臣は「困っている方がいることは十分承知している」としつつも「様々な議論があり国民・国会での議論を深めていただきたい」として、閣法提出の判断を留保しました。
もう二十九年も前にそのことは決着済みなんですね。
もうみんな本当に困っているんです。アイデンティティーの問題、人権の問題でもあるけれど、困っている。だから、経団連も同友会も、経済界は選択的夫婦別姓導入すべきだって言っているんですよ。大臣、いかがですか。
結論としては選択肢がしっかり広がるような社会、これ全ての党派を超えた合意が形成できるような合意形成を図るためにも頑張りたいというふうに思います。
やはり現実的にお困りの方がいらっしゃる状況、これ十分に私どもとしても承知をしております。同時に、一方で、逆の立場から様々な議論があることもまた事実でありまして、まさに我々としては、こうした様々な分かれた議論がある状況でありますから、国民の間で広く、そしてこの国会においてなるべくその議論をしっかりと深めていただきたい、そういった立場でおります。
打越さく良議員は、「鳥取ループ」と称される人物による部落差別案件が、全国部落調査復刻版の差止めや「部落探訪」の削除にもかかわらず「曲輪クエスト」として形を変えて特定地域の町並みや表札・墓地などの画像を配信し続けているとして、法務省の具体的な対応を求めました。新潟県の花角知事が法務局に要請し、新潟地方法務局が本省に伝えているとの経緯も示しました。鈴木馨祐法務大臣は、特定の地域を同和地区・部落と指摘するネット上の情報は「人権侵害のおそれが高い違法なもの」として「原則として削除されるべきもの」との認識を示し、プロバイダー等への削除要請を継続していくと表明しました。
内閣府の原典久政府参考人が、DV被害者への支援に関連して、「配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口について一層の周知を図っている」と答弁しました。DVの特性として被害が潜在化しやすく被害者自身が被害を認識しないまま相談に至らないことも多いとの指摘があり、被害者がためらうことなく相談できるよう相談窓口の周知強化に取り組むとの立場が示されました。
被害者がためらうことなく相談することができるよう、配偶者暴力相談支援センター等の相談窓口について一層の周知を図っているところでございます。
嘉田由紀子議員は、離婚後の共同親権制度に関するパンフレットが滋賀県や明石市など自治体の子育て担当者にほとんど届いていないと指摘し、法曹関係者だけでなく市区町村の行政担当者への積極的な働きかけを求めました。鈴木馨祐法務大臣は、ホームページでの周知、動画・ポスターの作成、各所への講師派遣、関係府省庁等連絡会議の開催等の広報活動を行っており、パンフレットは都道府県・市区町村等に配布済みと認識しているが、届いていない箇所があれば調べると述べました。
仁比聡平議員は、改正民法によりDV被害者が共同親権制度下で適切に保護されるよう、法の趣旨の徹底した周知を求めました。鈴木馨祐法務大臣は、「DV被害を受けるおそれがある場合には必ず父母の一方を親権者と定めなければならない」こと、「DV等からの避難が必要な場合に子を連れて別居することに何ら支障を生じさせない」ことを改正法の趣旨として説明しました。法務省の竹内努民事局長は、父母間に「力の差を背景として一方的に他方を支配するような関係が認められる場合」には共同親権行使が困難と認められ、DV被害者の立証責任は問われないとの解釈を示しました。厚生労働省の岡本利久政府参考人は、「急迫の事情」はDVの直後のみに限られず、DV被害と判断した場合にはためらうことなく支援を行うべきとの考えを示し、女性相談支援センター等への周知・研修を進めると答弁しました。
そこで、法務大臣が今回のこのハンガリーの事件をどのように受け止められていて、どのようにDV被害を防いでいくとおっしゃるのか、まず基本的な御認識をお尋ねしたいと思います。
女性相談支援センターにおきましては、DV被害者の立場に立って御相談に応じ、その内容に基づきDVから保護することが必要であると判断した場合には、子の利益のため急迫の事情があるときに該当するものとして、ためらうことなく必要な支援を行うべきものと考えております。
改正法においては、DV被害を受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を、共同して親権を行うことが困難であると認められるときには必ず父母の一方を親権者と定めなければならないとされております。
矢倉克夫議員は、難民申請数が2010年の約1,200件から2023年の約13,800件へと約11倍に増加している一方、一次審査の審査期間が2015年の7.3か月から2024年には26.6か月に長期化していることを問題視しました。審査を効率化するためには申請の区分精度の向上と出身国情報の充実が重要であるとし、本来難民として受け入れるべき人を迅速に保護するための改善策として要求しました。
やはりまずは人数を増やす。また、申請数そのものを何とか絞るということもあるかもしれませんが、やはり申請に対しての審査を効率化、合理化もしていくというようなことも重要であると思います。
矢倉克夫議員は、難民申請をA(難民の可能性が高い)・B(明らかに該当しない)・C(再申請)・D(その他)に区分している現行制度において、B案件の割合が平成30年の17.4%から令和5年には0.8%へと急減していることを指摘し、申請の区分精度をさらに向上させる必要があると強調しました。そのためには出身国情報(COI)の精度向上が不可欠と訴えました。法務省の杉山徳明政府参考人は、外務省・UNHCR等と連携した情報収集、諸外国当局との情報交換等を通じて出身国情報の一層の充実を図ること、令和6年度予算で課長補佐級ポスト2つの増設と専従職員7名の増員を行ったことを説明し、今後も体制整備と情報充実を図ると答弁しました。
古庄玄知議員は、母子家庭の約70%が養育費を受け取っていない実態を示した上で、養育費不払いに対する罰則の付与と、調停などにおいて相手方が定期的に勤務先を裁判所に報告するシステムの導入を提案しました。法務省の竹内努民事局長は、令和6年民法改正により養育費債権への先取特権付与や法定養育費制度の新設等が行われたことを説明しました。一方、養育費不払いへの刑罰導入については「民事上の債務不履行それ自体に対して刑罰を科している例はない」として「慎重に検討すべき」との姿勢を示し、まずは改正法施行後の状況を注視したいとして、中立的な立場から直ちには賛同しませんでした。
私、前にもこの法務委員会で質問したんですが、一番いいのは、不払を罰則を付けるというのがその効果として一番いいんじゃないかと思って以前もそういう提案をしたんですが、それは民事の問題であるから、何とかという当時の大臣が、だから無理だという返事だったんですけど、民事でも罰則付けりゃ刑事になるわけだから、そういう形式的な答えじゃなくて、本当に罰則を付けて支払をある程度強制力を持たせると、そういうふうな考えに立ってもいいんじゃないかというふうに思います。
一般に、民事上の債務の不履行それ自体に対して刑罰を科している例はございませんで、そのような制度の導入については慎重に検討すべきであると認識をしております。
各テーマについて委員から具体的な問題提起と制度改善の要求がなされましたが、選択的夫婦別姓・同性婚・再審法の今国会成立については、鈴木馨祐法務大臣が引き続き国民・国会での議論や法制審の答申を待つとして判断を留保しました。袴田事件をめぐっては、鈴木宗男議員の強い求めに対し大臣が「大変申し訳なく思っている」とおわびの意を示す場面もあり、検察の信頼回復と適正化が改めて重要課題として浮き彫りになりました。DV被害者保護や入管体制の整備については関係省庁が連携して取り組む姿勢が示されたものの、具体的な立法や予算措置の見通しについては明確な結論に至らない議論が多く残りました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
各テーマについて委員から具体的な問題提起と制度改善の要求がなされましたが、選択的夫婦別姓・同性婚・再審法の今国会成立については、鈴木馨祐法務大臣が引き続き国民・国会での議論や法制審の答申を待つとして判断を留保しました。袴田事件をめぐっては、鈴木宗男議員の強い求めに対し大臣が「大変申し訳なく思っている」とおわびの意を示す場面もあり、検察の信頼回復と適正化が改めて重要課題として浮き彫りになりました。DV被害者保護や入管体制の整備については関係省庁が連携して取り組む姿勢が示されたものの、具体的な立法や予算措置の見通しについては明確な結論に至らない議論が多く残りました。
○古庄玄知君 皆さん、おはようございます。古庄です。 まず、大臣にお伺いしたいと思います。 我々、国会が立法の府というふうに言われておりまして、法律を作るというそういう立場にあるんですけれども、一般的に、その法律の条文というのが判断する人間によって右に行ったり左に行ったり、そういうぶれるようなことがないように、なるべくその条文は明確に、かつ解釈で分かれることが余りないように作るべきであると...
○国務大臣(鈴木馨祐君) 今先生御指摘の点でありますけれども、一般的に刑罰法規における明確性の原則ということであろうかと思います。この明確性の原則ということで申し上げれば、刑罰法規、これは明確でなければならないというものとして、憲法第三十一条が保障する罪刑法定主義、この内容を成すものと理解されているものと承知をしております。 明確性の原則、この趣旨ということでありますが、仮に罰則の内容が不明確...
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約74,370文字) |
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